Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

FNS サービスの複製

FNS のネームサービスの性能と信頼性が重要な大規模で重要性の高いネットワークでは、FNS サービスを複製してください。

FNS サービスの複製 - 作業マップ

表 25-12 FNS サービスの複製

作業 

説明 

指示の参照先 

FNS サービスの複製 

NIS+ の下での FNS サービスの複製 

「NIS+ の下での FNS の複製」

FNS サービスの複製 

NIS の下での FNS サービスの複製 

「NIS の下での FNS の複製」

FNS サービスの複製 

ファイルの下での FNS の複製 

「ファイルを使用したネームサービスの下での FNS の複製」

NIS+ の下での FNS の複製

マスターサーバーで FNS 名前空間が設定されたら、その他の複製サーバーを各ドメインに追加して、ドメインの ctx_dir を提供するサーバーにします。複製サーバーによって、サーバーの可用性と性能を拡張できます。

  1. FNS マスターサーバー上で nismkdir コマンドを実行して、ctx_dir ディレクトリ用の複製サーバーを追加します。

    たとえば、マシン fnsrserverdoc.com. ドメインの FNS の複製サーバーにします。


    # nismkdir -s fnsrserver ctx_dir.doc.com.

  2. nisping コマンドを使用して ctx_dir ディレクトリでチェックポイントを実行します。


    # /usr/lib/nis/nisping -C ctx_dir.doc.com.

    FNS の複製では一定の間隔でチェックポイントを実行してください。間隔は、数日に一回程度をお勧めします。選択する間隔は、FNS 名前空間への変更頻度によって異なります。

NIS の下での FNS の複製

FNS 名前空間がドメインのマスターサーバーで設定された後に、スレーブサーバーを追加して、サーバーの可用性と機能を拡張できます。

  1. root として、スレーブサーバーの /etc/hosts ファイルを編集して、他のすべての NIS サーバーの名前と IP アドレスを追加します。

  2. スレーブサーバー上の /var/yp にディレクトリを変更します。

  3. 次のように入力して、スレーブサーバーにするマシンをクライアントとして初期化します。


    # /usr/sbin/ypinit -c

    ypinit コマンドが、NIS サーバーのリストの入力を促します。作業中のローカルスレーブの名前を最初に入力してからマスターサーバーを入力し、その後にドメイン内の他の NIS スレーブサーバーをネットワーク的に近いものから遠いものの順番で入力します。


    注 -

    NIS クライアントとして、新しいスレーブサーバーを最初に構成して、マスターサーバーから最初に NIS マップを得ることができるようにします。詳細については、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「NIS サービスの設定と構成」を参照してください。


  4. ypbind が実行中かどうかを判断するには、次のように入力します。


    # ps -ef | grep ypbind

    リストが表示されたら、ypbind は実行中です。

  5. ypbind が実行中なら、次のように入力して停止します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstop

  6. 次のように入力して、ypbind を再開します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstart

  7. 次のように入力して、このマシンをスレーブとして初期化します。


    # /usr/sbin/ypinit -s master
    

    この場合 master は、既存の NIS マスターサーバーのマシン名です。

  8. スレーブサーバーの yp プロセスを停止します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstop

  9. yp サービスを再起動します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstart

    これとは別に、スレーブサーバーをリブートしてデーモンを自動的に開始することもできます。

ファイルを使用したネームサービスの下での FNS の複製

主なネームサービスがファイルになっているときはサーバーの複製はありません。