マスターシステムへのインストールの完了後、フラッシュインストールの次の作業として、フラッシュアーカイブを作成します。マスターシステム上のファイルは、さまざまな識別情報と共に フラッシュアーカイブにコピーされます。フラッシュアーカイブは、マルチユーザーモードまたはシングルユーザーモードでマスターシステムが稼働している間に作成できます。フラッシュアーカイブは、次のメディアのうちの 1 つからブートした後でも作成できます。
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アーカイブは、システムができるだけ静的な状態である時に作成してください。
フラッシュアーカイブの作成時に、マスターシステムからコピーされるファイルやディレクトリの一部分をアーカイブから除外することができます。アーカイブからディレクトリを除外する際に、そのディレクトリ内にある特定のファイルやサブディレクトリをアーカイブに含めることも可能です。たとえば、/a/aa/bb/c にあるすべてのファイルやディレクトリを除外する際に、bb サブディレクトリの内容だけをアーカイブに含めることができます。
flar create のファイル除外オプションは、注意して使用してください。一部のディレクトリを除外する際、気づかずにシステム構成ファイルなどの他のファイルがアーカイブに残ってしまう場合があります。この場合、システムの整合性が損なわれるため、インストールが失敗してしまいます。ディレクトリやファイルの除外は、大規模なデータファイルなど、システムを破綻させることなく容易に削除可能なデータに対して行うのが最善です。
次の表に、ファイルやディレクトリの除外および追加用の flar create コマンドのオプションを示します。
指定方法 |
除外用のオプション |
追加用のオプション |
---|---|---|
ディレクトリまたはファイルの名前を指定します。 |
-x exclude_dir/filename |
-y include_dir/filename |
対象のファイルやディレクトリのリストを含むファイルを使用します。 |
- X list_filename - z list_filename |
- f list_filename - z list_filename |
これらのオプションの詳細は、表 20–3を参照してください。
アーカイブのカスタマイズ例については、サンプルアーカイブの作成を参照してください。
フラッシュアーカイブには、少なくとも 3 つのセクションが含まれます。セクションには、マスターシステムからコピーされたアーカイブおよび実際のファイルを識別するセクションが含まれます。
アーカイブ Cookie セクション – フラッシュアーカイブの最初のセクションには、ファイルを フラッシュアーカイブとして識別する cookie が含まれます。アーカイブが有効であるためには、この cookie が存在する必要があります。
識別セクション - 2 つ目のセクションには、アーカイブについての識別情報を示す値が指定されたキーワードが含まれます。フラッシュアーカイブの名前はユーザーが指定する必要があります。アーカイブについて指定できる情報には、次のものが含まれます。
アーカイブの作者
アーカイブの作成日
アーカイブを作成したマスターシステムの名前
アーカイブに関するキーワードのリストについては、識別セクションのキーワードを参照してください。
ユーザー定義セクション - 識別セクションの後には、ユーザーがセクションを定義して挿入できます。フラッシュアーカイブは、ユーザーが挿入したセクションは処理しません。たとえば、このセクションには、アーカイブの説明や、アプリケーションの整合性をチェックするスクリプトなどを含めることができます。
ユーザー定義セクションでは、キーワードも定義できます。フラッシュアーカイブはユーザー定義のキーワードを無視しますが、ユーザーが独自に識別セクションとユーザー定義のキーワードを処理するスクリプトまたはプログラムを提供できます。
ユーザー定義セクションでは、次の書式を使用する必要があります。
アーカイブファイルセクション - アーカイブファイルセクションには、マスターシステムから保存されたファイルが含まれます。
flar コマンドを使用して、アーカイブについての情報を検出できます。手順の詳細は、アーカイブからの情報の抽出を参照してください。
フラッシュアーカイブを作成した後、そのアーカイブをマスターシステムのハードディスクまたはテープに保存できます。保存後は、任意のファイルシステムまたは媒体へそのアーカイブをコピーできます。
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー
HTTP サーバー
FTP サーバー
テープ
CD、DVD
フロッピーディスク
インストールしたいクローンシステムのローカルドライブ
フラッシュアーカイブを作成する際は、compress(1) ユーティリティを使用して、そのアーカイブが圧縮ファイルとして保存されるように指定することができます。圧縮されたアーカイブはディスク容量が少なくてすみ、ネットワークを介してアーカイブをインストールする場合の負荷も減ります。