プラットフォーム固有の構成要素を備えた汎用コアと、一連のモジュールからなるカーネルは、Solaris 環境で自動的に設定されます。
カーネルモジュールとは、システムで固有の作業を実行するために使用されるハードウェアまたはソフトウェアの構成要素のことです。「ロード可能」なカーネルモジュールの例としては、デバイスのアクセス時にロードされるデバイスドライバがあげられます。
プラットフォームに依存しないカーネルは /kernel/genunix です。プラットフォーム固有の構成要素は、/platform/`uname -m`/kernel/unix です。
カーネルモジュールについては、次の表 19-2 で説明します。
表 19-2 カーネルモジュール
ディレクトリの位置 |
内容 |
---|---|
/platform/`uname -m` /kernel |
プラットフォーム固有のカーネル構成要素 |
/kernel |
システムのブートに必要なすべてのプラットフォームに共通のカーネル構成要素 |
/usr/kernel |
特定の命令セット内にあるすべてのプラットフォームに共通のカーネル構成要素 |
システムは、ブート時にどのデバイスが接続されるかを判断します。さらに、カーネルは、それ自体を動的に構成して、必要なモジュールだけをメモリーにロードします。ディスクデバイスやテープデバイスなどのデバイスが初めてアクセスされると、対応するデバイスドライバがロードされます。このプロセスは、「 自動構成」と呼ばれます。これは、すべてのカーネルモジュールが、必要に応じて自動的にロードされるためです。
/etc/system ファイルを修正することにより、カーネルモジュールがロードされる方法をカスタマイズできます。このファイルを修正する方法については、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「カーネルパラメタの調整手順」を参照してください。
自動構成の利点は次のとおりです。
モジュールが必要に応じてロードされるため、主メモリーをより効率的に使用できる。
新しいデバイスがシステムに追加されるときに、カーネルを再構成する必要がない。
カーネルを再構成しないでドライバをロード、テストして、システムをリブートすることができる。
自動構成プロセスは、システム管理者が新しいデバイス (およびドライバ) をシステムに追加するときに使用されます。これは、再構成ブートを実行することにより行われるため、システムは新しいデバイスを認識することができます。
Solaris 環境には、各種の標準デバイスをサポートするために必要なデバイスドライバが組み込まれています。これらのドライバは、/kernel/drv および /platform/`uname -m`/kernel/drv ディレクトリにあります。
ただし Solaris で標準にサポートされていないデバイスを購入した場合は、そのメーカーから、デバイスを正しくインストール、保守、管理するために必要なソフトウェアを提供してもらう必要があります。
そのようなデバイス用ソフトウェアには、少なくともデバイスドライバとその関連設定 (.conf) ファイルが含まれます。.conf ファイルは、drv ディレクトリにもあります。 また、サポートされていないデバイスは、Solaris で提供されるユーティリティと互換性を持たないので、保守および管理用のユーティリティが必要になる場合があります。
詳細については、デバイスのご購入先にお問い合わせください。