この章では、日本語環境をインストールする前に知っておく必要がある情報、および Solaris 9 のインストールに関する注意事項とバグ情報について説明します。本章の内容を理解してからインストールを開始してください。
この章には、Solaris 9 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている Kiosk および Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD に含まれている『Solaris 9 ご使用にあたって (SPARC 版)』、および印刷マニュアルの『Solaris 9 インストールにあたって (SPARC 版)』の作成後に見つかった、以下のバグの情報が追記されています。
「Solaris 9 Software DVD からコマンド行モードでインストール中に追加ソフトウェアがインストールされない (バグ ID: 4671875)」
「UFS または UDFS ファイルシステムを持つメディアは複数回挿入されるとマウントされない (バグ ID: 4638163)」
「インストールまたはアップグレード後、複数のインタフェースを持つシステムがすべてのインタフェースを使用可能と認識する (バグ ID: 4640568)」
「Solaris 9 オペレーティング環境に、SUNWsan がインストールされていると Storage Area Network (SAN) にアクセスできない」
「Solaris 8 オペレーティング環境からアップグレードすると、冗長な Kerberos プライバシ機構が作成される (バグ ID: 4672740)」
「Solaris 9 DOCUMENTATION CD の uninstaller ユーティリティの Uninstall が適切に機能しない (バグ ID: 4675797)」
「Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD がデフォルトで簡体字中国語の文書をインストールする (バグ ID: 4673521)」
「英語およびヨーロッパの ISO-15 ロケールが正しくインストールされないことがある (バグ ID: 4645678)」
「Solaris 9 Beta Refresh Chinese CDE フォントパッケージが Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードされない (バグ ID: 4653908)」
「いくつかのヨーロッパロケールだけをインストールすると UTF-8 ロケールで表示されない文字がある (バグ ID: 4634077)」
Solaris 9 オペレーティング環境を使用するには、128M バイト以上のメモリーが必要です。
Solaris 9 の日本語環境と DOCUMENTATION CD をインストールする場合に必要なディスク容量について説明します。
次の表に、Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD、Solaris 9 SOFTWARE 2 of 2 CD、Solaris 9 LANGUAGES CD に含まれている日本語ロケール (ja、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8) のパッケージをインストールするために必要なディスク容量を示します。Solaris 9 より、ファイルシステムの自動配置でデフォルトとして選択される領域は、ルート (/) とスワップ (swap) だけになりました。記載されている値は、このデフォルトのファイルシステムでインストールする場合に必要なルートファイルシステムの推奨値 (括弧内は最小値) で、スワップ領域に必要な容量は含まれていません。
なお、Solaris suninstall プログラムで「ソフトウェアの選択」画面に実際に表示される各ソフトウェアグループの値は、スワップ領域を含んだ値です。この値は、インストールするシステムのディスクやメモリーのサイズによって異なります。
表 2-1 Solaris 9 (SPARC 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)ソフトウェアグループ | ルート (/) ファイルシステムのサイズ |
---|---|
全体ディストリビューション と OEM サポート | 1787 (1519) |
全体ディストリビューション | 1751 (1489) |
開発者システムサポート | 1548 (1316) |
エンドユーザーシステムサポート | 1042 (886) |
この表に記載されている値は、sun4u アーキテクチャのシステムにソフトウェアをデフォルトでインストールする場合に必要な容量で、64 ビット (sparc v9) サポートパッケージの容量を含んでいます。64 ビットパッケージをインストールしない場合や、sun4u 以外のアーキテクチャにインストールする場合には、この表の値よりも推奨値で 100M 〜 180M バイト、最小値で 90M 〜 150M バイトほど少ない容量で済みます。
次の表に、アジア言語版の DOCUMENTATION 2 of 2 CD に含まれている、英語および日本語のドキュメントパッケージとその容量を示します (その他のアジア言語のパッケージは省略)。これらのパッケージのうち * 印がついているパッケージは、デフォルトで /opt にインストールされます。
表 2-2 Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)パッケージ | コレクション名 | 必要な容量の概算値 |
---|---|---|
SUNWaadm * | Solaris 9 System Administratorl Collection (HTML 版) | 26 |
SUNWdev * | Solaris 9 Software Developer Collection (HTML 版) | 19 |
SUNWids * | iPlanet Directory Server 5.1 Collection (HTML 版) | 7 |
SUNWsdocs * | Documentation Navigation for Solaris 9 | 22 |
SUNWjaadm * | Solaris 9 System Administrator Collection - Japanese (HTML 版) | 26 |
SUNWjabe * | Solaris User Collection - Japanese (HTML 版) | 15 |
SUNWjaman * | Solaris 9 Reference Manual Collection - Japanese (HTML 版) | 14 |
SUNWjdad * | Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (HTML 版) | 9 |
SUNWjdev * | Solaris 9 Software Developer Collection - Japanese (HTML 版) | 13 |
SUNWjids* | iPlanet Directory Server 5.1 Collection - Japanese (HTML 版) | 8 |
SUNWjinab * | Solaris 9 Release and Installation Collection - Japanese (HTML 版) | 3 |
SUNWwnabj * | Solaris 9 About What's New Collection - Japanese (HTML 版) | 1 |
SUNWpaadm | Solaris 9 System Administrator Collection - Japanese (PDF 版) | 18 |
SUNWpdev | Solaris 9 Software Developer Collection - Japanese (PDF 版) | 17 |
SUNWpids | iPlanet Directory Server 5.1 Collection (PDF 版) | 8 |
SUNWpjaadm | Solaris 9 System Administrator Collection - Japanese (PDF 版) | 25 |
SUNWpjabe | Solaris User Collection - Japanese (PDF 版) | 14 |
SUNWpjaman | Solaris 9 Reference Manual Collection - Japanese (PDF 版) | 16 |
SUNWpjdad | Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (PDF 版) | 9 |
SUNWpjdev | Solaris 9 Software Developer Collection - Japanese (PDF 版) | 17 |
SUNWpjids | iPlanet Directory Server 5.1 Collection - Japanese (PDF 版) | 12 |
SUNWpjinab | Solaris 9 Release and Installation Collection - Japanese (PDF 版) | 4 |
SUNWpwnabj | Solaris 9 About What's New Collection - Japanese (PDF 版) | 2 |
* 印のついていない PDF 版のパッケージはデフォルトではインストールされません。これらのパッケージをインストールする場合には次の手順を実行してください。
DOCUMENTATION 2 of 2 CD のインストーラを起動する。
「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。
「コンポーネントの選択」画面で、パッケージを選択し、インストールを実行する。
次の表に、英語 + ヨーロッパ言語版の DOCUMENTATION 1 of 2 CD に含まれており、DOCUMENTATION 2 of 2 CD に含まれていない、英語のドキュメントパッケージの一部とその容量を示します。
これらのパッケージには、日本語に翻訳されていないマニュアルが含まれています。それらのマニュアルをインストールする場合には、次の手順を実行してください。
DOCUMENTATION 1 of 2 CD のインストーラを起動する。
「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。
「コンポーネントの選択」画面で、該当するパッケージを選択し、インストールを実行する。
パッケージはデフォルトで /opt にインストールされます。
表 2-3 Solaris 9 DOCUMENTATION 1 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)パッケージ | コレクション名 | 必要な容量の概算値 |
---|---|---|
[英語] | ||
SUNWaman | Solaris 9 Reference Manual Collection (HTML 版) | 51 |
SUNWpaman | Solaris 9 Rerference Manauall Collection (PDF 版) | 29 |
SUNWakcs | KCMS Collection (HTML 版) | 3 |
SUNWpakcs | KCMS Collection (PDF 版) | 4 |
Solaris 9 のインストール中に行うことができる、日本語環境の選択について説明します。日本語環境の選択では、「デフォルトロケール」と「インストールするロケール」の 2 つを選択します。インストール手順の詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。
Solaris 9 は、次に示すように 3 種類の文字エンコーディングに対応した 4 つの日本語ロケールをサポートしています。
EUC をサポートする ja および ja_JP.eucJP ロケール
PCK (PC 漢字コード) をサポートする ja_JP.PCK ロケール (シフト JIS と同等)
Unicode の UTF-8 をサポートする ja_JP.UTF-8 ロケール
インストール後のシステムのデフォルトロケールを選択します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。
日本語環境をインストールする場合に、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールを選択しなければならないわけではありませんが、日本語ロケールを選択することをお勧めします。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定を、ユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済むようになります。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。
Solaris Web Start 3.0 (CD) インストールの場合
最初にインストール画面の表示言語を選択するプロンプトが表示されるので、日本語環境でインストールするには、「Japanese」を選択してください。システムのデフォルトロケールは、「ja」に設定されます。
Solaris suninstall プログラムまたは Solaris Web Start 3.0 (DVD) インストールの場合
最初にインストール画面の表示言語を選択するプロンプトが表示されるので、日本語環境でインストールするには、「Japanese」を選択してください。次に、日本語ロケールとして「Japanese EUC (ja)」、「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」、「Japanese UTF-8 (ja_JP.UTF-8)」のいずれかを選択してください。ここで選択したロケールが、 システムのデフォルトロケールとして設定されます。
Solaris Web Start 3.0 インストールでは、次の手順を実行することでデフォルトロケールを選択し直すことができます。
(例) ja_JP.PCK ロケールをデフォルトロケールにする場合
「インストールの形式の選択」画面で、「カスタムインストール」を選択する。
「ソフトウェアのロケール選択」画面で、ja_JP.PCK ロケールのチェックボックスを ON にする (ここでチェックされていないロケールは、次の選択画面で表示されません。)
「システムのロケール選択」画面で、ja_JP.PCK ロケールを選択する。
いずれのインストール方法を選択した場合でも、ja_JP.eucJP ロケールをデフォルトロケールとして選択することはできません。
システムのデフォルトロケールを、インストール後に設定または変更する場合には、/etc/default/init ファイルでの LANG 環境変数の設定を次のようにしてから、システムを再起動します。
ja ロケールに設定 | LANG=ja |
ja_JP.eucPCK ロケールに設定 | LANG=ja_JP.eucJP |
ja_JP.PCK ロケールに設定 | LANG=ja_JP.PCK |
ja_JP.UTF-8 ロケールに設定 | LANG=ja_JP.UTF-8 |
C ロケールに設定 | LANG= の行を削除、または LANG=C |
インストール前に、このデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されません。この設定は、カスタム JumpStart による自動インストールの場合など、意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合に有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行う方法には、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」と「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳しくは、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。]
インストールしたいロケールを選択すると、ロケールに依存するソフトウェアパッケージがインストールされます。日本語環境をインストールするには、必ず日本語パッケージをインストールする必要があります。
Solaris 9 では、インストールするロケールとして、日本語ロケールを 1 つだけ選択した場合でも、すべての日本語ロケールがインストールされます。たとえば、ja ロケールのみを選択した場合でも、ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK、および ja_JP.UTF-8 ロケールがインストールされます。
DOCUMENTATION 2 of 2 CD を Solaris 9 INSTLLATION CD からインストールする場合
後述のバグ情報にあるバグ ID: 4668033 のため、Solaris 9 INSTALLATION CD を使用して、DOCUMENTATION 2 of 2 CD を インストールする場合には、インストールするロケールの項で、対象言語の EUC ロケールが選択されている 必要があります。Solaris 9 INSTALLATION CD の「カスタムインストール」を選択した後「ソフトウェアのロケール選択」画面で EUC のロケール (日本語環境の場合は、ja ロケール) を選択し、DOCUMENTATION 2 of 2 CD をインストールするように設定してください。
Solaris suninstall プログラムの場合
「地域の選択」画面で、インストールするロケールを選択します。この画面では、あらかじめ選択したシステムのデフォルトロケールが自動的に選択された状態になっています。たとえば、システムのデフォルトロケールとして ja ロケールを選択した場合、この画面では ja ロケールのみが選択されますが、実際にはすべての日本語ロケールがインストールされます。
Solaris Web Start 3.0 インストールの場合
「インストール形式の選択」画面にて、「デフォルトインストール」を選択した場合、システムのデフォルトロケールのみが自動的に選択され、ロケールを選択するための画面は表示されません。たとえば、システムのデフォルトロケールとして ja ロケールを選択した場合、ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールのみがインストールされます。他の言語のロケールをインストールする場合は「カスタムインストール」を選択して、「ソフトウェアのロケール選択」画面で、追加したいロケールを選択してください。
カスタム JumpStart インストールの場合
カスタム JumpStart インストールが参照するプロファイルに locale キーワードを追加します。 [locale キーワードは、日本語パッケージのインストールに影響しますが、システムのデフォルトロケールを決定するものではありません。]
日本語ロケール環境をインストールする場合には、locale キーワードの値に ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8のいずれかを指定します。
なお、プロファイル中で locale キーワードを明示的に定義しない場合でも、デフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていれば、すべての日本語ロケール環境が自動的にインストールされます。
Solaris 9 オペレーティング環境が DVD で提供されるようになりました。DVD からインストールまたはアップグレードを行うには、Solaris 9 DVD を DVD-ROM ドライブに挿入して、ok プロンプトで次のコマンドを入力し、システムをブートします。
ok boot cdrom |
Solaris 9 Software DVD を使用して追加ソフトウェアをインストールしようとしても、ソフトウェアがインストールされないことがあります。この問題は次の場合に起こります。
コマンド行モードを使用して、Solaris 9 Software DVD からインストールしている。
インストール中に、DVD を自動的に取り出さない選択をした。
SunScreen 3.2 アプリケーション、Solaris 9 Software Supplement CD 上の製品、または Solaris Software Companion CD 上の製品などのオプションソフトウェアをインストールしている。
この問題が発生した場合、次のエラーメッセージが表示されます。
挿入したディスクは optional-software-name の CD/DVD ではありません。 もう一度試してください。 |
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
この問題を回避するには、DVD を自動的に取り出すかどうかを選択するときに「y」(デフォルト設定) を選択します。
上記のエラーメッセージが表示されたら、DVD-ROM ドライブを搭載しているマシンにリモートログインできる場合、次の手順に従ってください。
マシンにリモートログインします。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを入力して、DVD を取り出します。
# eject cdrom |
インストールを継続します。インストールプログラムで DVD を挿入するようにプロンプト表示されたら、Solaris 9 Software DVD をインストールを行なっているマシンに挿入し直します。
上記のエラーメッセージが表示されたら、次の手順に従ってオプションソフトウェアを手動でインストールしてください。
上記のエラーメッセージが表示されたら、「スキップ」を選択します。このオプションを選択すると、残りのソフトウェアのインストールをすべて省略します。
インストールを完了します。
システムのリブート後、システムにログインし、手動でインストールプログラムを実行して必要なオプションソフトウェアをインストールします。次の中から適宜インストールプログラムのコマンドを選択します。
SunScreen 3.2 製品をインストールするには、Solaris 9 Software DVD を挿入して、次のコマンドを入力します。
# /dvd-mount-point/s0/Solaris_9/ExtraValue/CoBundled/SunScreen_3.2/install ¥-nodisplay |
Solaris 9 Software Supplement 製品をインストールするには、Solaris 9 Software DVD を挿入して、次のコマンドを入力します。
# /dvd-mount-point/s0/SW_Supp_CD/installer -nodisplay |
Solaris Software Companion CD をインストールするには、CD を挿入して、次のコマンドを入力します。。
# /cd-mount-point/installer -nodisplay |
システムに、ファームウェアリビジョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブが含まれていると、Solaris 9 DVD からのブートが失敗します。
回避方法 : パッチ 111649-03 以降を適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。パッチ 111649-03 は、Solaris 9 Supplement CD の次のディレクトリにあります。
DVD_Firmware/Patches |
パッチのインストール方法については、上記のディレクトリにある README ファイルを参照してください。パッチをインストールする前に、README ファイルに記載されている注意事項や警告内容のすべてに目を通して、その内容に従って作業してください。
次の場合には、UFS ファイルシステムまたは UDFS ファイルシステムを持つフォーマットされた CD または DVD は、メディアドライブによってはシステムにマウントされないことがあります。
システムが、Solaris 9 オペレーティング環境で動作している
ボリューム管理 (vold) がシステムで動作している
メディアを挿入し、取出した後でもう一度挿入する
mount: I/O error メッセージがシステムコンソールに表示される場合があります。 この場合、メディアのファイルシステムはマウントされず、メディアのファイルマネージャのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) は表示されません。
回避方法 : /etc/rmmount.conf ファイルを編集し、mount * hsfs udfs ufs -o nosuid の行の前に次の行を追加してください。
mount cdrom* hsfs udfs ufs -o nosuid ro |
mount * hsfs udfs ufs -o nosuid 行の前にこの行を入力する必要があります。この行を追加すると、/etc/rmmount.conf ファイルのマウントセクションは次のようになります。
mount cdrom* hsfs udfs ufs -o nosuid ro mount * hsfs udfs ufs -o nosuid |
Solaris 2.6 オペレーティング環境または Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムでは、Solaris 9 DVD がボリューム管理によって正しくマウントされません。そのため、インストールサーバーを設定したり、Live Upgrade を実行したり、メディア上のデータにアクセスすることができません。
システムに対応したパッチを適用する。
表 2-4 Solaris 2.6 および Solaris 7 オペレーティング環境用の DVD パッチ
リリース |
パッチ ID |
---|---|
Solaris 2.6 オペレーティング環境 |
107618-03 |
Solaris 7 オペレーティング環境 |
107259-03 |
Solaris 9 DVD を手動でマウントする。
次の手順に従って、ボリューム管理を使用せずに Solaris 9 DVD をマウントします。
スーパーユーザーになります。
ボリューム管理を停止します。
# /etc/init.d/volmgt stop |
手動で DVD をマウントします。
# mkdir /mnt1 # mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t6d0s0 /mnt1 |
DVD がマウントされていて、DVD 上のデータにアクセスできることを確認します。
# cd /mnt1 # ls |
DVD が正しくマウントされている場合は、システムから次の情報が返されます。
Copyright Solaris_9 |
Solaris Web Start 3.0 を用いたインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris suninstall プログラムを使用するときには発生しません。
Solaris 9 DOCUMENTATION CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語のドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。
Solaris 9 Software Developer Collection |
Solaris 9 System Administrator Collection |
iPlanet Directory Server 5.1 Collection |
DOCUMENTATION 2 of 2 CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントの HTML 版が、デフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からインストールする必要があります。
Solaris 9 INSTALLATION (Multilingual) CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris オペレーティング環境をインストールする場合、上記の英語版 HTML ドキュメントは DOCUMENTATION 2 of 2 CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 9 Documemtation European」を選択して、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からドキュメントをインストールしてください。
Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD からインストールする場合の注意事項と問題について説明します。
複数のネットワークインタフェースを持つシステムに Solaris 9 オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードした場合、システムはすべてのシステムインタフェースが使用可能であると認識します。つまり、ネットワークにプラグインされていない 、あるいは使用する予定のないインタフェースが ifconfig -a コマンドの出力に表示されます。さらに、同じイーサネットアドレスを持つインタフェースに同じ IP アドレスが割り当てられることがあります。その場合、次のエラーメッセージが表示されます。
ifconfig: setifflags: SIOCSLIFFLAGS: qfe3: Cannot assign requested address |
この問題は、local-mac-address
PROM 変数が false に設定されているシステム上でも発生します。この問題が発生するのは、すべてのインタフェースが同じ IP アドレスで構成されるためです。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
構成されたインタフェースだけを使用するには、初期ブート後にシステムをリブートする。
各ネットワークインタフェースに異なる IP アドレスを割り当てるには、次のいずれかの方法で local-mac-address
PROM 変数を true に設定する。
ok プロンプトで、次のコマンドを入力する。
ok setenv local-mac-address? true |
スーパーユーザーとして、次のコマンドを端末ウィンドウに入力する。
# eeprom local-mac-address?=true |
インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。
Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated. |
Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated |
回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。
CD からのインストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれる日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。
回避方法 : インストール終了後、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれる必要な日本語パッケージをインストールしてください。
# cd /cdrom/sol_9_lang_sparc/components/Japanese/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjos SUNWjws2 |
LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用して Solaris suninstall プログラムによるインストールを行う場合や、Solaris Web Start 3.0 でインストールする場合は、この問題は起りません。
Solaris 9 メディアのデフォルトの Solaris JumpStartTM プロファイルを使用して、ディスク容量の小さいシステムに複数のロケールをインストールすると、インストールが失敗することがあります。この問題は、次の状況で発生する可能性があります。
デフォルトの Solaris JumpStart プロファイルを使用して、2.1 G バイトディスクのシステムに C ロケール以外のロケールをインストールする
デフォルトの Solaris JumpStart プロファイルを使用して、4 G バイトディスクのシステムに 2 つ以上のロケールをインストールする
旧リリースの Solaris がインストールされているシステムを、Solaris 9 にアップグレードする場合の注意事項とバグについて説明します。
使用している Solaris 8 システムが、 Storage Area Network (SAN) に接続されている場合、Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする前にサポートエンジニアに確認してください。SUNWsan がインストールされている Solaris 8 システムを、Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードするには特別な手順が必要なことがあります。システムに SUNWsan パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、端末ウィンドウで次のコマンドを入力します。
# pkginfo SUNWsan |
SUNWsan パッケージがインストールされていると、次の情報が表示されます。
system SUNWsan SAN Foundation Kit |
Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、Solaris suninstallプログラムを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 9 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。
既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。
Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 9 オペレーティング環境およびその互換バージョンにアップグレードする場合は、アップグレードの前に Solaris Management Console ソフトウェア をアンインストールする必要があります。Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェア と互換性がありません。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェア が終了することがあります。
アップグレードする前に /usr/bin/prodreg を実行して、Solaris Management Console ソフトウェア のフルアンインストールを行います。
アップグレード前に Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 をアンインストールしていなかった場合は、Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 のすべてのパケージを削除する必要があります。パッケージの削除には prodreg ではなく、必ず pkgrm を使用して、手順に記載された順番どおりに削除してください。以下に手順を示します。
スーパーユーザーになります。
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
上記の出力結果で、 パッケージ名の説明文の先頭に「Solaris Management Console 2.1」という文字列がない場合、そのパッケージは Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
説明文に「Solaris Management Console 2.1」という文字列が含まれているパッケージは削除しないでください。たとえば、SUNWmc.2 は Solaris Management Console 2.1 ソフトウェアのパッケージです。
pkginfo の出力に、複数のバージョンの Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージが含まれている場合は、pkgrm を使用して、すべてのバージョンを削除してください。このとき、パッケージ名の末尾に番号が付いていないものを先に、付いているものをその後に削除してください。たとえば、pkginfo の出力に SUNWmcman と SUNWmcman.2 が含まれている場合、最初に SUNWmcman を削除して、次に SUNWmcman.2 を削除します。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWmcman # pkgrm SUNWmcapp # pkgrm SUNWmcsvr # pkgrm SUNWmcsvu # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmcsws |
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# rm -rf /var/sadm/pkg/SUNWmcapp |
これで Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。将来 Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアの保守を行う際は、または、Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアが正しく機能しない場合は、Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアをいったん削除して次の手順で再インストールしてください。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 2.1 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
SUNWmc と SUNWmc.2 のように、ある Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアパッケージに対して複数のインスタンスがシステム上に存在する場合は、最初に SUNWmc を削除して、次に SUNWmc.2 を削除してください。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWjadcl # pkgrm SUNWjrmui # pkgrm SUNWjlvmg # pkgrm SUNWjmga # pkgrm SUNWjsmc # pkgrm SUNWpmgr # pkgrm SUNWrmui # pkgrm SUNWlvmg # pkgrm SUNWlvma # pkgrm SUNWlvmr # pkgrm SUNWdclnt # pkgrm SUNWmga # pkgrm SUNWmgapp # pkgrm SUNWmcdev # pkgrm SUNWmcex # pkgrm SUNWwbmc # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmccom |
Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_sparc/s0/Solaris_9/Product # pkgadd -d . SUNWmgapp |
CD を取り出して、Solaris 9 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_sparc_2/s0/Solaris_9/Product # pkgadd -d . SUNWmccom SUNWmcc SUNWmc SUNWwbmc SUNWmcex SUNWmcdev SUNWmga SUNWdclnt |
CD を取り出して、Solaris 9 LANGUAGES CD (SPARC 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_lang_sparc/s0/components/Japanese/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWjsmc SUNWjmga SUMWjadcl SUNWjlvmg SUNWjrmui |
これによって、すべての旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア が削除され、Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。
Solaris 9 オペレーティング環境では、Kerberos Version 5 グローバル機構はプライバシサポートを含んでおり、Kerberos ドメスティック機構は必要ありません。Kerberos ドメスティック機構 (/usr/lib/gss/do/mech_krb.so.1 にある) を Solaris 8 システムにインストールしている場合、システムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする前に、Kerberos ドメスティック機構を削除することをお勧めします。
回避方法: Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする前に、次の手順に従ってください。
次のコマンドを入力して、Kerberos ドメスティック機構がシステムにインストールされているかどうかを確認します。
% pkginfo | fgrep ' SUNWk5' |
このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれる場合、Kerberos ドメスティック機構はシステムにインストールされています。手順 2 に進んでください。
このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれていない場合、Kerberos ドメスティック機構はインストールされていません。残りの手順を省略して、システムをアップグレードしてください。
次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf と /etc/gss/qop ファイルをバックアップします。
% tar -cf /var/tmp/krb_config_files.tar /etc/nfssec.conf /etc/gss/qop |
次のコマンドを入力して、ファイルがバックアップされていることを確認します。
% tar -tf /var/tmp/krb_config_files.tar |
手順 1 の出力に含まれていた各パッケージを削除します。
% pkgrm package-name package-name package-name |
Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードします。
アップグレードプログラムは Kerberos グローバル機構コードを更新して、Kerberos プライバシサポートを有効にします。
テキストエディタで、/etc/gss/mech ファイルの次の行を変更します。
次の行のコメントを解除します。
kerberos_v5 1.2.840.113554.1.2.2 gl/mech_krb5.so gl_kmech_krb5 |
必要であれば、上記行を /etc/gss/mech ファイルに追加します。
次の行を削除します。
kerberos_v5 1.2.840.113554.1.2.2 do/mech_krb5.so do_kmech_krb5 |
次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf ファイルと /etc/gss/qop ファイルを復元します。
% tar -xf /var/tmp/krb_config_files.tar |
/etc/init.d/sshd デーモンから他社の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 9 のアップグレードソフトウェアが、Solaris 9 の sshd で /etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。
回避方法 : 次のいずれかを実行してください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムが不要な場合は、アップグレード時に SUNWsshdr パッケージと SUNWsshdu パッケージをインストールしない。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムまたはクライアントプログラムが不要な場合は、アップグレード時に Secure Shell Cluster (SUNWCssh) をインストールしない。
/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生するため、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされているか、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合によく発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
WARNING: Insufficient space for the upgrade. |
回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。
アップグレードが完了するまで、一時的に /export ディレクトリの名前を変更する
アップグレードが完了するまで、/etc/vfstab ファイル内の /export の行を一時的にコメントアウトする
/export が別のファイルシステムである場合は、アップグレードを実行する前に /export のマウントを解除する
現在のシステムが、AdminSuiteTM 2.3 の Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャのものをすべて先に削除しておく必要があります。そのあとで、Solaris 9 オペレーティング環境をインストールするか、または Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードします。具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』 を参照してください。
ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 9 をインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが出力されます。
The Solaris Version (Solaris 7) on slice <xxxxxxxx> cannot be upgraded. There is an unknown problem with the software configuration installed on this disk. スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (Solaris 7) が アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に 未知の問題があります。 |
このエラー メッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris オペレーティング環境を実行しているスライスです。
Solaris 8 、Solaris 8 6/00、 Solaris 8 10/00 オペレーティング環境のいずれかのオペレーティング環境から Solaris 9 オペレーティング環境 (Solaris WBEM Services 2.5) にアップグレードする場合は、Managed Object Format (MOF) 形式の重要なデータは、Solaris WBEM Services 2.5 で使用されている新しい Reliable Log レポジトリ形式に変換してください。この変換を行わないと、データが失われてしまいます。
WBEM データの具体的な変換手順については、『Solaris WBEM Services の管理』の「CIM Object Manager Repository のアップグレード」を参照してください。
Solaris 9 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。
Solstid 9 Software 1 of 2 CD を使用したアップグレードの場合、Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。
回避方法 : アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。
Solaris 8 および Solaris 9 Beta/Beta Refresh から Solaris 9 へアップグレードを行うと、アップグレードログに以下のようなメッセージと共に、古いフォント設定ファイル(ファイル末尾に :8 が付く) が残ります。
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias
回避方法 : 古いフォント設定ファイルは削除してください。
# cd /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/ # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias:8 # cd /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/ # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale:8 # rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias:8 |
Solaris 9 のインストール全般に関する注意事項とバグ情報を説明します。
同梱されている CD を、その CD に含まれている Solaris Web Start 2.x (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしているときに、スワップ容量の不足のためインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、エラーメッセージは次のように文字化けしています。
RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? |
回避方法 : 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.x は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.x を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、スワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。
選択したデフォルトロケールに関係なく、install_log、upgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されます。
回避方法 : コードコンバータで変換して参照するか、テキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。
日本語タイプ 5 キーボードは OpenBoot PROM のバージョンによっては、モニターレベルでタイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニターレベルでは、キーボード上の印字と実際の入力が一部異なります。次の表を参照してください。その他の注意事項は、U.S. タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。
表 2-5 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字日本語タイプ 5 キーボード上の印字 | 実際の入力文字 |
---|---|
" | @ |
& | ^ |
' | & |
( | * |
) | ( |
Shift-0 | ) |
= | _ |
‾ | + |
^ | = |
¥ | ¥ |
@ | [ |
` | { |
[ | ] |
{ | } |
+ | : |
: | ' |
* | " |
] | ` |
} | ‾ |
_ | LF |
¥ | LF |
64 ビット Solaris をインストールする場合の、注意事項とバグ情報について説明します。
システムがすでに 64 ビット対応のファームウェアを実行している場合、Flash PROM のアップデートは不要です。
UltraSPARCTM システム上で 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合、Flash PROM ファームウェアのアップデートが必要な場合があります。 Solaris 9 インストールプログラムには、64 ビットサポートを追加する選択肢があります。UltraSPARC システムにインストールする場合は、この 64 ビットサポートがデフォルトで選択されます。64 ビットシステムは、200MHz 以上の CPU 速度を持つ場合のみ、デフォルトで 64 ビットでブートします。
Sun システムまたは UltraSPARC システムで 32 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合は、Flash PROM のアップデートは不要です。
次の表に、UltraSPARC (sun4uTM) システムと必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。
表 2-6 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris を実行するために必要なファームウェアバージョン
システムタイプ (uname -i で出力される) |
必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される) |
---|---|
SUNW,Ultra-1-Engine |
3.10.0 |
SUNW,Ultra-1 |
3.11.1 |
SUNW,Ultra-2 |
3.11.2 |
SUNW,Ultra-4 |
3.7.107 |
SUNW,Ultra-Enterprise |
3.2.16 |
この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM をアップデートする必要はありません。
Solaris CD を使用して Flash PROM をアップデートする方法については、「Solaris 9 on Sun Hardware Collection」のマニュアルをご覧ください。 このコレクション中のマニュアルは、 http://docs.sun.com で参照することができます。
翻訳された PDF 形式の文書コレクションの中には、パッケージ名が 9 文字を超えるものがあります。Solaris 7 または 8 オペレーティング環境が稼働しているサーバーに、このような PDF コレクションをインストールする場合は、先にパッチを 2 つインストールしておく必要があります。
このリリースの時点では、Solaris 2.6 サーバー用のパッチはありません。
回避方法 : 各パッチのインストール手順については、文書メディア (Solaris 9 Documentation CD 1 of 2、2 of 2、または DVD) に収録されている Solaris Documentation Important Information (『Solaris ドキュメントに関する重要情報』)ファイルを参照してください。このファイルは、次のディレクトリにあります。
mount-point/README/locale/install_locale.html |
たとえば、Solaris 9 Documentation CD 1 of 2 の英語ファイルは、次のディレクトリにあります。
sol_9_doc_1of2/README/C/install_C.html |
Solaris 9 Product Registry から立ち上げる Solaris 9 DOCUMENTATION CD の uninstaller で「全体」を選択した場合、uninstaller はデフォルトでインストールされるマニュアルパッケージしか削除しません。
回避方法: uninstaller のアンインストール形式の選択で「部分」を選択して、アンインストールしたいパッケージを選択します。
インストーラプログラムの「インストール形式の選択」で、一度一般インストールを選択すると、「インストール形式の選択」画面に戻ってカスタムインストールを選択しても、言語選択画面に選択可能なすべての言語を表示できなくなります。
回避方法 : インストーラプログラムをもう一度立ち上げ直し、初めにカスタムインストールを選択してください。
特定のロケールでは Solaris 9 INSTALLATION CD を使用する場合、インストールプログラムは Solaris DOCUMENTATION 2 of 2 CD からパッケージをインストールするかどうかをたずねません。この問題は、EUC 以外の次のロケール選択で発生します。EUC ロケール (日本語環境なら ja ロケール) を選択することで問題は回避できます。
ja_JP.PCK
ja_JP.UTF-8
ko.UTF-8
zh.GBK
zh.UTF-8
zh_CN.18030
zh_HK.BIG5HK
zh_HK.UTF-8
zh_TW.BIG5
zh_TW.UTF-8
回避方法: Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD からコレクションをインストールする場合は、Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD から直接 installer ユーティリティを実行してください。
zh_HK.BIG5HK ロケールまたは zh_HK.UTF-8 ロケールで Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD をインストールすると、簡体字中国語の文書がデフォルトでインストールされます。
回避方法: Solaris 9 DOCUMENTATION 2 of 2 CD のインストール中に「カスタム」インストールを選択して、次に、インストールしたい繁体字中国語の文書を選択します。
-nodisplay オプションを指定して Solaris 9 DOCUMENTATION CD のインストーラプログラムを使用すると、確認画面が正しく表示されないことがあります。
回避方法 : Solaris 9 DOCUMENTATION CD のインストーラプログラムを使用するときに、-nodisplay オプションを指定しないでください。Solaris 9 DOCUMENTATION CD をインストールするときには、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) モードを使用してください。
Solaris 9 では、インストールするロケールを選択した場合、関連するほかのロケールもインストールされることがあります。 これは、すべての完全ロケール (メッセージが翻訳されている) とアジアおよび日本語の部分ロケールが、言語単位でパッケージ化し直されたためです。ほかの部分ロケールは従来通りに地理上の分類 (中央ヨーロッパなど) に基づいて、パッケージ化されてインストールされます。
Solairs 9 ソフトウェア DVD から対話的インストールを実行する際にインストール時に使用するロケールとして英語またはヨーロッパの ISO-15 ロケールを選択すると、 ISO-15 および対応する ISO-1 ロケールが正しくインストールされないことがあります。この問題が生じるのは、「Select a Locale」画面で選択した英語またはヨーロッパの ISO-15 ロケールが「Select Software Localization (ソフトウェアのロケール選択)」画面で自動的に選択されないためです。
回避方法 : インストール時に使用するロケールとして英語またはヨーロッパの ISO-15ロケールを選択して、インストールを実行する場合、次の手順に従ってください。
「 Select a Locale」画面で、インストール中に使用する英語またはヨーロッパの ISO-15 ロケールを選択する
「Select Software Localization (ソフトウェアのロケール選択)」画面で、 システムにインストールする適切な英語またはヨーロッパの ISO-15 と ISO-1 ロケールを選択する。
英語またはヨーロッパの ISO-15 および ISO-1 ロケールがインストール用に選択されていることを「Select Software Localization (ソフトウェアのロケール選択)」画面で確認しないと、 選択したロケールがインストールされないことがあります。
簡体字中国語または繁体字中国語のロケールを含んだ Solaris Beta Refresh オペレーティング環境が動作しているシステムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする場合、簡体字中国語と繁体字中国語の CDE フォント各国語対応パッケージ (SUNWcdft または SUNWhdft) が適切な Solaris 9 パッケージにアップグレードされないため、アップグレードは正常に完了しません。次のエラーメッセージが表示されます。
Removing package SUNWcdft: /a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.EUC: does not exist /a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.GBK: does not exist /a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.UTF-8: does not exist pkgrm: ERROR: postremove script did not complete successfully |
回避方法: Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする前に、Solaris 9 Beta Refresh の postremove ファイルを適宜削除します。
# rm /var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove # rm /var/sadm/pkg/SUNWhdft/install/postremove |
Solaris 8 Language Supplement CD がインストールされている Solaris 8 オペレーティング環境が動作しているシステムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする場合、いくつかの無効なタイ語、ロシア語、ポーランド語、およびカタロニア語のロケールパッケージがシステムに残ってしまいます。これらのロケールパッケージでは ARCH=sparcall が設定されているので、Solaris 9 オペレーティング環境へのアップグレード時に削除されません。
回避方法: オペレーティング環境にアップグレードする前に、Solaris Product Registry アプリケーションを使用して Solaris 8 Languages Supplement CD パッケージを削除してください。
ヨーロッパロケールの特定のセットを 1 つまたは複数インストールする場合、そのロケールの UTF-8 コードセットにある英語またはヨーロッパ言語文字以外の文字を表示しないことがあります。この問題は次の場合に起こります。
次の 1 つまたは複数のロケールをインストールする場合
中東/イスラエル (ISO8859-8)
北アフリカ/エジプト (ISO8859-6)
東ヨーロッパ/ロシア (ISO8859-5)
西ヨーロッパ/トルコ (ISO8859-9)
南アメリカ/ブラジル (ISO8859-1)
中央ヨーロッパ/ポーランド (ISO8859-2)
システムにほかのロケールをインストールしない場合
回避方法 : 次のいずれかの方法を実行してください。
インストール実行中に、en_US.UTF-8 北アメリカ/米国ロケールおよびヨーロッパロケールの両方をシステムにインストールする
インストール終了後に、pkgadd ユーティリティを使用してシステムに次のパッケージを追加する
SUNW5ttf - 繁体字中国語 BIG5 True Type フォントパッケージ
SUNWcttf - 簡体字中国語 (EUC) True Type フォント
SUNWiiimr - インターネット/イントラネット入力システムフレームワーク (root)
SUNWiiimu - インターネット/イントラネット入力システムフレームワーク (usr)
SUNWinleu - インド語ロケール環境 user ファイル
SUNWinlex - インド語言語環境 user ファイル (64 ビット)
SUNWinttf - インド語の True Type フォント
SUNWjxcft - 日本語必須 TrueType フォント
SUNWkttf - 韓国語 True Type フォント
SUNWtleu - タイ語ロケール環境 user ファイル
SUNWtleux - タイ語言語環境 user ファイル (64 ビット)
これらのパッケージは、 Solaris 9 Software 1 of 2 CD または CD イメージ上の Solaris9/Product ディレクトリで入手できます。
たとえば、Solaris 9 Software 1 of 2 CD から Solaris 9 オペレーティング環境をインストールする場合、次のコマンドを入力してください。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris9/Product # pkgadd -d . SUNW5ttf # pkgadd -d . SUNWcttf |
前述のリストにある各パッケージに対してこの pkgadd コマンドを繰り返し実行します。