Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.0)

RedHat Linux サーバーの設定

OS プロビジョニングプラグインは、RedHat Linux の Kickstart 機能とともに、JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジを通じて提供される機能を使用して、RedHat Linux オペレーティングシステム (OS) をプロビジョニングします。RedHat Linux サーバーを設定すると、OS をプロビジョニングするための Kickstart 処理を実行する JET モジュールが作成されます。JET についての詳細は、「JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジ」を参照してください。

RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーには次のソフトウェアが含まれています。

RedHat Linux OS をプロビジョニングするためのネットワークの準備

RedHat Linux イメージサーバーを作成する前に、次の作業を行なっておく必要があります。

ProcedureTFTP アクセス権を設定する

JET を使用して、RedHat Linux イメージサーバーを作成した場合、TFTP サービスは自動的にプロビジョニング用に構成されます。ただし、その場合でも、ブートおよびインストールサーバー上の TFTP ルートディレクトリに追加のディレクトリおよびファイルを作成またはコピーする必要があります。OS ディストリビューションは、このブートおよびインストールサーバーからサービスを受ける各サブネットに関して、TFTP を介してアクセス可能である必要があります。

始める前に

ブートおよびインストールサーバーに適切な TFTP サーバーソフトウェアがインストールされていることを確認してください。

  1. TFTP ルートディレクトリの下に、次のディレクトリをコピーまたは作成します。

    • /tftpboot/pxelinux.0 – Linux PXE ブートストラップファイルは http://syslinux.zytor.com/pxe.php からダウンロードできます。

    • /tftpboot/pxelinux.cfg/ – このディレクトリには PXE 構成ファイルが含まれています。これらのファイルには、各ハードウェアプラットフォームおよび Linux ディストリビューションに固有のパラメータが含まれています。

      PXE 構成ファイルの作成方法については、「RedHat Linux OS プロビジョニング用の PXE 構成ファイルを作成する」を参照してください。


    注 –

    この作業では、TFTP ルートディレクトリの 1 例として /tftpboot を使用します。


  2. JET を使用しない RedHat Linux プロビジョニングプロファイルの場合は、TFTP ルートディレクトリに次のファイルをコピーします。

    • vmlinuz/images/pxeboot にあるディストリビューションのインストールカーネル。

    • initrd.img/images/pxeboot にあるディストリビューションのインストール RAM ディスク。

    複数リリースの RedHat Linux OS のプロビジョニングを行えるようにする場合は、このファイルに、 vmlinuz_3.0 などの一意の名前を割り当てます。

ProcedureRedHat Linux のファイルをコピーする

ここでは、製品媒体から RedHat Linux のファイルをコピーすることによって、その OS イメージを作成する手順を説明します。これらのコピーは、RedHat Linux OS または Solaris OS のいずれかが動作するシステムに配置できます。システムの CD-ROM ドライブに物理製品媒体を挿入し、プロビジョニングプラン用のイメージソースとして CD を指定することもできます。RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーにコピーを配置する必要はありません。

ブートおよびインストールサーバーではないシステムにコピーを配置する場合は、次の条件が満たされる必要があります。

次の手順に従って、RedHat Linux ファイルのコピーを作成してください。

  1. Linux ファイルを含めるディレクトリを作成します。


    注 –

    同じサーバーから複数のディストリビューションにサービスを提供するため、各ディストリビューション用に独立したディレクトリを作成します。


  2. 最初の CD-ROM または ISO イメージファイルをマウントします。

    次のいずれかの例のようなコマンドを使用します。


    #mount /dev/cdrom by default, will mount on /mnt/cdrom, check /etc/fstab
    #mount -o loop /path-to-first-iso /mnt/loop assumes /mnt/loop exists
      
    
  3. CD-ROM または ISO イメージファイルの内容を、手順 1 で作成したディレクトリにコピーします。

    次のいずれかの例のようなコマンドを使用します。


    #/bin/cp -avf  /mnt/cdrom/* /export/RHEL3.0
    #/bin/cp -avf  /mnt/loop/* /export/RHEL3.0
       
    
  4. ディストリビューションのすべての CD-ROM または ISO メディアに対して手順 2 と 3 を繰り返します。

RedHat Linux イメージサーバーの作成

RedHat Linux イメージをコピーしたあと、N1 SPS 環境内に RedHat Linux イメージサーバーを作成する必要があります。ブートおよびインストールサーバーを N1 SPS リモートエージェントにし、ブートおよびインストールサーバーをマスターサーバーに対するリモートエージェントとして追加します。

ProcedureRedHat Linux イメージサーバーを作成する (ブラウザインタフェース)

ブラウザインタフェースからサーバーを作成するには、次の手順に従います。

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Linux Image Servers」セクションで「Create」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. 必要に応じて、linuxHost 変数を、コマンド行インタフェースの位置に変更します。

        デフォルトでは、仮想 Linux ホスト名は、-linux が追加されたターゲットホストのホスト名に設定されています。


        注意 – 注意 –

        installPathboot_server_tftp_root_directory 変数の値は、変更しないでください。


      4. 変数セットを保存します。

      5. 「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

    • 別のコンポーネントの変数設定を使用する場合は、「Import Set From Component」をクリックします。

      「Import Variable Settings」ウィンドウが表示されます。

      1. 必要に応じて、変数設定のインポート元となるコンポーネントが入ったフォルダへ移動します。

      2. コンポーネントのバージョンを選択します。


        注 –

        コンポーネントのバージョンが異なると、変数設定も異なる可能性があります。現在のコンポーネントおよびインポートする変数設定があるコンポーネントが共通の変数を使用していることを確認します。変数設定のインポート元のコンポーネントと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Import Variable Settings」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。

      4. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

    • ファイルに保存されているコンポーネント変数設定を使用する場合は、次の手順に従います。

      1. 「Import Sets from File」テキストフィールドに、使用する変数設定ファイルへのパスを入力します。

        ファイルシステムをブラウズして適切なファイルを探すには、「ブラウズ」ボタンをクリックします。

      2. 「Import」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。


        注 –

        変数設定のインポート元のファイルと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

  5. Linux イメージサーバーを作成するホストを選択します。

  6. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  7. イメージサーバーが正常に作成されたことを確認するには、プロビジョニングサーバーのウィンドウの左側にある「Hosts」リンクをクリックします。

    -linux が付加された仮想ホストの名前が表示されます。たとえば、ホスト bikickstart にインストールした場合、仮想ホストは bikickstart-linux です。

    この手順によって、ブートおよびインストールサーバーに SUNWjetJetRedHat JetSuse パッケージがインストールされます。SUNWjet パッケージは、TFTP サーバーの設定と、JET ベースディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWjet) ディレクトリの NFS 共有設定を行います。

注意事項

OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステム上でインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。

ProcedureRedHat Linux イメージサーバーを作成する (コマンド行インタフェース)

N1 SPS のブラウザインタフェースまたはコマンド行インターフェースから RedHat Linux イメージサーバーを作成できます。

始める前に

ターゲットホストの位置を特定できるよう、kickstart ファイルは、RedHat Linux ブートおよびインストールサーバー上の NFS エクスポートディレクトリ (例: /export/kickstart) に配置する必要があります。

    コマンド行からサーバーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxServer \
    -name "linuxserver" -u admin -p admin -vars "boot_server_tftp_root_directory=/tftpboot"
    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \
    -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxServer-create \
    -tar H:NM:bikickstart -comp - -vs linuxserver -pto 30 -nto 10
    

    これらのコマンドによって、ブートおよびインストールサーバーに SUNWjetJetRedHat、および JetSuse パッケージがインストールされます。SUNWjet パッケージは、TFTP サーバーの設定と、JET ベースディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWjet) ディレクトリの NFS 共有設定を行います。

注意事項

OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステム上でインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。