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iPlanet Directory Server 5.1 インストールガイド |
第 4 章 サイレントインストール
サイレントインストールでは、通常はセットアッププログラムに対して対話的な操作で入力するすべての項目を、1 つのファイルに事前に定義しておくことができます。これによって、Directory Server のインストールをスクリプト化することができます。
サイレントインストールの使用
サイレントインストールの使用
サイレントインストールを使用するには、-s および -f コマンド行オプションを使用してセットアッププログラムを実行します。つまり、サイレントインストールを使用するには、次の操作を実行します。
UNIX マシンの場合は、root としてログインします。Windows NT および Windows 2000 コンピュータでは、administrator の権限を持つユーザとしてログインします。
次の節では、サイレントインストールファイルの例をいくつか示します。その次の節では、Directory Server のインストールに使用できるサイレントインストール用のすべての指令についても記述します。
製品のバイナリファイルをまだダウンロードしていない場合は、インストールディレクトリにダウンロードします。
- # mkdir ds5.1
# cd ds5.1
UNIX の場合は、次のコマンドを実行して製品のバイナリファイルを解凍します。
Windows NT および Windows 2000 の場合は、製品のバイナリファイルを解凍 (unzip) します。
- # gunzip -dc file_name.tar.gz | tar -xvof-
- ここでの file_name は、解凍する製品のバイナリファイル名を表します。
-s および -f コマンド行オプションを使用してセットアッププログラムを実行します。
- setup -s -f file_name
- ここでの file_name は、インストール指令を書き込んだファイル名を表します。
サイレントインストールファイルの準備
サイレントインストールは、多くのサーバインスタンスの作成が必要なサイトで使用することを目的としています。Directory Server では、多数のコンシューマサーバが存在する、複製頻度の高いサイトでは特に便利です。この節では、はじめにサイレントインストールファイルの作成方法を説明します。また、次に示すような一般的なインストール環境でのサイレントインストールを使用する例を示します。
個々のインストール指令の定義については、「インストール指令」を参照してください。
サイレントインストールファイルの作成
サイレントインストールに使用するファイルの最適な作成方法は、セットアッププログラムを使用し、企業で複製したいタイプのサーバインスタンスを対話的に作成することです。これを実行するには、-k フラグを使用してセットアッププログラムを実行します。セットアッププログラムによって次のファイルが作成されます。
/<ServerRoot>/setup/install.inf
このファイルには、サーバインスタンスを作成するためにサイレントインストールで使用されるすべての指令が書き込まれます。その後、このファイルを使用して、同じタイプの別のサーバインスタンスを作成できます。
ほかのコンピュータ上で使用する場合は、ファイルに多少の修正を加える必要があります。次の点を確認してください。
iPlanet Directory Server をインストールするマシンがローカルマシンでない場合は、インストールするマシンに合わせて FullMachineName 指令を適切な値に設定します。FullMachineName はデフォルトでローカルホスト名が割り当てられるので、通常はこの指令は使用しないでください。ただし、カスタムインストールを使用して最初のサーバインスタンスを作成する場合は、install.inf ファイル内にこの指令が記述されます。
install.inf ファイルにはパスワードが暗号化されずに記述されるので、このファイルは必ずプロテクトしてください。ローカルマシンに応じた適切な ServerIPAddress 指令を設定します。ServerIPAddress の使用規則は FullMachineName の場合と同じです。ただし、絶対に必要な場合 (マルチホームシステムの場合などは必要となる可能性がある) を除き、install.inf ファイル内には ServerIPAddress を含めないでください。
ServerRoot 指令のインストールパスを確認します。Windows NT または Windows 2000 マシンと、UNIX マシンの両方にインストールする場合は、それぞれ適切なパスの区切り文字が使用されていることを確認します。また、インストール先のホストに合わせて Windows NT または Windows 2000 のドライブ文字指定を追加または削除します。
同じホスト上に複数の Directory Server をインストールする場合は、ServerIdentifier 指令に、各サーバインスタンスの一意の値が含まれていることを確認します。
Windows NT または Windows 2000 のマシン上に install.inf ファイルを作成する場合は、SuiteSpotUserID 指令と SuiteSpotGroup 指令を両方とも nobody に設定します。このファイルをこの後続けて UNIX マシン上で使用する場合は、これらの指令によって指定されるユーザおよびグループが、そのマシンに適したものとなるようにします。SuiteSpotUserID 指令と SuiteSpotGroup 指令は、UNIX システム上にインストールした場合は、どのユーザおよびグループの下でサーバを実行するかを決定します。
サイレントインストールファイルで使用可能な指令については、「インストール指令」を参照してください。
標準インストール
次に、標準インストール用に作成した install.inf ファイルの例を示します。
既存の構成ディレクトリの使用
次に、標準インストールで、既存の Directory Server を構成ディレクトリとして使用するときに作成される install.inf ファイルの例を示します。
スタンドアロンの iPlanet Console の
インストール
次に、iPlanet Console だけをインストールするときに作成される install.inf ファイルの例を示します。
インストール指令
この節では、サイレントインストールで使用されるファイルの基本的な形式について説明します。その後、サイレントインストールファイルの各領域で使用可能な指令についても説明します。ここでは、次の項目について紹介します。
サイレントインストールファイルの形式
サイレントインストールファイルの形式
サイレントインストールを使用する場合は、すべてのインストール情報を 1 つのファイルに記述します。このファイルは、次の形式で構成されます。
[General]指令 = 値 指令 = 値 指令 = 値 ... [Base]
指令 = 値指令 = 値 指令 = 値 ... [slapd] 指令 = 値 指令 = 値 指令 = 値 ... [admin] 指令 = 値 指令 = 値 指令 = 値 ....
キーワードの [General]、[slapd]、および [admin] は必須の項目です。これらのキーワードは、その後に続く指令がインストールの特定の側面に対するものであることを示します。ファイル内のキーワードの順番は、上述のとおりにする必要があります。
[General] インストール指令
[General] インストール指令には、サイト上にインストールされる iPlanet サーバの全体的な情報を指定します。つまり、ここで指定した情報は、すべての iPlanet サーバに共通に適用されます。[General] インストール指令には次のようなものがあります。
インストールするコンポーネントを指定します。インストール可能なコンポーネントのリストは、インストールメディアに収められている iPlanet サーバによって異なります。スタンドアロンディレクトリのインストールの場合、コンポーネントのリストは次のとおりです。
UNIX のみ。iPlanet サーバを実行するユーザ名を指定します。このパラメタは、Administration Server を実行するユーザには適用されません。詳細は、表 4-5 の SysUser 指令を参照してください。デフォルトはユーザ nobody ですが、通常は変更する必要があります。
UNIX のみ。iPlanet サーバを実行するグループを指定します。デフォルトはグループ nobody ですが、通常は変更する必要があります。
構成ディレクトリへの接続に使用する LDAP URL を指定します。LDAP URL については、『iPlanet Directory Server 管理者ガイド』を参照してください。この指令は必須です。
このサーバが登録される管理ドメインを指定します。管理ドメインについては、「管理ドメインの決定」を参照してください。
ユーザおよびグループのデータを格納するディレクトリへの接続に使用される LDAP URL を指定します。この指令に指定がない場合は、代わりに構成ディレクトリが使用されます。LDAP URL については、『iPlanet Directory Server 管理者ガイド』を参照してください。
[Base] インストール指令
[Base] インストール指令は 1 つしかなく、この指令で iPlanet Console をインストールするかどうかを決定します。
[slapd] インストール指令
[slapd] インストール指令は、現在インストールしている Directory Server インスタンスにのみ関係する情報を指定します。これらの指令については、次の節で説明します。
必須の [slapd] インストール指令
必須の [slapd] インストール指令
Directory Server のサイレントインストールを実行するときは、次の指令を指定する必要があります。
インストールする slapd コンポーネントを指定します。slapd コンポーネントは次のとおりです。
この指令は必須です。Directory Server をインストールする場合は、常に両方のコンポーネントをインストールすることをお勧めします。
サーバが LDAP 接続に使用するポートを指定します。サーバポート番号の選択については、「一意のポート番号の選択」を参照してください。この指令は必須です。
この名前は、Directory Server インスタンスのインストール先ディレクトリ名の一部として使用されます。たとえば、マシンのホスト名が phonebook の場合はこの値がデフォルトとなり、この名前を選択すると slapd-phonebook というラベルが付いたディレクトリに Directory Server インスタンスがインストールされます。
ディレクトリデータを格納する接尾辞を指定します。接尾辞については、「ディレクトリ接尾辞の決定」を参照してください。この指令は必須です。
ディレクトリマネージャが使用する識別名を指定します。ディレクトリマネージャについては、「認証エンティティの定義」を参照してください。この指令は必須です。
省略可能な [slapd] インストール指令
Directory Server のサイレントインストールを実行するときは、次の指令を使用することができます。
[admin] インストール指令
[admin] インストール指令は、ユーザの Directory Server の Administration Server にのみ関係する情報を指定します。つまり、この情報は、現在インストールしている Directory Server インスタンスの管理に使用される Administration Server にとって必要なインストール情報です。[admin] インストール指令には次のようなものがあります。
UNIX のみ。Administration Server を実行するユーザを指定します。デフォルトの iPlanet ポート番号を使用するデフォルトインストールの場合は、このユーザは root でなければなりません。デフォルトは root です。サーバを実行するユーザについては、「iPlanet サーバ用のユーザとグループの決定 (UNIX® のみ)」を参照してください。
Administration Server が使用するポートを指定します。Administration Server のホスト名は、FullMachineName 指令で指定されることに注意してください。FullMachineName については、表 4-1 を参照してください。
構成ディレクトリが応答しない場合に、この Administration Server へのアクセスに使用できる管理者 ID を指定します。デフォルトでは、ConfigDirectoryAdminID 指令で指定された値が使用されます。この指令については、「認証エンティティの定義」を参照してください。
Administration Server が待機する IP アドレスを指定します。マルチホームシステム上にインストールする場合、Administration Server に最初の IP アドレスを使用しないときは、この指令を使用します。
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Last Updated February 05, 2002