Solaris スマートカードインタフェースは、スマートカード端末用の公開インタフェースです。カード端末ベンダーは、これらのインタフェースをユーザーレベルの共有ライブラリに実装し、Solaris 環境のスマートカード端末にデバイスレベルのサポートを提供できます。Solaris スマートカード端末インタフェースは、Linux Smartcard フレームワークの一部として提供されるカード端末インタフェースに基づいています。Linux のカード端末サポートライブラリは、Solaris に簡単に移植できます。
スタック検査 API は、ForteTM 7.0 に付属しているスタック検査コンパイラとの高度なやりとりのために用意されたものです。スタック検査 API は、スタック検査対応のコンパイル済みで、固有のスタックを管理するか、またはそのスタックオーバーフローを検出する機能をもつアプリケーションで使用しなくてはなりません。
固有のスレッドライブラリを管理する開発者は、setustack インタフェースを使って、ライブラリの消費者がスタック検査対応のコンパイルを実行できるようにする必要があります。
これについては、stack_getbounds(3C)、stack_setbounds(3C)、stack_inbounds(3C)、および stack_violation(3C) のマニュアルページを参照してください。
libumem は、ユーザーモード (非カーネルモード) のメモリー割り当てライブラリです。libumem では、メモリーリークやメモリーの使用に関するその他の問題をデバッグできます。
この機能は、malloc() などの標準アプリケーションバイナリインタフェース (ABI) アロケータと同様の方法で使用します。ユーザーモードのアプリケーションが、メモリーに対して任意のバイト数を要求すると、割り当てられたメモリーのアドレスのポインタが返されます。
詳細は、libumem(3LIB) のマニュアルページを参照してください。
「Solaris Memory Placement Optimization and Sun Fire Servers」についてのテクニカルホワイトペーパーは、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/servers/wp/docs/mpo_v7_CUSTOMER.pdf
Solaris 9 12/02 Update リリースには、Sun ONE Application Server 7, Platform Edition (旧名称は iPlanet Application Server) が統合されています。SPARC: Sun ONE Application Server の統合を参照してください。
Solaris 9 12/02 Update リリースでは、JMS メッセージングアプリケーションをサポートしています。これらのアプリケーションは、JMS プロバイダである Sun ONE Message Queue をベースにしています。Sun ONE Message Queueを参照してください。
Sun ONE Message Queue は、Solaris 9 12/02 Update リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 8/03 Update リリースでは x86 プラットフォームでも利用できるようになりました。
この Solaris リリースには、crypt() 関数の新しい拡張と、新しい crypt_gensalt() 関数が含まれています。これらの拡張により、管理者はユーザーの UNIX® ログインパスワードをわからなくするためのアルゴリズムを変更できます。
モジュールには、MD5 向けと Blowfish 向けがあります。MD5 のモジュールは、crypt_sunmd5 と crypt_bsdmd5 に入っています。Blowfish のモジュールは crypt_bsdbf に入っています。
開発者は、パスワードをあいまいにするどちらのアルゴリズムに対しても、新しいモジュールを作成することができます。アプリケーション開発者は、crypt() 関数に渡す salt 文字列を手動で生成する代わりに、crypt_gensalt() 関数を使う必要があります。
どちらのアルゴリズム用のモジュールも crypt.conf(4) ファイルに記述します。module_path フィールドには、以下の必要な関数を実行するための共有ライブラリオブジェクトへのパスを指定します。
crypt_gensalt_impl() – salt 文字列を生成します。
crypt_genhash_impl() – 暗号化されたパスワードを生成します。
詳細は、crypt(3C) および policy.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
madvise() 関数を使うことにより、ユーザーが定義したメモリー領域へのカーネルのアクセスを最適化します。この Solaris リリースでは、madvise() 関数用に 3 つの新しいフラグが用意されています。
MADV_ACCESS_LWP – 指定した軽量プロセス (LWP) に資源割り当ての優先度を設定します。
MADV_ACCESS_MANY – マシン全体で集中的に使用するアドレス範囲を指定します。
MADV_ACCESS_DEFAULT – アドレス範囲のアクセスパターンをシステムのデフォルト値にリセットします。
madvise() 関数の詳細は、madvise(3C) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 9 Update リリースには、文字列テーブル圧縮、参照されないセクションの削除、および参照されない独立の検出など、新しいリンクエディタ機能が追加されています。各 Solaris 9 Update リリースの新しいリンクエディタ機能の最新情報については、 『リンカーとライブラリ』の「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。
Solaris Smartcard フレームワークでは、低レベルのミドルウェア API を提供しています。これらの API により、スマートカードリーダーを使用してスマートカードとの間でデータを交換することが可能になります。この API は、Sun BladeTM や Sun RayTM システムなどのプラットフォームで使用できます。Java 言語または C 言語で記述されたアプリケーションで、これらのインタフェースを使用できます。
詳細は、libsmartcard(3LIB) のマニュアルページおよび /usr/share/javadoc/smartcard の JavaDocs を参照してください。