Oracle OpenSSO Update 2 リリースノート

第 2 章 OpenSSO 8.0 Update 2 のインストール

この章は次のトピックで構成されています。

OpenSSO 8.0 Update 2 のインストールの概要

OpenSSO 8.0 Update 2 は、パッチ TBS として入手可能です。

OpenSSO 8.0 Update 2 (または以降のパッチ) をインストールする前に、このマニュアルに記載されている新機能、ハードウェアとソフトウェアの要件、および問題点と回避方法についての情報を確認してください。

OpenSSO 8.0 Update 2 には、次の方法でインストールできる opensso.war ファイルが含まれています。


注 –

Access Manager 7.1 または Access Manager 7 2005Q4 を実行していて Update 2 にアップグレードする場合、次の手順に従います。

  1. 『Sun OpenSSO Enterprise 8.0 Upgrade Guide 』の手順に従って Access Manager 7.x から OpenSSO 8.0 にアップグレードします。

  2. この章の手順に従って Update 2 のパッチを適用します。


OpenSSO 8.0 Update 2 のパッチ

Sun では、OpenSSO 8.0 Update 2 用のパッチを定期的にリリースしています。これらのパッチに関する情報は、定期的にここを確認してください。

パッチの運用計画

ProcedureOpenSSO 8.0 用のパッチを運用する計画を立てる

  1. ssopatch ユーティリティーの概要」を確認します。

  2. ssopatch ユーティリティーのインストール」の手順に従って、使用中のプラットフォームに適したパッチユーティリティーをインストールします。

  3. 「OpenSSO WAR ファイルとその内部マニフェストとの比較」の手順に従って、既存の WAR ファイルに関する情報を取得して、既存の WAR ファイルがカスタマイズまたは変更されているかを判定します。

  4. 「2 つの OpenSSO WAR ファイルの比較」の手順に従って、既存の WAR ファイルと Update 2 の WAR ファイルを比較して、もとの WAR ファイルでカスタマイズされたファイル、新しい WAR ファイルで更新されたファイル、および 2 つの WAR バージョン間で追加または削除されたファイルを返します。

  5. 「OpenSSO WAR ファイルのバックアップ」の手順に従って、既存の OpenSSO WAR ファイルをバックアップおよびアーカイブします。

  6. 「OpenSSO WAR ファイルのパッチ適用」の手順に従って、OpenSSO WAR ファイルをパッチ適用します。

  7. updateschema スクリプトの実行」の手順に従って、updateschema スクリプトを実行します。

    : OpenSSO サーバー専用、管理コンソール専用、分散認証 UI サーバー、IDP のディスカバリサービス 用の WAR など、opensso.war から生成した特別な WAR ファイルにパッチ適用する場合は、「特別な OpenSSO WAR へのパッチ適用」を参照してください。

ssopatch ユーティリティーの概要

ssopatch ユーティリティーは、Solaris および Linux では ssopatch として、Windows では ssopatch.bat として利用できる、Java のコマンド行ユーティリティーです。

: OpenSSO 8.0 Update 2 での ssopatch の構文は、OpenSSO 8.0 のリリースから大幅に変更されています。新しい構文については、updateschema スクリプトの実行」を参照してください。

ssopatch パッチユーティリティーは、次の機能を実行します。

OpenSSO 8.0 Update 2 の ZIP ファイル (opensso_80U2.zip) をダウンロードして解凍したら、zip-root/opensso/tools ディレクトリの ssoPatchTools.zip ファイルでパッチユーティリティーと関連するファイルが利用できます。zip-root は、opensso_80U2.zip を解凍した場所です。

ssopatch ユーティリティーは、マニフェストファイルを使用して特定の OpenSSO WAR ファイルの内容を判定します。マニフェストファイルとは、次の内容を含む ASCII テキストファイルです。

マニフェストファイルは一般に、OpenSSO.manifest という名前で、OpenSSO WAR ファイルの META-INF ディレクトリに格納されています。

ssopatch ユーティリティーは、その結果を標準出力 (stdout) に送信します。出力をファイルにリダイレクトすれば、ssopatch の出力を取得することもできます。ssopatch が正常に終了すると、終了コードのゼロ (0) を返します。エラーが発生した場合、ssopatch はゼロ以外の終了コードを返します。

ssopatch ユーティリティーのインストール

ssopatch ユーティリティーをインストールする前に、次の手順に従います。

ssopatch ユーティリティーをインストールする

  1. zip-root/opensso/tools ディレクトリの中にある ssoPatchTools.zip ファイルを見つけます。zip-root は、opensso_80U2.zip を解凍した場所です。

  2. ssoPatchTools.zip ファイルを解凍するための新しいディレクトリを作成します。例: ssopatchtools

  3. ssoPatchTools.zip ファイルをこの新しいディレクトリに解凍します。

  4. フルパスを指定せずにカレントディレクトリ以外のディレクトリから ssopatch ユーティリティーを実行する場合は、ユーティリティーを PATH 変数に追加します。

次の表に、ssoPatchTools.zip 内のファイルを示します。

ファイルまたはディレクトリ 

説明 

README

ssopatch の説明を記載した Readme ファイル

/lib

必要な ssopatch JAR ファイル

/patch

updateschema スクリプトと updateschema.bat スクリプト、および関連する XML ファイル

/resources

必要なプロパティーファイル 

ssopatch および ssopatch.bat

Solaris、Linux、および Windows システム用のユーティリティー 

OpenSSO WAR ファイルのバックアップ

開始する前に、既存の OpenSSO WAR ファイルおよび設定データを次の手順に従ってバックアップします。

ssopatch ユーティリティーの実行

ssopatch ユーティリティーを実行するには、次の使用法に従います。


ssopatch
--help|-?
[--locale|-l]

ssopatch
--war-file|-o
[--manifest|-m]
[--locale|-l]

ssopatch
--war-file|-o
--war-file-compare|-c
[--staging|-s]
[--locale|-l]
[--override|-r]
[--overwrite|-w]

各オプションは次のとおりです。

OpenSSO WAR ファイルとその内部マニフェストとの比較

この手順を実行して、OpenSSO WAR ファイルがダウンロードされてからカスタマイズまたは変更されたかを判定します。

ssopatch ユーティリティーは新しい内部マニフェストファイルを生成して、この内部マニフェストを META-INF ディレクトリにあるもとの OpenSSO WAR ファイル内に格納されているマニフェストと比較します。

OpenSSO WAR ファイルをその内部マニフェストと比較する

  1. ssopatch を実行して OpenSSO WAR ファイルをその内部マニフェストと比較します。次に例を示します。


    ./ssopatch -o /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    Generating Manifest for: /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    Comparing manifest of Internal (Enterprise 8.0 Build 6(200810311055))
    against /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war (generated-200905050855)
    File not in original war (images/login-origimage.jpg)
    File updated in new war (images/login-backimage.jpg)
    File updated in new war (WEB-INF/classes/amConfigurator.properties)
    Differences: 3

この例では、もとの WAR ファイルに次の変更が検出されました。

2 つの OpenSSO WAR ファイルの比較

この手順を使用して 2 つの WAR ファイルを比較し、次のような変更が加えられたファイルを示します。

2 つの OpenSSO WAR ファイルを比較する

  1. ssopatch を実行して 2 つの WAR ファイルを比較します。この例では、次のように -override オプションを使用して、2 つの WAR ファイル間でのバージョンチェックをオーバーライドしています。


    ./ssopatch -o /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    -c /u1/opensso/deployable-war/opensso.war --override
    Generating Manifest for: /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    Original manifest: Enterprise 8.0 Build 6(200810311055)
    New manifest: Enterprise 8.0 Update 2 Build 6.1(200904300525)
    Versions are compatible
    Generating Manifest for: /u1/opensso/deployable-war/opensso.war
    Comparing manifest of /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    (generated-200905050919) against
        /u1/opensso/deployable-war/opensso.war (generated-200905050920)
    File updated in new war(WEB-INF/classes/amClientDetection_en.properties)
    File updated in new war(WEB-INF/classes/fmSAMLConfiguration_fr.properties)
    ...
    Differences: 1821
    Customizations: 3

この例では、新しい WAR ファイルでファイルの更新およびカスタマイズがあったことを示しています。

OpenSSO WAR ファイルのパッチ適用

この手順を実行して、もとの WAR ファイルを新しい WAR ファイルとマージする、新しいステージング領域を作成します。

この操作は各 WAR ファイルのマニフェストを比較して、次のファイルを表示します。

ssopatch はその後、該当するファイルをステージング領域にコピーします。パッチ適用された WAR ファイルを新規作成して配備する前に、この領域にカスタマイズを追加する必要があります。

ステージング領域を作成して OpenSSO WAR ファイルにパッチ適用する

  1. ssopatch はもとの opensso.war ファイルを変更しませんが、パッチが適用された opensso.war ファイルをバックアウトする必要がある場合に備えて、このファイルをバックアップすることをお勧めします。

  2. ssopatch を実行してステージング領域を作成します。次に例を示します。


    ./ssopatch -o /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
      -c /u1/opensso/deployable-war/opensso.war --override -s /tmp/staging
    Generating Manifest for: /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
    Original manifest: Enterprise 8.0 Build 6(200810311055)
    New manifest: Enterprise 8.0 Update 2 Build 6.1(200904300525)
    Versions are compatible
    Generating Manifest for: /u1/opensso/deployable-war/opensso.war
    Comparing manifest of /zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war
        (generated-200905051031) against /u1/opensso/deployable-war/opensso.war
        (generated-200905051032)
    File was customized in original, but not found in new war.
    Staging area using original war version (samples/saml2/sae/header.jsp)
    File was customized in original, but not found in new war.
    Staging area using original war version
        (WEB-INF/template/opends/config/upgrade/config.ldif.4517)
    File was customized in original, but not found in new war.
    Staging area using original war version
        (WEB-INF/template/opends/config/upgrade/schema.ldif.4517)
    Differences: 1813
    Customizations: 0

この例では /tmp/staging がステージング領域で、ssopatch がファイルをコピーする場所です。

前の手順の結果を使用して、ステージング領域のファイルを必要に応じて更新します。

パッチを適用したファイルを新規作成する前に、次の表を使って各ファイルに対して実行すべき対応を判断します。

ssopatch 結果

説明および必要な対応 

File not in original war filename

表示されているファイルがもとの WAR ファイルに存在しないが、WAR ファイルの最新バージョンに存在します。 

対応: なし

File updated in new war filename

表示されているファイルがもとの WAR ファイルと新しい WAR ファイルの両方に存在し、WAR ファイルの最新バージョンで更新されています。もとの WAR ファイルではカスタマイズされていません。 

対応: なし

File customized filename

表示されているファイルが両方の WAR ファイルに存在し、WAR ファイルのもとのバージョンでカスタマイズされていますが、WAR ファイルの最新バージョンでは更新されていません。 

対応: なし

May require manual customization filename

ファイルが両方の WAR ファイルに存在し、WAR ファイルのもとのバージョンでカスタマイズされていて、WAR ファイルの最新バージョンでも更新されています。 

対応: ファイル内のカスタマイズが必要な場合は、ステージングディレクトリで新たに更新されたファイルにそのカスタマイズを手動で追加する必要があります。

File was customized in original, but not found in new war

ファイルがもとの WAR ファイルに存在しますが、新しい WAR ファイルには存在しません。 

対応: なし。

次の手順

  1. 新しい OpenSSO WAR ファイルをステージング領域のファイルから作成します。次に例を示します。


    cd /tmp/staging
    jar cvf /patched/opensso.war *

    /patched/opensso.war は、パッチ適用された新しい OpenSSO WAR ファイルです

  2. もとの配備 URI を使用して、/patched/opensso.war ファイルを Web コンテナに再配備します。 たとえば、/opensso などです。

OpenSSO の設定変更。 新しい OpenSSO WAR ファイルは、もとの WAR ファイルにはない設定変更が加えられている可能性があります。変更された設定がある場合は、各パッチに個別に記録されます。設定変更に関する詳細については、パッチに関するドキュメントと『Sun OpenSSO Enterprise 8.0 リリースノート』を確認してください。新しい WAR ファイルの設定が変更されない場合でも、OpenSSO マニフェストファイル内のバージョン文字列は変更されます。

パッチを適用したバージョンをバックアウトする必要がある場合、パッチを適用した WAR ファイルの配備を取り消してからもとの WAR ファイルを再配備します。

OpenSSO WAR マニフェストファイルの作成

OpenSSO マニフェストファイルは、特定リリースの WAR ファイル内にある個別のファイルすべてを識別するテキストファイルで、各ファイルのチェックサム情報が含まれています。

この手順を使用して、OpenSSO サーバー専用、管理コンソール専用、分散認証 UI サーバー、IDP のディスカバリサービス用の WAR など、特別な OpenSSO WAR を含めることができるマニフェストファイルを作成します

OpenSSO WAR マニフェストファイルを作成する

  1. ssopatch を実行して OpenSSO マニフェストファイルを作成します。次に例を示します。


    ./ssopatch -o zip-root/opensso/deployable-war/opensso.war --manifest /tmp/manifest

    opensso.war は、既存の OpenSSO WAR ファイルです。

    ssopatch ユーティリティーは、manifest という名前の新しいマニフェストファイルを /tmp ディレクトリに作成します。

  2. WAR ファイルにパッチを適用できるようにするためには、この新しいマニフェストファイルを opensso.war ファイル内にある META-INF ディレクトリにコピーします。次に例を示します。


    mkdir META-INF
    cp /tmp/manifest META-INF
    jar uf opensso.war META-INF/manifest

特別な OpenSSO WAR へのパッチ適用

OpenSSO サーバー専用、管理コンソール専用、分散認証 UI サーバー、IDP のディスカバリサービス用の WAR など、特別な OpenSSO WAR を以前に作成している場合、ssopatch ユーティリティーを使用してパッチを適用できます。

特別な OpenSSO WAR にパッチを適用する

  1. 「OpenSSO WAR マニフェストファイルの作成」の手順に従って、特別な OpenSSO WAR のマニフェストファイルを作成します。

    : このファイルは、すでにカスタマイズをしている場合はそのカスタマイズ以前に Sun から提供されたもとの OpenSSO 8.0 の opensso.war を基にして作成します。カスタマイズしたあとにマニフェストを作成すると、ssopatch はカスタマイズのファイルではなく Update 2 のファイルを使用するため、パッチを適用したあとに再度カスタマイズする必要があります。

  2. 『Sun OpenSSO Enterprise 8.0 Update 1 Release Notes』の第 4 章「Creating a Specialized OpenSSO Enterprise 8.0 Update 1 WAR File」の手順に従って、OpenSSO 8.0 Update 2 の opensso.war から特別な OpenSSO WAR を生成します。

  3. ssopatch ユーティリティーを使用して古い WAR ファイルと新しい WAR ファイルを比較します。

  4. 「ステージング領域を作成して OpenSSO WAR ファイルにパッチ適用する」の手順に従って、新しい特別な WAR ファイル用のステージング領域を生成します。

  5. 新しい特別な WAR ファイルを再配備します。

updateschema スクリプトの実行

ssopatch を実行したあと、Solaris または Linux の場合は updateschema.sh を、Windows の場合は updateschema.bat を実行します。このスクリプトは OpenSSO サーバーのバージョンを更新し、新しいデフォルトサーバープロパティーを追加し、Update 2 でのバグ修正や機能拡張に必要な新しい属性スキーマを追加します。サーバーのバージョンを更新するために、updateschema を実行する必要があります。

開始する前に

updateschema スクリプトを実行する

  1. patch-tools/patch ディレクトリに移動します。patch-toolsssoPatchTools.zip を解凍した場所です。

  2. updateschema.sh または updateschema.bat を実行します。Solaris システムの例を次に示します。

    ./updateschema.sh

  3. スクリプトから入力を求められたら、次の情報を指定します。

    • ssoadm ユーティリティーへのフルパス (ssoadm 自体は除く)。 例: /opt/ssotools/opensso/bin

    • amadmin パスワード

    updateschema.sh スクリプトまたは updateschema.bat スクリプトは、メッセージやエラーがあった場合に標準出力に書き出します。

  4. OpenSSO 8.0 Update 2 の Web コンテナを再起動します。

パッチインストールのバックアウト

パッチインストールをバックアウトする必要がある場合は、もとの opensso.war ファイル (または特別な WAR ファイル) を再配備するだけです。