Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

パート I セキュリティの概要

このマニュアルでは、SolarisTM オペレーティング環境のセキュリティ支援機能について説明します。セキュリティ機能のシステム管理者とユーザーを対象としています。この章の内容は以下のとおりです。

第 1 章 セキュリティサービス (概要)

セキュリティサービスの概要

コンピュータ環境のセキュリティ強化を支援するために、Solaris オペレーティング環境では、次のような機能を提供しています。

システムセキュリティ全般については、第 2 章「マシンセキュリティの管理 (概要)」を参照してください。

マシンセキュリティ

マシンセキュリティは、マシンのリソースが正しく使用されることを保証します。ユーザーまたは管理者は、アクセス制御を利用して、システムリソースへのアクセス権を許可するユーザーを制限できます。Solaris オペレーティング環境には、次のようなマシンセキュリティ機能とアクセス制御機能が含まれています。

認証サービス

認証とは、定義済みの条件に基づいてユーザーまたはサービスを識別するメカニズムのことです。認証サービスには、単純な認証システム (名前とパスワードの組み合わせ) から複雑な暗号化認証システム (スマートカード、生体認証など) まで、さまざまな形態があります。強力な認証メカニズムは、ユーザーだけが知っている情報や検証可能な情報を使用します。ユーザー名は、ユーザーが知っている情報の一例です。スマートカードや指紋は、検証可能な情報の一例です。Solaris オペレーティング環境の認証機能は、次の要素で構成されます。

セキュリティ保護された通信

セキュリティ保護された通信は、暗号化された認証を基本としています。認証を利用して、送信元と送信先が正しいユーザーまたはグループであることを保証します。通信は、送信元で暗号化され、送信先で復号化されます。暗号化されていれば、侵入者が通信を傍受できたとしても、その内容が解読されることはありません。Solaris オペレーティング環境のセキュリティ保護された通信機能は、次の要素で構成されます。

監査とデバイス管理

監査は、システムのセキュリティと保全性に関する基本概念です。監査は、システムの動作とイベントの履歴を検査して、発生した処理を確認するプロセスです。監査では、発生した処理、実行したユーザー、実行日時、影響を受けた処理がログに記録されます。デバイス管理では、フロッピーディスクや CD-ROM などの周辺機器の割り当てを制御します。Solaris の監査とデバイス管理については、第 20 章「BSM (概要)」を参照してください。