Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IP ネットワークマルチパスの構成要素

表 27–1 に、IP ネットワークマルチパスの構成要素を示します。

表 27–1 IP ネットワークマルチパスの構成要素

コンポーネント 

説明 

IP リンク 

リンク層でノード間の通信に使用される通信設備や通信媒体。リンク層とは IPv4 および IPv6 のすぐ下の層で、例としては、Ethernet (単一の、またはブリッジされた) または ATM ネットワークがある。IP リンクには、1 つまたは複数の IPv4 サブネット番号 (ネットワーク接頭子) が割り当てられる。同じサブネット番号 (ネットワーク接頭子) を複数の IP リンクに割り当てることはできない。ATM LANE では、IP リンクは 1 つのエミュレートされた LAN である。ARP を使用する場合、ARP プロトコルの有効範囲は単一の IP リンクである 

ネットワークインタフェースカード (NIC) 

リンクとのインタフェースになる、内部ネットワークアダプタまたは独立したネットワークアダプタカード。 

物理インタフェース 

リンクに対するノードの接続。この接続は通常、デバイスドライバとネットワークアダプタとして実装される。ネットワークアダプタによっては、qfe のように複数の接続点を持つ場合もある。このマニュアルでは、「ネットワークアダプタ」は「単一接続点」を示す。" 

物理インタフェースグループ 

同じリンクに接続されている、システムの物理インタフェース群。グループ内のすべての物理インタフェースには、識別のための空文字列でない同じ名前が割り当てられる 

物理インタフェースグループ名 

グループを識別する、物理インタフェースに割り当てられる名前。この名前の有効範囲は 1 つのシステム。同じグループ名を共有する複数の物理インタフェースは、物理インタフェースグループを構成する 

障害検出 

NIC や NIC から第 3 層の装置への経路が動作しなくなったことを検出する処理 

回復検出 

障害の発生後、NIC や NIC から第 3 層の装置への経路が、正しく動作し始めたことを検出する処理 

障害経路の迂回または回復復帰 

ネットワークアクセスを障害が検出されたインタフェースから正常な物理インタフェースに切り替える処理。ネットワークアクセスには、IPv4 のユニキャスト、マルチキャスト、およびブロードキャストと、IPv6 のユニキャストとマルチキャストが含まれる 

回復した経路への復帰または回復復帰 

ネットワークアクセスを、回復が検出されたインタフェースに戻す処理 

待機インタフェース 

グループ内の他の物理インタフェースに障害が発生するまでデータの伝送には使用されない物理インタフェース