この章では、Solaris 9 Update リリースで新しく追加または拡張された機能について説明します。主な拡張機能には、SunTM Open Net Environment (Sun ONE) の機能があります。
Solaris 9 オペレーティング環境で拡張されたすべての機能については、第 2 章「Solaris 9 オペレーティング環境の機能」を参照してください。
この章で説明する機能のほとんどは、SPARC® プラットフォームおよび特定の x86 プラットフォーム上で動作します。1 つのプラットフォームに固有の機能については、説明のタイトルに SPARC または x86 という表示が付きます。
ここでは、この章で説明するすべての新機能のリストを示します。このリストは、参照しやすいように Update リリース別に分類されています。各機能の説明は、この章の残りの節に記載されています。
Sun ONE Message Queue (12/02 新機能、8/03 改訂)
インターネットプロトコルバージョン 6 (IPv6、Internet Protocol Version 6) 6to4 ルーター
Solaris フラッシュアーカイブ (12/02 新機能、4/03 更新)
拡張アカウンティングサブシステム (9/02 新機能、4/03 更新)
Sun ONE Message Queue (12/02 新機能、8/03 改訂)
Solaris フラッシュアーカイブ (12/02 新機能、4/03 更新)
拡張アカウンティングサブシステム (9/02 新機能、4/03 更新)
マルチデータ転送 (MDT) では、ネットワークスタックから同時に複数のパケットをネットワークデバイスドライバに送信できます。この機能を有効にすると、ホストの CPU 使用率やネットワークのスループットが改善され、パケットあたりの処理コストが削減されます。
マルチデータ転送機能を利用できるのは、この機能をサポートするデバイスドライバのみです。
MDT パラメタを使用するには、/etc/system ファイルを編集して、次のパラメタを有効にする必要があります。
set ip:ip_use_dl_cap = 0x1
デフォルトの設定では、MDT は無効になっています。次のコマンドを実行すると、TCP/IP スタックにより、MDT が有効になります。
# ndd -set /dev/ip ip_multidata_outbound 1
MDT を有効にする前に、次の点を確認してください。
この機能を有効にすると、IP レイヤと DLPI プロバイダ間でパケットの外観が変化することがあります。このため、inconfig modinsert コマンドによって IP レイヤと DLPI プロバイダ間に動的に挿入される他社製の STREAMS モジュールが動作しないことがあります。inconfig modinsert コマンドは、MDT STREAMS データ型を認識しません。
さらに、autopush コマンド機構によって IP レイヤと DLPI プロバイダ間に挿入されるモジュールも動作しないことがあります。
MDT に対応しない STREAMS モジュールを使用する場合は、この機能を有効にしないでください。たとえば、ipfilter や CheckPoint Firewall-1 などの共有ドメインユーティリティは MDT に対応しません。
詳細は、『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』および ip(7P) のマニュアルページを参照してください。
Solaris オペレーティング環境では、Java Messaging Service (JMS) アプリケーションをサポートしています。今回の Solaris リリースでは、JMS プロバイダとして Sun ONE Message Queue (旧名称は iPlanetTM Message Queue for Java) を使用します。
Sun ONE Message Queue は、Solaris 9 12/02 Update リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 8/03 Update リリースでは x86 プラットフォームでも利用できるようになりました。
JMS のメッセージングにより、アプリケーションおよびアプリケーションコンポーネントの非同期メッセージ交換および信頼性を実現しています。異なるプラットフォーム上および異なるオペレーティングシステム上で実行されるプロセスが共通のメッセージサービスに接続して、情報の交換ができます。
Solaris リリースの Sun ONE Message Queue, Platform Edition では、JMS 仕様が完全に実装されています。Message Queue では、次のような機能を提供しています。
一元管理
調整可能なパフォーマンス
Java Naming and Directory InterfaceTM (JNDI) のサポート
SOAP (Simple Object Access Protocol) メッセージングのサポート
詳細は、『Sun ONE Message Queue 3.0.1 管理者ガイド』および『Sun ONE Message Queue 3.0.1 開発者ガイド』を参照してください。Sun ONE Message Queue のバージョンと機能については、次の Web サイトも参照してください。
http://www.sun.com/software/products/message_queue/home_message_queue.html |
Solaris オペレーティング環境には、Sun ONE Application Server 7, Platform Edition (旧名称は iPlanet Application Server) が統合されています。Application Server の Platform Edition は、エンタープライズクラスのアプリケーションサービスと Web サービスの基盤を提供します。このサーバーは、高性能、省メモリの JavaTM 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM) を提供します。J2EE は、エンタープライズアプリケーションや Web サービスを幅広い種類のサーバー、クライアント、およびデバイス上で開発、配備、および管理することを可能にします。
Sun ONE Application Server は、J2EE 1.3 プラットフォームと互換性のある新しい Java および XML (eXtensible Markup Language) アプリケーションの移植性と市場投入までの時間の短縮化を実現します。Sun ONE Application Server を使って、JavaServer PagesTM (JSPTM)、Java サーブレット、および Enterprise JavaBeansTM (EJBTM) テクノロジをベースにするアプリケーションを開発できます。EJB テクノロジは、部門ごとの小規模アプリケーションから企業規模の基幹サービスまで、ビジネス要件を幅広くサポートしています。
主な特徴には次のものがあります。
Sun ONE Message Queue と Sun ONE Web Server の HTTP (Hypertext Transfer Protocol) サーバーの統合
スケーラビリティと高性能
広範囲にわたる Web サービスのサポート – Java Web Services、SOAP、WSDL (Web Services Description Language)
Sun ONE Portal Server 6.0 および Sun ONE Directory Server の相互運用性
J2EE リファレンス実装の利用
次の名称が変更されています。
Sun ONE Message Queue (旧名称は iPlanet Message Queue for Java)
Sun ONE Web Server (旧名称は iPlanet Web Server)
Sun ONE Portal Server (旧名称は iPlanet Portal Server)
Sun ONE Directory Server (旧名称は iPlanet Directory Server)
詳細は、Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japanese を参照してください。このコレクションの詳細は、以下の Solaris 9 8/03 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアルを参照してください。http://www.sun.com/software/products/appsrvr/home_appsrvr.html も参照してください。
それぞれの使用許諾権については、バイナリコードライセンスを参照してください。
6to4 トンネルをサポートするルーターを 1 個以上構成することにより、IPv6 ネットワークからインターネットプロトコルバージョン 4 (IPv4) ネットワーク経由でパケットを転送できるようになりました。システム管理者は、6to4 トンネルを使って、IPv4 ネットワークから IPv6 ネットワークへ移行できます。この機能は、RFC 3056 および 3068 を実装しています。
IPv6 の詳細は、『IPv6 の管理』を参照してください。
この機能により、IPv6 経由の IPv4 トンネリング、および IPv6 経由の IPv6 トンネリングという IPv6 経由のパケットトンネリングが可能になります。IPv4 パケットまたは IPv6 パケットは IPv6 パケットでカプセル化できます。
詳細は、『IPv6 の管理』を参照してください。
Solaris Network Cache and Accelerator (NCA) カーネルモジュールは、Web サーバーのマルチインスタンスをサポートします。これにより、Solaris マシン上で IP アドレスベースの仮想 Web ホスティングを行うことができます。Solaris は、/etc/nca/ncaport.conf という名前の単一の構成ファイルを使って、NCA ソケットを IP アドレスに割り当てます。
詳細は、ncaport.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
IP サービス品質 (IPQoS) は、Solaris オペレーティング環境に新たに追加された機能です。システム管理者は IPQoS により、顧客や重要なアプリケーションに対して異なるレベルのネットワークサービスを提供できます。IPQoS を使用することによって、管理者はサービスレベルに関する条項を設定できます。これらの条項により、ISP (インターネットサービスプロバイダ) のクライアントに対して、価格に基づいて異なるレベルのサービスを提供できます。企業も IPQoS を使用することによって、アプリケーション間で優先順位をつけることができます。これにより、アプリケーションの重要度に応じて、より高い品質のサービスを提供できます。
詳細は、『IPQoS の管理』を参照してください。
Solaris IPQoS 機能に、これまでの uid セレクタを補うユーザーセレクタが追加されました。このユーザーセレクタでは、ipqosconf ファイルの filter 節に、条件としてユーザー名またはユーザー ID を指定できます。これまでの uid セレクタでは、ユーザー ID しか指定できませんでした。以下は、ユーザーセレクタを使用する場合の ipqosconf ファイルの filter 節の抜粋です。
filter { name myhost user root } |
フィルタとセレクタの詳細は、『IPQoS の管理』および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
Solaris システムソフトウェアは、Routing Information Protocol Version 2 (RIPv2) をサポートします。
RIPv2 では、クラスレスドメイン間ルーティング (CIDR) および 可変長サブネットマスク (VLSM) 拡張機能が RIPv1 プロトコルに追加されています。MD5 (Message Digest 5) 拡張機能により、悪意のあるユーザーによって故意に引き起こされる誤った転送からルーターを保護します。新しい in.routed 実装には、組み込みの Internet Control Message Protocol (ICMP) ルーター発見 (RFC 1256) 機構も含まれています。
RIPv2 は、ポイントツーポイントのリンクがマルチキャストで有効になる場合には、マルチキャストをサポートします。RIPv2 では、ユニキャストもサポートします。/etc/gateways ファイルを使用してブロードキャストアドレスを構成した場合は、RIPv2 でブロードキャストをサポートします。
RIPv2 の構成方法については、in.rdisc(1M)、in.routed(1M)、および gateways(4) のマニュアルページを参照してください。
Solaris Live Upgrade を使用すると、稼働中のシステムを停止することなくシステムをアップグレードできます。現在のブート環境を動作させたまま、ブート環境のコピーを作成し、それをアップグレードできます。アップグレードする代わりに、フラッシュアーカイブをブート環境にインストールすることもできます。環境をアップグレードしても、アーカイブをインストールしても、元のシステム構成は影響を受けずに支障なく機能します。準備ができたところでシステムをリブートすると、新しいブート環境がアクティブになります。万一障害が発生しても心配はありません。リブートするだけで元のブート環境に戻ることができます。このように、テストや評価処理のためにサービスを停止する必要がなくなります。
Solaris Live Upgrade 2.1 の新機能には、次のものがあります。
Solaris Live Upgrade では、Solaris ボリュームマネージャのテクノロジにより、ファイルシステムと RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つ複製ブート環境を作成します。ミラーは、ルート (/) ファイルシステムをはじめとするすべてのファイルシステムでデータの冗長性を提供します。lucreate コマンドを使って、最大 3 つのサブミラーを持つミラーファイルシステムを作成できます。
Solaris オペレーティング環境のインストール時に、空のブート環境を作成するために JumpStart インストールを使用できます。空のブート環境には、必要なときに備えて Solaris フラッシュアーカイブを格納しておくことができます。
また、lucreate コマンドでブート環境を作成する際、元のブート環境からコピーするファイルやディレクトリを作成対象から除外できます。ディレクトリを除外し、その中のファイルまたはサブディレクトリだけを作成対象に指定することもできます。
詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。
Solaris フラッシュインストール機能を使用すると、マスターシステムと呼ばれる Solaris オペレーティング環境のアーカイブをシステム上に作成し、このアーカイブをクローンシステムと呼ばれる多数のシステムに複製できます。初期インストールを行うと、クローンシステム上のすべてのファイルが上書きされます。
Solaris 9 4/03 Update リリースでは、Solaris フラッシュインストール機能により、差分アーカイブと構成スクリプトの新しい拡張機能が使用できます。
Solaris フラッシュインストールでは、マイナーチェンジに合わせてクローンシステムを更新できます。マイナーチェンジに合わせてクローンシステムを更新するときは、元のマスターイメージと更新されたマスターイメージの差分だけを含む差分アーカイブを作成できます。この差分アーカイブを使用してクローンシステムを更新すると、差分アーカイブ内に指定されているファイルだけが変更されます。このようなインストールは、元のマスターイメージに含まれていたソフトウェアを含むクローンシステムでしか実行できません。クローンシステムに差分アーカイブをインストールするには、カスタム JumpStartTM インストールまたは Solaris Live Upgrade を使用します。
マスターシステムまたはクローンシステムの構成用スクリプト、およびアーカイブの検査用スクリプトを実行できます。これらのスクリプトには、次の機能があります。
クローンシステム上のアプリケーションを構成します。構成内容が単純な場合は、カスタム JumpStart スクリプトを使用します。構成内容が複雑な場合は、マスターシステム上で特別な構成ファイル処理を行うか、インストール前もしくはインストール後にクローンシステム上で同様の処理を行う必要があります。カスタマイズ済みのローカルなクローンシステムが Solaris フラッシュソフトウェアによって上書きされるのを防ぐには、クローンシステム上にローカルのプリインストールスクリプトおよびポストインストールスクリプトを配置します。
複製不可のホスト依存データを識別して、フラッシュアーカイブをホスト非依存にできます。ホスト非依存にするには、この種のデータを変更するか、アーカイブから除外します。ホストに依存するデータの例として、ログファイルがあります。
アーカイブの作成時に、そこに含まれるソフトウェアの完全性を検査します。
クローンシステム上のインストールを検査します。
詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。このマニュアルには、Solaris Live Upgrade を使って差分アーカイブをインストールする方法も記載されています。
Solaris 9 12/02 Update リリースでは、Solaris フラッシュアーカイブの内容をカスタマイズできるようになりました。 flarcreate コマンドは、Solaris フラッシュアーカイブを作成するコマンドです。このコマンドに追加された新しいオプションを使用すると、アーカイブ作成時にアーカイブの内容をより柔軟に定義できます。複数のファイルやディレクトリを除外できます。除外したディレクトリからでも、そのサブディレクトリやファイルをアーカイブ内容に追加することが可能です。この機能は、複製の必要がない、サイズの大きなデータファイルを除外するのに便利です。
このオプションの使用方法については、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。
Solaris 9 Update リリースでは、次の名称が変更されています。
Solaris フラッシュ (旧名称は Web Start Flash)
prodreg コマンドに、Solaris Product Registry のグラフィカルユーザーインタフェースと同様の機能が追加されました。コマンド行または管理スクリプト内で、次の prodreg サブコマンドを使って、さまざまなタスクを実行できます。
browse – 登録済みソフトウェアを端末ウィンドウに表示します。browse サブコマンドを繰り返し実行することにより、階層的に登録されているソフトウェアの各層の情報を順に表示できます。
info – 登録済みソフトウェアに関する情報を表示します。info サブコマンドで表示できる情報は次のとおりです。
ソフトウェアがインストールされている場所
指定したソフトウェアに必要なその他のソフトウェア
指定したソフトウェアに依存するその他のソフトウェア
必要なパッケージが削除されたために影響を受けたソフトウェア
unregister – Solaris Product Registry からソフトウェアのインストール情報を削除します。正常なアンインストール手順を行わずにソフトウェアを Registry から削除した場合は、prodreg unregister コマンドを実行して、Solaris Product Registry から不要なエントリを消去します。
uninstall – 登録済みソフトウェアのアンインストールプログラムを起動して、このソフトウェアをシステムから削除します。
詳細は、prodreg(1M) のマニュアルページおよび『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
Solaris インストールプログラムは、LDAP バージョン 2 プロファイルをサポートします。このプロファイルにより、システムを資格レベルのプロキシに設定することが可能になります。Solaris Web Start や suninstall などのプログラムの実行時に、LDAP プロキシバインド識別名とプロキシバインドパスワードを指定できます。どちらのインストール方法でも、sysidcfg ファイルに proxy_dn キーワードおよび proxy_password キーワードを記述することで、インストール前に LDAP をあらかじめ設定しておくことができます。
詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。
NetscapeTM 7.0 は、Web サイトの閲覧、仲間とのコミュニケーション、グループディスカッションへの参加、および動的な Web ページの作成機能を統合したクロスプラットフォームブラウザです。Netscape 7.0 には次の機能があります。
高速で効率のよいブラウズ機能
拡張された電子メール機能とインスタントメッセージング機能
より高速で合理的な検索機能
強化されたプライバシー保護機能
エンタープライズ機能
Netscape 7.0 の注目すべき特長は次のとおりです。
次のコンポーネントにより、インターネットユーザーをサポートします。
Netscape NavigatorTM
Netscape Mail
Netscape Instant Messenger
Netscape Composer
Netscape Address Book
その他のユーティリティおよびプラグイン
Java テクノロジ、IPv6、P3P (Platform for Privacy Preferences Project)、XML、CSS1 (Cascading Style Sheets)、DOM (Data Output Messaging) など、最新の業界標準機能をサポートします。これらの機能を使って、Web アプリケーションの新しいクラスを作成できます。
My Sidebar から、最新ニュース、株式資産、メンバーリスト、オークションなどの重要な情報にアクセスできます。
完全にカスタマイズされた統合型検索機能により、情報へのアクセス時間、検索ページの読み込み時間、フレームが表示されるまでの時間が短縮されます。
ブラウズ機能とメール機能にインスタントメッセージング機能が統合されました。これは、生産性の向上および仲間とのコミュニケーションの円滑化につながります。
テーマ機能では、各ユーザーが好みに合わせてブラウザの外観をカスタマイズできます。ユーザー単位ではなく、企業単位で、顧客から指定されたとおりのブラウザを作成することもできます。
柔軟性の高いモジュール型設計により、豊かな Web 経験と高い生産性を実現できます。
英語、ヨーロッパ言語、およびアジア言語をグローバルにサポートします。
統合 Java テクノロジにより、ブラウザベースのアプリケーションに、さまざまなプラットフォームからシームレスにアクセスできます。
Netscape 7.0 の詳細は、次の Web サイトを参照してください。
http://www.sun.com/software/solaris/netscape
Solaris 9 12/02 Update リリースでは、Solaris オペレーティング環境に NetscapeTM 6.2.3 が組み込まれています。Solaris 9 4/03 Update リリースには、Netscape 7.0 が組み込まれています。「Solaris オペレーティング環境用の Netscape 7.0」を参照してください。
今回の Solaris リリースでは、監査機能の拡張により、監査トレール内のノイズが削減されます。また、管理者は監査トレールの解析時に XML スクリプトを使用できます。具体的な拡張内容は次のとおりです。
公開ファイルの読み取り専用イベントは監査の対象から除外されます。auditconfig コマンドに public ポリシーフラグを指定して、公開ファイルの監査を行うかどうかを制御できます。公開オブジェクトを監査対象から除外することで、監査トレールの量が大幅に削減されます。このため、読み取り可能なファイルの監査が簡単になります。
praudit コマンドの出力形式として、新たに XML が追加されました。XML 形式の出力は、ブラウザで表示できます。また、レポート作成時に使用する XML スクリプトのソースとしても利用できます。praudit(1M) のマニュアルページを参照してください。
監査クラスのデフォルトセットが変更されました。監査メタクラスにより、監査クラスをより細かく設定できます。audit_class(4) のマニュアルページを参照してください。
bsmconv コマンドを実行しても、Stop + A キーが無効になりません。セキュリティ管理のため、Stop + A イベントも監査対象になりました。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
Solaris スマートカードインタフェースは、スマートカード端末用の公開インタフェースです。スマートカード端末インタフェースを参照してください。
SunTM Crypto Accelerator 1000 カードを使って、IKE の公開鍵処理時間を短縮できます。実行する処理がカードにオフロードされます。このため、暗号化処理が高速化され、オペレーティング環境の消費リソースも少なくて済みます。
詳細は、『IPsec と IKE の管理』を参照してください。
パスワードの暗号化により、侵入者が不正にパスワードを解読することを防ぎます。このソフトウェアでは、次の 3 つのパスワード暗号化強化モジュールが利用可能です。
BSD (Berkeley Software Distribution) システムと互換性のある Blowfish のバージョン
BSD、Linux システムと互換性のある MD5 (Memory Digest 5) のバージョン
ほかの Solaris 9 システムと互換性のある MD5 の強化バージョン
新しい暗号化モジュールを使ったユーザーパスワードの保護方法については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。モジュールの強化については、crypt_bsdbf(5)、crypt_bsdmd5(5)、および crypt_sunmd5(5) のマニュアルページを参照してください。
pam_ldap パスワード管理機能により、Sun ONE Directory Server (旧名称は iPlanet Directory Server) と連動して使われる LDAP ネームサービスのセキュリティ全体が強化されます。特に、パスワード管理機能により以下のようなことが行われます。
古いパスワードや、期限切れのパスワードをトラックします。
ありふれたパスワードや、以前使ったことのあるパスワードをユーザーが選択できないようにします。
パスワードの期限が切れそうなユーザーに警告を出します。
続けてログインに失敗したユーザーをロックします。
許可されたシステム管理者以外のユーザーが、初期化されたアカウントを無効にできないようにします。
Solaris ネーミングとディレクトリサービスについては、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。Solaris セキュリティ機能については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
PAM フレームワークの機能が拡張されて、新しい制御フラグが追加されました。新しい制御フラグにより、追加のスタック処理をスキップできます。このスキップは、現在のサービスモジュールが成功し、それ以前の必須モジュールで障害が発生していない場合に利用可能です。
この機能変更については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
今回の Solaris リリースでは、64 ビット Solaris カーネルを実行するシステム上で、マルチテラバイト UFS ファイルシステムがサポートされます。これまで、UFS ファイルシステムの容量は、64 ビットシステムでも 32 ビットシステムでもおよそ 1 テラバイト (T バイト) に制限されていました。今回、マルチテラバイト UFS ファイルシステムをサポートするため、すべての UFS ファイルシステムコマンドとユーティリティが更新されました。
まず、1T バイト未満の UFS ファイルシステムを作成します。その後、newfs -T コマンドを実行して、この UFS ファイルシステムをマルチテラバイトファイルシステムにします。このオプションにより、マルチテラバイトファイルシステムに適切な i ノードとフラグメントの密度が設定されます。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムをサポートするには、Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas VxVM ボリュームとして、あるいは 1T バイトを超える物理ディスクとして、マルチテラバイト LUN を使用できなければなりません。
以下に、マルチテラバイト UFS ファイルシステムの機能の一部を紹介します。
最大 16T バイトの UFS ファイルシステムを作成できます。
最初に 16T バイト未満のファイルシステムを作成し、あとで最大 16T バイトまで拡張できます。
マルチテラバイトファイルシステムは、物理ディスク、Solaris ボリュームマネージャの論理ボリューム、および Veritas の VxVM 論理ボリュームに作成できます。
以下は、マルチテラバイト UFS ファイルシステムのいくつかの制限事項です。
32 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上に、1T バイトを超えるファイルシステムをマウントすることはできません。
64 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上の 1T バイトを超えるファイルシステムからブートすることはできません。つまり、マルチテラバイトファイルシステム上にルート (/) ファイルシステムを配置することはできません。
個々のファイルを 1T バイトよりも大きくすることはできません。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムの割り当ては、1024 バイトブロックの最大 2T バイトに制限されています。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
今回の Solaris リリースでは、64 ビット Solaris カーネルを実行するシステム上で 1T バイト以上の大容量ディスクを使用できます。
EFI (Extensible Firmware Interface) ラベルは、物理ディスクボリュームと仮想ディスクボリュームをサポートします。UFS ファイルシステムには EFI ディスクラベルとの互換性があります。ただし、1T バイトを超えるサイズの UFS ファイルシステムは作成できません。今回のリリースに付属している更新されたディスクユーティリティでは、1T バイト以上の大容量ディスクを管理できます。
EFI ディスクラベルには、VTOC ディスクラベルにはない次の特徴があります。
1T バイト以上の大容量ディスクをサポートします。
スライス 0 〜 6 (スライス 2 は従来どおり) を提供します。
パーティション (スライス) を主ラベルやバックアップラベル、またはその他のパーティションと重複させることはできません。通常、EFI ラベルのサイズは 34 セクターなので、パーティションの開始位置はセクター 34 になります。したがって、開始位置がセクター 0 のパーティションは存在しません。
ラベルには、シリンダ、ヘッド、およびセクターの情報は一切格納されません。サイズはブロック単位で報告されます。
これまで代替シリンダ領域 (ディスクの末尾から 2 シリンダ分) に格納されていた情報は、スライス 8 に格納されます。
EFI ディスクラベルの詳しい使用方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。このマニュアルには、既存のソフトウェア製品に EFI ディスクラベルを使用する場合の注意事項および制限事項が記載されています。
今回の Solaris リリースでは、Solaris ボリュームマネージャでも 1T バイト以上のディスク管理が可能です。これについては、SPARC: Solaris ボリュームマネージャによるマルチテラバイトボリュームのサポートを参照してください。
UFS ロギングにより、システムのリブートをより迅速に行うことが可能です。ファイルシステムのトランザクションはすでに保存されているので、ファイルシステムに整合性があれば、ファイルシステム検査が不要となるためです。
さらに、 UFS ロギングのパフォーマンスは、Solaris リリースのロギングのないファイルシステムのパフォーマンスレベルを向上させることができます。SPECsfs (Standard Performance Evaluation Corporation システムファイルサーバー) のベンチマークの結果から、NFS マウントされたロギングの有効なファイルシステムのパフォーマンスは、UFS ロギングの有効でないファイルシステムパフォーマンスと同等のレベルであることがわかっています。入出力境界の構成によっては、UFS ロギングされたファイルシステムのほうが、ロギングされていないファイルシステムより、パフォーマンスが約 25 パーセント高くなります。また、あるテスト結果では、ロギングされた UFS ファイルシステムは、ロギングされていないファイルシステムの 12 倍のパフォーマンスが得られています。
UFS ファイルシステム上でロギングを有効にする方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』、または mount_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。
Solaris ディスパッチャおよび仮想メモリーサブシステムは、アプリケーションのメモリーへのアクセス時間を最適化するように拡張されました。この拡張機能により、多くのアプリケーションのパフォーマンスを自動的に向上させることができます。現在、この機能は、Sun FireTM 3800–6800、Sun Fire 12K、および Sun Fire 15K などの特定のプラットフォームをサポートするよう実装されています。
「Solaris Memory Placement Optimization and Sun Fire Servers」についてのテクニカルホワイトペーパーは、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/servers/wp/docs/mpo_v7_CUSTOMER.pdf
Dynamic Intimate Shared Memory (DISM) の大規模ページがサポートされるようになりました。大規模ページをサポートすることにより、共有メモリーサイズの動的な調整が可能なアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
DISM については、システムパフォーマンスの向上を参照してください。
Solaris 9 8/03 Update リリースに BIND バージョン 8.3.3 が統合されました。
Solaris ボリュームマネージャの機能が拡張され、マルチテラバイトボリュームを使用できるようになりました。この機能では、1T バイトを超える大容量の RAID 0 (ストライプ) ボリューム、RAID 1 (ミラー) ボリューム、RAID 5 ボリューム、およびソフトウェアパーティションボリュームを作成、管理、または削除できます。EFI ラベル付きの大容量ボリュームを構成し、LUN (論理ユニット番号) を割り当てることもできます。
Solaris ボリュームマネージャによる大容量ボリュームサポートは、32 ビットの Solaris カーネルを実行するシステムでは使用できません。たとえば、Solaris オペレーティング環境 (x86 版) や Solaris オペレーティング環境 (SPARC 版) の 32 ビットカーネルを実行するシステムでは、大容量ボリュームを使用できません。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
SPARC: EFI ディスクラベルによるマルチテラバイトボリュームのサポートも参照してください。
Solaris ボリュームマネージャは、RCM (Reconfiguration Coordination Manager) をサポートします。この機能により、DR (動的再構成) 要求に適切に応答できます。また、Solaris ボリュームマネージャの制御下にある使用中のデバイスを削除しようとすると、警告メッセージが表示されます。このメッセージは、デバイスの使用を停止するまで繰り返し表示されます。このようにして、システム管理者が DR 構成のシステムからアクティブなボリュームを誤って削除することを防ぎます。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
Solaris 管理コンソールのパッチツールの Update オプションか、smpatch update コマンドを使って、SunSolve OnlineSM Web サイトの推奨パッチを分析、ダウンロード、およびインストールできます。
これまで、この更新機能は、Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 のいずれかのリリースを実行するシステムでしかサポートされていませんでした。
更新機能を使用するには、システムに PatchPro 2.1 ソフトウェアをインストールする必要があります。 http://www.sun.com/PatchPro から PatchPro 2.1 パッケージをダウンロードし、 所定の手順に従ってシステムにソフトウェアをインストールします。
詳細は、smpatch(1M) のマニュアルページを参照してください。
単一アダプタの IP ネットワークマルチパスグループ上で障害が検出された場合に、テスト専用 IP アドレスを使う必要はもうありません。IP ネットワークマルチパスグループ上に 1 つしか NIC (Network Information Center、ネットワーク情報センター) がないために処理を継続できない場合は、テストアドレスとデータアドレスを連結できます。テストアドレスが定義されていないときは、in.mpathd デーモンがデータアドレスを使って障害を検出します。
Solaris IP マルチパスの詳細は、『IP ネットワークマルチパスの管理』を参照してください。
GNOME 2.0 デスクトップは、Solaris オペレーティング環境を対象とする、直観的で高度なデスクトップです。GNOME 2.0 デスクトップは、これまでの Solaris リリースに付属していた共通デスクトップ環境 (CDE) に代わるものです (注: CDE も引き続き使用可能)。
GNOME 2.0 デスクトップでは、慣れ親しんだ環境でデスクトップ上のアプリケーションや文書を簡単に操作できます。GNOME 2.0 デスクトップの機能は次のとおりです。
高機能ファイルマネージャ
総合的なオンライン ヘルプシステム
ソフトウェアユーティリティおよびアクセサリ
アプリケーションの起動、アプリケーションウィンドウや複数のワークスペースの管理に使用するパネル群
GNOME 2.0 デスクトップを構成する重要なコンポーネントとして、次のものがあります。
Nautilus は、アプリケーションや文書の配置および検索に使用する高度なファイルマネージャです。Nautilus は、ファイルマネージャ内のテキストファイルや画像ファイルの内容を直接表示することもできます。
デスクトップ上のパネルバーには、次のものが表示されます。
アプリケーションランチャー
システムメニュー
パネル引き出し (サブパネル)
アプレット
パネルからすばやくアプリケーションを起動でき、また、システムの状態を一目で確認できます。パネルは、必要な数だけいくつでも作成できます。
アプリケーションは、日常的に実行するさまざまな作業をサポートします。GNOME 2.0 デスクトップには、次のアプリケーションが付属しています。
テキストエディタ
電卓
文字選択
画像ビューア
PostScriptTM/PDF ビューア
Media Player
サウンドレコーダ
パフォーマンスメータ
印刷マネージャ
端末
アプレットは、パネルで動作するユーティリティ群です。GNOME 2.0 デスクトップには、次のアプレットが付属しています。
時計
Inbox モニタ
CD プレーヤー
ボリュームコントロール
文字パレット
コマンドライン
キーボード配列切り替え
ウィンドウリスト
ワークスペーススイッチ
GNOME 2.0 デスクトップの詳細は、GNOME 2.0 Desktop Collection - Japanese を参照してください。このコレクションの詳細は、以下の Solaris 9 8/03 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアルを参照してください。
Xscreensaver プログラムは、ユーザーが席を外して一定の時間が経過すると、ほかのユーザーが勝手にシステムにアクセスできないようにモニタ画面をロックします。Xscreensaver では画面をロックしている間、さまざまなアニメーションを表示することもできます。Xscreensaver プログラムは、GNOME 2.0 デスクトップで使用されます。
XEvIE は、キーボードイベントとマウスイベントをすべて遮断し、これらのイベントを必要に応じて読み取り、消費、または変更できるようにする低レベルのインタフェースです。この X 拡張機能を利用すれば、将来的に GNOME 2.0 デスクトップで採用されているテクノロジなど、多くの補助テクノロジを有効に統合することができます。
FreeType 2.1.x は、単純な API (アプリケーションプログラミングインタフェース) を提供するオープンソースライブラリの 1 つです。この API は、ファイル形式にとらわれず一定の方式でフォントコンテンツにアクセスできます。フォントファイル内の特殊なデータにアクセスする際は、ファイル形式固有の API を使用できます。
Xserver 仮想画面の拡張機能により、Solaris オペレーティング環境用の GNOME 2.0 デスクトップのユーザー補助機能を使用することが可能です。この機能により、システム上でフレームバッファを 1 つしか持たないより多くのソフトウェアがサポートされます。
新しい Xrender 機能により、Solaris オペレーティング環境上で動作する、StarSuiteTM パッケージのようなアプリケーションのパフォーマンスが向上しました。Xrender 機能により、アプリケーションの外観を最新の手法で見せることが可能です。Xrender は、アルファ合成効果および透過効果に対応したハードウェア処理を利用しています。
Solaris 9 9/02 Update リリースでは、拡張アカウンティングプロセスを IP サービス品質 (IPQoS) のフローアカウンティングモジュールと併用できるようになりました。IPQoS については、『IPQoS の管理』を参照してください。
拡張されたアカウンティング機能については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「拡張アカウンティング」を参照してください。
Solaris 9 4/03 Update リリースには、libexacct の Perl インタフェースが用意されています。このインタフェースを使って、exacct フレームワークによって生成されたアカウンティングファイルを読み取る Perl スクリプトを作成できます。exacct ファイルを作成する Perl スクリプトも作成できます。
この新しい Perl インタフェースは、基盤となる C API と機能的に同等です。
この Perl インタフェースでは、タスク単位、プロセス単位、または、IPQoS の flowacct モジュールによって提供されたセレクタ単位で、システムのリソース消費量を記録することができます。
libexacct の Perl インタフェースについては、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「拡張アカウンティング」の章を参照してください。
Solaris Unicode ロケールで、Unicode バージョン 3.2 がサポートされるようになりました。Unicode バージョン 3.2 には、新たに 1016 文字が追加されています。バージョン 3.2 には標準化する変更および有益な変更が追加されています。その変更点の詳細については、次の Web サイトにある『Unicode Standard Annex #28: UNICODE 3.2』を参照してください。
http://www.unicode.org/unicode/reports/tr28/
Unicode バージョン 3.2 の条件に合わせて、UTF-8 文字表現の安全性も向上しました。Unicode バージョン 3.2 は、UTF-8 の iconv コード変換において、より安全性の高い UTF-8 文字表現、形式、およびバイトシーケンスを実現します。あらゆる OS レベルのマルチバイト機能とワイド文字機能が実装されています。
mbtowc()
wctomb()
mbstowcs()
wcstombs()
mbrtowc()
wcrtomb()
mbsrtowcs()
fgetwc()
mblen()
Solaris 9 4/03 Update リリースでは、エストニア語キーボード (Type 6)、カナダ (フランス語) キーボード (Type 6)、ポーランド語プログラマ向けキーボード (Type 5) のソフトウェアサポートが追加されました。カナダ、エストニア、ポーランドのユーザーは、このソフトウェアを使って、標準の米国キーボードのキー配列をそれぞれの言語の必要性に合わせて変更できます。これにより、キーボード入力の柔軟性が向上します。
キー配列の変更手順については、『Solaris 9 8/03 ご使用にあたって』を参照してください。
Wubi は、中国で広く使用されている IM (入力方式) です。Wubi IM のエンコーディング規則は、中国語文字の「字根」に基づいています。この方式では、標準キーボードで、「字音」による入力方式よりも速く中国語文字列を入力できます。
Solaris オペレーティング環境では、インド系言語のキーボード入力がサポートされます。インド系言語のユーザーは、Solaris オペレーティング環境で好みのキーボード配列を使用して、インド系言語の文字列を入力できます。
今回の Solaris リリースでは、以前からサポートされていたヒンディー語スクリプトのほかに、次のインド系言語のスクリプトがサポートされます。
ベンガル語
グルムキー語
グジャラート語
タミル語
マラヤーラム語
テルグ語
カンナダ語
これらのインド系言語ユーザーは、Solaris でサポートされている任意の Unicode ロケール環境の Solaris オペレーティング環境で言語サポートを得ることができます。
Solaris 9 8/03 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』 – 監査機能の拡張を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』 – SPARC: マルチテラバイト UFS ファイルシステムを参照してください。
『Solaris 9 インストールガイド』 – Solaris Live Upgrade 2.1を参照してください。
『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』 – SPARC: TCP マルチデータ転送を参照してください。
『リンカーとライブラリ』 – リンカーとライブラリの更新を参照してください。
Solaris 9 8/03 Update リリースで新しく追加されたコレクションおよびマニュアルは次のとおりです。
Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) および Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japanese –このコレクションは、http://docs.sun.com から入手できます。Sun ONE Application Server については、SPARC: Sun ONE Application Server の統合を参照してください。
このコレクションには、システム管理者およびシステム開発者向けの広範囲にわたる Sun ONE Application Server のマニュアルが含まれています。このコレクションに含まれるマニュアルのいくつかは以前から利用できたものですが、参照しやすいように Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) に集められました。このコレクションには、次の新しいマニュアルが含まれています。
『Sun ONE Application Server 7 Developer's Guide to Clients』(英語版) - Sun ONE Application Server 製品によってサポートされる各種クライアントの開発および配置方法について説明します。JMS クライアント、CORBA クライアント、ACC (Application Client Container)、クライアントの XML および DTD などのトピックがあります。
『Sun ONE Application Server 7 Developer's Guide to Web Services』(英語版) - Sun ONE Application Server 環境における Web サービスの開発および配置方法について説明します。
『Sun ONE Application Server 7 Developer's Guide to J2EE Features and Services』(英語版) - 次のような J2EE 機能について説明します。
Java Database Connectivity (JDBC)
Java Naming and Directory Interface (JNDI)
Java Transaction Service (JTS)
Java Message Service (JMS)
JavaMail
リソースとコネクタ
『Sun ONE Application Server 7 Error Message Reference (英語版)』 - Sun ONE Application Server のあらゆるエラーメッセージについて説明します。
『Sun ONE Application Server 7 パフォーマンスチューニングガイド』 - パフォーマンスが向上するように Sun ONE Application Server を調整する方法および理由について説明します。
GNOME 2.0 Desktop Collection および GNOME 2.0 Desktop Collection - Japanese – このコレクションは、 http://docs.sun.com から入手できます。GNOME 2.0 デスクトップについては、GNOME 2.0 デスクトップを参照してください。
この新しいコレクションには次のマニュアルが含まれています。
『GNOME 2.0 ユーザーズガイド (Solaris 版)』 – デスクトップコンポーネントとそのカスタマイズ方法について説明します。
『GNOME 2.0 システム管理 (Solaris 版)』 – Solaris 8 オペレーティング環境および Solaris 9 オペレーティング環境上の GNOME 2.0 デスクトップの管理方法について説明します。
『GNOME 2.0 Desktop for the Solaris Operating Environment Accessibility Guide』(英語版) – GNOME 2.0 デスクトップの構成およびカスタマイズ方法と、GNOME 2.0 デスクトップ用アクセス機能の使用方法について説明します。Solaris 8 オペレーティング環境および Solaris 9 オペレーティング環境を対象とした情報です。
『GNOME 2.0 問題の解決方法 (Solaris 版)』 – GNOME 2.0 デスクトップ環境の既知の問題とその解決方法について説明します。このマニュアルは、Solaris 8 オペレーティング環境および Solaris 9 オペレーティング環境を対象としています。デスクトップのパフォーマンスを向上させるためのヒントも記載しています。
Solaris 9 4/03 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『リンカーとライブラリ』 – リンカーとライブラリの更新を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』 – SPARC: EFI ディスクラベルによるマルチテラバイトボリュームのサポートおよび Solaris パッチ更新機能を参照してください。このマニュアルには、署名付きパッチの詳しい管理方法も記載されています。Solaris Product Registry のコマンド行インタフェースの拡張も参照してください。
『IPv6 の管理』 – インターネットプロトコルバージョン 6 (IPv6、Internet Protocol Version 6) 6to4 ルーターを参照してください。
『Solaris 9 インストールガイド』 – Solaris フラッシュアーカイブを参照してください。
『Solaris ボリュームマネージャの管理』 – SPARC: Solaris ボリュームマネージャによるマルチテラバイトボリュームのサポートおよび Solaris ボリュームマネージャの RCM サポートを参照してください。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 – 拡張アカウンティングサブシステムを参照してください。
Solaris 9 4/03 Update リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
『Solaris WBEM 開発ガイド』 – 新しい『Solaris WBEM 開発ガイド』を参照してください。
『IPsec と IKE の管理』 – IKE (Internet Key Exchange) ハードウェアアクセラレーションを参照してください。
新しい『Solaris WBEM 開発ガイド』は、Solaris 9 リリースの『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の 2 冊を統合した内容です。この変更により、WBEM の開発および配置に関わるタスクを順番に参照できるようになりました。その他の変更点は次のとおりです。
SNMP に関する章が削除されました。
「CIM オブジェクトマネージャの使用 (手順)」の章で、以前の Solaris リリースからのアップグレード手順が変更されました。具体的には、「以前の WBEM リリースで使用されていた古い書式の CIM Object Manager のデータを変換する」という記述が削除され、代わりに、「mofcomp コマンドを使ってすべての MOF ファイルを再コンパイルする」という記述が追加されています。
『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の冒頭の「はじめに」の章が 1 つにまとめられました。
Solaris 9 12/02 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『リンカーとライブラリ』 – リンカーとライブラリの更新を参照してください。
『Solaris 9 インストールガイド』 – Solaris フラッシュアーカイブおよび LDAP バージョン 2 プロファイルのサポートを参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 – crypt() 関数の拡張を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』 – PAM (Pluggable Authentication Module) の拡張を参照してください。
Solaris 9 12/02 Update リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
『Sun ONE Application Server 7 入門ガイド』 – SPARC: Sun ONE Application Server の統合を参照してください。
『Sun ONE Message Queue 3.0.1 管理者ガイド』 – Sun ONE Message Queueを参照してください。
『IP ネットワークマルチパスの管理』 – 単独 IP ネットワークマルチパスグループのためのデータアドレスとテストアドレスの連結を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「NIS+ から LDAPへの移行」の章が、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』に移されました。また、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の LDAP に関連する章に、さまざまなコンポーネントの説明と例が追加されました。ただし、新しい機能については説明されていません。
Solaris 9 9/02 Update リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
『IPQoS の管理』 – IPQoS 機能については、IP サービス品質 (IPQoS)および 拡張アカウンティングサブシステムを参照してください。
『IPv6 の管理』 – IPv6 経由のパケットトンネリング を参照してください。
Solaris 9 9/02 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 – 拡張アカウンティングサブシステムを参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 – NIS+ から LDAP への移行に関するマニュアルを参照してください。
Solaris スマートカードインタフェースは、スマートカード端末用の公開インタフェースです。カード端末ベンダーは、これらのインタフェースをユーザーレベルの共有ライブラリに実装し、Solaris 環境のスマートカード端末にデバイスレベルのサポートを提供できます。Solaris スマートカード端末インタフェースは、Linux Smartcard フレームワークの一部として提供されるカード端末インタフェースに基づいています。Linux のカード端末サポートライブラリは、Solaris に簡単に移植できます。
スタック検査 API は、ForteTM 7.0 に付属しているスタック検査コンパイラとの高度なやりとりのために用意されたものです。スタック検査 API は、スタック検査対応のコンパイル済みで、固有のスタックを管理するか、またはそのスタックオーバーフローを検出する機能をもつアプリケーションで使用しなくてはなりません。
固有のスレッドライブラリを管理する開発者は、setustack インタフェースを使って、ライブラリの消費者がスタック検査対応のコンパイルを実行できるようにする必要があります。
これについては、stack_getbounds(3C)、stack_setbounds(3C)、stack_inbounds(3C)、および stack_violation(3C) のマニュアルページを参照してください。
libumem は、ユーザーモード (非カーネルモード) のメモリー割り当てライブラリです。libumem では、メモリーリークやメモリーの使用に関するその他の問題をデバッグできます。
この機能は、malloc() などの標準アプリケーションバイナリインタフェース (ABI) アロケータと同様の方法で使用します。ユーザーモードのアプリケーションが、メモリーに対して任意のバイト数を要求すると、割り当てられたメモリーのアドレスのポインタが返されます。
詳細は、libumem(3LIB) のマニュアルページを参照してください。
「Solaris Memory Placement Optimization and Sun Fire Servers」についてのテクニカルホワイトペーパーは、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/servers/wp/docs/mpo_v7_CUSTOMER.pdf
Solaris 9 12/02 Update リリースには、Sun ONE Application Server 7, Platform Edition (旧名称は iPlanet Application Server) が統合されています。SPARC: Sun ONE Application Server の統合を参照してください。
Solaris 9 12/02 Update リリースでは、JMS メッセージングアプリケーションをサポートしています。これらのアプリケーションは、JMS プロバイダである Sun ONE Message Queue をベースにしています。Sun ONE Message Queueを参照してください。
Sun ONE Message Queue は、Solaris 9 12/02 Update リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 8/03 Update リリースでは x86 プラットフォームでも利用できるようになりました。
この Solaris リリースには、crypt() 関数の新しい拡張と、新しい crypt_gensalt() 関数が含まれています。これらの拡張により、管理者はユーザーの UNIX® ログインパスワードをわからなくするためのアルゴリズムを変更できます。
モジュールには、MD5 向けと Blowfish 向けがあります。MD5 のモジュールは、crypt_sunmd5 と crypt_bsdmd5 に入っています。Blowfish のモジュールは crypt_bsdbf に入っています。
開発者は、パスワードをあいまいにするどちらのアルゴリズムに対しても、新しいモジュールを作成することができます。アプリケーション開発者は、crypt() 関数に渡す salt 文字列を手動で生成する代わりに、crypt_gensalt() 関数を使う必要があります。
どちらのアルゴリズム用のモジュールも crypt.conf(4) ファイルに記述します。module_path フィールドには、以下の必要な関数を実行するための共有ライブラリオブジェクトへのパスを指定します。
crypt_gensalt_impl() – salt 文字列を生成します。
crypt_genhash_impl() – 暗号化されたパスワードを生成します。
詳細は、crypt(3C) および policy.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
madvise() 関数を使うことにより、ユーザーが定義したメモリー領域へのカーネルのアクセスを最適化します。この Solaris リリースでは、madvise() 関数用に 3 つの新しいフラグが用意されています。
MADV_ACCESS_LWP – 指定した軽量プロセス (LWP) に資源割り当ての優先度を設定します。
MADV_ACCESS_MANY – マシン全体で集中的に使用するアドレス範囲を指定します。
MADV_ACCESS_DEFAULT – アドレス範囲のアクセスパターンをシステムのデフォルト値にリセットします。
madvise() 関数の詳細は、madvise(3C) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 9 Update リリースには、文字列テーブル圧縮、参照されないセクションの削除、および参照されない独立の検出など、新しいリンクエディタ機能が追加されています。各 Solaris 9 Update リリースの新しいリンクエディタ機能の最新情報については、 『リンカーとライブラリ』の「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。
Solaris Smartcard フレームワークでは、低レベルのミドルウェア API を提供しています。これらの API により、スマートカードリーダーを使用してスマートカードとの間でデータを交換することが可能になります。この API は、Sun BladeTM や Sun RayTM システムなどのプラットフォームで使用できます。Java 言語または C 言語で記述されたアプリケーションで、これらのインタフェースを使用できます。
詳細は、libsmartcard(3LIB) のマニュアルページおよび /usr/share/javadoc/smartcard の JavaDocs を参照してください。
これらのフリーウェアパッケージの使用許諾権、帰属、および著作権を確認するには、以下で説明するライセンスパスを参照してください。Solaris オペレーティング環境をデフォルト以外の場所にインストールした場合は、インストールした場所に合わせてパス名を変更します。
Solaris 9 オペレーティング環境に付属しているフリーウェアについては、フリーウェアを参照してください。
Solaris オペレーティング環境に追加された新しいフリーウェアパッケージは次のとおりです。
Ghostscript 7.05 – PostScript ファイルと PDF ファイルを読み取ります。これらのファイルを画面に表示、または多くのプリンタに対応した形式に変換します。/usr/sfw/share/man の gs(1) のマニュアルページを参照してください。
Ghostscript の使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/sfw/share/src/<フリーウェア名> です。
Solaris 9 4/03 Update リリースで新しく追加または改訂されたフリーウェアパッケージは次のとおりです。
libxml2 2.4.16 – タグベースの構造化文書またはデータを構築する標準
libxslt 1.0.19 – XML の変換を定義する XML 言語
これらのパッケージの使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/share/src/<フリーウェア名>/<ファイル名> です。
Solaris オペレーティング環境に追加された新しいフリーウェアパッケージは次のとおりです。
ANT 1.4.1 – Jakarta ANT Java および XML ベースのビルドパッケージ
ANT の使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/sfw/share/src/<フリーウェア名> です。