Solaris ユーザーズガイド (上級編)

プリンタの状態を確認する

LP プリントサービスの状態を調べるには、lpstat コマンドを使います。lpstat を使って、印刷待ち行列内のジョブ状態の検査、利用可能なプリンタの確認、ジョブを取り消すためのリクエスト ID の確認などを行うことができます。

印刷要求の状態を確認する

印刷要求の状態を調べるには、次のコマンドを入力します。


$ lpstat

印刷要求を実行したファイルのリストが表示されます。

次の例では、プリンタ jetprint で印刷するファイルが 1 つ待ち行列に登録されています。


$ lpstat

jetprint-1              user2            11466   Nov 01 15:10 on jetprint

$

lpstat コマンドは、印刷ジョブごとに 1 行ずつ要求 ID、その要求をスプールしたユーザ、バイト単位の出力サイズ、印刷要求を実行したシステムと日付と時刻に関する情報を表示します。

利用可能なプリンタを確認する

システムに接続されているプリンタを確認するには、次のコマンドを入力します。


$ lpstat -s

最初にスケジューラの状態が表示され、その後デフォルトの宛先プリンタ、利用可能なシステムとプリンタのリストが表示されます。

次の例ではスケジューラが実行中であり、デフォルトプリンタは jetprint です。プリンタ jetprintfastprint の印刷サーバは prtsrv1 です。


$ lpstat -s

scheduler is running

system default destination: jetprint

system for jetprint: prtsrv1

system for fastprint: prtsrv1

$

状態情報をすべて表示する

lpstat コマンドに -t オプションをつけると、LP プリントサービスの全状態を要約したリストが表示できます。

このリストを表示するには、次のコマンドを入力します。


$ lpstat -t

利用可能な状態情報がすべて出力されます。

次の例では、印刷待ち行列内にジョブが存在しません。ファイルが印刷のためにスプールされると、それらの印刷要求の状態も表示されます。


$ lpstat -t

scheduler is running

system default destination: jetprint

system for jetprint: prtsrv1

system for fastprint: prtsrv1


jetprint accepting requests since Wed Nov  1 15:09:29 MST 2000

fastprint accepting requests since Wed Nov  1 15:09:47 MST 2000

printer fastprint is idle. enabled since Wed Nov  1 15:09:46 MST 2000. 

jetprint-1              user2            11466   Nov 01 15:10 on jetprint

$

プリンタの状態を表示する

lpstat コマンドに -p オプションを指定することにより、個々のプリンタについての状態情報を要求できます。このオプションは、プリンタの活動状況 (アクティブまたはアイドル)、使用可能または不可能になった時間、印刷要求の受付の可否などを表示します。

システム上の全プリンタに関する状態情報を表示するには、次のコマンドを入力します。


$ lpstat -p

次の例は、2 つのプリンタがアイドル状態、使用可能、印刷要求受付可能であることを示しています。


$ lpstat -p

printer jetprint is idle. enabled since Wed Nov  1 15:09:28 MST 2000. 

   available.

printer fastprint is idle. enabled since Wed Nov  1 15:09:46 MST 2000. 

   available.

$

これらのプリンタの印刷待ち行列にジョブが存在すれば、そのジョブ情報も表示されます。

個々のプリンタに関する状態情報を表示するには、次のコマンドを入力します。


$ lpstat -p printername

printername は、特定のプリンタの名前です。

lpstat コマンドのオプション

lpstat コマンドを使うと、プリンタの状態に関するさまざまな情報を表示できます。lpstat コマンドで頻繁に使われるオプションを表 8–2 にまとめてあります。これらのオプションは、コマンド行で 1 つだけ指定しても、任意の順序で組み合わせて指定してもかまいません。 複数のオプションを組み合わせる場合は、各オプションの前にハイフン (-) を付け、各オプション間はスペースで区切って指定します。

表 8–2 頻繁に使われる lpstat オプション

オプション 

説明 

-a

受付状態。印刷宛先プリンタの要求受付状況を表示する 

-c

クラス。プリンタクラスとそのメンバを表示する 

-d

印刷宛先。デフォルトの印刷宛先プリンタを表示する 

-f

書式。印刷書式を表示する 

-o

出力。印刷要求の状態を表示する 

-p [list][-D][-l}

プリンタ指定・説明・詳細リスト。プリンタの状態を表示する 

-r

要求。要求スケジューラの状態を表示する 

-R

印刷待ち行列内のジョブの位置を表示する 

-s

状態情報。要約した状態情報を表示する 

-S

文字セット。文字セットを表示する 

-u [username]

ユーザ。要求の状態をユーザごとに表示する 

-v

プリンタのデバイス名を表示する 

lpstat コマンドオプションの詳細なリストについては、『man pages section 1: User Commands』を参照してください。