最初の IPQoS 構成ファイルは、保守および使用しやすい任意のディレクトリに作成できます。この章では、IPQoS 構成ファイルの位置としてディレクトリ /var/ipqos を使用します。次の手順では、例 3–1 に示した IPQoS 構成ファイルの初期セグメントを構築します。
IPQoS 構成ファイルを作成する際、各アクション文および句を必ず中括弧 ({ }) で囲んでください。括弧の使用例については、例 3–1 を参照してください。
プレミアム Web サーバーにログインし、新規 IPQoS 構成ファイルを拡張子 .qos を付けて作成します。
すべての IPQoS 構成ファイルで、最初の非コメント行にバージョン番号 fmt_version 1.0 を記述する必要があります。
冒頭のパラメータに続き、初期アクション文を記述して汎用の IP クラシファイア ipgpc を構成します。
IPQoS 構成ファイルを成すアクション文のツリーは、この初期アクションから始まります。たとえば、/var/ipqos/Goldweb.qos ファイルは、 ipgpc クラシファイアを呼び出す初期アクション文で始まります。
fmt_version 1.0 action { module ipgpc name ipgpc.classify |
エントリ |
説明 |
---|---|
fmt_version 1.0 |
IPQoS 構成ファイルを開始する |
action { module ipgpc |
構成ファイル内の最初のアクションとして ipgpc クラシファイアを構成する |
name ipgpc.classify |
クラシファイアのアクション文の名前を定義する。名前は常に ipgpc.classify でなければならない |
アクション文の構文情報の詳細については、アクション文および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
統計パラメータ global_stats を含む params 句を追加します。
params { global_stats TRUE } |
ipgpc.classify アクション内でパラメータ global_stats TRUE を使用すると、このアクションに関する統計の取得が有効になります。また、global_stats TRUE を使用し、かつクラス句定義に enable_stats TRUE を指定すれば、そのクラスの統計の取得が可能になります。
統計の取得を有効にすると、パフォーマンスが影響を受けます。新規 IPQoS 構成ファイルを作成したときには、IPQoS が適正に動作するか検証するために、統計取得を有効にしてもかまいません。あとで global_stats の引数を FALSE に変更すれば、統計取得を無効にできます。
グローバル統計は、params 句で定義可能なパラメータの 1 種類に過ぎません。params 句の構文およびその他の詳細については、Params 句および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
プレミアムサーバーに向かうトラフィックを特定するクラスを定義します。
class { name goldweb next_action markAF11 enable_stats FALSE } |
上の文は、「クラス句」と呼ばれます。クラス句には次の内容が含まれます。
エントリ |
説明 |
---|---|
name goldweb |
goldweb クラスを作成して、Goldweb サーバーに向かうトラフィックを特定する |
next_action markAF11 |
ipgpc モジュールに対し、goldweb クラスのパケットをアクション文 markAF11 に渡すよう指示する。アクション文 markAF11 は、 dscpmk マーカーを呼び出す |
enable_stats FALSE |
goldweb クラスの統計取得を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計取得は有効にはならない |
クラス句の構文の詳細については、クラス句および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
もっとも高い優先順位の転送を必要とするアプリケーションを特定するクラスを定義します。
class { name video next_action markEF enable_stats FALSE } |
エントリ |
説明 |
---|---|
name video |
video クラスを作成して、Goldweb から発信されるストリーミングビデオのトラフィックを特定する |
next_action markEF |
ipgpc モジュールに対し、ipgpc による処理が完了した video クラスのパケットを、アクション文 markEF に渡すよう指示する。アクション文 markEF は、dscpmk マーカーを呼び出す |
enable_stats FALSE |
video クラスの統計取得を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計取得は有効にはならない |
作業 |
参照先 |
---|---|
作成したばかりのクラス用のフィルタを定義する | |
構成ファイル用の別のクラス句を作成する |