共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

ウィンドウ管理

ウィンドウ・サポート

この節は、『OSF/Motif スタイル・ガイド リリース 1.2』の 7.2 節に対応している。『OSF/Motif スタイル・ガイド リリース 1.2』とこのマニュアルでは、各種のウィンドウ・タイプについて説明している。特に、第 6 章「アプリケーション設計の原理」の章を参照すること。

 

n/a 

 

 

 

必須 

aa: 

アプリケーション・ウィンドウは、外観と動作に基づいて、主ウィンドウと副ウィンドウのどちらなのかが明確に区別できなければならない。 

主ウィンドウ 

副ウィンドウ 

ウィンドウ装飾

 

n/a 

 

 

 

必須 

ab: 

特定のウィンドウ管理機能をサポートするウィンドウは、対応するウィンドウ装飾を要求しなければならない (たとえば、アイコン化できるウィンドウは、アイコン化ボタンを要求する)。 

必須 

ac: 

何らかのウィンドウ管理機能 (移動、サイズ、アイコン化、最大表示、閉じるなど) をサポートするウィンドウは、その機能の項目を持つウィンドウ・メニューを持っていなければならない。 

必須 

ad: 

表 10-1 に示す共通デスクトップ環境のウィンドウ装飾規則に従う。

表 10-1 共通デスクトップ環境のウィンドウ装飾の規則

 

境界 

タイトル 

メニュー 

最小化 

最大表示 

サイズ 

主ウィンドウ 

 

 

 

 

 

 

デフォルト 

Yes 

Yes 

Yes 

Yes 

Yes1

Yes1

フロントパネル 

Yes2

No 

Yes2

Yes 

No 

No 

副ウィンドウ 

 

 

 

 

 

 

デフォルト 

Yes 

Yes 

Yes 

No 

No3

No3

フロントパネル 

No 

Yes 

Yes 

No 

No 

No 

  1. サイズと最大表示のための装飾は、必要ならば主ウィンドウにも用意する。

  2. フロントパネルはウィンドウ装飾のためのカスタム・ビジュアルを持っている。

  3. 副ウィンドウは、サイズや最大表示が必要ない、あるいは適応されないように設計されているべきである。副ウィンドウのサイズや最大サイズ表示ができなければならない場合は、対応する装飾が表示されるようにする。

 

n/a 

 

 

 

必須 

ae: 

共通デスクトップ環境のウィンドウ・メニューの規則に従う。ウィンドウまたはそのアイコン化されたウィンドウ・アイコンに適用される項目は、ウィンドウ・メニューに存在していなければならない。 

  • 復元 (R)

  • 移動 (M)

  • サイズ (S)

  • アイコン化 (n)

  • 最大表示 (x)

  • 奥へ (L)

  • 配置するワークスペース (O) ...

  • すべてのワークスペースに配置 (A)

  • このワークスペースから消去 (U)

  • 閉じる (C) [Alt] + [F4]

オプション 

af: 

アプリケーションは、ウィンドウ・メニューに項目を追加するべきではない。どうしてもアプリケーションのウィンドウ・メニューに項目を追加しなければならない場合は、[閉じる] とアプリケーション項目の間にセパレータを入れて、メニューの末尾に項目を追加する。 

オプション 

ag: 

ウィンドウ・メニューでは、アプリケーション・アクセラレータ、ローカリゼーションなどに対する [Alt] キーの他の用途との重複を最小限に抑えるため、[閉じる] のための [Alt] + [F4] キーを除いてアクセラレータを使用するべきではない。 

ウィンドウ・ナビゲーション

この節は、『OSF/Motif スタイル・ガイド リリース 1.2』の 7.4 節に対応している。アプリケーション開発者のためのチェックリスト項目はない。

アイコン

 

n/a 

 

 

 

オプション 

ah: 

アプリケーションは、主ウィンドウのために、固有のウィンドウ・アイコンを用意しなければならない。ウィンドウ・アイコンのイメージは、関連するファイルまたはフロントパネルのアイコン・イメージと似た外観でなければならない。 

オプション 

ai: 

ウィンドウ・アイコンのラベルは、対応する主ウィンドウのタイトルと同じテキストか、その省略形を含まなければならない。ウィンドウ・タイトルのガイドラインについては、「配置」を参照すること。

オプション 

aj: 

ウィンドウ・アイコンのイメージは、関連するファイルまたはフロントパネルのアイコン・イメージと似た外見でなければならない。「設計思想と有用なヒント」を参照すること。

アプリケーション・ウィンドウ管理

ウィンドウの配置

 

n/a 

 

 

 

推奨 

ak: 

アプリケーションは、ウィンドウやウィンドウ・アイコンを画面上の特定の位置に配置されるのを、強制または要求してはならない。 

推奨 

al: 

副ウィンドウは、アプリケーションによって、それに関連する主ウィンドウの位置を基準に配置される。副ウィンドウは、それを表示したコンポーネントと、ダイアログ・ボックスとの対話に必要な情報を隠さない程度に近い位置に配置される。 

OSF/Motif スタイル・ガイド リリース 1.2』の 6.2.4.3 項「ダイアログ・ボックスの位置とサイズを決める」にいくつかのヒントがある。これ以外の、またはこれを修正した推奨事項も含む。

オプション 

am: 

ダイアログ・ボックスが基本ウィンドウの特定の項目に関連しない場合は、メニュー・バーの下 (メニュー・バーが存在する場合) に、作業領域に水平方向で中央を揃えて配置される。 

推奨 

an: 

関連する主ウィンドウの下に副ウィンドウを配置できる場合 (主ウィンドウの上に置くという制約がない場合)、主ウィンドウによって完全に隠されないように配置されなければならない。この推奨事項は、他の配置に関する推奨事項よりも優先される。 

推奨 

ao: 

メニューまたはダイアログ・ボックスがすでに表示されている場合、その表示を引き起こしたコマンドを再起動すると、そのウィンドウまたはメニューが、画面上の位置を変更せずに、ウィンドウの重なりの一番手前に自動的に表示される。 

ウィンドウ (ドキュメント) のクラスタリング

 

n/a 

 

 

 

オプション 

ap: 

特定の作業をサポートするという点で密接に関連するウィンドウは、ウィンドウ・クラスタにまとめる。副ウィンドウは、関連付けられている主ウィンドウとともに、自動的にウィンドウ・クラスタに配置される。ウィンドウ・クラスタの中のウィンドウは一緒に重ねられ、一緒にアイコン化または通常表示が行われ、同じワークスペースに保存される。 


注 -

現時点で、ウィンドウ・マネージャによってサポートされるウィンドウ・クラスタを作成するための機能は、主ウィンドウと副ウィンドウの関係を指定するということだけである。


ウィンドウ管理アクション

 

n/a 

 

 

 

必須 

aq: 

ウィンドウは、表 10-2 に示す共通デスクトップ環境のウィンドウ管理機能の規則に従わなければならない。

表 10-2 共通デスクトップ環境のウィンドウ管理の規則

 

閉じる 

移動 

奥へ 

最小化 

最大表示 

サイズ 

主ウィンドウ 

 

 

 

 

 

 

デフォルト 

Yes 

Yes 

Yes 

Yes 

Yes1

Yes1

フロントパネル 

No 

Yes 

Yes 

Yes 

No 

No 

副ウィンドウ 

 

 

 

 

 

 

デフォルト 

Yes 

Yes 

Yes 

No 

No2

No2

サブパネル 

Yes 

Yes 

Yes 

No 

No 

No 

  1. サイズと最大表示のための装飾は、必要ならば主ウィンドウにも用意する。

  2. 副ウィンドウは、必要ならば、最大表示とサイズのウィンドウ管理機能も含むことができる。

 

n/a 

 

 

 

必須 

ar: 

特定のウィンドウ管理機能をサポートするウィンドウは、対応するウィンドウ装飾を要求しなければならない (たとえば、アイコン化が可能なウィンドウは、アイコン化ボタンを要求する)。 

必須 

as: 

ウィンドウの形成要素に制約を持つウィンドウは、必要に応じて、最小サイズ、最大サイズ、アスペクト比、およびサイズ変更増分のウィンドウ・マネージャのヒントを設定する必要がある。 

推奨 

at: 

必要ならば、ウィンドウを最大表示することにより、(オブジェクトやコントロールのサイズを拡大するのではなく) より多くの内容 (オブジェクトまたはコントロール) を表示できるようにすることができる。 

必須 

au: 

[閉じる] または [終了] の機能を持つウィンドウは、ウィンドウ・メニューが存在する場合は、[閉じる] のためのウィンドウ管理プロトコルをサポートする必要がある。ダイアログ・ボックスの場合、ウィンドウ・メニューの [閉じる] 項目は、[取消し] 機能や、ダイアログ・ボックスの消去のアクションだけを行うことに相当する。 

推奨 

av: 

アプリケーションが新しいウィンドウを作成するとき、そのウィンドウはユーザの現在のワークスペースに表示され、そのワークスペースだけを使用しなければならない。 

推奨 

aw: 

特定の作業に関連するアプリケーション・ウィンドウは、ワークスペース間を一緒に移動しなければならない。 

セッション管理サポート

 

n/a 

 

 

 

必須 

ax: 

アプリケーションは、主ウィンドウと主要な属性のセッション管理のため、ICCCM (Interclient Communications Conventions Manual) 機能をサポートしなければならない。 

必須 

ay: 

アプリケーションは、すべての関連ウィンドウ (つまりヘルプ・ウィンドウを含む副ウィンドウ) のセッション管理のため、ICCCM 機能をサポートしなければならない。 

オプション 

az: 

アプリケーションは、ユーザがログアウトしようとしていることを通知する共通デスクトップ環境のセッション・マネージャからのメッセージを受け付けて、その時点でのアプリケーションの状態を保存しなければならない。 

オプション 

ba: 

ユーザがログアウトする時点で、単一の主ウィンドウが開いていたアプリケーションは、ユーザが再度ログインしたときに、最後に置かれていたワークスペースに主ウィンドウを復元しなければならない。 

オプション 

bb: 

可能な限りユーザ・コンテキストを保存する。たとえば、ファイルの編集をサポートするアプリケーションは、ログアウト時のファイルの状態を保存し、ユーザが再度ログインしたときに、アプリケーション・ウィンドウ内にファイルを復元しなければならない。 

オプション 

bc: 

ユーザがログアウトする時点で、複数の主ウィンドウが開いていたアプリケーションは、ユーザが再度ログインしたときに、最後に置かれていたそれぞれのワークスペースにすべての主ウィンドウを復元しなければならない。