Solaris Web Start のクライアントサーバーモードを使用するには、次のソフトウェア構成の 1 つをクライアントにインストールする必要があります。
Solaris 2.6 または Solaris 7 と、添付されている HotJavaTM ブラウザまたは Netscape NavigatorTM 4.0 ブラウザ
Windows 95 で実行される HotJava ブラウザまたは Netscape Navigator 4.0 ブラウザ
HotJava の以前のバージョン、Navigator の以前のバージョン、または Internet Explorer では、Solaris Web Start は適切に動作または表示できません。
この節では、Solaris Web Start を使用するときに起こる可能性がある、既知のインストールバグだけを説明します。Solaris Web Start は、Solaris ソフトウェアと同梱の別パッケージのソフトウェアの両方をインストールできるようにするための、ブラウザベースの新しいプログラムです。これらの問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用するときには発生しません。
Solaris Web Start ではシステムディスクを選択できますが、そのあとにルートパーティションをシステムディスクから移動できません。ルートパーティションをシステムディスクから移動する必要がある場合は、Solaris Web Start の代わりに、Solaris 対話式イン ストールプログラムを使用してください。
ウィンドウブラウザ用の Netscape Communicator 4.0 を使用するとき、Solaris Web Start インタフェースの一部が間違った色を表示します。この問題は、システムが 256 色で表示するように設定されている場合だけに発生します。この問題を回避するには、256 色以外の色数で表示するようにシステムを設定してください。
Solaris Web Start は、インストールするすべての製品の合計要件に基づいてディスク容量を確保します。インストール後、製品を使用する前にディスク容量の割り当てをチェックすると、かなりの容量が未使用であるように見えます。この容量の一部は未使用の場合もありますが、一部はソフトウェアを実行するときに使用されます。
回避方法: Solaris Web Start の要件よりも少ないディスク容量を割り当てる場合は、Solaris Web Start の代わりに、Solaris 対話式インストールプログラムを使用してください。
Solaris Web Start の実行中に、Web ブラウザがハングアップする、または障害が発生する場合があります。この状態が起こった場合は、Solaris Web Start を再起動してください。
回避方法: Solaris Web Start の使用を再開するには、次のようにします。問題の種類と Solaris Web Start にアクセスしている場所によって対処方法が異なります。次の表を参照してください。
表 1-1 Solaris Web Start の再開
問題 |
リモートシステムからアクセス (SPARC only) |
インストールしたシステムからアクセス |
---|---|---|
ブラウザが消える |
ブラウザを再起動して、URL に再接続します |
「継続」を選択します |
ブラウザがハングアップする |
ブラウザのプロセスを強制終了して (以下を参照)、ブラウザを再起動し、最初に提供されていた URL に再接続します |
ブラウザのプロセスを強制終了して (以下を参照)、「継続」を選択します |
ブラウザのプロセスを強制終了するには (HotJava を例として使用)、コンソールウィンドウを開いて、次のコマンドを入力します。
# ps -ef | grep java |
次のような 2 行が表示されます。
myname 11892 410 0 hh:mm:ss pts/x 0:00 grep java myname 11878 11877 23 hh:mm:ss pts/x X:XX /usr/java/bin/java ... |
2 番目の行の最初の番号がブラウザのプロセス ID です。プロセスを強制終了するには、次の例のように、kill -9 とそれに続いてプロセス ID を入力します。
# kill -9 11878 |
IDE システムにおいて Solaris Web Start で手動ファイルシステム配置を行なった場合、インストールの開始後、ルート (/) パーティションに割り当てられた空間が多すぎるために上記のエラーメッセージが表示されます。
回避方法: Solaris Web Start をもう一度起動して、自動ファイルシステム配置を使用してください。
「全体ディストリビューションと OEM サポート」がインストールされているシステムをアップグレードした場合、/var/sadm/system/logs/upgrade_log の中で、次のメッセージが表示されているパッケージがあります。
This appears to be an attempt to install the same architecture and version of a package which is already installed. This installation will attempt to overwrite this package. |
これは、インストールしようとしているパッケージと同じアーキテクチャとバージョン番号を持つパッケージが、すでにインストールされていることを意味します。
回避方法: パッケージは、単に上書きされるだけですので、このメッセージは無視してください。
Solaris 7 または Solaris 2.6 オペレーティング環境において、JumpStart でシステム (新しいシステムとインストール済みのシステムを含む) を起動すると Solaris Web Start の初期画面が表示されますが、Solaris Web Start を終了すれば、JumpStart インストールを実行できます。
どのデスクトップを使用するかにかかわらず、ワークステーションをはじめて起動すると Solaris 7 および 2.6 オペレーティング環境においてはデフォルトでログイン画面になります。そのログイン画面からデスクトップを選択できます。ログイン画面では、ユーザー名とパスワードを入力します。
ユーザー名とパスワードが認証されると、デスクトップが表示されます。ログイン画面の詳細は、DtLogin のマニュアルページ (Solaris CDE マニュアルページに含まれる) または『Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』 (Documentation CD に含まれる) を参照してください。
システム管理者は Solaris CDE のグラフィカルログインプログラム (dtlogin) について知っておく必要があります。『Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』または dtlogin および dtconfig のマニュアルページを参照してください。
64 ビットサポートを選択する場合、JumpStart インストール用の新しいキーワードが 1 つあります。このキーワードは、プロファイルで次のように表示されます。
isabits 64 |
64 ビットサポートを無効にする場合は、次のキーワードを選択できます。
isabits 32 |
システムが DiskSuite または Veritas 製品により作成されたパーティションを含んでいる場合、 JumpStartTM はこれらのパーティションをマウントできません。この結果、各種の試験において、次の行のような場合も含めて rules ファイルが失敗します。
installed any Solaris_2.6 begin profile finish |
実際には rules ファイルのこの行は JumpStart がこのパーティションをマウントできないために失敗します。したがって、JumpStart は Solaris オペレーティング環境がインストールされていると認識しません。
回避方法: DiskSuite または Veritas で作成されたパーティションに対して installed キーワードを使用しないでください。
x86 システムを Solaris 7 オペレーティング環境へアップグレードする前に必ずバグ ID: 4121281 を読んでください。
DiskSuite 状態データベースの複製には DiskSuite 構成データの一部としてドライバ名が含まれます。Solaris 2.4、Solaris 2.5、Solaris 2.5.1、または Solaris 2.6 を実行する x86 システムでは、SCSI ドライバ名は cmdk と呼ばれます。Intel 版 の Solaris 7 オペレーティング環境では、cmdk ドライバは sd ドライバに変更されました。
回避方法: Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを紛失しないようにするには、システムのメタデバイス構成をテキストファイルに保存し、DiskSuite を実行する x86 システムをアップグレードする前に状態データベース複製を削除してください。x86 システムをアップグレードしたあと、DiskSuite コマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。
『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』では、メタデバイス構成の保存、状態データベース複製の削除、x86 システムの Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード、DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、およびメタデバイス構成の復元について、それぞれ手順を説明しています。Solaris 7 オペレーティング環境用にはこの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれます。
次のバグはインストール時だけに発生します。
初期インストールの場合で、ソフトウェアがインストール中であるにもかかわらず、 「Solaris ソフトウェアのインストール - 実行中」で表示されるバーが、インストールが完了したことを示すことがあります。
インストールが完了したかどうかについては、進捗バーで判断しないでください。すべてのインストール作業が完了すると、次のメッセージが表示されます。
「インストールが完了しました」 |
JumpStart が、デフォルトのブートを現在のデフォルトのブートディスクにインストールしないことがあります。この問題は、2 つのハードディスクドライブを持つ SPARCstation 5 上で完全な自動インストールを行なった場合に起こることが確認されています。この問題により、現在のバージョンではなく、前のバージョンの Solaris オペレーティング環境がリブートされます。
回避方法: JumpStart を使用しないで Solaris オペレーティング環境をインストールします。
ディスクレスクライアントを持つサーバーで Solaris オペレーティング環境をアップグレードするとき、/usr に対する dfstab 行のオプションが保存されません。たとえば、 dfstab ファイルに次のように入力されていたとします。
share -F nfs -o rw /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr |
このエントリは、アップグレード時、自動的に次のエントリに置換されてしまいます。
share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr |
回避方法: ディスクレスクライアントまたは AutoClientTM を持つ OS サーバーで Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に、各クライアントの /etc/dfs/dfstab ファイルのバックアップを取っておいてください。
x86 システムを Solaris 7 オペレーティング環境へアップグレードする前に必ずバグ ID: 4121281 を読んでください。このバグについては、前述の「インストール開始前のバグ」という節で説明しています。この問題はデータ紛失を発生する可能性があります。
ここで説明されているすべてのバグはアップグレードの実行中だけに発生します。
複数の SPARC カーネルアーキテクチャのディスクレスクライアントを持つサーバー (たとえば、sun4c、sun4d、sun4m のディスクレスクライアントを持つ sun4u サーバー) をアップグレードしたあと、サーバーとカーネルアーキテクチャが異なるクライアントの SUNWkvm パッケージにはパッチを適用できません。
回避方法: 関連するパッチを適用する前に、手動ですべての SUNWkvm パッケージを追加してください。
# pkgadd -d <パッケージが入っているディレクトリ> SUNWkvm.* |
アップグレードプログラムは、Solaris ソフトウェアのシステムをアップグレードするために必要な容量よりも 30% 多く見積もります。したがって、パッケージの選択を解除したり、容量を増やしたりしないとアップグレードできない場合があります。
回避方法: 手動でファイルシステムのディスク容量を再度割り当てます。または、「ソフトウェアのカスタマイズ」メニューを選んで、不要なソフトウェアパッケージを削除します。
ディスク領域を再配置しなければならないときにこの問題が発生する場合があります。upgrade_log に upgrade_script の構文エラーが出力されます。
回避方法: 次の手順に従います。
次のアップグレードスクリプトで syntax error という語句を含む行を見つけます。
/tmp/root/var/sadm/system/logs/upgrade_log |
次に例を示します。
syntax error is located at line 3519: `fi' unexpected |
viを使用して、次のファイルを編集します (ファイルサイズの関係上、vi エディタの使用を推奨)。
/a/var/sadm/system/admin/upgrade_script |
vi コマンド 3519G を使用して構文エラーがある行に移動します。
構文エラーがある行より上で、fi だけの行を見つけます。これは、たとえば次のように、logprogress ステートメントの下にあります。
if [ $? = 0 ] ; then chgrp 1 $base/export/root/petrel/etc/rmmount.conf; fi logprogress 4073 none fi <------ 余分な fi if [ 4074 -gt $resumecnt ] ; then rm -f ${base}///var/sadm/install_data/CLUSTER rm -f ${base}///var/sadm/system/admin/CLUSTER echo CLUSTER=SUNWCall > ${base}///var/sadm/system/admin/CLUSTER logprogress 4074 none fi |
fi を削除します。vi エディタでは、x を 2 回入力します。
次のスクリプトを保存します。
/tmp/root/var/sadm/system/logs/upgrade_log upgrade |
次のように入力してシステムを停止します。
# halt 0 |
再度、対話式インストールを行います。
OK> boot net |
または
OK> boot cdrom |
「アップグレード」を再度、選択します。
これでインストール処理が完了します。
この節では、64 ビット Solaris のインストールに関連する問題点について説明します。
UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合、 Open Boot PROM ファームウェアのアップグレードが必要な場合があります。Solaris 7 インストールプログラムには 64 ビットサポートを追加するための新しいチェックボックスがあります。この 64 ビットサポートは、UltraSPARC システムにインストールする場合にはデフォルトで選択されます。
任意の Sun システムまたは UltraSPARC システムで 32 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合、Open Boot PROM をアップグレードする必要はありません。
次の表に、影響を受ける UltraSPARC (sun4u) システムと、必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。「システムのタイプ」とは、uname -i コマンドを実行して表示される内容と同じです。prtconf -V コマンドを使用すると、現在実行しているファームウェアバージョンを調べることができます。
uname -iで表示されるシステムタイプ |
prtconf -V で表示される最小限必要なファームウェアバージョン |
---|---|
SUNW,Ultra-1-Engine |
3.10.0 |
SUNW,Ultra-1 |
3.11.1 |
SUNW,Ultra-2 |
3.11.2 |
SUNW,Ultra-4 |
3.7.107 |
SUNW,Ultra-Enterprise |
3.2.12 |
上記のリストにないシステムでは、Boot PROM をアップグレードする必要はありません。
UltraSPARC システムの Open Boot PROM をアップグレードする必要がある場合は、このキットのご購入先に sun4u Open Boot PROM アップグレードキットをご請求ください。
Sun のキットには Boot PROM アップグレードコンポーネントが含まれています。