このマニュアルでは、SolarisTM 7 の新しい国際化機能について説明します。Solaris 7 を使用してさまざまな言語や文化に対応するグローバルなソフトウェア製品を構築するための重要な情報が記載されています。
具体的には次の項目について説明します。
Solaris 7 を使用して国際市場に対応したアプリケーションを開発する際のガイドラインおよびヒント。
Solaris 環境のさまざまな層に適用される国際化の全体像。
より詳細な資料の紹介。
このマニュアルでは、適切な箇所で、このリリースの国際化機能についての追加情報や詳細な情報が記載された他のマニュアルを紹介しています。
このマニュアルは、Solaris 7 環境用の国際化製品およびアプリケーションを設計するソフトウェア開発者を対象としています。 このリリースに関連する 米国 Sun Microsystems, Inc. (以降、Sun とします) 固有の情報が記載されています。
このマニュアルは、読者が C プログラミング言語、および X11TMNeWS ウィンドウシステムツールキットに関する知識を持っていることを前提としています。
オペレーティングシステムの情報はすべて Solaris 7 SunOSTM 5.7 動作環境に関する情報です。対象とするハードウェアプラットフォームは SPARC および Intel x86 です。ほとんどの場合、これらのアーキテクチャに対するサポートは同じですが、違いがある場合には注に示しています。
このマニュアルは次のように構成されています。
第 1 章「Solaris 国際化の概要」では、新しく追加された機能について説明します。また、Solaris の英語版リリース、ヨーロッパ向けに言語対応されたリリース、およびアジア向けに言語対応されたリリースで使用可能な現地使用化製品の概要について説明します。
第 2 章「Solaris (英語版) の内容」では、Solaris 7 (英語版) の内容とロケールについて説明します。
第 3 章「言語対応された Solaris 7 製品の内容」では、拡張 UNIX® コード (EUC) および非 EUC コードセットに対するコードセット非依存性 (CSI: Code Set Independence) (以降、CSI とします) サポートについて説明します。
第 4 章「en_US.UTF-8 ロケールのサポートの概要」では、システム環境、コード変換、文字選択、印刷、およびプログラミング環境について説明します。
第 5 章「インストール」は、ローカリゼーションパッケージをインストールする手順について説明します。
第 6 章「Solaris 7 環境の国際化フレームワーク」では、このリリースに組み込まれている国際化機能の詳細について説明します。
第 7 章「X/DPS」では、X Display PostScript システムによる X Windows System の拡張について説明します。
第 8 章「デスクトップ環境」では、Solaris のデスクトップ環境である Solaris 共通デスクトップ環境 (以降、Solaris CDE とします) および OpenWindowsTM について説明します。Solaris CDE に関する節では、ロケールの管理、言語対応されたリソース、フォントの管理など、アプリケーションの国際化手順の概要を示します。
第 9 章「印刷」では、Solaris 7 動作環境の印刷サポート、特にヨーロッパおよびアジア諸言語の印刷について説明します。
第 10 章「CTL: Complex Text Layout」では、CTL の拡張機能について説明します。アラビア語、ヘブライ語、タイ語など論理テキスト表現と物理テキスト表現の間の複雑な変換が必要な言語を Motif の API で用いることができます。
Java 開発キットについては、http://java.sun.com/docs/books/tutorial/i18n/index.html を参照してください。
『Creating Worldwide Software: Solaris International Developer's Guide』(第 2 版、Bill Tuthill、David A. Smallberg 共著、Mountain View, Calilfornia, Sun Microsystems Press、1997 年)。books@sun.com および www.sun.com/books/ で入手できます。このマニュアルは、Solaris オペレーティングシステムの下で国際化を行う際の手順の概要を説明しています。
『共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (国際化対応編)』(Mountain View, Calilfornia, SunSoft Press、1996 年)。Solaris CDE マニュアルセットは、米国 SunExpress, Inc. (以降、SunExpress とします) を通して一冊ごとに購入できます。このマニュアルは、Solaris documentation CD に含まれる Solaris 共通デスクトップ環境 1.2 開発者用 AnswerBookTM にも収められています。SunDocs プログラムを利用して入手できます (「マニュアルの注文方法」を参照してください)。ロケール管理、フォント管理、分散ネットワーク、ユーザーインタフェース言語 (UIL)、および Xt や Xlib の依存性について説明しています。
『OSF/Motif プログラマーズ・ガイド リリース 1.2』(Englewood Cliff, New Jersey、Prentice-Hall、1993 年)。このマニュアルでは、OSF/Motif アプリケーションプログラミングインタフェースを使用して、Motif アプリケーションを作成する方法を説明します。Motif ウィジェットセットアーキテクチャの概要および Motif ツールキットについて説明し、Motif アプリケーションのモデルと例を示します。
『OSF/Motif プログラマーズ・リファレンス リリース 1.2』(Englewood Cliff, New Jersey、Prentice-Hall、1992 年)。このマニュアルは、OSF/Motif のコマンド、関数、ツールキット、ウィンドウマネージャ、ユーザーインタフェース言語のコマンドと関数のリファレンスページをまとめたものです。
『PostScript リファレンス・マニュアル 第 2 版』(Adobe Systems Inc.、Addison-Wesley、1990 年)。デバイスに依存しない印刷言語としての PostScript の基礎について説明した、PostScript の標準的なリファレンスマニュアルです。
『PostScript Language Reference Manual Supplement』(Adobe Systems Inc.、1994 年)。
『Programming the Display PostScript System with X』(Reading, Mass.、Adobe Systems Inc.、Addison-Wesley、1993 年)。X Window System および Display PostScript を使用して画面表示やプリンタ出力の情報を生成するアプリケーション開発者向けのマニュアルです。
『OLIT リファレンスマニュアル』(Sun Microsystems、1994 年)。
『XView Developer's Notes』(O'Reilly & Associates、1992 年)。
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、またはコード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、または強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を越える場合、バックスラッシュは継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。
「x86」という用語は、一般に Intel 8086 ファミリに属するマイクロプロセッサを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro の各プロセッサ、および AMD と Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。このマニュアルでは、このプラットフォームのアーキテクチャ全体を指すときに「x86」という用語を使用し、製品名では「Intel 版」という表記で統一しています。