Sun Enterprise 6x00、5x00、4x00、3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル

用語の定義

接続点

接続点 - ボードおよびそのカードケージスロットを集合的に表す用語

DR は、スロット、ボード、接続点の状態を表示できます。DR の目的からすれば、ボードには、そのボードが接続されている装置も含まれますから、DR では、「占有装置」という用語で、ボードとその接続装置の両方を表します。

切り離し可能性

ボードに起動ドライブなどの重要な資源が接続されている場合、そのボードを切り離すことはできません。同様に、システムに CPU ボードが 1 枚しかない場合、その CPU ボードを切り離すことはできません。

装置が切り離し可能であるには、以下の条件が満たされている必要があります。

入出力ボードへの代替パスがない場合は、以下の対処方法があります。

状態と条件

状態 - 受容体 (スロット) または占有装置 (ボード) の操作状態

条件 - 接続点 (受容体と占有装置両方) の操作状態

cfgadm プログラムは、状態および条件として 10 通りの状態を表示することができます。表 2-1 を参照してください。


注 -

このマニュアルで説明している、受容体に対する作業を行うには、受容体の 3 つある状態が、emptydisconnectedconnected の順に変化するか、あるいはその逆の connecteddisconnectedempty の順に変化する必要があります。


接続と構成

DR の主要な操作には、次の 4 つがあります。

接続 - スロットがボードに電力を供給し、ボードの温度の監視を開始します。

構成 - オペレーティングシステムがボードに機能的な役割を割り当て、ボードおよびそのボードに接続されている装置用のデバイスドライバを読み込みます。

構成解除 - システムがオペレーティングシステムからボードを論理的に切り離し、関係するデバイスドライバをオフラインにします。環境の監視は続けられますが、システムがボード上の装置を使用することはできなくなります。

切り離し - システムがボードの監視とスロットへの電力の供給を停止します。

システムボードが使用中の場合は、電源を切って取り外す前に、使用を終了して構成解除してください。新しいまたはアップグレードしたシステムボードを取り付けて、電源を入れたら、接続点に接続し、オペレーティングシステムが使用できるように構成します。

cfgadm は、1 つのコマンドで接続と構成 (または構成解除と切り離し) を行うことができますが、必要に応じて、それぞれの操作 (接続、構成、構成解除、切り離し) を別々に行うこともできます。

ホットプラグハードウェア

ホットプラグ - ホットプラグボードあるいはモジュールには、データピンが接触する前に電力の供給を受けることができる特殊なコネクタがあります。システムの動作中に、ホットプラグコネクタのないボードや装置を取り付けたり取り外したりすることはできません。

Sun Enterprise x000 および x500 システムで使用されている入出力ボードと CPU/ メモリーボードはホットプラグ対応の装置です。クロックボードや周辺装置用 AC 電源 (PPS) などはホットプラグモジュールではありません。システムの動作中に、これらの装置を取り外すことはできません。

休止

休止 - ページング不可能な Open Boot PROM (OBP) またはカーネルメモリーを搭載したシステムボードに対するの DR 構成解除または切り離し操作中、オペレーティングシステムは短時間の間一時停止します。この状態は、オペレーティングシステムの休止と呼ばれ、これらの DR 操作の重大な局面では、バックプレーンに対するすべてのオペレーティングシステムおよび装置の動作が数秒間停止する必要があります。

休止できるようになるためには、オペレーティングシステムは、すべての処理、プロセッサ、装置の動作を一時停止する必要があります。休止できなかった場合、オペレーティングシステムは、以下のような理由を表示します。

一般的に、処理の中断の失敗を引き起こす条件は一時的なものです。中断の失敗の理由を調べてください。処理の中断が失敗した原因が過渡的な条件の場合は、操作をやり直すことができます。

一時停止に対して安全な装置と一時停止に対して危険な装置

一時停止に対して安全 - 一時停止に対して安全な装置とは、オペレーティングシステムが休止しているときにメモリーアクセスや割り込みを行わない装置です。ドライバがオペレーティングシステムの休止に対応している場合、そのドライバは一時停止に対して安全です (保存停止・復元再開)。このことはまた、一時停止要求が行われたとき、そのドライバが管理する装置が開いていても、要求が正常に完了するまで、装置によるメモリーへのアクセスが行われないことを保証します。

一時停止に対して危険 - 一時停止に対して危険な装置とは、オペレーティングシステムの休止中にメモリーアクセスやシステム割り込みを許可する装置です。

一時停止に対して安全なドライバは、以下の機能を提供します。

一時停止に対して危険な装置が開いている場合、オペレーティングシステムは休止要求を拒否します。そのような装置を手動で一時停止するには、その装置を使用している処理を終了するか、他のユーザーにその装置にアクセスしないよう依頼するか、ケーブルを取り外すことによって、装置を閉じる必要があります。たとえば、非同期の入力を許容する装置を開いている場合は、オペレーティングシステムを休止する前にその装置のケーブルを取り外しておき、オペレーティングシステムが再開したら、接続しなおします。この処置によって、装置に対するトラフィックがなくなり、装置がバックプレーンにアクセスする理由がなくなります。

一時停止に対して安全なドライバの確認

quiesce-test オプションは、一時停止が可能なドライバを調べます。


# cfgadm -x quiesce-test コントローラ番号:スロット番号

テープ装置

テープ装置は、逐次的に処理を行うため、安全に動作を一時停止し、再開することはできません。つまり、すべてのテープドライバは一時停止に対して危険です。オペレーティングシステムを休止させる DR 操作を行う際は、すべてのテープ装置が閉じているか、使われていないことを確認してください。