Solaris 7 のソフトウェア開発 (追補)

Java 2 SDK 1.2.1_03

この拡張機能は、Solaris 7 - 11/99 ソフトウェアリリースで追加されたものです。詳細は、http://www.sun.com/solaris/jdk/download.1.2.1_03 を参照してください。

ヒープ検査ツール

これは対話的に強制終了されたプログラムを診断するツールで、SIGQUIT ハンドラメニューからアクセスできます。プログラム内のメモリーリークを発見するのに使用できます。メモリーリークは、プログラムが意図せずオブジェクトを保持している場合に発生し、ガーベッジコレクターによるメモリーの再利用機能を妨害します。ヒープ検査は、ヒープ内のオブジェクトのブレークダウンをクラスごとに、消費するメモリーの合計量によってソートして報告します。選択されたオブジェクトへの参照チェーンを調べて、オブジェクトを保持しているものを確認できます。

ヒープ内のダブルワードの 8 バイト境界への整列

ダブルワード (long 型または double 型) の値は現在、ヒープ内では 8 バイト境界に揃えられます。これにより、ネイティブコードと JIT でコンパイルした Java コードの性能が改善され、同時に SPARC システム上での揮発性ダブルワード値の正確さが保証されます。ただし、アプリケーションが小さなオブジェクトを数多く割り当てて保持する場合は、ヒープサイズをわずかに増やす必要があります。これは、これらのオブジェクトが 8 バイトの倍数に割り当てられ、メモリーの使用量を増やすためです。

JIT コンパイラの最適化

Java 2 SDK には、アプリケーションの起動時間に影響を及ぼすことなく性能を向上させる、最適化 JIT (Just In Time) コンパイラが含まれています。JIT コンパイラは特に、最適化の機会を識別し、頻繁に起動されるメソッドとループを持つメソッドを効率の高いネイティブコードに変換する機能が向上しています。

メモリー管理システムの拡張

Java Virtual Memory (JVM) には、高度に最適化されたメモリーシステムも含まれています。これによりメモリーの割り当てとガーベッジコレクションがより効率的に実行されます。ダイレクトポインタを使用する、従来の方式とは異なる、コンパクトで発展的なメモリーシステムです。バッチプログラムの性能が向上し、対話型プログラムでの、ガーベッジコレクションによる一時停止を減少させます。

より高速なスレッド同期

JVM は、Java プラットフォームの同期プリミティブの実装を大幅に向上しました。これらの実装により、並行プログラミングがより効率的に行われ、同期プリミティブが単一スレッドアプリケーションの性能に及ぼす影響が減少します。