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Sun ONE Application Server 7, Update 1 管理者ガイド



第 14 章   HTTP 機能の設定

この章では、Sun ONE Application Server の HTTP 関連機能の設定方法を説明します。仮想サーバーと HTTP リスナーに関連する詳細設定については、「仮想サーバーの使用」を参照してください。

この章では次のトピックについて説明します。

HTTP 機能について

Sun ONE Application Server の HTTP 機能には、アプリケーションサーバーインスタンスのパフォーマンスレベルの設定、パフォーマンスチューニング関連パラメータの設定、パフォーマンスを改善するためのファイルキャッシュの使用などがあります。これらの設定情報は、init.confserver.xml という 2 つの設定ファイルに格納されています。init.conf ファイルの設定は、「詳細設定」ページで編集します。詳細については、「詳細設定の編集」を参照してください。

その他の編集可能なプロパティは、server.xml ファイルの http-service 要素内に格納されています。init.conf ファイルおよび server.xml ファイルの詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者用設定ファイルリファレンス』を参照してください。

ファイルキャッシュの設定

Sun ONE Application Server は、静的な情報を迅速に処理するため、ファイルキャッシュを使用します。ファイルキャッシュには、ファイルに関する情報と静的なファイルコンテンツが含まれます。ファイルキャッシュには、サーバー解析 HTML の処理を高速化するために使用する情報も格納されます。

ファイルキャッシュはデフォルトで有効になっています。ファイルキャッシュの設定情報は、nsfc.conf ファイルに格納されています。このファイルは、ファイルのキャッシュパラメータがデフォルトから変更されている場合にのみ存在します。nsfc.conf の詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者用設定ファイルリファレンス』を参照してください。

ファイルキャッシュを設定するには、次の手順を実行します。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」をクリックします。
  2. 「ファイルキャッシュ」タブをクリックします。
  3. フィールドに適切な値を入力します。
  4. 「了解」をクリックします。

ファイルキャッシュを使ってパフォーマンスを改善する方法については、『Sun ONE Application Server パフォーマンスおよびチューニングガイド』を参照してください。

サーバーのパフォーマンスの調整

「性能の調整」ページでは、処理できる要求の数、稼動していない状態になってからタイムアウトになるまでの要求の存続時間、および DNS によるクライアント IP の逆方向検索を行うかどうかなどを指定して、Sun ONE Application Server のパフォーマンスを制御する設定情報を設定できます。DNS を使用する場合は、パフォーマンス関連機能 (たとえば非同期 DNS を使用するかどうか) と、DNS キャッシュ設定を設定できます。

詳細は、『Sun ONE Application Server パフォーマンスおよびチューニングガイド』を参照してください。

パフォーマンスを調整するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」をクリックします。
  2. 「調整」タブをクリックします。
  3. フィールドに適切な値を入力します。
  4. 「了解」をクリックします。

このほか、管理インタフェースを使って調整できる設定の詳細については、オンラインヘルプを参照してください。

HTTP のサービス品質の設定

サービス品質とは、ユーザーがサーバーに設定するパフォーマンス制限のことです。たとえば、ISP は、許可する帯域幅に応じて仮想サーバーの課金額を変えたいことがあります。

特定の仮想サーバーのサービス品質を使用するには、サーバーインスタンスのサービス品質を事前に有効化し、値を設定しておく必要があります。

サーバーインスタンスのサービス品質を設定するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」をクリックします。
  2. 「QOS」タブをクリックします。
  3. サービス品質を全体で使用可能にするには、「有効」をクリックします。
  4. デフォルトでは、サービス品質は無効になっています。サービス品質を有効にすると、サーバーのオーバーヘッドがわずかに増えます。

  5. 「QOS 再計算時間間隔」を選択します。
  6. 再計算時間の間隔は、帯域幅の計算間隔をミリ秒単位で表しています。デフォルトは 100 ミリ秒です。

  7. 「QOS メトリック間隔」を選択します。
  8. 測定時間は、トラフィックの測定間隔を秒単位で示しています。デフォルトは 30 秒。この時間に測定されたすべての帯域幅を平均して、1 秒あたりのバイト数が得られます。

    サイズの大きいファイルを転送することが多い場合は、このフィールドの値を大きくします (数分またはそれ以上)。サイズの大きいファイルを転送する際、メトリック間隔が短いと、許容帯域幅がすべて占有される可能性があります。この場合、最大帯域幅の設定が有効になっていると接続が拒否されます。帯域幅はメトリック間隔によって平均化されるため、間隔を長くすれば、サイズの大きいファイルによるトラフィックスパイクを防ぐことができます。

    帯域幅の制限値が使用可能な帯域幅よりもはるかに小さい場合 (たとえば、帯域幅の制限値が 1M バイト / 秒で、バックボーンとの接続が 1G バイト / 秒の場合) は、メトリック間隔を短くする必要があります。

    転送する静的ファイルのサイズが大きいという問題の解決策と、帯域幅の制限値が使用可能な帯域幅よりもはるかに小さいという問題の解決策は相反しています。ユーザーは、どちらの問題を調整するかを決定する必要があります。

  9. サーバーに対して、帯域幅の制限をバイト / 秒単位で設定します。
  10. 帯域幅の制限設定を実施するかどうかを選択します。
  11. 帯域幅の制限設定を実施すると、帯域幅の制限値に達した場合にそれ以上の接続が拒否されます。

    帯域幅の制限設定を実施しないときは、制限値を超えた場合にサーバーのエラーログにメッセージが記録されます。

  12. このサーバーの最大接続許可数を選択します。
  13. この数は、同時に処理する要求の数です。

  14. 接続制限の設定を強制するかどうかを選択します。
  15. 接続数の制限設定を実施すると、接続数が制限値に達した場合にそれ以上の接続が拒否されます。

    接続数の制限設定を実施しないときは、制限値を超えた場合にサーバーのエラーログにメッセージが記録されます。

  16. 別の名前 / 値ペアを指定するときは、「プロパティ」ボタンをクリックします。
  17. 「了解」をクリックします。

コマンド行インタフェースの asadmin ユーティリティを使ってサービス品質を設定するときは、次のコマンドを使います。

  • create-http-qos
  • delete-http-qos

これらのコマンドの構文は次のとおりです。

asadmin create-http-qos --user admin_user [--password password] [--host hostname] [--port admin_port] [--secure | -s] [--passwordfile file_name] [--virtualserver virtual_server_id] [--bwlimit bandwidth_limit] [--enforcebwlimit enforce_bandwidth_limit] [--connlimit connection_limit] [--enforceconnlimit enforce_connection_limit] instancename

asadmin delete-http-qos --user admin_user [--password password] [--host hostname] [--port admin_port] [--secure | -s] [--passwordfile file_name][--virtualserver virtual_server_id] instancename

仮想サーバーを指定してこれらのコマンドを実行すると、その仮想サーバーのサービス品質情報が作成または削除されます。仮想サーバーを指定しない場合は、コマンドはサーバーインスタンスに適用されます。

コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。

サービス品質機能の制限については、「CLI によるトランザクションサービスの管理」を参照してください。

スレッドプールの追加と使用

スレッドプールを使って、特定のサービスに一定数のスレッドを割り当て、それ以上のスレッドを使用できないようにすることができます。スレッドプールは、スレッドに対して安全でないプラグインを実行するときにも使用できます。プールの最大スレッド数を 1 に設定すると、指定されたサービス機能で許可される要求数が 1 つに制限されます。

スレッドプールを追加するときは、スレッドの最大数および最小数、スタックサイズ、および待ち行列サイズも指定します。

スレッドプールを追加するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」をクリックします。
  2. 「スレッドプール」をクリックします。
  3. フィールドに適切な値を入力します。
  4. 「了解」をクリックします。

ページの下部にスレッドプールが表示されます。スレッドプールを編集または削除するには、その横の「編集」または「削除」ボタンをクリックします。

スレッドプールの設定が完了したら、それを特定のサービス用に使用するように指定します。

スレッドプールを使ってパフォーマンスを改善する方法については、『パフォーマンスおよびチューニングガイド』を参照してください。

詳細設定の編集

Sun ONE Application Server は起動時に、instance_dir/config/ ディレクトリの init.conf というファイルを検索して、サーバーインスタンスの動作と設定に関係がするグローバル変数セットを設定します。Sun ONE Application Server は init.conf で定義した指令をすべて実行します。

これらの設定は、「詳細設定」ページに表示されます。init.conf ファイルの特定の設定を変更すると、次の項目に影響が出ます。

  • DNS
  • SSL
  • パフォーマンス
  • CGI
  • Keep-Alive
  • ログ

init.conf の指令の一覧とその説明は、『Sun ONE Application Server 管理者用設定ファイルリファレンス』に記載されています。

詳細設定を編集するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」をクリックします。
  2. 「詳細」タブを選択します。
  3. 変更する設定の種類 (DNS、SSL、など) をクリックします。
  4. 設定内容に必要な変更を加えて、「了解」をクリックします。

各種類の設定の詳細については、オンラインヘルプを参照してください。

MIME タイプの設定

「MIM タイプ (Mime Types)」ページでは、サーバーの MIME ファイルを編集できます。MIME (Multi-purpose Internet Mail Extension) タイプを使って、ユーザーのシステムでサポートされるマルチメディアファイルのタイプを制御できます。また、特定のサーバーファイルタイプに属するファイル拡張子も指定できます。たとえば、CGI プログラムになるファイルを指定できます。

必要な数の MIME タイプファイルを作成し、アプリケーションサーバーインスタンスや仮想サーバーに関連付けることができます。サーバー上にデフォルトで存在する MIME タイプファイル mime.types は削除できません。

新しい MIME タイプファイルを作成するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」の下の「MIME タイプファイル」をクリックします。
  2. 右側のペインの「新規」をクリックします。
  3. MIME ファイルの識別子とファイル名を入力します。
  4. 「了解」をクリックします。

MIME ファイル内の定義を編集するには、次の手順に従います。

  1. 左側のペインの「HTTP サーバー」の下の「MIME タイプファイル」の横にあるアイコンをクリックし、ビューを展開します。
  2. 編集したい MIME ファイルの ID をクリックします。
  3. このページで、指定した ID に関連する MIME ファイルの名前を編集します。
  4. MIME ファイルの拡張子を編集するときは、「MIME ファイルを編集」をクリックします。
  5. 既存のエントリを編集するときは、そのエントリのとなりの「編集」をクリックします。
  6. 表示されるページで適切な変更を加え、「MIME タイプを変更」をクリックします。
  7. MIME タイプを削除するときは、そのタイプのとなりの「削除」をクリックします。
  8. 新しい MIME タイプを追加するときは、各フィールドにカテゴリ、コンテンツタイプ、ファイルサフィックスを入力し、「新規タイプ」をクリックします。

コマンド行インタフェースの asadmin ユーティリティを使って MIME タイプ を設定するときは、次のコマンドを使います。

  • create-mime
  • delete-mime
  • list-mimes

これらのコマンドの構文は次のとおりです。

asadmin create-mime --user admin_user [--password password] [--host hostname] [--port admin_port] [--secure | -s] [--passwordfile file_name] [--instance instancename] --mimefile filename mime_id

asadmin delete-mime --user admin_user [--password password] [--host hostname] [--port admin_port] [--secure | -s] [--passwordfile file_name] [--instance instancename] mime_id

asadmin list-mimes --user admin_user [--password password] [--host hostname] [--port admin_port] [--secure | -s] [--passwordfile file_name] instancename

コマンド構文の詳細については、コマンド行インタフェースのヘルプを参照してください。asadmin の使い方の詳細については、「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。

仮想サーバーで MIME タイプを使用する方法の詳細については、オンラインヘルプと「仮想サーバーの使用」を参照してください。


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