新しいブート環境に RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成する
ミラーを切り離し、一方をアップグレードする
ミラー (連結) の他方を新しいミラーに接続する
図 35–1 は、3 つの物理ディスクから成る現在のブート環境を示します。
ミラーを持つ新しいブート環境 second_disk を作成します。
次のコマンドは、次のような処理を実行します。
lucreate コマンドにより、ルート (/) マウントポイントの UFS ファイルシステムが構成されます。d10 というミラーが作成されます。このミラー d10 に、現在のブート環境のルート (/) ファイルシステムがコピーされます。ミラー d10 にあるデータはすべて上書きされます。
2 つのスライス c0t1d0s0 および c0t2d0s0 は、サブミラーとして指定されています。これら 2 つのサブミラーは、ミラー d10 に接続されます。
# lucreate -c first_disk -n second_disk \ -m /:/dev/md/dsk/d10:ufs,mirror \ -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:attach \ -m /:/dev/dsk/c0t2d0s0:attach |
ブート環境 second_disk をアクティブ化します。
# /usr/sbin/luactivate second_disk # init 6 |
別のブート環境 third_disk を作成します。
次のコマンドは、次のような処理を実行します。
lucreate コマンドにより、ルート (/) マウントポイントの UFS ファイルシステムが構成されます。d20 というミラーが作成されます。
スライス c0t1d0s0 がその現在のミラーから切り離され、ミラー d20 に追加されます。このサブミラーの内容であるルート ( /) ファイルシステムは保持され、コピー処理は発生しません。
# lucreate -n third_disk \ -m /:/dev/md/dsk/d20:ufs,mirror \ -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:detach,attach,preserve |
フラッシュアーカイブをインストールして、新しいブート環境 third_disk をアップグレードします。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムバージョンは、どちらも Solaris 9 リリースです。third_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。
# luupgrade -f -n third_disk \ -s /net/installmachine/export/Solaris_9/OS_image \ -a /net/server/archive/Solaris_9 |
ブート環境 third_disk をアクティブ化して、このブート環境からシステムを実行します。
# /usr/sbin/luactivate third_disk # init 6 |
ブート環境 second_disk を削除します。
# ludelete second_disk |
次のコマンドは、次のような処理を実行します。
ミラー d10 を消去します。
c0t2d0s0 の連結の数を調べます。
metastat コマンドで見つけた連結を、ミラー d20 に接続します。metattach コマンドは、新しく接続した連結と、ミラー d20 の連結とを同期します。連結にあるデータはすべて上書きされます。
# metaclear d10 metastat -p | grep c0t2d0s0 dnum 1 1 c0t2d0s0 metattach d20 dnum |
metastat コマンドで見つかった連結の数。
これで、新しいブート環境 third_disk がアップグレードされ、この環境からシステムが実行されます。third_disk には、ミラー化されたルート (/) ファイルシステムが含まれています。
図 35–2 は、上記の例のコマンドでミラーを切り離してアップグレードする手順の全体を示しています。