すべての SPARC ワークステーションで、Power Management ソフトウェアの機能を使用することができます。ただし、特定のタイプのハードウェアでしか動作しない機能もあります。電源状態の一部のデフォルト設定は、システムのタイプによって異なります。
次の節では、ハードウェアによってサポートされている電源管理機能と、今回リリースされる Solaris とハードウェアを初めて併用する場合に有効になるデフォルトの動作について説明します。
Solaris のオペレーティング環境で動作する Intel のハードウェアは、電源管理機能をサポートしていません。
電源管理機能は、ハードウェアの省電力機能と、Solaris オペレーティング環境で提供されるソフトウェアの両方によって有効になります。システムの省電力モードの正確な特性は、ハードウェア、および Energy Star に対するハードウェアの準拠によって異なります。prtconf -vp | grep energystar コマンドを使用すると、システムが準拠している Energy Star のバージョンがわかります。
これから、Power Management 対応のハードウェアが備えている機能について説明します。
Energy Star 3.0 に準拠している SPARCTM のハードウェアでは、低電力モードに移行することによって、消費電力を削減します。デバイスは、この低電力モードからフル稼働状態に自動的に復元再開することができます。このハードウェアでは、アイドル状態にあるとき、モニタとフレームバッファの電源を切り、ディスクの回転速度を落として、デバイスの消費電力を大幅に削減することができます。ただし、そのとき、システムは使用される準備ができている状態で稼働しており、ネットワーク上でも存在を確認できる状態にあります。cron プロセスまたはネットワーク経由の外部からの要求によってシステム上でジョブが発生すると、該当するデバイスおよびその他のハードウェアはフル電力モードに数秒で戻ります。
Energy Star 2.0 に準拠している SPARC ハードウェアでは、低電力モードに移行する機能をサポートしていません。その代わり、そのようなシステムでは、指定された時間だけアイドル状態が続くと、システムを完全にシャットダウンします。ただし、モニタは例外で、低電力モードに入る機能をサポートしており、動作を続行します。再起動すると、システムは 1 分程度で再起動します。
Energy Star ガイドラインに準拠していないシステムでは、モニタに対してのみ電源管理が実行されます。その他のデバイスに対しては、電源管理は実行されません。
利用できる電源管理機能は、SPARC アーキテクチャによって決まります。電源管理機能のデフォルトの動作は、表 23–1 に示すようにシステムによって異なります。
uname -m コマンドを使用すると、システムのアーキテクチャがわかります。
このマニュアルに記述されていない Sun MicrosystemsTM のハードウェアについては、『Sun ハードウェアマニュアル』を参照してください。『Solaris 9 Sun ハードウェアマニュアル』 には、システムの Power Management ソフトウェアの機能に関するその他の情報も記述されています。
表 23–1 SPARC アーキテクチャの違いによる電源管理機能の相違
SPARCstationTM Voyager は、sun4m アーキテクチャのシステムですが、Solaris 9 ではサポートされていません。