IPsec と IKE の管理

IPsec とは

IPsec では、IP 内に安全なデータグラム認証と暗号化の機構を含むセキュリティアソシエーション (SA) を提供します。IPsec を呼び出すと、IPsec グローバルポリシーファイルで有効にしておいた IP データグラムにセキュリティ機構が適用されます。アプリケーションで IPsec を呼び出すと、ソケット単位レベルで IP データグラムにセキュリティ機構が適用されます。

図 1–1は、IPsec をアウトバウンドパケットで呼び出したときに、IP アドレス指定パケットが IP データグラムの一部として処理されるようすを示します。フロー図からわかるように、認証ヘッダー (AH) とカプセル化されたセキュリティペイロード (ESP) エンティティをパケットに適用できます。そのあとの節では、認証アルゴリズムと暗号化アルゴリズムとともに、これらのエンティティを適用する手順を説明します。

図 1–1 アウトバウンドパケットプロセスに適用された IPsec

アウトバウンドパケットはまず ESP によって、次に AH によって保護されます。その後、パケットはトンネルまたは物理インタフェースに送られます。

図 1–2 は、IPsec インバウンドプロセスを示したものです。

図 1–2 インバウンドパケットプロセスに適用された IPsec

IPsec はまずインバウンドパケットの AH ヘッダーを、次に ESP ヘッダーを処理します。十分に保護されないパケットはドロップされます。