ja_JP.PCK ロケール、または ja_JP.UTF-8 ロケールで日本語入力システムを使用する場合、次の点に注意してください。なお、japanese ロケールで日本語入力システムを使用する場合に関しては、ja ロケールの扱いと同じです。
日本語入力システムはユーザーがどの日本語のロケールでログインした場合でも、ja ロケールで起動する必要があるため、ja ロケール以外でログインした場合は、注意が必要です。次の関連するコマンドもこれに含まれます。なお、具体的な起動方法は、このあとの説明を参照してください。
日本語入力システム ATOK8
atok8dicm(1)、atok8migd(1)
日本語入力システム cs00
cs00(1M)、mdicm(1)、udicm(1)、cs00toatok8(1)、kkcvtocs00(1)
その他
mle(1)、xci(7)、cm(3X)
なお、Solaris CDE 版 cs00 ユーザー辞書ツール (sdtudicm(1))は、どの日本語ロケールで起動しても、自動的に ja ロケールで動作します。htt(1) は、リソース *language: に値 ja が設定されていれば、どの日本語ロケールで起動しても、ja ロケールで動作します。また、wnn6setup(1)、atok8setup(1)、cs00setup(1) は、どの日本語のロケールでも利用できます。
ja_JP.UTF-8 ロケールにおいて、日本語入力システムを介して入力できる文字は、日本語 EUC の文字集合のみです。従って、日本語以外の文字や記号などは、日本語入力システムを使用して入力することはできません。また、辞書登録することもできません。日本語文字コードに関する詳細については、『JFP ユーザーズガイド』を参照してください。
テキスト設定ファイルとデータは、日本語 EUC を使用してください。
Wnn6 テキスト形式辞書、ATOK8 環境設定ファイル (atok8.ucf(4))、ATOK8 辞書メンテナンス用テキスト形式の単語ファイル (atok8wordlist(4))、cs00 ローマ字変換テーブル、cs00 辞書登録用テキストファイルなど、日本語を含むファイルには 日本語 EUC を使用してください。
Wnn6、cs00 で補助漢字を入力した場合、ja_JP.PCK ロケールでは、確定後の文字は不定です。
Wnn6、cs00 には補助漢字の入力機能があり、Wnn6、cs00 自身 ja ロケールで動作しているため、ja_JP.PCK ロケールにおいても補助漢字の表示と選択ができます。ただし、 選択した候補の文字列が ja_JP.PCK ロケールで動作しているアプリケーションに渡った場合は、ja_JP.PCK ロケールには対応する漢字がないため、文字が不定になります。これは、ja ロケールで動作しているテキストエディタの補助漢字をコピーし、 ja_JP.PCK ロケールで動作しているテキストエディタにペーストした場合も同様です。
ja_JP.PCK ロケールまたは、ja_JP.UTF-8 ロケールでの起動方法
mdicm(1)、udicm(1)、cs00toatok8(1)、kkcvtocs00(1)、 atok8dicm(1)、atok8migd(1)
ja_JP.PCK ロケールまたは ja_JP.UTF-8 ロケールで上記のコマンドを起動する場合、次の udicm コマンドの例を参考にしてください。
udicm コマンドの起動例 :
手順 1. ja ロケールで端末エミュレータを起動します。
sun% env LANG=ja dtterm & |
手順 2. 起動された端末エミュレータ上で udicm コマンドを起動します。
sun% udicm mshow csoo_m.dic -s あい -e あう |
ステータス文字列が、8 カラムで切られる場合があります。アプリケーションのステータス形式が XIMStatusNothing (ルートウィンドウ形式) か XIMStatusArea (通常、フッタ形式) のどちらかの場合、htt はステータス文字列の幅として、status.root.maxWidth リソースの値を使用するため、XIMStatusArea の場合でも十分な大きさの値を、status.root.maxWidth に設定してください。
XView の X リソース imStatusStyle に imDisplaysInClient を使用する場合、XView で書かれたアプリケーションでは、ステータスの色が正しく表示されなかったり、ステータス文字列が 2 つ表示されたりすることがあります。imStatusStyle の default 値は clientDisplays ですので、ユーザー設定を変えなければ問題は発生しません。
デフォルトの OpenWindows のセッションの場合に、ステータス表示が正確に行われません (デフォルトのセッションでは、.openwin-init が存在せず、openwin を起動したあと、コンソールとファイルマネージャだけが起動されます)。
ファイルマネージャに入力フォーカスがない場合、ステータスが表示されません。コマンドツールに入力フォーカスがない場合は、ステータスがはっきりと表示されます。つまり入力フォーカスを失っても、失っていないように見えます。
XIMP_FE_TYPE1 が設定されている場合、Sun のキーボードで「Ctrl+Space」キーまたは「日本語 On-Off」キーを押して、かな漢字変換モードをオンに設定した直後に文字列を入力すると、キーボードから変換サーバーに文字が到達しないため、入力した文字が失われることがあります。
回避方法: ステータス文字列が使用したい言語モードに変わるまで待つか、イベントタイプに XIMP_SYNC_BE_TYPE2 を設定してください。イベントタイプは、次のようにして、シェルの環境変数 XIMP_TYPE を XIMP_SYNC_BE_TYPE2 に設定することにより、設定できます。
sun% setenv XIMP_TYPE XIMP_SYNC_BE_TYPE2 |
また、X リソースデータベースに次のエントリを追加することによっても、イベントタイプが設定できます。
*immode: XIMP_SYNC_BE_TYPE2 |
Solaris の XIM (X Input Method) は、Ximp 4.0 プロトコルに基づいており、2 つの異なるイベントタイプをサポートしています。デフォルトは、XIMP_FE_TYPE1 (フロントエンドタイプ 1) です。デフォルトの設定では入力サーバー (htt) は、変換モードがオンに設定されている場合、キー入力イベントを先取りします。 XIMP_SYNC_BE_TYPE2 (バックエンド同期タイプ 2) は、XIMP_FE_TYPE1 の代替となるものです。この設定ではキー入力イベントは、常にクライアントに先に送られてから htt に転送され、クライアントに返送されます。
入力サーバー (htt) の属性を、htt プロパティマネージャーを用いて変更した場合、その変更内容が、X のリソースフォーマットで $HOME/.Xlocale/$LANG/app-defaults/Htt ファイルに保存されます。これ以降 htt を起動すると、Htt ファイルの設定が最優先されます。
cm インタフェースを使って htt を起動することはできません。デフォルトの xci を使用してください。
$HOME/.dtprofile に、日本語入力サーバーを起動する独自の行 (wnn6setup、 atok8setup、cs00setup を使用しないで設定した行) がある場合、ワークスペースメニューの「日本語入力システム切替」から希望する日本語入力システムを選択して再びログインしても、選択した日本語入力システムが利用できない場合があります。
回避方法: 独自に記述した $HOME/.dtprofile の日本語入力サーバーの起動に関する行を削除して、再びログインしてください。
Wnn6 で、カナ入力をしているときに Ctrl-H を入力すると、2 文字消えることがあります。
回避方法: 再度入力してください。
Wnn6 で、同じカタカナが変換候補として 2 回表示されることがあります。
回避方法: どちらか一方の候補で確定してください。
Wnn6 設定ユーティリティの「入力スタイル」で「変換 ON/OFF」のキーの割り当てを変更しても、変換 ON に関してはその変更が有効になりません。
回避方法 1: 次の手順で、htt のプロパティマネージャを使用して設定してください。
Wnn6/Htt を終了します。
htt を端末エミュレータなどから起動します。
sun% htt -nosm & |
他のオプションは指定しないでください。
htt のアイコンを開き、「一般」を選択します。
「入力マネージャ: 一般」ウィンドウで設定を行います。
設定が終了したら、ログインし直します。
回避方法 2: htt のリソース conversionOnKeys にキーシーケンスを指定します。
wnn6setup(1) を実行した場合は、ホームディレクトリに .Xlocale/ja/app-defaults/Htt という設定ファイルが作成されるので、ここで指定することができます。
日本語キーボードを使用して、入力変換モード [アr] でかな入力を行う場合、入力した文字がひらがなで表示されることがあります。
回避方法: 次の文字を入力したときや確定の操作を行なったときにカタカナになります。そのまま使用してください。
存在しないパスワードファイルを指定して辞書を追加した場合、Wnn6/Htt が起動しなくなります。通常は、パスワードファイルが自動的に作成されます。
回避方法 1: Wnn6 設定ユーティリティを起動して、「ユーザカスタマイズ」->「上級ユーザ向けカスタマイズ」->「かな漢字変換用辞書」を選択し、「辞書の作成」を「毎回確認する」に設定してください。
回避方法 2: パスワードファイルをあらかじめ作成してください。
wnnudmerge でユーザー辞書を処理すると、処理されたユーザー辞書が壊れることがあります。
回避方法 : wnnudmerge は使用しないでください。
Wnn6 設定ユーティリティの「学習/変換/表示モード」の設定画面で「次候補一覧の位置」に「カーソル」または「中央」を設定した場合、候補一覧ウィンドウはマウスポインタの位置に表示されます。
Wnn6 設定ユーティリティの「学習/変換/表示モード」の設定画面で、「次候補一覧のレイアウト」に複数行を設定した場合、候補一覧ウィンドウは横一列で表示されます。
クライアントが壊れた辞書または頻度ファイルなどを使用しようとすると jserver がコアダンプすることがあります。
回避方法 : 壊れた辞書または頻度ファイルは使用しないでください。
辞書をクライアント側に持つと wnndictutil の「辞書の保存」が失敗します。
回避方法 : 辞書をクライアント側に持っている場合は、「辞書の保存」を実行しないでください。
日本語入力システム Wnn6 を利用して、変換後のプリエディット (確定前) が 3 行に渡るような長い文章を入力し、部分確定をしていくと、プリエディットの表示が乱れて読めなくなることがあります。
回避方法 : プリエディットが 2 行で収まる程度に文章を入力してください。
Solaris CDE 上で ATOK8 を使用中、アプリケーションが、colormap を使い果たすとプリエディット/ステータスの色が変わり、プリエディット/ステータスが読めないことがあります。
Solaris 2.6 よりも前のリリース (Solaris 2.5.1 以前のリリース) において、atok8setup コマンドで ATOK8 を設定した場合、ja_JP.PCK ロケールまたは、ja_JP.UTF-8 ロケールでログインすると、ATOK8 が利用できません。
回避方法 : 最新の Solaris 日本語版で atok8setup コマンドを直接実行するか、ワークスペースメニューから「ATOK8 に設定」を選択して、ウィンドウシステムを再起動してください。
Solaris CDE 環境では<Shift> + <Esc>、<Alt> + <Space> は共にウィンドウメニューのアクセラレータキーに割り当てられているため、ATOK8 の部首入力およびモード一覧表示状態で前メニュー移動の機能がこれらのキーで利用できません。部首入力を利用する場合は、<Shift> + <F6> を使用してください。また、モード一覧表示状態で前のメニューに戻るには、<Esc> キーでいったんメニューを閉じて、再度 <Shift> + <F10> キーを押すか、環境設定ツールを使用してキーの割り当てを変更してください。キーの割り当ての変更については、『ATOK8 ユーザーズガイド』を参照してください。
ATOK8 を Solaris CDE 上で使う際、独立したカーソルキー (->/<-/↑/↓) を使用するとカーソルキー入力の一部が脱落し、ATOK8 の変換操作に反映されないことがあります。
回避方法 : 数値入力キー上のカーソルキーを使用してください。
例: 日本語をオンの状態で 'aba' と入力します(「あば」と表示されます)。Ctrl-N を押します(「あば」の表示は変わりません)。Ctrl-N を押します(「暴」と表示されます)。Ctrl-N を押します(「あば」と表示されます)。 Ctrl-N を押します (「アバ」と表示されます)。つまり、変換候補は次のように変化します。「あば」「暴」「あば」「アバ」「暴」「あば」「アバ」「暴」
回避方法 : Ctrl-W による候補一覧表示の場合は、このような現象は発生しません。
Solaris CDE のログアウト時に起動されているアプリケーションは、通常、次のログイン時に自動的に起動されますが、cs00 ユーザー辞書ツールに関してはこの機能が働きません。
XView ウィンドウ上で Meta-A (Again キー)、Meta-Z (Undo キー) が動作しません。
変換インタフェースモジュールとして CM を選択して、区点入力モードを選択した場合、空白でコードを区切って区点入力をすると、アプリケーションへの入力が停止することがあります。
回避方法 : 区点入力を使用する際に、空白で区切って複数選択することは避け、1 文字単位で入力してください。
udicm コマンドを次のように -s または -e オプションの後に単語の読みを指定しないで使用するとコアダンプします。
sun% udicm mshow cs00_m.dic -s |
または
sun% udicm mshow cs00_m.dic -e |
回避方法 : udicm コマンドで mshow コマンドを利用する場合は、-s または -e オプションパラメタの後に、単語の読みを必ず指定してください。
mdicm コマンドを次のように使用して、空のメイン辞書を生成しようとするとコアダンプします。
sun% mdicm mshow cs00_m.dic cs00_u.dic > cs00_m.list sun% mdicm ldel cs00_m.dic cs00_u.dic cs00_m.list -m mdic.dic ¥ -u udic.dic |
cs00 で次のような操作をすると漢字候補一覧ではなく、部首の一覧が表示されてしまいます。
部首の一覧が表示されます。
部首の一覧は消えます。
"き" が反転表示されます。
"き" に対する漢字の候補一覧ではなく、部首の一覧が表示されます。
回避方法 : 部首入力をキャンセルしたあと、いったん日本語をオフにしてください。
日本語入力システム Wnn6 を OpenWindows で使用し、「次候補一覧の位置」に「カーソル」または「中央」を指定している場合、候補一覧ウィンドウの表示中にマウスポインタが動くと、キー入力が効かなくなる (次ページ表示操作や選択ができなくなる) ことがあります。
日本語入力システム cs00 を OpenWindows で使用する場合、htt の設定「プリエディット/ステータス」ウィンドウに「カーソルの位置」を指定すると、候補一覧ウィンドウ (LUC) を表示している時にキー入力が効かなくなる (次ページ表示操作や選択ができなくなる) ことがあります。
回避方法 : OpenWindows を利用する場合はこの設定を使用しないか、キー入力が効かなくなった時は、マウスポインタを少しずらしてみてください。
ミスク・リージョンをサポートしていません。
セレクション・リージョンで使用できるオペレーション CM_SELECT は、セレクション・リージョンを作成したあとの最初の要求に限られます。
セレクション・リージョンのラベルは英字で、1 ページの項目数は 26 個に固定です。
cm_put() に与える要求のチェーンはサポートされていません。各要求について cm_put() を呼び出してください。
cstab ファイル内でデフォルト CS として cs00 を指定する必要があります。
英数字・記号からかな文字への変換を libmle 以下で行う「かな入力モード」はサポートされていません。ENV 部分でかな文字を発生させてかなを入力することは可能です。
実際に日本語入力を行う ENV のユーザーは、JLE 1.x の libmle 使用時と同様の入力を行うことができます。ただし、libmle から ENV に返される結果の内容やシーケンスは、細部で JLE libmle のものと異なることがあります。
$HOME/.mle/ja/kkcv または $HOME/.mle/japanese/kkcv に、kkcv_u.dic または kkcv_m.dic の一方しか存在しない場合、Solaris 7 上で JLE アプリケーションを動作させると、かな漢字変換が正しく行われません。
回避方法 : kkcv_u.dic または kkcv_m.dic のうち、$HOME/.mle/ja/kkcv または $HOME/.mle/japanese/kkcv に存在しない方の辞書を、すでに存在している辞書のコピー元と同じバージョンの OS からコピーして、$HOME/.mle/ja/kkcv または $HOME/.mle/japanese/kkcv に置いてください。