Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

UFS ファイルシステムの作成

UFS ファイルシステムをディスクに作成するためには、そのディスクをフォーマットし、スライスに分割しなければなりません。ディスクスライスとは物理的なディスクのサブセットで、連続するブロックからなる 1 つの範囲のことです。スライスはスワップ空間などの raw デバイスとして使用することも、ディスクベースのファイルシステムとして使用することもできます。ディスクのフォーマットとディスクのスライスへの分割についての詳細は、第 21 章「ディスク管理の概要」を参照してください。


注 -

Solaris のデバイス名は、用語「スライス (デバイス名内の文字は s)」を使用して、スライス番号を参照します。SunOS 4.0 およびその互換バージョンでは、スライスは「パーティション」と呼ばれていました。


UFS ファイルシステムは、インストール手順の一部として Solaris オペレーティング環境によって自動的に作成されるので、UFS ファイルシステムを作成しなければならないことはほとんどありません。次の場合には、UFS ファイルシステムを作成する (または作成し直す) 必要があります。

newfs(1M) コマンドを使用するのが、UFS ファイルシステムを作成する標準的な方法です。newfs コマンドは mkfs(1M) の使いやすいフロントエンドで、新しいファイルシステムを作成します。Solaris システムの場合、デフォルトでは 1 シリンダ当たりのトラック数や 1 トラック当たりのセクター数のような newfs(1M) のパラメータは、新しいファイルシステムを作成するディスクのラベルから読み込まれ、ユーザーが選択したオプションは、mkfs コマンドに渡されファイルシステムが作成されます。

ファイルシステムパラメータ

ディスクスライス上に新しいファイルシステムを作成するには、ほとんどの場合に newfs コマンドを使用します。表 27-1 に、newfs コマンドで使用するデフォルトのパラメータを示します。

表 27-1 newfs コマンドで使用するデフォルトのパラメータ

パラメータ 

デフォルト値 

ブロックサイズ 

8K バイト 

フラグメントサイズ 

1K バイト 

最小空き領域 

((64M バイト/パーティションサイズ) * 100) で算出した値を最も近い整数に切り捨てる。値は、パーティションサイズの 1% から 10% の範囲に制限される。 

回転遅延 

デバイスに依存 

最適化のタイプ 

容量 

i ノード数 

2K バイトのディスク領域ごとに 1 個 

UFS ファイルシステムを作成する方法

  1. 次の前提条件を満たしているかどうかを確認します。

    • UFS ファイルシステムを作成する前に、ディスクをフォーマットしてスライスに分割しておかなければならない。ディスクのフォーマットとスライスへの分割についての詳細は、第 21 章「ディスク管理の概要」を参照してください。

    • ファイルシステムを格納するスライスのデバイス名を知っていなければならない。ディスク番号とディスクスライス番号を調べる方法については、第 22 章「ディスク管理の手順」を参照してください。

    • 既存の UFS ファイルシステムを作成し直す場合は、そのマウントを解除する。

    • スーパーユーザーでなければならない。

  2. ファイルシステムを作成します。


    # newfs [-N] [-b size] [-i bytes] /dev/rdsk/device-name
    

    -N

    newfsmkfs に渡すパラメータを表示する。ファイルシステムは実際に作成されない。newfs コマンドをテストするのに好ましい方法です。

    -b size

    ファイルシステムのブロックサイズを指定する。デフォルトは 8192 バイトです。 

    -i bytes

    i ノード当たりのバイト数を指定する。デフォルトは 2048 バイトです。 

    device-name

    新しいファイルシステムを作成するディスクデバイス名を指定する。 


    注意 - 注意 -

    次の手順を実行する前に、スライスに合ったデバイス名を指定したか確認してください。間違ったスライスを指定すると、その内容は新しいファイルシステムの作成時に消去されます。


    システムから、確認を促すプロンプトが表示されます。

  3. UFS ファイルシステムが作成されていることを確認するには、fsck(1M) コマンドを使用して新しいファイルシステムをチェックします。


    # fsck /dev/rdsk/device-name
    

    device-name

    新しいファイルシステムを格納するディスクデバイス名を指定する。 

    fsck コマンドは、新しいファイルシステムの整合性をチェックして、問題が検出された場合には、問題を修復する前にプロンプトを表示します。fsck についての詳細は、第 31 章「ファイルシステムの整合性チェック」を参照してください。

例 - UFS ファイルシステムを作成する

次の例では、/dev/rdsk/c0t3d0s7 上に UFS ファイルシステムを作成します。


# newfs /dev/rdsk/c0t3d0s7
newfs: construct a new file system /dev/rdsk/c0t3d0s7 (y/n)? y
/dev/rdsk/c0t3d0s7:     163944 sectors in 506 cylinders of 9 tracks, 
   36 sectors 83.9MB in 32 cyl groups (16 c/g, 2.65MB/g, 1216 i/g)
super-block backups (for fsck -b #) at:
 32, 5264, 10496, 15728, 20960, 26192, 31424, 36656, 41888,
 47120, 52352, 57584, 62816, 68048, 73280, 78512, 82976, 88208,
 93440, 98672, 103904, 109136, 114368, 119600, 124832, 130064, 
 135296, 140528, 145760, 150992, 156224, 161456,

次に進む手順

ファイルシステムをマウントし、使用可能にするには、第 28 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除の手順」に進みます。