Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Solaris Secure Shell のポート転送を使用する方法

リモートホストに転送されるローカルポートを指定することができます。指定すると、ソケットはローカル側で、そのポートを待機します。このポートからリモートホストへの接続は、セキュリティ保護されたチャネルを介して行われます。たとえば、IMAP4 で電子メールを安全にリモート受信するためにポート 143 を指定します。また、リモート側のポートを指定することもできます。


注 –

Secure Shell ポート転送では TCP 接続を使用する必要があります。Secure Shell は UDP 接続をサポートしていません。


    ローカルポートを転送元として設定するには、2 つのポートを指定します。待機するローカルポートを指定し、転送先のリモートホストとポートを指定します。


    myLocalHost% ssh -L localPort:remoteHost:remotePort 
    

    リモートポートをセキュリティ保護された接続の受信元として設定するには、2 つのポートを指定します。待機するリモートポートを指定し、転送先のローカルホストとポートを指定します。


    myLocalHost% ssh -R remotePort:localHost:localPort 
    

例 — ローカルポート転送を使用してメールを受信する

次の例は、ローカルポート転送を使用して、リモートサーバーからのメールを安全に受信する方法を示しています。


myLocalHost% ssh -L 9143:myRemoteHost:143 myRemoteHost 

このコマンドは、myLocalHost のポート 9143myRemoteHost のポート 143 (IMAP v2 のサーバーポート) に接続を転送します。ユーザーがメールアプリケーションを起動するときは、ローカルポート番号を指定する必要があります。dtmail コマンドの使用例を 図 11–1 に示します。

この例と 例 — リモートポート転送を使用してファイアウォールの外部と通信するで使用されている localhost は、ユーザーのローカルホストを指定するキーワードです。localhost キーワードと myLocalHost を混同しないでください。myLocalHost 変数は、この章の例で使用するローカルホストを表す仮のホスト名です。

図 11–1 電子メールに使用するポート転送を指定する

「Mailer - Login」ダイアログボックス。「IMAP Server」フィールドには、サーバー名、「:」、続けてポート番号が入力されています。

例 — リモートポート転送を使用してファイアウォールの外部と通信する

この例では、エンタープライズ環境のユーザーが、外部ネットワーク上のホストから企業のファイアウォール内部のホストに接続を転送する方法を示しています。


myLocalHost% ssh -R 9022:myLocalHost:22 myOutsideHost

このコマンドは、myOutsideHost 上のポート 9022 への接続をローカルホストのポート 22 (sshd サーバー) に転送します。


myOutsideHost% ssh -p 9022 localhost
myLocalHost%

このコマンドを使用すると、リモート転送接続が確立されたあとで、ssh コマンドを使用してリモートホストから安全に接続できます。