共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

第 6 章 アプリケーション設計の原理

アプリケーションは、コンポーネントを論理的に、作業に基づいて整理された形でユーザに提示しなければなりません。ユーザがどのデスクトップでも同じ規則と操作を利用できるようえに、メニューは共通の構成と命名規則に従わなければなりません。この章では、共通デスクトップ環境のアプリケーションの設計とメニュー構造の要件について説明します。

コンポーネントの配置のガイドライン

アプリケーション内のコントロールの物理的な構成を設計するときは、デスクトップ内で一貫性のあるインタフェースがユーザに提示されるように、次のガイドラインを使用する必要があります。

メイン・ウィンドウの配置

必須 

6-1: 

アプリケーションは、少なくとも 1 つのメイン・ウィンドウで構成されていなければならない。− 209 ページ

メイン・ウィンドウには、クライアント領域と、オプションでメニュー・バー、コマンド領域、メッセージ領域、およびスクロール・バーがあります。クライアント領域には、アプリケーションのフレームワークがあります。メイン・ウィンドウを使用することにより、アプリケーション間での一貫性が保証されます。 

必須 

bd: 

アプリケーションのメイン・ウィンドウのデフォルト・サイズは、典型的なデータの量を扱えるだけの大きさでなければならないが、他のアプリケーションとの視覚的な衝突を最小限に抑えるために、物理的ディスプレイ・サイズ全体を占有してはならない。− 209 ページ

必須 

6-2: 

アプリケーションが、同じ主機能を備える複数のメイン・ウィンドウを持っている場合は、各ウィンドウが独立に閉じたりアイコン化される。− 210 ページ

たとえば、テキスト・エディタでは、複数のドキュメントを、それぞれ独立したメイン・ウィンドウ内で編集できます。この場合、各ウィンドウは独立したアプリケーションとして扱われ、使用されていないときは閉じたりアイコン化したりできます。 

必須 

6-3: 

アプリケーションが、異なる主機能を備える複数のメイン・ウィンドウを持っている場合は、各ウィンドウが他のウィンドウとは独立にアイコン化できなければならない。− 210 ページ

たとえば、デバッガは、ソースコードの編集、データ値の確認、および結果の表示のために別のメイン・ウィンドウを用意していることがあります。各ウィンドウは、使用していないときはアイコン化できますが、各ウィンドウが別々に閉じられるのか、1 つのウィンドウを閉じるとアプリケーション全体が閉じられるのかは、アプリケーションによって異なります。 

必須 

be: 

サイズ変更コーナーは、スクロールするデータ区画やリストを含んでいるすべてのメイン・ウィンドウに組み込まれていなければならない。− 209 ページ

ウィンドウの全体的なサイズを変更したら、それに応じて、スクロール可能な部分のサイズも増減しなくてはなりません。さらに、アプリケーションは空間の増減に基づいて、ウィンドウ内の要素の配置を再構成することもできます (たとえば 1 行のボタンを 2 行に再構成します)。 

メニュー・バーの配置


注 -

これらの要件は、英語ロケールの、左から右に書かれる言語環境にのみ適用されます。他のロケールについては、修正を加える必要があります。


必須 

6-4: 

アプリケーションがメニュー・バーを持つ場合、メニュー・バーは、アプリケーションの上方、ウィンドウ枠のタイトル領域のすぐ下に置かれる。メニュー・バーは、アプリケーションで最もよく使われる機能をまとめたものである。メニュー・バーは階層式ボタンの形で、メニュー・トピックのリストを含んでいる。各ボタンは、機能によってグループ化されたコマンドを格納する独立したプルダウン・メニューに関連付けられている。メニュー・バーを使用することにより、アプリケーション間の一貫性が保たれる。− 211 ページ

メニュー・バーは、アプリケーションの最もよく使われる機能をまとめたものです。メニュー・バーはボタンの形で、メニュー・トピックのリストを含んでいます。各ボタンは、機能によってグループ化されたコマンドを格納する独立したプルダウン・メニューに関連付けられています。メニュー・バーの使用は必須ではありませんが、強く推奨します。 

必須 

6-5: 

アプリケーションのメニュー・バーには、階層式ボタンだけを格納する。− 211 ページ

バーの中で他のタイプのボタンを使用すると、メニュー構造をブラウズできなくなります。 

推奨 

bn: 

「標準」と見なされるいくつかの一般的なメニュー操作がある。標準のメニュー・バー項目は [ファイル]、[編集]、[表示]、[オプション]、および [ヘルプ] である。アプリケーションがこの種の機能をユーザに提供する場合、メニュー・バーの適切な名前の下に入れておく。これらのメニュー項目の内容については、後で詳細に説明する。− 212 ページ

標準メニュー・バーのエントリは次の順序で表示しなければなりません。 

[ファイル] [編集] [表示] [オプション] [ヘルプ] 

アプリケーションがこれらの項目に関連する機能をサポートしない場合は、メニュー・バーから削除してください。たとえば、アプリケーションがデータを異なった表示方法で表示する能力を持っていない場合は、[表示] メニューは削除しておくべきです。 

  

標準メニュー項目の間に、アプリケーション固有のメニューを追加できます。ただし、次の条件があります。 

  • [ファイル] メニューが存在する場合は、一番左のメニュー位置になければなりません。

  • [ヘルプ] メニューは、一番右の位置になければなりません。

  • [ファイル] と [編集] が存在する場合は、両者が隣接していなければなりません。

アプリケーションのメニューの例を次に示します。 

[ファイル] [編集] <カテゴリ 1> <カテゴリ 2> [表示] [オプション] <カテゴリ 3> [ヘルプ] 

推奨 

bo: 

ファイル指向でないアプリケーション (つまり、ファイルを透過的に管理し、このアクションをユーザに見せないアプリケーション) は、[ファイル] メニューを 1 つ以上のアプリケーション固有のメニューに置き換える。− 213 ページ

[ファイル] メニューの代わりとして使用するメニューの例 

代替メニュー 1: <app-label> [選択] 

代替メニュー 2: <app-label> <obj-type> 

代替メニュー 3: <obj-type> 

アプリケーションが複数のオブジェクト型を持っている場合は、代替メニュー 1 を使用できます。<app-label> の項目は、オブジェクト型に依存しないグローバルなアクションに使用されます。[選択] の項目は、現在選択されているオブジェクトに関連するアクションで、現在選択されているオブジェクトに応じて変更できます。何も選択されていない場合、このメニューは「何も選択されていない」ということを示す単一の項目のみを持ちます。項目が選択されているが、そのオブジェクトに適用する項目が存在しない場合、このメニューは「なし」という単一の項目のみを持つことになります。 

アプリケーションが、単一のオブジェクト型を持っている場合は、代替メニュー 2 を使用できます。アプリケーションに対してグローバルなアクションは <app-label> にあり、オブジェクト型に固有のアクションは <obj-type> にあります。 

アプリケーションが、単一のオブジェクト型を持ち、<app-label> メニューを必要としない場合は、代替メニュー 3 を使用できます。たとえば、印刷マネージャは [プリンタ] メニューを格納できます。 

これ以外の、ファイル指向のアプリケーションに適用されるメニューバーのガイドラインも、ファイル指向でないアプリケーションに適用されます。したがって、次のメニューバーは有効です。 

 

 

<app-label> [選択] [編集] <カテゴリ 1> [表示] <カテゴリ 2> [ヘルプ] 

複雑なアプリケーションや、ドメインに高度に依存するアプリケーション (たとえば、CAT スキャン・データの医学的なイメージ処理と診断のためのアプリケーションなど) では、メニュー・バーの設計に他のアプローチを採用しなければならないことがあります。次に例を示します。 

<app-label> <カテゴリ 1> <カテゴリ 2> [選択] [編集] <obj-type> [オプション] [ヘルプ] 

推奨 

bp: 

[終了] または [閉じる] は、メニュー・バーの先頭の (一番左の) メニューに置かれていなければならない。− 213 ページ

一般的なメニュー・タイプ

ユーザ・アクションは、幅広いアプリケーションに共通するカテゴリに分類されます。アプリケーションは、ユーザが目的の機能を素早く見つけだせるように、可能な限り、次の標準メニューを使用するべきです。

[ファイル] メニューの内容


注 -

これらの要件は、英語ロケールの、左から右に書かれる言語環境にのみ適用されます。他のロケールについては、適当に修正を加える必要があります。


必須 

6-7: 

アプリケーションが [ファイル] メニューを使用する場合、該当するアクションが実際にアプリケーションによってサポートされているならば、次に示す機能の選択肢を格納していなければならない。− 214 ページ

項目は、次に示す順序で、ユーザに提示されなければなりません。いずれの場合も、ユーザにダイアログを表示することが推奨されており、ダイアログが第 7 章「一般ダイアログ」に記されている機能を持っているならば、アプリケーションはダイアログ・ボックスを使用するべきです。

  • [新規 (N)] (必須)

    新規ファイルを作成します。現在のクライアント領域が新規ファイルの表示に使用されるならば、アプリケーションはクライアント領域から既存のデータを消去します。現在のファイルに加えられた変更内容が失われるならば、アプリケーションは変更内容を保存するかどうかをユーザに問い合わせるダイアログを表示します。ニーモニックは N です。

  • [開く (O)...] (必須)

    ユーザにダイアログ・ボックスでファイル名の入力を求め、既存のファイルを開きます。現在のファイルに加えられた変更内容が失われるならば、アプリケーションは変更内容を保存するかどうかをユーザに問い合わせるダイアログを表示します。ニーモニックは O です。

  • [保存 (S)] (必須)

    クライアント領域の既存の内容を削除せずに、現在開いているファイルを保存します。ファイルが名前を持たない場合、アプリケーションはユーザにファイル名の入力を求めるダイアログを表示します。ニーモニックは S です。

  • [別名保存... (A)] (必須)

    ユーザにダイアログ・ボックスでファイル名の入力を求め、現在開いているファイルを新しい名前で保存します。ユーザが既存の名前を使ってファイルの保存を試みた場合、アプリケーションは、データが失われる可能性があることを、ユーザに警告するダイアログを表示します。クライアント領域の既存の内容は削除しません。ニーモニックは A です。

  • [印刷 (P)] (推奨)

    ファイルの印刷をスケジュールします。アプリケーションが印刷のために特定の情報を必要とする場合は、ユーザに情報を要求するダイアログを表示します。この場合、メニュー・エントリの後には省略記号が付きます ([印刷...])。ニーモニックは P です。

 

 

  • [閉じる (C)] (推奨)

    現在の主ウィンドウと、関連する副ウィンドウを閉じます。このアクションではアプリケーションは終了しません。アプリケーションを終了するには [終了] を使用します。現在の主ウィンドウの変更内容が失われるならば、アプリケーションは変更内容を保存するかどうかをユーザに問い合わせるダイアログを表示します。アプリケーションが、単一の主ウィンドウだけを使用しているか、複数の互いに依存する主ウィンドウを使用している場合、このアクションは用意されません。ニーモニックは C です。

   

 

 

  • [終了 (x)] (必須)

    現在のアプリケーションと、それに関連するすべてのウィンドウを終了します。現在のファイルの変更内容が失われるならば、アプリケーションは変更内容を保存するかどうかをユーザに問い合わせるダイアログを表示します。ニーモニックは x です。

必須 

bq: 

ユーザが [終了] を選択したり、何らかの他の方法でアプリケーションの終了を指示したが、現在のファイルに保存されていない変更内容がある場合に、アプリケーションは終了する前に変更内容を保存するかどうかを問い合わせるダイアログ・ボックスを表示する。− 214 ページ

ユーザは、保存されていない変更内容を保存するのか、破棄するのかを明示的に指定する機会を必ず与えられなければなりません。現在のファイルの変更内容を保存しないまま、ユーザが [ファイル] メニューから [開く] を選択した場合も、上記のようなダイアログ・ボックスを表示する必要があります。 

<Object-type> と [選択] メニューの内容

<obj-type> メニューは、ユーザがオブジェクト型のインスタンスを作成するためのコントロールを格納しています。<obj-type> メニューと [選択] メニューは、ユーザがオブジェクト・インスタンスを操作できるようにします。アプリケーションが管理するオブジェクトの操作だけに関連する操作 (アプリケーションが提供する、より一般的なサービスでないもの) があれば、<obj-type> または [選択] メニューに項目として追加します。

推奨 

br: 

アプリケーションが <obj-type> メニューや [選択] メニューを使用し、該当するアクションが実際にアプリケーションによってサポートされている場合、次に示す機能を持つ選択肢を含む。項目は、次に示す順序で、ユーザに提示されなければならない。− 215 ページ

  • [新規 (N)...] (推奨)

    オブジェクト型の新規インスタンスを作成します。そのオブジェクトに関連する設定の値を指定するためのダイアログ・ボックスが表示されます。ニーモニックは N です。

  • [移動先 (M)...] (オプション)

    選択したオブジェクトをフォルダに移動できます。希望のフォルダを選択するためのファイル選択ダイアログ・ボックスが表示されます。ニーモニックは M です。

  • [コピー先 (C)...] (オプション)

    選択したオブジェクトをフォルダにコピーできます。希望のフォルダを選択するためのファイル選択ダイアログ・ボックスが表示されます。ニーモニックは C です。

  • [ワークスペースに置く (t)] (オプション)

    オブジェクトのリンクを、共通デスクトップ環境上の現在のワークスペースに置くことができます。

上の 3 つのメニュー選択肢は、アプリケーションが管理するオブジェクトが、アプリケーションのメイン・ウィンドウの外で独立した要素として存在できる場合にのみ用意します。たとえば、プリンタ管理アプリケーションが作成するプリンタ・オブジェクトなどは、フォルダ・ウィンドウの中で、それ自身がアプリケーションとして機能できます。また、アプリケーションはこれらのアクションを実行する手段として、ドラッグ&ドロップもサポートしなければなりません。 

  • [削除 (D)] (オプション)

    選択されたオブジェクトを削除します。オブジェクトを実際に削除する前に、確認ダイアログ・ボックスをユーザに表示しなければなりません。ニーモニックは D です。

  • [属性 (P)] (推奨)

    選択されたオブジェクトに関連する設定の現在の値を表示する [属性] ウィンドウを表示します。ニーモニックは P です。

  • <デフォルトのアクション> (推奨)

    この選択肢は、選択されたオブジェクトのデフォルトのアクションを規定します。典型的なデフォルトのアクションは [開く] です。

[編集] メニューの内容


注 -

これらの要件は、英語ロケールの、左から右に書かれる言語環境にのみ適用されます。他のロケールについては、適当に修正を加える必要があります。


必須 

6-8: 

アプリケーションが [編集] メニューを使用し、該当するアクションが実際にアプリケーションによってサポートされている場合、次に示す機能を持つ選択肢を含む。- 216 ページ

  • [元に戻す (U)] (推奨)

    直前に実行されたアクションを元に戻します。ニーモニックは U です。

  • [カット (t)] (推奨)

    クライアント領域の選択された部分のデータを削除し、クリップボードに入れます。ニーモニックは t です。

  • [コピー (C)] (推奨)

    クライアント領域の選択された部分のデータをコピーし、クリップボードに入れます。ニーモニックは C です。

  • [リンクのコピー (k)] (オプション)

    クライアント領域の選択された部分のデータのリンクをコピーし、クリップボードに入れます。ニーモニックは K です。

  • [ペースト (P)] (推奨)

    クリップボードの内容をクライアント領域にペーストします。ニーモニックは P です。

  • [リンクのペースト (L)] (オプション)

    クリップボードの内容が表しているデータのリンクをクライアント領域にペーストします。ニーモニックは L です。

  • [消去 (e)] (推奨)

    クライアント領域の選択された部分のデータを、クリップボードにコピーせずに削除します。残ったデータは、[消去] 操作によって生じた隙間を埋めるように再配置されません。ニーモニックは e です。

 

 

  • [削除 (D)] (推奨)

    クライアント領域の選択された部分のデータを、クリップボードにコピーせずに削除します。ニーモニックは D です。

  • [すべてを選択 (S)] (推奨)

    クライアント領域のすべての選択可能な要素を一次セレクションとして設定します。ニーモニックは S です。

  • [選択をすべて解除 (l)] (推奨)

    一次セレクションから、クライアント領域のすべての選択可能な要素を取り除きます。ニーモニックは l です。

 

 

  • [ペーストされたものを選択 (a)] (オプション)

    クライアント領域のコンポーネントにペーストされた最後の要素を、一次セレクションとして設定します。ニーモニックは a です。

 

 

  • [再選択 (R)] (オプション)

    クライアント領域のコンポーネントで最後に選択された要素を、一次セレクションとして設定します。このアクションは、固定選択をサポートしないコンポーネントで、現在の選択が空である場合にのみ使用できます。ニーモニックは R です。

  • [プロモート (m)] (オプション)

    クライアント領域のコンポーネントの現在の選択を、一次セレクションにします。このアクションは、固定選択をサポートするコンポーネントでのみ使用できます。ニーモニックは m です。

推奨 

bs: 

アプリケーションが <obj-type> または [選択] メニューを持っていないが、ユーザがウィンドウ内でデータを選択でき、選択データの設定を管理できる場合は、[編集] メニューの最後の項目として [属性...] という選択肢を提供する。− 217 ページ

[表示] メニュー

推奨 

bt: 

アプリケーションに [表示] メニューがある場合、このメニューは現在のデータの表示方法に影響を与える機能だけを含む。データそのものを変更するオプションは含まない。− 218 ページ

[オプション] メニュー

推奨 

bu: 

アプリケーションが、アプリケーションの動作を制御するためのグローバルな設定を持っている場合は、これらの設定を行うための [オプション] メニューを用意する。− 218 ページ

[ヘルプ] メニューの内容


注 -

これらの要件は、英語ロケールの、左から右に書かれる言語環境にのみ適用されます。他のロケールについては、適当に修正を加える必要があります。


推奨 

bv: 

アプリケーションに [ヘルプ] メニューを付ける場合、該当するアクションが実際にアプリケーションによってサポートされているならば、次に示す機能の選択肢を格納しなければならない。ここに示した [ヘルプ] の選択肢は、Motif 1.2 のものよりも優先される。− 218 ページ

これは共通デスクトップ環境で推奨される [ヘルプ] メニューであり、Motif 1.2 の [ヘルプ] メニューの代わりに、こちらを使用しなければなりません。項目は、次に示す順序で、ユーザに提示されなければなりません。 

  • [概要 (v)] (必須)

    ヘルプにアクセスしたウィンドウや、アプリケーション全体に関する一般情報を提供します。ニーモニックは v です。この後にセパレータを置いてください。

  • [索引 (I)] (オプション)

    アプリケーションのすべてのヘルプ情報のトピックを並べた索引を表示します。ニーモニックは I です。

  • [目次 (C)] (推奨)

    アプリケーションのすべてのヘルプ情報のトピックを並べた目次を表示します。ニーモニックは C です。

  • [使い方 (T)] (推奨)

    アプリケーションの各種の使い方を示すヘルプ情報にアクセスできます。ニーモニックは T です。

  • [リファレンス (R)] (推奨)

    リファレンス情報へのアクセスを提供します。ニーモニックは R です。

  • [チュートリアル (l)] (オプション)

    アプリケーションのチュートリアルにアクセスできます。ニーモニックは l です。

  • [キーボード (K)] (オプション)

    アプリケーションでのファンクション・キー、ニーモニック、およびキーボード・アクセラレータに関する情報を表示します。また、共通デスクトップ環境での、これらのキーの一般的な使い方に関する情報を表示します。ニーモニックは K です。

  • [マウス (M)] (オプション)

    アプリケーションでのマウスの使い方に関する情報を表示します。ニーモニックは M です。

  • [マウスとキーボードの操作 (M)] (オプション)

    アプリケーションでのファンクション・キー、ニーモニック、キーボード・アクセラレータ、およびマウスの使い方に関する情報を表示します。また、共通デスクトップ環境での、これらのキーの一般的な使い方に関する情報を表示します。ニーモニックは M です。

   

 

 

 
   

 

 

  • [アイテムヘルプ (O)] (オプション)

    ポインタをクエスチョン・マーク型ポインタに変更して、コンテキスト・ヘルプを起動します。ユーザがポインタをコンポーネント上に移動して BSelect を押すと、そのコンポーネントのすべてのコンテキスト・ヘルプが表示されます。ニーモニックは O です。

  • [ヘルプの使い方 (U)] (必須)

    共通デスクトップ環境のヘルプ機能の使い方に関する情報を表示します。ニーモニックは U です。

  • [<アプリケーション名> について (A)] (必須)

    最小限、アプリケーションの名前とバージョンを示し、アイコンやその他のシグニチャー・グラフィックスを示すダイアログ・ボックスを表示します。ニーモニックは A です。

[概要]、[ヘルプの使い方]、および [... について] 項目は必須です。[目次]、[使い方]、および [リファレンス] 項目は推奨です。[マウス] と [キーボード] のトピックは、別に用意するか、1 つにまとめて [マウスとキーボードの操作] のトピックを用意できます。この 3 つの項目を同時に使ってはなりません。 

[アタッチメント] メニューの内容

アタッチメントをサポートするアプリケーションで推奨されるメニューの詳細は、第 3 章「ドラッグ&ドロップ」を参照してください。

ポップアップ・メニュー


注 -

これらの要件は、英語ロケールの、左から右に書かれる言語環境にのみ適用されます。他のロケールについては、適当に修正を加える必要があります。


ポップアップ・メニューは、頻繁に使用される機能へのアクセスを提供し、共通デスクトップ環境のあらゆる場所で使われます。ポップアップ・メニューは、メニュー・バーで使用可能な複数のメニューのオプションを格納できます。たとえば、[ファイル] メニューと [編集] メニューの両方の項目を格納できます。

推奨 

by: 

アプリケーションは、データ区画内で選択可能なすべての要素について、ポップアップ・メニューを提供しなければならない。− 221 ページ

推奨 

bx: 

アプリケーションが、データ区画に適用される機能を提供し、その中に特定の要素がない場合は、頻繁に使用されるデータ区画機能を格納するポップアップ・メニューを用意する。このポップアップ・メニューには、マウス・ポインタが区画のバックグラウンドの上にあるか、区画の中の選択不可能な要素の上にあるときに BMenu を押すとアクセスできる。− 221 ページ

推奨 

cb: 

アプリケーションのポップアップ・メニューの中からアクセスできる機能は、ウィンドウ内に表示されるボタンや、メニュー・バーを介してアクセスされるメニューからもアクセスできる。− 222 ページ

推奨 

ca: 

アプリケーションのすべてのポップアップ・メニューは、そのメニューが実行する機能や、その対象となる要素を表すタイトルを持っている。− 221 ページ

オプション 

cd: 

ポップアップ・メニュー内の選択肢は、次のように並べられる。− 224 ページ

<[開く]、[保存]、および [属性] などのように、オブジェクトを管理する選択肢> 

----------- セパレータ ----------- 

<[カット]、[コピー]、および [ペースト] などのような標準編集選択肢> 

----------- セパレータ ----------- 

<その他の選択肢> 

オプション 

6-11: 

アプリケーションが一般的なポップアップ・メニュー・アクションを使用する場合、そのアクションは次の仕様に従って機能する。補足的なガイドラインについては cb: の項を参照すること。− 222 ページ

  • [属性 (P)]

    ユーザがコンポーネントの属性を設定するために使用できる属性ダイアログ・ボックスを表示します。

  • [元に戻す (U)]

    最後に実行したアクションを元に戻します。

  • [一次移動 (v)]

    一次セレクションの内容をコンポーネントに移動します。このアクションは編集可能なコンポーネントでのみ使用できます。

  • [一次コピー (y)]

    一次セレクションの内容をコンポーネントにコピーします。このアクションは編集可能なコンポーネントでのみ使用できます。

  • [一次リンク (n)]

    一次セレクションへのリンクをコンポーネントに作ります。このアクションは編集可能なコンポーネントでのみ使用できます。

  • [カット (t)]

    要素をカットしてクリップボードに入れます。選択でメニューがポップアップされている場合は、選択全体をカットしてクリップボードに入れます。

  • [コピー (C)]

    要素をコピーしてクリップボードに入れます。選択でメニューがポップアップされている場合は、選択全体をコピーしてクリップボードに入れます。

  • [リンクのコピー (k)]

    要素のリンクをクリップボードにコピーします。選択でメニューがポップアップされている場合は、選択全体へのリンクをコピーしてクリップボードに入れます。

  • [ペースト (P)]

    クリップボードの内容をコンポーネントにペーストします。このアクションは編集可能なコンポーネントでのみ使用できます。

  • [リンクのペースト (L)]

    クリップボードの内容のリンクをコンポーネントにペーストします。このアクションは編集可能なコンポーネントでのみ使用できます。

  • [消去 (e)]

    クライアント領域の選択された部分のデータを、クリップボードにコピーすることなく削除します。選択でメニューがポップアップされた場合は、選択を削除します。

  • [削除 (D)]

    クライアント領域の選択された部分のデータを、クリップボードにコピーすることなく削除します。選択でメニューがポップアップされた場合は、選択を削除します。

 

 

  • [すべてを選択 (S)]

    一次セレクションを、ポップアップ・メニューの属するコレクションのすべての要素として設定します。

  • [選択をすべて解除 (l)]

    ポップアップ・メニューの属するコレクションの現在の選択を解除します。

  • [ペーストされたものを選択 (a)]

    ポップアップ・メニューの属するコレクションにペーストされた最後の要素を一次セレクションとして設定します。

  • [再選択 (R)]

    ポップアップ・メニューの属するコレクションで最後に選択された要素を一次セレクションとして設定します。このアクションは、永続的な選択をサポートしないコンポーネントで、現在の選択が空である場合にのみ使用できます。

  • [プロモート (m)]

    現在の選択を一次セレクションにプロモートします。このアクションは、永続的な選択をサポートするコンポーネントでのみ使用できます。

推奨 

cc: 

選択可能なオブジェクトのポップアップ・メニューは、該当するアクションが実際にアプリケーションによってサポートされているならば、次に示す機能を持つ選択肢を格納しなければならない。このガイドラインは 6-11 項を補足するものである。− 223 ページ

  • [移動先 (M)...]

    ユーザは、選択したオブジェクトをフォルダに移動できます。希望のフォルダを選択するためのファイル選択ダイアログ・ボックスが表示されます。

  • [コピー先 (C)...]

    ユーザは、選択したオブジェクトをフォルダにコピーできます。希望のフォルダを選択するためのファイル選択ダイアログ・ボックスが表示されます。

  • [ワークスペースに置く (t)]

    ユーザは選択したオブジェクトのリンクを、現在のワークスペースの共通デスクトップ環境に置くことができます。

  • [削除 (D)]

    選択されたオブジェクトを削除します。オブジェクトを実際に削除する前に、確認ダイアログ・ボックスがユーザに表示されます。

  • [ヘルプ (H)...]

    選択されたオブジェクトの型に関連するヘルプ・ウィンドウが表示されます。

必須 

6-12: 

ポップアップ・メニューが選択のコンテキストでポップアップされる場合、要素に作用するアクションは、選択全体に作用する。− 224 ページ

選択のコンテキストでは、ポップアップ・メニュー・アクションは選択全体に影響を与えます。 

一般的なメニューの設計規則

アプリケーション固有のメニュー区画を設計するときは、使いやすさとアクセスのしやすさを最大限にするために、次の指針に従ってください。

推奨 

ce: 

ファイル選択ダイアログが表示される場合のように、メニュー項目を選択することで、ユーザにさらに詳細な情報が求められる場合、メニュー項目の末尾には省略記号 (「...」) を付ける。この要件は、簡単な警告や確認ダイアログが表示されるだけのメニュー項目には適用されない。− 225 ページ

省略記号を使用することにより、ユーザはインタフェースの動作を予測しやすくなります。省略記号のない項目を選択する場合は、ただちに結果が発生すると予想できます。 

推奨 

cf: 

アプリケーションの中からアクセスされるメニューは、少なくとも 2 つのメニュー項目を含んでいなければならない。− 225 ページ

項目を 1 つしか含まないメニューがあってはなりません。アプリケーションに 1 項目しかないメニューがある場合は、その項目を別のメニューに移動するか、ウィンドウの中のボタンにすることを検討してください。メニューが長くなると、下の方にある選択肢にアクセスするのは、ユーザにとって面倒になります。メニューに大量の選択肢が格納されている場合は、複数のメニューに分割するか、いくつか項目をサブメニューにまとめます。 

オプション 

cg: 

アプリケーションの中からアクセスされるサブメニューは、少なくとも 3 つのメニュー項目を含んでいなければならない。− 225 ページ

サブメニューは、主階層メニューに全項目を入れるとメニューが長くなりすぎる場合に、似ている項目を 1 つの副階層メニューにまとめるために使用されます。しかし、サブメニューにオプションが 2 つしかない場合は、副階層メニューを削除して、オプションを主階層メニューに入れることを強く推奨します。これは、サブメニューに置かれているオプションにアクセスするには手間がかかるからです。 

オプション 

ci: 

アプリケーションに、頻繁にアクセスすることが予想されるメニューがある場合は、そのメニューにティアオフ・メニュー・オプションを用意する。− 226 ページ

アプリケーションの使用中にメニューを固定表示できるように、頻繁にアクセスするメニューはティアオフできるようにしておかなければなりません。 

必須 

6-14: 

アプリケーションがメニューの中でティアオフ・ボタンを使用する場合、ティアオフ・ボタンはメニューの最初の要素でなければならない。− 227 ページ

オプション 

cj: 

適当と思われる場合は、キーボード・アクセラレータを用意する。− 226 ページ

メニュー全体ではなく、メニューの特定のメニュー項目が頻繁に使用されると予想されるならば、アプリケーションはこれらの項目のキーボード・アクセラレータを用意し、そのキーボード・アクセラレータを、対応するメニューの、該当する項目の右側に表示します。すでにシステム機能に対して定義されているアクセラレータは使用してはいけません。定義済みのキー割り当てのリストについては、付録 A 「キーボードの機能」を参照してください。

推奨 

ck: 

メニュー・バーの項目に使用されるラベルは、メニューそのもののオプションとして使用してはならない。− 226 ページ

メニュー・バーの項目名は、メニューが格納するオプションのタイトルの役割を果たします。メニュー・バーの項目名は、すべてのメニュー項目に関連するカテゴリの概念を正確に記述するものでなければならず、メニューそのものの中の項目名として使わないようにします。 

必須 

cl: 

その時点で適切な選択ではないメニューの選択肢は、必ず選択不可になっていなければならない。− 226 ページ

選択不可のコントロールは、ユーザが起動できないコントロールで、アクティブでない状態が短期間しか続かない場合にのみ使用します (つまり、アプリケーションまたはデスクトップ環境の中で、そのコントロールをアクティブにするための手段が存在する場合)。コントロールが、(現在のアプリケーションまたはシステムの構成のため、またはそのメニューを使用する特定のソフトウェアがインストールされていないために) 永続的にアクティブでない場合は、コントロールを選択不可にするのではなく、メニューそのものから削除します。 

必須 

6-15: 

すべてのメニューは、最も幅の広い要素が収まるだけの幅を持っていなければならない。− 227 ページ

ツール・バー

ツール・バーは、アプリケーションで、他の手段によってすでにユーザがアクセス可能なものへの素早いアクセスを提供する手段です。たとえば、アプリケーションは、ツール・バーのメニューで、頻繁に使用される機能へのアクセスを提供できます。ツール・バーの一般的な用途としては、ナビゲーション、データ表示の変更、頻繁に使用されるツールやエディタへのアクセス、一般的な操作を実行するためのステップ数の削減、頻繁に使用されるメニュー項目への高速な経路の提供などがあります。

図 6-1 共通デスクトップ環境のカレンダからの例

Graphic

ツール・バーのガイドライン

必須 

fd: 

ツールバーを使用する場合は、メニュー・バーのある主ウィンドウでのみ使用する。− 244 ページ

必須 

fe: 

ツールバーは、すでにアプリケーション・メニューから使用できる操作しか含んでいてはならない。ツール・バーのすべての項目は、その機能を十分に表していなければならない。− 244 ページ

ツールバーの項目は、他の手段によってすでにアクセスが可能なものへの素早いアクセスを提供するものでなければなりません。 

必須 

ff: 

ツール・バーのアイコンが表すアクションが、ユーザからは使用できない場合、そのアイコンは網かけで表示され、選択不可になっていなければならない。メニュー項目が選択不可になったら、対応するツール・バー項目も選択不可にならなければならない。−244 ページ

推奨 

fg: 

ユーザがツール・バーを隠すことができるオプションを用意する。− 244 ページ

ツール・バーの設計上の問題

アプリケーションと、それに付属するツール・バーを設計するときには、次の点に注意してください。

ツール・バーのコンポーネント

ツール・バーは、一般には、次の Motif コンポーネントを使って構築されます。

ツール・バーのコンテナ

ツール・バーは、ツール・バーを構成する描画ボタンの配置機能であるコンテナ・コンポーネントを使用します。ツール・バーでは、指定された動作が可能でありさえすれば、ほぼあらゆるコンテナが使用できます。

必須 

fh: 

ツール・バーのコンテナは、メニュー・バーのすぐ下に配置され、ウィンドウと同じ幅で、高さもメニュー・バーとほぼ同じでなければならない。− 245 ページ

推奨 

fi: 

アプリケーションでツール・バーを使用する場合は、ツール・バーと同じ主ウィンドウにステータス行を用意しなければならない。− 245 ページ

このステータス行は、現在マウスがその上にある、あるいはキーボード・フォーカスを持っているボタンの目的に関して、フィードバックをユーザにただちに表示します。矢印がツール・バーのアイコンの上にある場合、ステータス行は、そのアイコンが表しているもの、あるいはユーザがそのアイコンをクリックしたときに起こることについて、簡単な定義を表示します。 

推奨 

fj: 

ツール・バーのアイコンの下にラベルを付けることができる。これらのラベルは、アイコンの目的を説明するという役割を持つ。− 245 ページ

ツール・バーのボタン

Motif の描画ボタンは、ツール・バーのグラフィック・ボタンに適した手段です。

推奨 

fk: 

ツール・バーの描画ボタンは、幅と高さが同じでなければならない。互いに似ている、あるいは関連のある項目はグループ化し、各グループはツール・バー上で均等に配置されていなければならない。− 245 ページ

ピックスマップ

描画ボタンのピックスマップは、そのボタンを押すことによって期待される機能を伝えるグラフィックです。

推奨 

fl: 

ツール・バーのすべてのピックスマップは、同じサイズでなければならない。− 245 ページ

これにより、すべてのボタンが同じサイズになることが保証されます。 

推奨 

fm: 

ピックスマップの推奨サイズは 24×24 である。描画ボタンのデフォルトの動作は、そのラベル・タイプのサイズに従って自らサイズ変更を行うことであるが、この場合はピックスマップのサイズに合わせる。− 245 ページ

ウィンドウ・タイトル

主ウィンドウと副ウィンドウのタイトルを定義するときは、次のガイドラインに従ってください。

オプション 

bf: 

主ウィンドウ (アプリケーションがユーザに表示するメインのウィンドウ) のタイトルは、アプリケーション名である。− 210 ページ

これは、ユーザが起動する実行可能ファイルの実際の名前である必要はありません。 

主ウィンドウのタイトルが、アイコンやポップアップ・ウィンドウで使われた場合にどのようになるかという点に注意します。ポップアップ・ウィンドウの名前が長すぎる場合は、アプリケーション・タイトルを削除することもできますが、タイトルがないと、どのポップアップ・ウィンドウが元の主ウィンドウに属しているのかがわかりにくくなるということにも注意します。 

オプション 

bg: 

タイトルの各単語の先頭では大文字を使用する (大文字をサポートする言語の場合)。− 210 ページ

オプション 

bh: 

各属性ウィンドウでは、アプリケーション名の後に、少なくとも [属性] というタイトルと、それが影響を与えるオブジェクト名を表示する。− 210 ページ

オプション 

bi: 

各ポップアップ・ウィンドウのタイトルは、アプリケーション・タイトルで始め、コロンを付けてから、ポップアップ・ウィンドウのタイトルを続ける。読みやすくするために、コロンの前後にはスペースを入れる。− 210 ページ

ポップアップ・ウィンドウは、必ず関連する主ウィンドウ (そのポップアップを起動した主ウィンドウ) を示さなければなりません。 

オプション 

bj: 

アプリケーションが、ファイルの読み込みまたは保存を行う場合は、現在のファイル名を表すためにハイフンを使用する。ハイフンの前後にはスペースを入れる。表示するのは、パス全体ではなく、ファイルのベース名だけである。− 211 ページ

ハイフンは、ウィンドウまたはデータの特定のインスタンスを表すために使用します。コロンは、一般的なカテゴリやコマンドを区切る役割を果たします。たとえば、ファイル・マネージャは、[属性] ダイアログ・ボックスに次のタイトルを付けることができます。 

  • ファイル・マネージャ : 属性 - myfile

推奨 

bk: 

各コマンド・ウィンドウのアプリケーション名の後に、ユーザがそのウィンドウに表示することを選択したウィンドウ・ボタンまたはウィンドウ項目の上にあるのと同じタイトルを続ける。− 211 ページ

オプション 

bl: 

複数の主ウィンドウがある場合は、各ウィンドウ・タイトルの先頭にアプリケーション名を付けて、その主ウィンドウを固有に識別する名前を追加する。これらの名前には、セパレータを入れない (たとえば、[カレンダ・マネージャ・マルチブラウズ]、[カタログ検索]、[管理ツール・データベース] など)。− 211 ページ

オプション 

bm: 

すべてのウィンドウで同じことが行われる場合に限り、他のウィンドウではアプリケーションの省略名を使用できる。− 211 ページ

実行中の作業のフィードバック

推奨 

gt: 

ユーザが選択したコマンドが完了するまでにかかる時間が 2 秒よりも長く、10 秒よりも短いと予想される場合、アプリケーションは、コマンドが実行中であることをフィードバックする標準のビジー・ポインタを表示する。− 252 ページ

ユーザには、アプリケーションが要求を「聞き入れて」おり、その作業を実行しているという保証を与えなければなりません。要求の結果をただちに表示できない場合は、何らかのフィードバックを提供する必要があります。ビジー・カーソルは、コマンドの実行から 0.5 秒以内に表示されなければなりません。 

推奨 

gu: 

ユーザが選択したコマンドが完了するまでにかかる時間が 10 秒を超えると予想される場合、アプリケーションは、要求の処理を行なっていることを示す作業中ダイアログ・ボックスや、これに似た何らかのフィードバックを表示する。フィードバックは、そのアクションの完了に向けての経過状況を示すものでなければならない。- 252 ページ

あるアクションが完了するまでに長い時間 (10 秒以上) がかかると予想される場合、アプリケーションはビジー・ポインタよりも強いフィードバックを表示しなくてはなりません。ビジー・ポインタの表示時間が長くなりすぎると、ユーザはアプリケーションがハングアップしたと思うかもしれません。このような場合には、アプリケーションが実行を続けており、ユーザの要求を処理していることを示す経過表示を行います。経過表示は、アクションのどれだけの部分が完了したのか、どれだけの部分が残っているのかを表示しなければなりません。 

推奨 

gv: 

アプリケーションが実行中の作業のフィードバックをユーザに表示しているときに、デスクトップ環境の他のアプリケーションやサービスに対するアクセスを中断しない。− 252 ページ

マルチタスクは必ずサポートされなくてはならないので、アプリケーションは何らかのアクションを実行している間も、他のサービスへのアクセスを許可しなければなりません。可能ならば、ユーザは、アプリケーションが別の要求の処理を行なっている間も、同じアプリケーションの別の機能にアクセスできるべきです。これがサポートされている場合、アプリケーションは、ビジーではあるが、入力の受け付けは行なっていることを示す拡張ビジー・ポインタを表示します。 

一般的なアプリケーションの設計規則

必須 

ep: 

アプリケーションのウィンドウに入力フォーカスがある場合、そのウィンドウの内部に、入力フォーカスを持っているコントロールが常に 1 つだけ存在する。− 241 ページ

アプリケーション内のいずれかのウィンドウにフォーカスがある場合、そのウィンドウ内のコントロールのどれかがフォーカスを持たなければなりません。ユーザがウィンドウ内の特定のコントロールにフォーカスを明示的に設定しなければならないようにしてはいけません。 

オプション 

eq: 

アプリケーション内のテキスト・フィールドに入力フォーカスがない場合、そのフィールド内にテキスト・カーソルは表示されない。− 242 ページ

Motif のスタイルでは、アクティブでないテキスト・カーソルの使用が許可されていますが、アクティブでないテキスト・カーソルを表示するよりも、フォーカスがないテキスト・カーソルを隠す方を推奨します。これにより、ユーザは画面またはウィンドウを見ただけで、どのテキスト・フィールドがフォーカスを持っているのかを簡単に捜し出せます。 

オプション 

er: 

アプリケーションは、アプリケーション内で表示するすべてのボタン、メニュー、およびメニュー項目に対して、キーボードのニーモニックを用意する。− 242 ページ

アプリケーションに精通したユーザにとって、キーボードのニーモニックは各種の機能に素早くアクセスするための手段となります。また、ニーモニックは、キーボード型のアプリケーションやウィンドウで、各種の機能へのアクセスを簡単にします。マウスの使用とキーボードの使用を頻繁に切り替える必要がなくなります。ニーモニックは、ユーザ・インタフェースのあらゆる場所に用意しておくべきです。 

オプション 

es: 

アプリケーションは、ユーザが頻繁に使用すると予想される機能について、キーボード・アクセラレータを用意する。− 242 ページ

キーボード・アクセラレータは、アプリケーションに熟練したユーザにとっては、メニューやダイアログ・ボックスを通らずにアプリケーションの機能を素早く使うための手段となります。 

必須 

ev: 

アプリケーションが、マルチクリックのタイムアウト間隔、ドラッグのしきい値、ウィンドウのカラー設定、マウスの左利きと右利きといったグローバルな環境設定の値を使用せず、これらの設定について独自の値を使用する場合、アプリケーションはこれらの設定の値を変更するための 1 つ以上の [オプション] ダイアログ・ボックスを用意しなければならない。− 243 ページ

一般に、グローバルな環境設定として扱われる設定の値を無効にしてはなりません。これらの設定は、共通デスクトップ環境スタイル・マネージャを用いて、ユーザが制御します。これらの設定を無視して、独自の設定を指定した場合、アプリケーションは共通デスクトップ環境デスクトップ内の他のアプリケーションとの一貫性を失います。それにもかかわらず、独自の値を用意したい場合は、デスクトップの他の部分との一貫性を保つための手段を、ユーザに提供する必要があります。 

アプリケーションのインストール

必須 

em: 

アプリケーションは、フロントパネルやサブパネルに直接インストールするのではなく、アプリケーション・マネージャのフォルダにインストールしなければならない。一貫性を保つために、フロントパネルやサブパネルには、共通デスクトップ環境のデスクトップ・コンポーネントだけがインストールされることになっている。ユーザはフロントパネルを再編成できるが、アプリケーションはユーザの同意なしに、これを行うべきではない。− 240 ページ