プログラミングの国際化

国際化と各国語対応

各国語対応 (localization) とはソフトウェアを特定の言語や地域に適応させる処理であるのに対し、国際化とはソフトウェアを異なる言語や地域の間で移植可能にする処理のことを指します。国際化ソフトウェアは、特定の文化の要件に応じて実行時にプログラムの動作を変化させるインタフェースを使用して開発します。各国語対応には、「ロケール」と呼ばれる言語や地域をサポートするためのオンライン情報を確立する処理が含まれます。

異なる言語や慣習に従って動作させるために完全に書き直す必要のあるソフトウェアとは異なり、国際化されたソフトウェアはそのような作業を必要としません。あるロケールから別のロケールへそのまま移植できます。Solaris システムは国際化に対応しており、国際化ソフトウェアを作成する際に必要な基本構造やインタフェースを備えています。第 3 章「言語対応された Solaris 7 製品の内容」および第 4 章「en_US.UTF-8 ロケールのサポートの概要」で、使用可能な機能とその使用方法について説明します。

国際化と各国語対応の手順は異なります。

Solaris 7 動作環境には、言語対応された次の製品があります。

国際化の基本的な手順

国際化されたアプリケーションの実行可能イメージは、異なる言語や地域の間で共有することができます。ソフトウェアを国際化する手順を次に示します。

メッセージ文字列は、言語や地域に合わせて翻訳します。ロケールには、メッセージ文字列やソートで使用される手続きなどが含まれます。

ロケールは言語と同じではありません。言語には複数の地域が含まれる場合があります。たとえば、フランス語はフランスおよびカナダで話されていますが、通貨や時間の表示方法は各国で異なります。

ある製品の言語対応されたバージョンを使用する場合、ユーザーは環境変数 (「ロケールのカテゴリ」を参照) を設定します。これにより、ユーザーメッセージは翻訳された形式で表示されます。日付、時刻、通貨、およびその他の情報は、ロケール固有の規約に従ってフォーマットおよび表示されます。