この章では、フラッシュアーカイブを作成する手順を説明します。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
マスターマシンへの、選択したソフトウェア構成でのインストール |
ニーズに合った構成を決定し、Solaris の任意のインストール方法を使用してマスターマシンにインストールする。 | |
フラッシュアーカイブの作成 |
flar create コマンドを使用してアーカイブを作成する。 |
この節では、マスターシステムに Solaris オペレーティング環境をインストールし、その後そのマスターシステムからフラッシュアーカイブを作成する手順を説明します。
マスターシステムには、クローンシステムで行いたいソフトウェア構成と同じ構成でインストールします。マスターシステムへの Solaris オペレーティング環境のインストールは、既存の Solaris インストール方法のどの方法でも使用できます。
インストールしたいシステム構成を決定します。
いずれかの Solaris のインストール方法を使用して、マスターシステムに Solaris オペレーティング環境をインストールします。インストール方法の選択については、第 3 章「Solaris インストール方法の選択」を参照してください。
マスターシステムを次のいずれかの方法でカスタマイズします。
ソフトウェアを削除する
ソフトウェアを追加する
構成ファイルを変更する
クローンシステム上にある周辺装置のためのサポートを追加する
マスターシステムにインストールした後で、クローンシステムへのインストールに使用するフラッシュアーカイブを作成します。
マスターシステムをブートし、できるだけ静的な状態で稼働させます。
可能であれば、システムをシングルユーザーモードで実行してください。 これが不可能な場合、アーカイブしたいアプリケーションおよび大量のオペレーティングシステムリソースを必要とするアプリケーションを停止します。
フラッシュアーカイブの作成は、マスターシステムがマルチユーザーモードまたはシングルユーザーモードで稼動している間、あるいは次に示すメディアの 1 つからブートする間に行うことができます。
Solaris 9 DVD
Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD
Solaris 9 SOFTWARE CD のイメージ。CD メディアを使用している場合、イメージには必要に応じて Solaris 9 LANGUAGES CD が含まれます。
flar create コマンドを使用して、アーカイブを作成します。
# flar create -n name options path/filename |
name |
アーカイブに指定する名前です。指定する name は、content_name キーワードの値になります。 |
options |
詳細は、flar createを参照してください。 |
path |
アーカイブファイルを保存するディレクトリへのパスです。パスを指定しない場合、flar create はアーカイブファイルを現在のディレクトリに保存します。 |
filename |
アーカイブファイルの名前です。 |
アーカイブの作成が正常に完了すると、flar create コマンドは終了コード 0 を返します。
アーカイブの作成が失敗すると、flar create コマンドは 0 以外の終了コードを返します。
ファイルシステムを複製する際、全く同じようにコピーすることも、カスタマイズしてディレクトリやファイルのいくつかを除外することもできます。異なるオプションを使用して、同じ結果を得ることも可能です。使用する環境に最も適したオプションを使用してください。
次の例に示すファイルシステムは、分かりやすくするために大幅に簡略化されています。これらの例では、マスターシステムのファイル構造は、/var 、/usr、/opt などのファイルシステム名の代わりに、次のようなファイル構造を使用します。
/aaa/bbb/ccc/ddd /aaa/eee |
flar create のファイル除外オプションを指定する際は、注意が必要です。ディレクトリの一部を除外する場合、システム構成ファイルなど、他のファイルが気づかずにアーカイブ内に残る場合があります。そのような場合、システムの一貫性が失われるためにインストールが正常に行われません。ディレクトリやファイルの除外は、大規模なデータファイルなど、システムを破綻させることなく容易に削除可能なデータに対して行うのが最善です。
この例では、アーカイブの名前は archive1 です。これは、マスターシステムそのものがコピーされ、その後圧縮されます。アーカイブはマスターシステムと全く同一な複製で、archive1.flar に格納されます。
# flar create -n archive1 -c archive1.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive1.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive2 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、/aaa の内容は残されます。
# flar create -n archive2 -x / -y /aaa archive2.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l aaa aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive5 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、ccc の内容は残されます。exclude ファイルに含まれるリストにより、ルート (/) ファイルシステムが除外されます。include ファイルに含まれるリストにより、サブディレクトリ ccc が残されます。
# flar create -n archive5 -X exclude -f include archive5.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive5.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive5 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、ccc の内容は残されます。exclude ファイルに含まれるリストにより、ルート (/) ファイルシステムが除外されます。-y オプションにより、サブディレクトリ ccc が残されます。
# flar create -n archive5 -X exclude -y /ccc archive5.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive5.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive3 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、/ccc の内容は残されます。-z オプションにより、oracle_data スクリプト内のファイルのリストが参照されます。スクリプト内では、ディレクトリにプラスまたはマイナス記号が付けられ、アーカイブから除外するか残すかが示されます。この例では、ディレクトリ / および /aaa/bbb/ccc/ddd にはアーカイブから除外されることを示すマイナス記号が付けられ、サブディレクトリ /ccc にはアーカイブに残すことを示すプラス記号が付けられています。
# flar create -n archive3 -z oracle_data archive3.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive3.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例のアーカイブの名前は archive4 で、マスターシステムから全く同一にコピーされ、その後圧縮されます。アーカイブはマスターシステムの同一な複製で、archive4.flar に格納されます。-R オプションは、別のディレクトリツリーからアーカイブを作成する場合に使用します。
# flar create -n archive4 -c -R /x/yy/zz archive4.flar |
マスターシステムには、クローンシステムで行いたいソフトウェア構成と同じ構成でインストールします。マスターシステムへの Solaris オペレーティング環境のインストールは、既存の Solaris インストール方法のどの方法でも使用できます。
インストールしたいシステム構成を決定します。
いずれかの Solaris のインストール方法を使用して、マスターシステムに Solaris オペレーティング環境をインストールします。インストール方法の選択については、第 3 章「Solaris インストール方法の選択」を参照してください。
マスターシステムを次のいずれかの方法でカスタマイズします。
ソフトウェアを削除する
ソフトウェアを追加する
構成ファイルを変更する
クローンシステム上にある周辺装置のためのサポートを追加する
マスターシステムにインストールした後で、クローンシステムへのインストールに使用するフラッシュアーカイブを作成します。
マスターシステムをブートし、できるだけ静的な状態で稼働させます。
可能であれば、システムをシングルユーザーモードで実行してください。 これが不可能な場合、アーカイブしたいアプリケーションおよび大量のオペレーティングシステムリソースを必要とするアプリケーションを停止します。
フラッシュアーカイブの作成は、マスターシステムがマルチユーザーモードまたはシングルユーザーモードで稼動している間、あるいは次に示すメディアの 1 つからブートする間に行うことができます。
Solaris 9 DVD
Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD
Solaris 9 SOFTWARE CD のイメージ。CD メディアを使用している場合、イメージには必要に応じて Solaris 9 LANGUAGES CD が含まれます。
flar create コマンドを使用して、アーカイブを作成します。
# flar create -n name options path/filename |
name |
アーカイブに指定する名前です。指定する name は、content_name キーワードの値になります。 |
options |
詳細は、flar createを参照してください。 |
path |
アーカイブファイルを保存するディレクトリへのパスです。パスを指定しない場合、flar create はアーカイブファイルを現在のディレクトリに保存します。 |
filename |
アーカイブファイルの名前です。 |
アーカイブの作成が正常に完了すると、flar create コマンドは終了コード 0 を返します。
アーカイブの作成が失敗すると、flar create コマンドは 0 以外の終了コードを返します。
ファイルシステムを複製する際、全く同じようにコピーすることも、カスタマイズしてディレクトリやファイルのいくつかを除外することもできます。異なるオプションを使用して、同じ結果を得ることも可能です。使用する環境に最も適したオプションを使用してください。
次の例に示すファイルシステムは、分かりやすくするために大幅に簡略化されています。これらの例では、マスターシステムのファイル構造は、/var 、/usr、/opt などのファイルシステム名の代わりに、次のようなファイル構造を使用します。
/aaa/bbb/ccc/ddd /aaa/eee |
flar create のファイル除外オプションを指定する際は、注意が必要です。ディレクトリの一部を除外する場合、システム構成ファイルなど、他のファイルが気づかずにアーカイブ内に残る場合があります。そのような場合、システムの一貫性が失われるためにインストールが正常に行われません。ディレクトリやファイルの除外は、大規模なデータファイルなど、システムを破綻させることなく容易に削除可能なデータに対して行うのが最善です。
この例では、アーカイブの名前は archive1 です。これは、マスターシステムそのものがコピーされ、その後圧縮されます。アーカイブはマスターシステムと全く同一な複製で、archive1.flar に格納されます。
# flar create -n archive1 -c archive1.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive1.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive2 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、/aaa の内容は残されます。
# flar create -n archive2 -x / -y /aaa archive2.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l aaa aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive5 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、ccc の内容は残されます。exclude ファイルに含まれるリストにより、ルート (/) ファイルシステムが除外されます。include ファイルに含まれるリストにより、サブディレクトリ ccc が残されます。
# flar create -n archive5 -X exclude -f include archive5.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive5.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive5 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、ccc の内容は残されます。exclude ファイルに含まれるリストにより、ルート (/) ファイルシステムが除外されます。-y オプションにより、サブディレクトリ ccc が残されます。
# flar create -n archive5 -X exclude -y /ccc archive5.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive5.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例では、アーカイブの名前は archive3 です。これは、マスターシステムからコピーされますが、同一のコピーではありません。ルート (/) ファイルシステム以下の内容は除外されますが、/ccc の内容は残されます。-z オプションにより、oracle_data スクリプト内のファイルのリストが参照されます。スクリプト内では、ディレクトリにプラスまたはマイナス記号が付けられ、アーカイブから除外するか残すかが示されます。この例では、ディレクトリ / および /aaa/bbb/ccc/ddd にはアーカイブから除外されることを示すマイナス記号が付けられ、サブディレクトリ /ccc にはアーカイブに残すことを示すプラス記号が付けられています。
# flar create -n archive3 -z oracle_data archive3.flar |
アーカイブのファイル構造を確認するには、以下のように入力します。
# flar info -l archive3.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |
この例のアーカイブの名前は archive4 で、マスターシステムから全く同一にコピーされ、その後圧縮されます。アーカイブはマスターシステムの同一な複製で、archive4.flar に格納されます。-R オプションは、別のディレクトリツリーからアーカイブを作成する場合に使用します。
# flar create -n archive4 -c -R /x/yy/zz archive4.flar |