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iPlanet Directory Server 5.1 構成、コマンド、およびファイルのリファレンス



付録 A   ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティの使い方


第 8 章「コマンド行スクリプト」では、Directory Server 上で日常的な管理業務を行うためのスクリプトについて説明しました。この付録では、同じ管理業務に使用できる ns-slapd (UNIX) および slapd (Windows) コマンド行ユーティリティについて説明します。この章は、次の節で構成されています。



ns-slapd および slapd.exe コマンドの概要

ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティは、すべてサーバの管理業務に使用できます。これらのユーティリティを使用すると、管理業務をより柔軟に行うことができますが、第 8 章「コマンド行スクリプト」で説明したコマンド行スクリプトを使用することをお勧めします。


ns-slapd (UNIX)

ns-slapd は、UNIX オペレーティングシステム上で、Directory Server のプロセスを開始したり、LDIF ファイルからディレクトリデータベースを構築したり、既存のデータベースを LDIF ファイルに変換したりするために使用します。Directory Server の起動と停止、コマンド行を使用した LDIF からのインポートおよび LDIF へのエクスポートについては、『iPlanet Directory Server 管理者ガイド』の第 3 章「ディレクトリデータベースへのデータの生成」を参照してください。


slapd.exe (Windows NT)

slapd.exe は、Windows NT で使用する ns-slapd と同等の機能を備えるユーティリティです。



 

ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティを実行する前に、サーバを停止しておく必要があります。  





ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティの格納場所と実行方法



デフォルトのインストールでは、ns-slapd コマンド行ユーティリティは、以下のパスの下に以下の名前で格納されます。

Solaris 9 プラットフォーム

/usr/iplanet/ds5/bin/slapd/server/ns-slapd

Windows プラットフォーム

\iPlanet\Servers\bin\slapd\server\slapd.exe

その他のプラットフォーム

/usr/iplanet/servers/bin/slapd/server/ns-slapd

slapd プロセスのウォッチドッグである ns-slapd.exe と、Windows NT の slapd.exe とを混同しないように注意してください。



警告  

コマンド行ユーティリティを実行するには、コマンド行ユーティリティが格納されているディレクトリに移動する必要があります。コマンドパス変数およびライブラリパス変数を設定してコマンド行ユーティリティを実行することもできますが、この方法はお勧めできません。特に、複数のバージョンのサーバがインストールされている場合は、ほかのユーティリティを正常に実行できなくなったり、システムのセキュリティが低下したりする恐れがあります。  





ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティを使用したデータベースのエクスポート




db2ldif

データベースの内容を LDIF にエクスポートします。


シェルの構文 (UNIX)


ns-slapd db2ldif -D slapd-serverID -a output_file [-d debug_level] [-n backend_instance] [-r] [-s include_suffix] [-x exclude_suffix] [-N] [-u] -[U]


slapd-serverID は、サーバの構成ディレクトリの場所を示します。slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを入力してください。


バッチファイルの構文 (Windows NT)


slapd.exe db2ldif -D slapd-serverID -a output_file [-d debug_level] [-n backend_instance] [-r] [-s include_suffix] [-x exclude_suffix] [-N] [-u] [-U]



 

-n オプションまたは -s オプションを指定する必要があります。  




オプション

-a

エクスポートした LDIF を保存する出力ファイルを定義する。デフォルトでは、このファイルはコマンド行ユーティリティのあるディレクトリに格納される

-d

db2ldif の実行時に使用するデバッグレベルを指定する。詳細は、「nsslapd-errorlog-level (エラーログレベル)」を参照

-D

エクスポート処理に使用する構成情報が格納されているサーバ構成ディレクトリを指定する。必ず、slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを指定すること

-N

エントリ ID を LDIF 出力から除外するようにする。エントリ ID は、db2ldif 出力を db2index 入力として使用する場合にだけ必要

-r

LDIF ファイルをコンシューマサーバにインポートするときに、サーバが copiedFrom 属性とその内容を LDIF 出力に取り込むようにする。この情報は、サーバがレプリケーションに使用する

-r オプションを使用する場合は、エクスポートする接尾辞を -s オプションで指定する必要がある。このオプションを使用してエクスポートを実行する前に、必ずサーバを停止すること

-s

エクスポートに取り込む 1 つ以上の接尾辞を指定する。-s 引数は複数回使用できる。-s-x も指定しない場合は、データベース内のすべての接尾辞がエクスポートされる。-x-s の両方の引数で同じ接尾辞を指定した場合は、-x の操作が優先される。除外の方が取り込みよりも常に優先される

エクスポートされた LDIF ファイルから 1 つ以上の接尾辞を除外し、その LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、o=NetscapeRoot を除外してはならない。-s を使用して取り込む接尾辞を指定し、その LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、-s を使用して o=NetscapeRoot を取り込むようにする

-u

一意の ID を LDIF 出力から除外するようにする。デフォルトでは、一意の ID を持つすべてのエントリの ID が、エクスポート先の LDIF ファイルに取り込まれる

エクスポートした LDIF を使用して 4.x コンシューマサーバを初期化する場合は、このオプションを使用する。ただし、5.0 コンシューマサーバでは、エントリの一意の ID は作成されず、データベース内にすでにあるもだけが使用されるため、5.0 コンシューマサーバにインポートする場合は、このオプションを使用してはならない

-U

行末で折返しせずにデータベースの内容を出力する

-x

エクスポートから除外する 1つ以上の接尾辞を指定する。-x 引数は複数回使用できる。-s-x も指定しない場合は、データベース内のすべての接尾辞がエクスポートされる。-x-s の両方の引数で同じ接尾辞を指定した場合は、-x の操作が優先される。除外の方が取り込みよりも常に優先される。LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、o=NetscapeRoot を除外してはならない

-n

エクスポートするバックエンドインスタンスの名前を指定する



ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティを使用したデータベースの復元およびバックアップ




ldif2db

LDIF ファイルをデータベースにインポートします。


シェルスクリプトの構文 (UNIX)


ns-slapd ldif2db -D slapd-serverID -i ldif_file [-d debug_level] [-g string] [-n backend_instance] -O [-s include_suffix] -x exclude_suffix]

ldif_file はインポートする LDIF が含まれるファイルを示し、slapd-serverID はサーバの構成ディレクトリの場所を示します。サンプルの LDIF ファイルが installDir/slapd-serverID/ldif にあります。slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを入力してください。デフォルトでは、次のようになります。

Solaris 9 プラットフォーム

/var/ds5/slapd-serverID

Windows プラットフォーム

\iPlanet\Servers\slapd-serverID

その他のプラットフォーム

/usr/iplanet/servers/slapd-serverID


バッチファイルの構文 (Windows NT)


slapd ldif2db -D slapd-serverID -i ldif_file [-d debug_level] [-g string] [-n backend_instance] [-O] [-s include_suffix] [-x exclude_suffix]



 

-n オプションまたは -s オプションを指定する必要があります。  




オプション

-d

実行時に使用するデバッグレベルを指定する。詳細は、「nsslapd-errorlog-level (エラーログレベル)」を参照

-D

インポート処理に使用する構成情報が含まれているサーバ構成ディレクトリを指定する。必ず、slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを指定すること

-g string

一意の ID を生成する。一意の ID を生成しない場合は none を入力し、名前に基づいた一意の ID を生成する場合は deterministic を入力する。デフォルトでは、時間に基づいた一意の ID が生成される

名前に基づいた一意の ID を取得するために deterministic 生成を使用する場合は、次のように、サーバが使用するネームスペースを指定することもできる

-g deterministic namespace_id

namespace_id は、次の形式の文字列を示す

00-xxxxxxxx-xxxxxxxx-xxxxxxxx-xxxxxxxx

同じ LDIF ファイルを 2 つの 異なる Directory Server にインポートし、同じ一意の ID を両方のディレクトリの内容に追加する場合は、このオプションを使用する。インポートする LDIF ファイルに一意の ID がすでに含まれている場合は、指定したオプションに関係なく、既存の ID がサーバにインポートされる

-i

インポートする LDIF ファイルを指定する。このオプションは必須。一度に複数の LDIF ファイルをインポートする場合は、-i 引数を複数回使用できる。複数のファイルをインポートする場合、サーバはコマンド行で指定された順に LDIF ファイルをインポートする

-n

インポートするバックエンドの名前を指定する

-O

インポートするデータベースの属性インデックスを作成しないようにする。このオプションを指定して、あとでインデックスを復元する場合は、手動でインデックスを再度作成する必要がある。詳細は、『iPlanet Directory Server 管理者ガイド』を参照

-s

インポートする LDIF ファイル内の 1 つ以上の接尾辞を指定する。-s を使用して取り込む接尾辞を指定し、その LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、-s を使用して o=NetscapeRoot を取り込むようにする。-s 引数は複数回使用できる。-x-s の両方の引数で同じ接尾辞を指定した場合は、-x の操作が優先される。除外の方が取り込みよりも常に優先される。-x-s も指定しない場合は、使用可能なすべての接尾辞が LDIF ファイルからインポートされる。

-x

インポート時に除外する LDIF ファイル内の接尾辞を指定できるようにする。-x 引数は複数回使用できる。このオプションを指定すると、LDIF ファイルを部分的に選択してインポートできる。-x-s の両方の引数で同じ接尾辞を指定した場合は、-x の操作が優先される。除外の方が取り込みよりも常に優先される。-x-s も指定しない場合は、使用可能なすべての接尾辞が LDIF ファイルからインポートされる。LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、o=NetscapeRoot を除外してはならない



警告  

LDIF ファイルを構成ディレクトリにインポートする場合は、インポートする前に o=NetscapeRoot 接尾辞とその内容が LDIF ファイルに取り込まれていることを確認してください。-s-x、またはこの 2 つを組み合わせて使用して o=NetscapeRoot 接尾辞を除外しないでください。iPlanet Administration Server は、この接尾辞を使用して、インストールされている Netscape Server に関する情報を格納します。構成ディレクトリへの o=NetscapeRoot のインポートに失敗すると、Directory Server を含むすべての Netscape 4.x サーバを再度インストールするか、あるいはバックアップから復元しなければならなくなる場合があります。  




archive2db

アーカイブからデータベースを復元します。


シェルスクリプトの構文 (UNIX)


slapd archive2db -D configdir -a archivedir


バッチファイルの構文 (Windows NT)


slapd archive2db -D configdir -a archivedir


オプション

-D

インデックスの作成処理に使用する構成情報が格納されているサーバ構成ディレクトリを指定する。必ず、slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを指定すること

-a

アーカイブディレクトリを指定する


db2archive

すべてのデータベースをアーカイブにバックアップします。


シェルスクリプトの構文 (UNIX)


slapd db2archive -D configdir -a archivedir


バッチファイルの構文 (Windows NT)


slapd db2archive -D configdir -a archivedir


オプション

-D

インデックスの作成処理に使用する構成情報が格納されているサーバ構成ディレクトリを指定する。必ずslapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを指定すること

-a

アーカイブディレクトリを指定する



ns-slapd および slapd.exe コマンド行ユーティリティを使用したインデックスの作成と再生成




db2index

インデックスを作成および再生成します。


シェルスクリプトの構文 (UNIX)


slapd db2index -D slapd-serverID [-d debug_level] -n backend_name -t attributeName[:indexTypes[:matchingRules]] | [-T VLVTag]


バッチファイルの構文 (Windows NT)


slapd db2index -D slapd-serverID [-d debug_level] -n backend_name -t attributeName[:indexTypes[:matchingRules]] | [-T VLVTag]

オプション

-d

インデックスの作成時に使用するデバッグレベルを指定する。詳細は、「nsslapd-errorlog-level (エラーログレベル)」を参照

-D

インデックスの作成処理に使用する構成情報が格納されているサーバ構成ディレクトリを指定する。必ず、slapd-serverID ディレクトリへの絶対パスを指定すること

-n

インデックスを作成するエントリが格納されているバックエンドの名前を指定する

-t

インデックスを作成する属性と作成するインデックスのタイプを指定する。また、適用するマッチング規則がある場合はそれも指定する。マッチング規則を指定する場合は、インデックスのタイプも指定する必要がある。このオプションは、-T オプションとともに使用することはできない

-T

VLV インデックスの作成に使用する VLV タグを指定する。「クロスリファレンス」で説明しているように、ディレクトリツリーをサポートしている各データベースの VLV タグは、Console を使用して指定できる。「クロスリファレンス」で説明しているように、追加の VLV タグを LDIF 内に作成し、Directory Server の構成に追加すると、新しい VLV タグを定義できる。このオプションは、-t オプションとともに使用することはできない

:indexTypes

属性に付けるインデックスのコンマ区切りのリスト

:matchingRules

省略可能な、属性のインデックス付けで使用する言語用の、OID のコンマ区切りのリスト。このオプションは国際インデックスを作成するのに使用される。サポートされているロケールおよび照合順序 OID については、『iPlanet Directory Server 管理者ガイド』の付録 D「国際化」を参照




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Last Updated February 18, 2002