従来のインストール方法と同様に、最初にプロンプトされるデフォルトロケールの選択画面で日本語ロケールを選択します (これにより以降のインストール画面は日本語で表示されます)。システム認識の設定フェーズが終了すると、Solaris Web Start プログラムが起動します。
Solaris Web Start では、Solaris オペレーティングシステムおよび同梱の製品に対して、インストールするロケールを個々に指定します。日本語対応されている製品はサポートロケールが表示されており、あらかじめ選択されたデフォルトロケールが自動的に選択された状態になっています。なお、製品に対して日本語ロケールの選択を行わなかった場合には、英語ロケールをサポートするソフトウェアパッケージだけがインストールされます。
日本語環境で Solaris Web Start のクライアントサーバーモードを使用したインストールを行なった場合、ブラウザに HotJava を使用すると途中で HotJava がコアダンプします。
回避方法: $HOME/.hotjava/properties ファイルに次の 1 行を追加して HotJava を再起動してください。なお、インストールが終了したら、この行は削除しておいてください。
# package.restrict.access.sun=false |
端末コンソールしかもたないシステムを Solaris Web Start のクライアント・サーバーモードを使用してインストールする場合、ロケールの選択をする機能がないため、C ロケールを使用して起動されます。クライアント側で日本語ロケールを使って HotJava を起動した場合、一部のメッセージには日本語が使われますが、ヘルプなどは英語で表示されます。
クライアントのデフォルトロケールに日本語ロケールを選択した場合は日本語文字および英数字の検索ができません。
回避方法: クライアントを C ロケールで起動すると、英数字の検索ができます。
Solaris 7 をアップグレードオプションによってインストールする場合、Solaris 2.5 以降のシステムからのアップグレードをサポートします。それより前のリリースからのアップグレードは保証されません。
アップグレード時に新たなロケールサポートを追加できます。その場合「言語の選択」画面で追加したいロケールを追加選択します。
なお、現在サポートされているロケールをアップグレード時に削除する、または異なるロケールへアップグレードすることはサポートされていません。たとえば、ja ロケールだけをインストールしたシステムを ja_JP.PCK ロケールだけのシステムにアップグレードできません。
「コアシステムサポート」ソフトウェアグループでインストールされていた Solaris 2.6 システムをアップグレードするとシステムにインストールされていなかった日本語ロケールパッケージが自動的にインストールされてしまいます。たとえば、ja ロケールだけをインストールしたシステムをアップグレードすると、ja_JP.PCK ロケールをサポートするパッケージが追加インストールされてしまいます。
回避方法: なし。不要な日本語ロケールパッケージをインストールしたくない場合には、アップグレードではなく、初期インストールを行なってください。
アップグレードログファイル /var/sadm/system/logs/upgrade_log 中に次のメッセージが出力されることがあります。
xargs: Corrupt input file: Illegal byte sequence |
回避方法: このメッセージは無視してください。
Solaris 2.5.1 に同梱されていた「日本語 Solaris 2.5.1 PC 漢字コード開発キット」がインストールされているシステムを、Solaris 7 にアップグレードする場合、それをサポートするパッケージ (SUNWjpr、SUNWjpu、SUNWjpxw) は自動的に削除されます。 ja_JP.PCK ロケール環境をインストールするには、「言語の選択」画面で「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」を追加選択してください。
デフォルトロケールに ja_JP.PCK や ja_JP.UTF-8 ロケールを選択した場合でも、install_log、upgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されてしまいます。なお、Solaris Web Start で同梱ソフトウェアをインストールした場合に生成されるログファイル bundled_install_log は、 デフォルトロケールで選択した文字エンコーディングのテキストで生成されます。
回避方法: コードコンバータで変換して参照するか、たとえばテキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。
Wnn6、ATOK8、cs00 が日本語入力システムとして利用できます。これらは Solaris 7 Software CD に含まれており、「エンドユーザシステムサポート」以上のソフトウェアグループでデフォルトでインストールされます。
環境ファイルを特に設定していない場合のデフォルトの日本語入力システムは、Wnn6 です。Wnn6 がインストールされていない場合は、ATOK8 がデフォルトとなります。
現在使用している日本語入力システムを他の入力システムに切り替える場合は、ワークスペースメニュー (OpenWindows 環境の場合は「ワークスペース」->「ユーティリティ」) の「日本語入力システムの切替」から利用したい日本語入力システムを選択し、ウィンドウシステムを再起動してください。また、直接コマンド行から wnn6setup、atok8setup、または cs00setup を入力して設定を切り替えることもできます。この場合もウィンドウシステムを再起動してください。
使用しない入力システムは、インストール時に「ソフトウェアのカスタマイズ」画面でそのクラスタ (またはパッケージ) の選択をはずすことによりインストールしないようにできます。たとえば、cs00 を使用しない場合は「Japanese Input System - cs00」の選択をはずします。
ただし、アップグレードインストールの場合に、これまで使用していた ATOK8 または cs00 の選択をはずすと、システム上からその入力システムをサポートするシステムファイルも削除されてしまいます。このため、単語を追加登録したシステム辞書などの保存しておきたいファイルがある場合は、アップグレード前にファイルを保存するか、あるいはアップグレードインストール時に、使用しない日本語入力システムを含めてインストールし、アップグレードインストール後に必要なファイルを保存したあと、pkgrm コマンドでそのパッケージを削除してください。
Solaris 2.5 (SMCC 版) および Solaris 2.5.1 (SMCC 版) で提供されていた Wnn6 (OMRONWnn6) を使用していたシステムでアップグレードインストールした場合、/opt/Wnn6/lib/ja_JP/dic/usr に置かれていたユーザー辞書や学習ファイルは自動的に /var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr にコピーされ、新しい環境に引き継がれます。ユーザー辞書などが不要な場合は、/var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr ディレクトリに作成されたユーザーのディレクトリを削除してください。
OMRONWnn6 で変更した設定ファイル (/opt/Wnn6/lib ディレクトリに置かれます) は、自動的には引き継がれません。必要に応じて /etc/lib/locale/ja/wnn ディレクトリにあるファイルを編集してください。標準のファイルは /usr/lib/locale/ja/wnn に置かれます。
OMRONWnn6 は、アップグレードインストールでは削除されません。必要に応じて、アップグレード後に削除してください。ただし、OMRONWnn6 を削除すると、/opt/Wnn6 に置かれたすべてのファイル (変更された設定ファイル、ユーザー辞書、学習ファイルを含みます) が削除されますので、充分に注意してください。
cs00 は Solaris 2.6 から「コアシステムサポート」ソフトウェアグループには含まれなくなりました。2.5.1 以前の「コアシステムサポート」でインストールされたシステムをアップグレードすると、システム上から cs00 をサポートするシステムファイルが削除されますので注意してください。
cs00 を利用する場合は、「エンドユーザシステムサポート」以上のソフトウェアグループを選択するか、インストール時に「Japanese Input System - cs00」クラスタを追加選択するか、インストール後に pkgadd コマンドにより次のパッケージをインストールしてください。
SUNWjc0r: Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 Root File
SUNWjc0u: Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 User Files
SUNWjc0w: Japanese cs00 user dictionary maintenance tool for OPEN LOOK
SUNWjc0d: Japanese cs00 user dictionary maintenance tool for CDE Motif
なお、かな漢字入力機能を持たない漢字表示可能な端末および端末エミュレータ上で日本語を入力するためのフロントエンドプロセッサ mle を利用する際にも、cs00 が必要になります。
Solaris 7 のデフォルトのキーボードは、US-English タイプになっているため、構成用補助ブートフロッピーディスクの Indentified Devices 画面で以下のように表示されます。
ISA: System keyboard (US-English) |
日本語 106/109 キーボードを使用している場合は、 <F4> Device Tasks を選択し、Set Keyboard Configuration で Japanese(106) を選んでください。このとき、次のような指示が表示されます。F2-Continue を押して「101 形式」を選んでください。
To select the standard 101- or 102-key format, choose Continue. To select the Windows(TM) 104- or 105-key format, choose Cancel." |
設定後は、「Identified Device」画面で、次のように表示されます。
ISA: System keyboard (Japanese(106)) |
日本語 109 キーボードで追加された Windows キーは Solaris 7 では使用できません。日本語 109 キーボード上では日本語 106 キーボードと同じ機能が利用可能です。
日本語 106/109 キーボードを使用しているシステムの場合、Configuration Assistant で Japanese (106) を選択しないでインストールを行うと、Solaris のブート時に、周辺デバイスの設定不備の可能性を示唆する次のメッセージが表示されます。
The peripheral device configuration may be incomplete or incorrect... |
この場合、Japanese (106) として再度設定し直してください。次回のブート以降はこのメッセージは表示されなくなります。
日本語タイプ 5 キーボードは OpenBootTM PROM のバージョンによっては、モニタレベルで、タイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニタレベルでは、一部キーボード上の印字と実際の入力が異なります。次の表を参照してください。また、その他の注意事項は、U.S.タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。
表 1-2 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字
日本語タイプ 5 キーボード上の印字 |
実際の入力文字 |
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" |
@ |
& |
^ |
` |
& |
( |
* |
) |
( |
Shift-0 |
) |
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_ |
‾ |
+ |
^ |
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¥ |
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" |
] |
` |
} |
‾ |
_ |
LF |
¥ |
LF |
Solaris 7 をインストールする前に日本語 106 キーボードを利用すると、一部キーボード上の印字と実際の入力が異なります。次の表を参照してください。
表 1-3 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字
OADG 規格の日本語キーボード上の印字 |
実際の入力文字 |
---|---|
" |
@ |
& |
^ |
` |
& |
( |
* |
) |
( |
Shift-0 |
) |
= |
_ |
‾ |
+ |
^ |
= |
¥ |
割り当てなし |
| |
割り当てなし |
@ |
[ |
` |
{ |
[ |
] |
{ |
} |
+ |
: |
: |
` |
* |
" |
] |
¥ |
} |
| |
_ |
割り当てなし |
¥ |
割り当てなし |
半角 / 全角 |
‾ |
Shift-半角 / 全角 |
` |