Java ES ソフトウェアに基づくビジネスソリューションの作成に伴う作業は、図 1–3 に示すように、いくつかのフェーズに分けられます。この図は、各種作業を通常実行する Java Enterprise System ユーザーのカテゴリも示しています。
図 1–3 に示すライフサイクルのフェーズは、次の一般的なグループに分類できます。
配備前: このフェーズでは、ビジネスのニーズを配備シナリオ、つまり論理アーキテクチャーと一連のサービス品質の要件に変換します。配備シナリオは、配備アーキテクチャーを設計するために使用する仕様としての役割を果たします。
配備: このフェーズでは、配備シナリオに基づいて配備アーキテクチャーを作成します。このアーキテクチャーをプロジェクト承認および予算設定の基礎として使用できます。この配備アーキテクチャーは、ソフトウェアソリューションを本稼動環境に配備 (構築、テスト、および展開) するために必要な詳細情報が含まれる実装仕様の基礎にもなります。
配備後: オペレーションフェーズでは、配備されたソリューションを本稼働条件下で実行し、パフォーマンスを監視および最適化します。また、配備されたソリューションを必要に応じてアップグレードし、新しい機能を組み入れます。
図 1–3 に示すソリューションのライフサイクルおよび各フェーズの作業については、第 4 章「Java Enterprise System ソリューションのライフサイクルの作業」で詳しく説明します。
図 1–3 は、ライフサイクルの各フェーズに示された作業を通常実行する Java ES ユーザーを示しています。Java ES で作業を実行する場合、実行するジョブは図 1–3 に示す 1 つ以上のユーザーカテゴリに該当します。各カテゴリのユーザーのスキルとバックグラウンドは、次の表のとおりです。
表 1–5 ライフサイクルの作業に関連する Java ES ユーザーカテゴリ
ユーザー |
スキルとバックグラウンド |
フェーズ |
---|---|---|
システムアナリスト |
専門的ではなくても、一般的な技術知識を持っている。 企業の戦略上の方向性を理解している。 ビジネスのプロセス、目的、要件を理解している。 |
ビジネス分析 技術要件 論理設計 |
専門的である。 配備アーキテクチャーの幅広い知識を持つ。 最新の技術に精通している。 ビジネスの要件および制約を理解している。 |
論理設計 配備設計 |
|
フィールドエンジニア システム管理者 システムマネージャー |
専門的である。 IT 環境に精通している。 分散型のソフトウェアソリューションを実装した経験がある。 ネットワークのアーキテクチャー、プロトコル、デバイス、セキュリティーの知識を持つ。 スクリプト言語およびプログラミング言語の知識を持つ。 |
配備設計 配備実装 |
代行管理者 サポートエンジニア |
特化した技術知識または製品知識を持つ。 ハードウェア、プラットフォーム、ディレクトリ、およびデータベースに精通している。 ソフトウェアの監視、トラブルシューティング、およびアップグレードに熟練している。 オペレーティングシステムプラットフォームのシステムの管理の知識を持つ。 |
オペレーション |