Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用にフロッピーディスクをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームによっていくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。
プラットフォームの種類 |
フロッピーディスクのフォーマット仕様 |
---|---|
SPARC 上の Solaris |
SPARC 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
x86 上の Solaris |
x86 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
UFS 用にフォーマットされたフロッピーディスクは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、x86 システム上の UFS には使用できません。x86 システム上でフォーマットされたフロッピーディスクの場合も同様です。これは、SPARC と x86 の UFS フォーマットが異なるためです。SPARC はリトルエンディアンによるビットコーディング、x86 はビッグエンディアンによるビットコーディングを採用しています。
SunOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、SunOS ファイルシステムをサポートするための構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。フロッピーディスクを準備するために必要な手順は、ファイルシステムによって異なります。したがって、フロッピーディスクをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「フロッピーディスクのフォーマット」を参照してください。
Solaris システム (SPARC または x86 のいずれか) では、7 つの異なる密度のフロッピーディスクをフォーマットできます (適切なドライブが必要です)。
フロッピーディスクのサイズ |
フロッピーディスクの密度 |
容量 |
---|---|---|
3.5" |
拡張密度 |
2.88M バイト |
3.5" |
高密度 (HD) |
1.44M バイト |
3.5" |
中密度 (DD) |
1.2M バイト |
3.5" |
低密度 |
720M バイト |
5.25" |
高密度 (HD) |
1.2M バイト |
5.25" |
中密度 (DD) |
720K バイト |
5.25" |
低密度 |
360K バイト |
デフォルトにより、フロッピーディスクドライブは、それに近い密度にフロッピーディスクをフォーマットします。つまり、1.44M バイトのドライブは、フロッピーディスクが実際に 1.44M バイトのフロッピーディスクかどうかに関係なく、特に指示しないかぎり、そのフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとします。1.44M バイトドライブに、フロッピーディスクを、たとえば 720K バイトにフォーマットするように指示できます。しかし、720K バイトドライブに、フロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットするよう指示することはできません。つまり、フロッピーディスクもドライブも、その容量以下にフォーマットすることは可能です。
ドライブに対して、フロッピーディスクをデフォルト以外の密度にフォーマットするよう指示するには、次の作業に示すように、fdformat コマンドを使用してください。この場合、次の表 13-3 から適切な密度オプションを使用するようにしてください。
表 13-3 密度のオプション
フロッピーディスクのフォーマット密度 |
ドライブがデフォルト密度を使用する場合 |
fdformat コマンドに使用する密度オプション |
---|---|---|
2.88M バイト |
2.88M バイト |
-E |
1.44M バイト |
2.88M バイト |
-H |
1.44M バイト |
1.44M バイト |
なし |
1.2M バイト |
1.44M バイト | |
720K バイト |
1.44M バイト |
-D または -t dos -D |
1.2M バイト |
1.2M バイト |
なし |
720K バイト |
1.2M バイト |
-D |
720K バイト |
720K バイト |
なし |
360 バイト |
720K バイト |
-D |
fdformat コマンドのオプションについては、マニュアルページを参照するか、fdformat -z を入力してください。この -z オプションを使用すると、コマンドのすべてのオプションが表示されます。
ドライブのデフォルト密度がわからない場合は、デフォルト設定 (つまり、密度オプションのない状態) によってフォーマット処理を開始して、設定メッセージに注意してください。このメッセージは、次のように表示されます。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. |
確認メッセージには、ドライブのデフォルト密度が示されます。たとえば、上の例では、ドライブのデフォルト密度は 1.44M バイトです。密度が目的のものでない場合は、Ctrl-c キーを使用してフォーマット処理を中止し、フォーマットをやりなおしてください。