Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

プリンタタイプ

プリンタタイプとは、プリンタの種類を表す一般名です。プリンタタイプは、プリンタの様々な制御シーケンスが入っている terminfo データベースエントリを識別します。通常、プリンタタイプはメーカーのモデル名からとります。たとえば、DECwriter のプリンタタイプ名は decwriter です。ただし、共通プリンタタイプ PS はこの規則に従いません。PS は LaserWriter I や LaserWriterII プリンタなど、多くの PostScript プリンタモデルのプリンタタイプとして使用されます。

lpadmin -T コマンドまたは Admintool を使用すると、プリンタタイプを指定できます。Admintool では、プリンタのインストール時にのみプリンタタイプを指定できます。既存のプリンタのタイプを変更したい場合は、Admintool を使用してそのプリンタを削除してインストールし直さなければなりません。既存のプリンタ以外の場合、lpadmin コマンドによりプリンタタイプを変更します。

Admintool を使用すると、メニューからプリンタタイプを選択するか、「その他 (Other)」を選択して terminfo データベース内でプリンタタイプを指定できます。この方法には、lpadmin コマンドと同じ機能があります。

terminfo データベース内のプリンタ名

各プリンタタイプに関する情報は、terminfo データベース (/usr/share/lib/terminfo) に格納されています。この情報には、プリンタの機能と初期設定制御データが含まれます。インストールするプリンタは、terminfo データベース内のエントリに対応していなければなりません。

$ pwd
/usr/share/lib/terminfo
$ ls
1   4   7   A   M   a   d   g   j   m   p   s   u   x
2   5   8   B   P   b   e   h   k   n   q   t   v   y
3   6   9   H   S   c   f   i   l   o   r   ti  w   z
$ 

各サブディレクトリには、端末またはプリンタに関してコンパイル済みのデータベースエントリが入っています。各エントリは、プリンタまたは端末のタイプの頭文字別に編成されています。たとえば、Epson プリンタがある場合は、/usr/share/lib/terminfo/e 内を探すと、Epson プリンタの特定のモデルが見つかります。

$ cd /usr/share/lib/terminfo/e
$ ls
emots        ep2500+high  ep48           ergo4000    exidy2500
env230       ep2500+low   epson250       esprit
envision230  ep40         epson2500-80   ethernet
ep2500+basic ep4000       epson2500-h    ex3000
ep2500+color ep4080       epson2500-hi8  exidy
$ 

上記のように、Epson プリンタのエントリがあります。

NEC プリンタがある場合は、/usr/share/lib/terminfo/n ディレクトリ内を探すと、使用中の NEC プリンタモデルが見つかります。

$ cd /usr/share/lib/terminfo/n
$ ls
ncr7900        ncr7901        netty-Tabs     newhpkeyboard
ncr7900-na     nec            netty-vi       nuc
ncr7900i       net            network        nucterm
ncr7900i-na    netronics      netx
ncr7900iv      netty          newhp
$ 

上記のように、このディレクトリには、NEC のエントリが含まれています。