Solaris のシステム管理 (基本編)

バックアップデバイス (dump-file) 引数

dump-file 引数 (-f オプションで使用) では、次のいずれかのバックアップ先を指定します。

この引数は、バックアップ先がデフォルトのローカルテープドライブ /dev/rmt/0 でないときに使用します。-f オプションを使用する場合は、dump-file の値を指定しなければなりません。


注 –

また、dump-file 引数では、ローカルディスクまたはリモートディスク上のファイルを指すこともできるので、誤用するとファイルシステムがいっぱいになる可能性があります。


ローカルのテープドライブまたはフロッピーディスクドライブ

通常、dump-file 引数には、テープデバイスかフロッピーディスク用の raw デバイスファイルを指定します。ufsdump コマンドは、出力デバイスへの書き込み時にバックアップファイルを 1 つ作成しますが、このファイルは複数のテープやフロッピーディスクにまたがってもかまいません。

デバイスの省略形を使用して、システム上のテープデバイスかフロッピーディスクデバイスを指定します。第 1 のデバイスは常に 0 です。たとえば、SCSI テープコントローラが 1 つと、中密度の形式を使用する QIC-24 テープドライブが 1 つある場合は、次のデバイス名を使用します。

/dev/rmt/0m

テープデバイス名を指定するときは、名前の末尾に文字 n を付けて、バックアップの完了後にテープドライブを巻き戻さないように指定することもできます。たとえば、次のようになります。

/dev/rmt/0mn

テープに複数のファイルを格納する場合は、no-rewind オプションを使用します。バックアップ中に領域を使い果たすと、ufsdump コマンドから新しいテープの挿入を促すプロンプトが表示されるまで、テープは巻き戻されません。デバイスの命名規則の詳細については、バックアップデバイス名を参照してください。

リモートのテープドライブまたはフロッピーディスクドライブ

host:device という形式で、リモートのテープデバイスまたはフロッピーディスクを指定します。ローカルシステム上の root ユーザーがリモートシステムへのアクセス権を持っている場合、ufsdump コマンドはリモートデバイスに書き込みます。通常、root ユーザーとして ufsdump コマンドを実行するのであれば、ローカルシステム名をリモートシステムの /.rhosts ファイルに記述しておく必要があります。デバイスを user@host:device と指定した場合、ufsdump コマンドは指定されたユーザーでリモートシステム上のデバイスへのアクセスを試みます。この場合、指定されたユーザーの名前が、リモートシステム上の /.rhosts ファイル中に含まれている必要があります。

デバイスには、ufsdump コマンドを実行するシステムではなく、そのデバイスが存在するシステムのオペレーティングシステムに合った命名規則を使用してください。デバイスが SunOS の旧バージョン (4.1.1 など) を実行するシステム上にある場合は、SunOS 4.1 でのデバイス名 (/dev/rst0 など) を使用します。システムが Solaris ソフトウェアを実行中の場合は、SunOS 5.9 でのデバイス名 (/dev/rmt/0 など) を使用します。

ufsdump コマンドで標準出力を使用する

dump-file 引数としてダッシュ (-) を指定すると、ufsdump コマンドは標準出力に書き込みます。


注 –

dump-file 引数として標準出力を指定すると、-v オプション (検査) は機能しません。


ufsdump コマンドを使用して標準出力に書き込み、ufsrestore コマンドを使用して標準入力から読み込むと、パイプライン内でファイルシステムをコピーできます。次のようになります。


# ufsdump 0f - /dev/rdsk/c0t0d0s7 | (cd /home; ufsrestore xf -)