この章では、フラッシュアーカイブをクローンシステムにインストールする手順およびアーカイブを管理する手順を説明します。
フラッシュアーカイブは、任意の Solaris のインストール方法でインストールできます。フラッシュアーカイブのインストール手順については、以下を参照してください。
Solaris Live Upgrade – ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストールを参照してください。
Solaris Web Start プログラム – SPARC: Solaris Web Start プログラムによるインストールまたはアップグレードまたはIA: Solaris Web Start によるインストールまたはアップグレードを参照してください。
Solaris suninstall プログラム – SPARC: Solaris suninstall プログラムによるインストールまたはアップグレードまたはIA: Solaris suninstall プログラムによるインストールまたはアップグレードを参照してください。
カスタム JumpStart インストールプログラム – プロファイルの作成およびカスタム JumpStart インストールを使用して フラッシュアーカイブをインストールする方法を参照してください。
flar コマンドは、アーカイブの管理に使用します。1 つのアーカイブを複数のセクションに分割できます。これらのセクションに対し変更、追加、または削除を実行してから結合して、アーカイブを作成できます。アーカイブに関する情報を取得することもできます。
アーカイブセクションは変更しないようにしてください。変更するとアーカイブの整合性に悪影響が及びます。
アーカイブを複数のセクションに分割し、その一部を変更したり、新たなセクションを追加したり、セクションを削除したりできます。セクションの変更後に、セクションを結合して新規アーカイブを作成する必要があります。 たとえば、ユーザー定義セクションの追加や、識別セクションの変更を実行できます。アーカイブセクションは変更しないようにしてください。変更するとアーカイブの整合性に悪影響が及びます。
flar split コマンドは、フラッシュアーカイブを複数のセクションに分割します。flar コマンドは、各セクションを、現在のディレクトリまたは指定されたディレクトリ内の別個のファイルにコピーします。ファイルには、セクション名からとった名前が付けられます。たとえば、Cookie セクションは、cookie と名付けられたファイルに保存されます。flar split コマンドでは、1 つのセクションだけを保存するように指定できます。このコマンドの構文は次のとおりです。
flar split[-d dir] [-u section] [-f archive] [-S section] [-t [-p posn] [- b blocksize]] filename
次の例では、archive1.flar が 3 つのファイルに分割されます。
cookie – アーカイブの最初の行。アーカイブフォーマットのバージョンを示します。この識別子は変更しないでください。
identification – 識別セクションのコピー。すべてのキーワードと値のペアを保持します。
archive – cpio アーカイブ本体。このファイルは圧縮可能です。
# flar split archive1.flar |
アーカイブの分割後に、識別セクションの変更またはユーザー定義セクションの追加を実行できます。その後、セクションを結合してアーカイブを再作成できます。
アーカイブをセクションに分割した後で、セクションを結合して新規アーカイブを作成できます。
flar combine コマンドは、個別のセクションから フラッシュアーカイブを作成します。各セクションは、セクション名を名前に持つ個々のファイル内にあると見なされます。少なくとも、次の 3 つのファイルが存在している必要があります。
アーカイブ cookie (cookie)
アーカイブ ID (identification)
アーカイブファイル (archive)
セクションを結合する際、以下の点に留意してください。
archive がディレクトリである場合、flar は、結合されたアーカイブに含める前に、cpio を使用してディレクトリをアーカイブします。
識別セクションにアーカイブの圧縮が指定されている場合、flar は新しく結合されたアーカイブのコンテンツを圧縮します。
どのセクションについても検証は何も行われません。特に、識別セクション内のどのフィールドについても、検証や更新は行われません。
flar combine [-d dir] [-u section] [-t [-p posn] [- b blocksize]] filename
この例では、Cookie セクション、識別セクション、アーカイブファイルセクションが結合して、完成したアーカイブになります。アーカイブ名は newarchive.flar です。
# flar combine newarchive.flar |
この例では、Cookie セクション、識別セクション、アーカイブファイルセクション、およびユーザー定義セクションが結合して、完成したアーカイブになります。アーカイブ名は newarchive.flar です。ユーザー定義セクションの内容は、現在のディレクトリ内の user_defined という名前のファイルです。
# flar combine -u user_defined newarchive.flar |
flar info コマンドを使用して、作成済みのアーカイブに関する情報を取得します。このコマンドの構文は次のとおりです。
flar info [-l] [-k keyword] [-t [-p posn] [-b blocksize]] filename
-k keyword |
キーワード keyword の値のみを返します。 |
-l |
アーカイブセクション内のすべてのファイルをリスト表示します。 |
この例では、アーカイブ archive3.flar のファイル構造がチェックされます。
# flar info -l archive3.flar aaa aaa/bbb aaa/bbb/ccc aaa/bbb/ccc/ddd aaa/eee |