Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

device_allocate ファイル

device_allocate ファイルを変更して、デバイスを割り当て可能から割り当て不可に変更したり、新しいデバイスを追加したりします。device_allocate ファイルの例を次に示します。


st0;st;;;;/etc/security/lib/st_clean
fd0;fd;;;;/etc/security/lib/fd_clean
sr0;sr;;;;/etc/security/lib/sr_clean
audio;audio;;;*;/etc/security/lib/audio_clean

割り当て可能にするデバイスは、BSM を初期構成するときに定義します。上述の device_allocate ファイルの例のように、デフォルトのデバイスとそれらに定義されている特性をそのまま使用することもできます。システム稼働後の実行中にマシンにデバイスを追加するときには、新しいデバイスを割り当て可能にするかどうかを決定する必要があります。

BSM をインストールしたあとで、デバイスのエントリは device_allocate ファイルを変更できます。割り当てたいデバイスは、使用する前に各マシン上の device_allocate ファイル内で定義する必要があります。現在、カートリッジテープドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD-ROM デバイス、およびオーディオチップが、割り当て可能と見なされます。これらのデバイスタイプには、デバイスクリーンスクリプトが用意されています。


注 –

XylogicsTM テープドライブまたは Archive テープドライブでは、SCSI デバイス用に用意されている st_clean スクリプトが使用できます。モデム、端末、グラフィックスタブレットなどの割り当て可能デバイスについては、独自のデバイスクリーンスクリプトを作成する必要があります。このスクリプトは、対応するデバイスタイプのオブジェクト再使用の要件を満たしている必要があります。


device_allocate ファイル内のエントリは、デバイスが割り当て可能であると特に記述されていない限り、そのデバイスが割り当て可能であることを説明しません。上述の device_allocate ファイルの例では、オーディオデバイスエントリの第 5 フィールドにアスタリスク (*) が指定されています。第 5 フィールド内のアスタリスクは、そのデバイスが割り当て可能でないことをシステムに示します。つまり、システム管理者はユーザーにデバイスを使用する前に割り当てたり、あとで割り当てを解除するように要求したりする必要がありません。このフィールドに他の文字列が入っている場合は、デバイスが割り当て可能であることを示します。

各デバイスは、次の形式の 1 行のエントリで表します。


device-name;device-type;reserved;reserved;alloc;device-clean

たとえば、次の行はデバイス名 st0 のエントリを示しています。


st0;st;;;;;/etc/security/lib/st_clean

エントリを次の行に続けるには、行末にバックスラッシュ (\) を付けます。コメントも挿入できます。# を付けると、それに続くすべてのテキストは、行末にバックスラッシュ (\) のない次の改行までコメントになります。どのフィールドでも先行ブランクと後続ブランクを使用できます。

次の表では、device_allocate ファイル内の各フィールドについて詳しく説明します。

表 23–10 device_allocate エントリ内のフィールドの説明

フィールド 

説明 

device-name

st0fd0sr0 などのデバイス名を指定する。デバイスを割り当て可能にした場合、device_maps ファイルの device-name フィールドから device-name を取得する。dminfo コマンドも使用できる。この名前はデバイスの DAC ファイル名でもある点に注意

device-type

汎用デバイスタイプを指定する。汎用名は、stfdsr などのデバイスクラス名である。このフィールドによって、関連するデバイスがグループ化される。割り当て可能デバイスを作成するときには、device_maps ファイル内の device-type フィールドから device-type を取得するか、または dminfo コマンドを使用する

reserved

reserved で示される 2 つのフィールドは、将来の使用に予約されている

alloc

デバイスが割り当て可能かどうかを指定する。このフィールドにアスタリスク (*) が入っている場合は、デバイスが割り当て不可能であることを示す。このフィールドに他の文字列が入っている場合や、空の場合は、デバイスが割り当て可能であることを示す

device-clean

割り当てプロセス中にクリーンアップやオブジェクト再使用防止などの特殊処理のために呼び出されるスクリプトのパス名を指定する。deallocate - F を使用してデバイスの割り当てを強制的に解除するときなど、デバイスに対して deallocate コマンドを実行すると、device-clean スクリプトが実行される