この節では、ufsdump コマンドのオプションと引数について詳しく説明します。ufsdump コマンドの構文は次のとおりです。
/usr/sbin/ufsdump [options] [arguments] files-to-back-up |
options |
1 文字のオプション名からなる 1 つの文字列 |
arguments |
オプションの引数を指定する。複数の文字列も可。オプション文字と引数とは同じ順序で並べなければならない。 |
files-to-back-up |
バックアップするファイルを指定する。これらの引数は常に最後に指定する。 |
オプションを指定せずに ufsdump コマンドを実行する場合は、次の構文を使用します。
# ufsdump files-to-back-up |
ufsdump では、デフォルトで次のオプションが使用されます。
ufsdump 9uf /dev/rmt/0 files-to-back-up
これらのオプションでは、デフォルトのテープドライブ上にその推奨密度でレベル 9 の増分バックアップが作成されます。
表 36-2 は、ufsdump コマンドのオプションを示しています。
表 36-2 ufsdump コマンドのオプション
オプション |
説明 |
---|---|
0-9 |
バックアップレベル。レベル 0 は files-to-backup で指定したファイルシステム全体の完全バックアップ用。レベル 1 〜 9 は、最後の下位バックアップ以降に変更があったファイルの増分バックアップ用。 |
a archive-file |
アーカイブファイル。指定したディスク上のファイルにバックアップ用の内容一覧を格納 (アーカイブ) する。このファイルは、ufsrestore でしか認識できず、復元すべきファイルがバックアップファイル内にあるかどうかと、もしあればどの媒体ボリュームに入っているかを判断するために使用される。 |
b factor |
ブロック係数。1 処理ごとにテープに書き込まれる 512 バイトのブロック数。 |
c |
カートリッジ。カートリッジテープにバックアップを作成する。媒体の終りの検出を適用するときは、このオプションでブロックサイズを 126 に設定する。 |
d bpi |
テープ密度。このオプションは、ufsdump で媒体の終りを検出できないときにのみ使用する必要がある。 |
D |
フロッピーディスク。フロッピーディスクにバックアップを作成する。 |
f dump-file |
ダンプファイル。デフォルトデバイスではなく dump-file で指定したコピー先にファイルを書き込む。ファイルを user@system:device として指定すると、ufsdump は指定されたユーザーとしてリモートシステム上で実行しようとする。このコマンドをローカルシステム上で実行しリモートシステムにアクセスできるように、指定されたユーザーはリモートシステム上に /.rhosts ファイルを持っていなければならない。 |
l |
自動ロード。このオプションは、オートロード (スタックローダ) テープドライブがある場合に使用する。テープの終りに達すると、このオプションはドライブをオフラインにして、テープドライブの準備ができるまで 2 分間待つ。2 分以内にドライブの準備ができると、続行する。2 分経過しても準備ができなければ、オペレータに別のテープをロードするように促すプロンプトを表示する。 |
n |
通知。介入が必要になると、sys グループのユーザー全員の端末にメッセージを送る。 |
o |
オフライン。テープやフロッピーディスクの処理が終わると、ドライブをオフラインにして巻き戻し (テープの場合)、可能であれば媒体をはずす (たとえば、フロッピーディスクを取り出したり、8mm の自動ロードテープをはずす)。 |
s size |
サイズ。テープの場合はフィート数、フロッピーディスクの場合は 1024 バイトのブロック数を指定する。このオプションは、ufsdump で媒体の終りを検出できないときにのみ使用する必要がある。 |
S |
バックアップの予想サイズ。バックアップを実際に実行せずに必要な容量を判断し、バックアップの予想バイト数を示す数値を 1 つ出力する。 |
t tracks |
トラック数。1/4 インチカートリッジテープのトラック数を指定する。このオプションを使用する必要があるのは、ufsdump で媒体の終りを検出できないときだけである。 |
u |
ダンプレコードのアップデート。ファイルシステムの完全バックアップをとる場合には、ファイル /etc/dumpdates ファイルにエントリを追加する。このエントリは、ファイルシステムのディスクスライスのデバイス名、バックアップレベル (0 〜 9)、日付を示す。u オプションを使用しないときや、個々のファイルかディレクトリのバックアップを作成するときは、レコードは書き込まれない。バックアップのレコードがすでに同じレベルに存在する場合は、それが置き換えられる。 |
v |
検査。各テープまたはフロッピーディスクが書き込まれた後に、ソースファイルシステムと対照して媒体の内容を検査する。矛盾が発生すると、オペレータに新しい媒体のマウントを促すプロンプトを表示してプロセスを繰り返す。ファイルシステム内で動作が発生すると矛盾が報告されるので、このオプションはマウント解除されたファイルシステム専用である。 |
w |
警告。/etc/dumpdates ファイルに表示されるファイルシステムのうち、特定の日にバックアップされていないファイルシステムを表示する。このオプションを使用すると、他のすべてのオプションは無視される。 |
W |
強調表示付きの警告。/etc/dumpdates 内のすべてのファイルシステムを表示し、特定の日にバックアップされていないファイルシステムを強調表示する。このオプションを使用すると、他のすべてのオプションは無視される。 |
/etc/vfstab ファイルには、ファイルシステムのバックアップ頻度に関する情報は入っていません。