fsck コマンドの構文とオプション
fsck コマンドは、ファイルシステム内の非整合状態をチェックして修復します。次の 4 つのオプションがあります。
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ファイルシステムがマウント可能かどうかのチェックだけを行う (fsck -m)
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修復する前に確認を促すプロンプトを表示する (fsck)
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すべての修復時のプロンプトに yes または no の応答が指定されたものとして処理を行う (fsck -y)
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確認を促すプロンプトを表示することなくファイルシステムを修復し、想定される (軽微な) 非整合箇所をすべて修復 (preen) するが、重大な問題にぶつかると終了する (fsck -o p)
汎用 fsck コマンドの構文、オプション、引数
fsck には、汎用コマンドとファイルシステム専用の 2 種類のコマンドがあります。汎用コマンドはほとんどのタイプのファイルシステムに使用でき、専用のコマンドは特定のタイプのファイルシステムにのみ使用できます。通常は汎用コマンドを使用してください。汎用コマンドは必要に応じてファイルシステム専用のコマンドを呼び出します。
通常、fsck を実行するにはスーパーユーザーにならなければなりません。スーパーユーザーにならなくても fsck コマンドの実行はできますが、修復するにはファイルシステムをマウント解除しなければなりません。また、スライスの raw デバイスファイルの読み取り権を持っていなければなりません (セキュリティ上の問題のため、一般のユーザーには raw デバイスファイルの読み取り権はありません)。
汎用 fsck コマンドは、/etc/vfstab にアクセスして、どのファイルシステムをチェックするかを調べます。fsck pass 番号 に - (ハイフン) が指定されている任意のファイルシステムと、0 が指定されている UFS のファイルシステムを除き、指定された各ファイルシステム上で、該当するファイルシステム専用の fsck コマンドを実行します。
汎用 fsck コマンドの構文は次のとおりです。
/usr/sbin/fsck [-F type] [-V] [-m] [special]
/usr/sbin/fsck [-F type] [-V] -[y|Y]|[n|N] [-o specific-options][special]
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表 31-4 は、汎用 fsck コマンドのオプションと引数を示しています。
表 31-4
fsck コマンドのオプションと引数
オプションのタイプ
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オプション
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説明
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汎用
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-F
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ファイルシステムのタイプ (type) を指定する。コマンド行で type を指定しない場合は、/etc/vfstab ファイル内のエントリを、指定した raw デバイス名と照合して取得される。エントリが見つからない場合は、/etc/default/fs 内で指定されたデフォルトのローカルのファイルシステムのタイプが使用される。
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-V
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実行される完全なコマンド行が表示される (詳細モード)。表示行には、/etc/vfstab から取り出された追加情報が含まれる。このオプションを使用すると、コマンド行を検査して有効性を確認できる。コマンド自体は実行されない。
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-m
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予備チェックのみを実行する。ファイルシステムの状態を示すコードを返す。0 は「クリーン」を示し、32 は「ダーティ」を示す。起動スクリプト /sbin/rcS は、このオプションを使用して、ファイルシステムのチェックが必要かどうかを判断する。
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-y、-Y、-n、または -N
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実行されるコマンドのすべてのプロンプトに対して、自動的に、yes または no で応答する。
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c
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静的にテーブルが割り当てられている古い形式のファイルシステムを、新しい形式の動的に割り当てられたテーブルに変換する。静的割り当ては最大テーブルサイズにハード制限が適用されることを示し、動的割り当ては、初期割り当ての後で必要に応じてテーブル用の領域を追加できることを意味する。ファイルシステムが新しい形式であれば、テーブル割り当てが古い形式で許される固定最大サイズを超えない限り、古い形式に変換される。fsck は変換方法を表示する。対話モードでは、fsck は変換前に確認を促すプロンプトを表示する。-o p オプションを使用すると、確認を促すプロンプトは表示されずに変換試行が実行される。このオプションは、多数のファイルシステムを一度に変換したい場合に便利である。ファイルシステムが古い形式か新しい形式かは、fstyp(1M) コマンドを実行し、最初に表示される行を調べれば判断できる。
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w
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書き込みアクセスできるファイルシステムのみをチェックする。
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special
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1 つまたは複数のファイルシステムのマウントポイントまたは raw デバイス名を指定する。マウントポイントのエントリは、/etc/vfstab 内になければならない。special 引数を省略すると、/etc/vfstab 内で fsck デバイスが指定されていて、fsck pass の値が 0 より大きいエントリがチェックされる。修復 (-o p) が有効で、fsck pass の値が 1 より大きいエントリが複数個あると、異なるディスク上のファイルシステムは並列してチェックされる。
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専用
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-o オプションに続けて、オプションをコンマで区切ったリスト。UFS 固有の fsck コマンドが解釈できるように渡されるオプションを指定する。
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p
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修復。コマンドはプロンプトを表示せずに実行され、検出されたエラーは自動的に訂正されるが、オペレータの介入が必要な問題が見つかると終了する。このオプションを使用すると、UFS
ファイルシステムを並列にチェックすることもできる。
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b=blocknumber
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指定した位置にある代替 (冗長) スーパーブロックを使用する。このオプションを使用すると、不良スーパーブロックを修復できる。newfs -N コマンドを使用すると、代替スーパーブロックのリストを表示できる。
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