PPPoE トンネルの両端で使用されるインタフェースは、トンネルが PPP 通信をサポートする前に、あらかじめ設定しておく必要があります。設定には、/usr/sbin/sppptun および /etc/ppp/pppoe.if ファイルを使用します。これらのツールを使用して、すべての Solaris PPPoE クライアントおよび PPPoE アクセスサーバー上の Ethernet インタフェースを設定する必要があります。
/etc/ppp/pppoe.if ファイルは、ホスト上の PPPoE トンネルで使用されるすべての Ethernet インタフェースの名前をリストします。このファイルはシステムの起動時に処理され、ファイルにリストされているインタフェースは PPPoE トンネルで使用するために plumb されます。
/etc/ppp/pppoe.if は明示的に作成する必要があります。各行ごとにインタフェース名を 1 つずつ入力して PPPoE 用に設定します。
次に、PPPoE トンネルに 3 つのインタフェースを提供するサーバーの /etc/ppp/pppoe.if ファイルの例を示します。
# cat /etc/ppp/pppoe.if hme1 hme2 hme3 |
PPPoE クライアントは通常、/etc/ppp/pppoe.if にリストされているインタフェースを 1 つだけ使用します。
/usr/sbin/sppptun コマンドを使用すると、PPPoE トンネルで使用する Ethernet インタフェースを手動で plumb したり unplumb したりできます。これに対して、/etc/ppp/pppoe.if はシステムの起動時だけ読み取られます。これらのインタフェースは、/etc/ppp/pppoe.if にリストされているインタフェースと一致する必要があります。
sppptun は、PPPoE トンネルで使用する Ethernet インタフェースを ifconfig コマンドと同様の方法で plumb します。ifconfig とは異なり、2 つの Ethernet プロトコル番号が必要なため、PPPoE をサポートするにはインタフェースを 2 回 plumb する必要があります。
sppptun の基本的な構文を次に示します。
# /usr/sbin/sppptun plumb pppoed device-name device-name:pppoed # /usr/sbin/sppptun plumb pppoe device-name device-name:pppoe |
上の 1 つめの sppptun コマンドを実行したときは、発見プロトコル pppoed がインタフェースに plumb されます。2 つめの sppptun を実行したときは、セッションプロトコル pppoe が plumb されます。sppptun は、plumb されたインタフェースの名前を表示します。必要な場合は、この名前を使ってインタフェースを unplumb します。
詳細は、sppptun(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例は、/usr/sbin/sppptun を使用して PPPoE のインタフェースを手動で plumb します。
# /usr/sbin/sppptun plumb pppoed hme0 hme0:pppoed # /dev/sppptun plumb pppoe hme0 hme0:pppoe |
次の例は、PPPoE に plumb されたアクセスサーバー上のインタフェースを表示します。
/usr/sbin/sppptun query hme0:pppoe hme0:pppoed hme1:pppoe hme1:pppoed hme2:pppoe hme2:pppoed |
# sppptun unplumb hme0:pppoed # sppptun unplumb hme0:pppoe |