metadetach コマンドを使用してミラーからサブミラーを切断する場合、サブミラーを接続し直すことができなくなることがあります。この問題が発生するのは、サブミラーを切断した後にミラーの大きさが自動的に変更されるためです。
回避方法: metadetach コマンドを使用してサブミラーを切断する前に、切断したいサブミラーと同じサイズのサブミラーを接続します。
システムからソフトパーティション化されたディスクを物理的に削除して新しいディスクに交換した場合、metareplace -e コマンドはソフトパーティションを有効にできません。ソフトパーティションを有効にするために metareplace コマンドを実行する前に metarecover コマンドを使用したかどうかにかかわらず、この問題は起こります。
回避方法: 新しいディスク上にソフトパーティションを作成し直してください。
ソフトパーティションが、ミラーまたは RAID5 の一部である場合、 -e オプションをつけずに metareplace コマンドを使用して、古いソフトパーティションと新しいソフトパーティションを交換してください。
# metareplace dx mirror または RAID5 old_soft_partition new_soft_partition |
次の場合に、metahs -e コマンドが失敗することがあります。
ホットスペアデバイスに障害が発生した場合。たとえば、metaverify テストユーティリティを使用したときに、エラーが発生した場合など。
メタデバイスにエラーが発生して、Solaris ボリュームマネージャソフトウェアがホットスペアを起動しようとしたが、このホットスペアが「broken」とマークされている。
システムが停止して、障害が発生したホットスペアを含むディスクが同じ配置で新しいディスクに交換された。
システムが起動しても、Solaris ボリュームマネージャソフトウェアが新しいホットスペアを認識しない。
新しいディスクのホットスペアを有効にするために、metahs -e コマンドが使用された。
次のメッセージが表示されます。
WARNING: md: d0: open error of hotspare (Unavailable) |
Solaris ボリュームマネージャソフトウェアは、物理的に同じ場所に交換された新しいホットスペアディスクを認識しないため、この問題が起こります。Solaris ボリュームマネージャソフトウェアはすでにシステムに存在しないディスクのデバイス ID を表示し続けます。
ディスクが交換されるとデバイス番号が変わる Photon などのストレージ格納装置では、この問題が発生するかどうかは判明していません。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
次の手順に従い、Solaris ボリュームマネージャの状態データベースでホットスペアディスクのデバイス ID を更新する。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを入力して、ホットスペアディスクのデバイス ID を更新します。
# metadevadm -u logical-device-name |
次のコマンドを入力して、新しいホットスペアディスクを利用できるようにします。
# metareplace -e logical-device-name |
次の手順に従い、システムのホットスペアとホットスペアプールを管理する。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを入力して、ホットスペアスライス用のエントリを削除します。
# metahs -d hsphot-spare-pool-number logical-device-name |
次のコマンドを入力して、正しいデバイス ID を持つ、同じ場所にあるホットスペアスライス用の新しいエントリを作成します。
# metahs -a hsphot-spare-pool-number logical-device-name |
障害が発生したドライブは Solaris ボリュームマネージャソフトウェアで構成しされたドライブに交換できません。交換するドライブは Solaris ボリュームマネージャソフトウェアにとって新しいドライブである必要があります。Photon 上のあるスロットから別のスロットにディスクを物理的に移動した場合、metadevadm コマンドが失敗することがあります。この問題が発生するのは、スライスの論理デバイス名がすでに存在しないのに、ディスクのデバイス ID がメタデバイス複製に存在しているためです。次のメッセージが表示されます。
Unnamed device detected. Please run 'devfsadm && metadevadm -r to resolve. |
このとき、新しい場所にあるディスクにはアクセスできますが、スライスにアクセスするためには、古い論理デバイス名を使用する必要があります。
回避方法: ドライブを物理的に元のスロットに戻してください。
システムからディスクを物理的に取り外して交換して、metarecover -p -d コマンドを使用して適切なソフトパーティションの特定の情報をディスクに書き込むと、オープンエラーが発生します。このコマンドはメタデバイスデータベースの名前空間を更新せず、ディスクデバイス識別情報の変更を反映しません。この状態になると、ディスクの一番上に構築された各ソフトパーティションでオープンエラーが発生し、次のエラーメッセージが表示されます。
Open Error |
回避方法: metarecover コマンドを実行してソフトパーティションを回復するのではなく、新しいディスクにソフトパーティションを作成してください。
ソフトパーティションがミラーまたは RAID5 の一部である場合、次の metareplace コマンドを -e オプションをつけずに使用して、古いソフトパーティションを新しいソフトパーティションに交換します。
# metareplace dx mirror または RAID5 old_soft_partition new_soft_partition |