Solaris のシステム管理 (基本編)

ルート (/) と /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリ

/kernel ディレクトリには、プラットフォームに依存しないオブジェクト (プラットフォームに依存しないカーネル genunix も含む) だけが入っています。プラットフォームに依存するディレクトリ /platform/usr/platform については、表 44–3 を参照してください。

次の表に、ルート (/) ファイルシステムに含まれているデフォルトのディレクトリの説明を示します。

表 44–1 ルート (/) ファイルシステムのデフォルトディレクトリ

ディレクトリ 

説明 

/

ファイルシステムの名前空間全体のルート 

/dev

論理デバイスファイルの一次位置 

/dev/cfg

物理 ap_id へのシンボリックリンク 

/dev/cua

uucp 用のデバイスファイル

/dev/dsk

ブロックディスクデバイス 

/dev/fbs

フレームバッファーのデバイスファイル 

/dev/fd

ファイル記述子 

/dev/md

ボリューム管理デバイス名 

/dev/printers

USB プリンタデバイスファイル 

/dev/pts

pty スレーブデバイス

/dev/rdsk

raw ディスクデバイス 

/dev/rmt

raw テープデバイス 

/dev/sad

STREAMS Administrative Driver のエントリポイント 

/dev/sound

オーディオデバイスとオーディオデバイス制御ファイル 

/dev/swap

デフォルトのスワップデバイス 

/dev/term

シリアルデバイス 

/devices

物理デバイスファイル 

/etc

ホスト固有のシステム管理構成ファイルとデータベース 

/etc/acct

アカウンティングの構成情報 

/etc/apache

Apache の構成ファイル 

/etc/cron.d

cron の構成情報

/etc/default

各種プログラムのデフォルト情報 

/etc/dfs

エクスポートされるファイルシステムの構成情報 

/etc/dhcp

DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) の構成ファイル 

/etc/dmi

Solstice Enterprise Agents の構成ファイル 

/etc/fn

フェデレーテッドネーミングサービスと x.500 のサポートファイル 

/etc/fs

ファイルシステムタイプ別に編成されたバイナリ  

/etc/ftpd

ftpd の構成ファイル

/etc/gss

GSS (Generic Security Service) アプリケーションプログラミングインタフェースの構成ファイル 

/etc/gtk

GNOME (GNU Network Object Model Environment) の構成ファイル 

/etc/inet

インターネットサービスの構成ファイル 

/etc/init.d

実行レベルを変更するためのスクリプト 

/etc/iplanet

iPlanet (Sun ONE) の構成ファイル 

/etc/krb5

Kerberos の構成ファイル 

/etc/lib

/usr が利用できないときに必要な動的リンクライブラリ

/etc/llc2

論理リンク制御 (llc2) ドライバの構成ファイル

/etc/lp

プリンタサブシステムの構成情報 

/etc/lu

Solaris Live Upgrade の構成ファイル 

/etc/lvm

Solaris ボリュームマネージャの構成ファイル  

/etc/mail

メールサブシステムの構成情報 

/etc/nca

Solaris NCA (Network Cache and Accelerator) の構成ファイル 

/etc/net

TI (トランスポート独立) ネットワークサービスの構成情報 

/etc/nfs

NFS サーバーロギングの構成ファイル 

/etc/openwin

OpenWindows の構成ファイル 

/etc/opt

オプションパッケージの構成情報 

/etc/ppp

Solaris PPP の構成ファイル 

/etc/rc0.d

実行レベル 0 を開始または停止したときに起動されるスクリプト 

/etc/rc1.d

実行レベル 1 を開始または停止したときに起動されるスクリプト 

/etc/rc2.d

実行レベル 2 を開始または停止したときに起動されるスクリプト 

/etc/rc3.d

実行レベル 3 を開始または停止したときに起動されるスクリプト 

/etc/rcS.d

システムをシングルユーザーモードにするためのスクリプト 

/etc/rcm

再構成マネージャ (RCM) のカスタムスクリプト用のディレクトリ 

/etc/rpcsec

NIS+ 認証の構成ファイルが含まれていることがある 

/etc/saf

サービスアクセス機能ファイル (FIFO など) 

/etc/security

BSM (Basic Security Module) の構成ファイル 

/etc/sfw

Samba の構成ファイル 

/etc/skel

新規ユーザーアカウントのデフォルトプロファイルスクリプト 

/etc/smartcard

Solaris SmartCards の構成ファイル 

/etc/snmp

Solstice Enterprise Agents の構成ファイル 

/etc/ssh

ssh (secure shell) の構成ファイル 

/etc/sysevent

syseventd の構成ファイル

/etc/tm

商標ファイル。内容はブート時に表示される 

/etc/usb

USB の構成情報 

/etc/uucp

uucp 構成情報

/etc/wrsm

WRSM (WCI Remote Shared Memory) の構成情報 

/export

共有ファイルシステム (ユーザーのホームディレクトリやクライアントファイルシステムなど) 用のデフォルトのディレクトリ 

/home

スタンドアロンシステム上にあるユーザーのホームディレクトリ用のデフォルトのディレクトリまたはマウントポイント。AutoFS の動作中、このディレクトリには新しいエントリを作成できない 

/kernel

プラットフォームに依存しない読み込み可能なカーネルモジュールのディレクトリ。ブートプロセスの一部として必要。プラットフォームに依存しないコアカーネル /kernel/genunix の汎用部分を含む。/platform ディレクトリと /usr/platform ディレクトリの構造については、表 44–3 を参照

/mnt

ファイルシステムの一般的な一次マウントポイント 

/opt

追加アプリケーションパッケージ用のデフォルトディレクトリまたはマウントポイント 

/platform

サポートされているプラットフォームのファイル。詳細については、表 44–3 を参照

/proc

プロセス情報 

/sbin

ブートプロセスと手作業によるシステム障害の回復に使用される重要な実行可能プログラム 

/tmp

一次ファイル。内容はブートシーケンス中に消去される 

/usr

/usr ファイルシステムのマウントポイント。詳細については、表 44–2 を参照

/var

常に変化するファイル (一時ファイル、ログファイル、状態ファイルなど) 用のディレクトリ 

/var/adm

システムのログファイルとアカウンティングファイル 

/var/apache

Apache Web サーバー用のスクリプト、アイコン、ログ、キャッシュページ 

/var/audit

BSM (Basic Security Module) の監査ファイル 

/var/crash

カーネルクラッシュダンプのデフォルトの格納場所 

/var/cron

cron のログファイル

/var/dmi

Solstice Enterprise Agents のデスクトップ管理インタフェースの実行時構成要素 

/var/dt

dtlogin の構成ファイル

/var/inet

IPv6 ルーターの状態ファイル 

/var/krb5

Kerberos のデータベースとログファイル 

/var/ld

実行時リンカーの構成ファイル 

/var/ldap

LDAP クライアントの構成ファイル 

/var/log

システムログファイル 

/var/lp

ラインプリンタサブシステムのログ情報 

/var/mail

ユーザーのメールが保管されるディレクトリ 

/var/news

コミュニティサービスメッセージ。これらのメッセージは USENET 方式のニュースとは異なる 

/var/nfs

NFS サーバーのログファイル 

/var/nis

NIS+ データベース 

/var/ntp

NTP (Network Time Protocol) サーバーの状態ディレクトリ 

/var/opt

ソフトウェアパッケージ関連の各種ファイルのサブツリーのルート 

/var/preserve

viex のバックアップファイル

/var/run

一時的な (つまり、システムをリブート後に残る必要がない) システムファイル。TMPFS マウントされたディレクトリ 

/var/sadm

ソフトウェアパッケージ管理ユーティリティで管理されるデータベース 

/var/saf

saf (サービスアクセス機能) のログファイルとアカウンティングファイル

/var/samba

Samba のログファイルとロックファイル 

/var/snmp

SNMP の状態と構成情報 

/var/spool

スプール化された一時ファイルのディレクトリ 

/var/spool/clientmqueue

Sendmail のクライアントファイル 

/var/spool/cron

cronat のスプールファイル

/var/spool/locks

スプールロックファイル 

/var/spool/lp

ラインプリンタのスプールファイル 

/var/spool/mqueue

配信用に待ち行列に入れられたメール 

/var/spool/pkg

スプール化されたパッケージ 

/var/spool/print

LP 印刷サービスのクライアント側要求格納域 

/var/spool/samba

Samba の印刷待ち行列 

/var/spool/uucp

待ち行列に入っている uucp のジョブ

/var/spool/uucppublic

uucp によって格納されるファイル

/var/statmon

ネットワーク状態監視ファイル 

/var/tmp

一時ファイルのディレクトリ。ブートシーケンス中には消去されない 

/var/uucp

uucp のログファイルと状態ファイル

/var/yp

NIS データベース 

次の表に、/usr ファイルシステムに含まれているデフォルトのディレクトリの説明を示します。

表 44–2 /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリ

ディレクトリ 

説明 

4lib

SunOS 4.1 バイナリ互換パッケージライブラリ 

5bin

/usr/bin ディレクトリへのシンボリックリンク

X

/usr/openwin ディレクトリへのシンボリックリンク

adm

/var/adm ディレクトリへのシンボリックリンク

apache

Apache の実行可能プログラム、ロード可能モジュール、マニュアル  

aset

ASET (Automated Security Enhancement Tools) のプログラムとファイル用のディレクトリ 

bin

標準的なシステムコマンド用のディレクトリ 

ccs

C 言語処理系のプログラムとライブラリ 

demo

デモのプログラムとデータ 

dict

/usr/share/lib/dict ディレクトリへのシンボリックリンク。UNIX の spell プログラムが使用する辞書が入っている

dt

CDE ソフトウェア用のディレクトリまたはマウントポイント 

games

空のディレクトリ。SunOS 4.0-4.1 ソフトウェアで使用されていた 

include

C プログラム用などのヘッダーファイル 

iplanet

Directory Server の実行可能プログラム、ロード可能モジュール、マニュアル 

j2se

Java 2 SDK の実行可能プログラム、ロード可能モジュール、マニュアル  

java *

Java のプログラムとライブラリが入っているディレクトリ 

kernel

その他のカーネルモジュール 

kvm

廃止または互換性がなくなる可能性あり 

lib

各種プログラムのライブラリ、アーキテクチャ依存データベース、またはユーザーが直接呼び出さないバイナリ 

local

サイトのローカルコマンド 

mail

/var/mail ディレクトリへのシンボリックリンク

man

/usr/share/man ディレクトリへのシンボリックリンク

net

ネットワークリスナーサービス用のディレクトリ 

news

/var/news ディレクトリへのシンボリックリンク

oasys

FMLI (Form and Menu Language Interpreter) 実行環境用のファイル 

old

段階的に使用されなくなっているプログラム 

openwin

OpenWindows ソフトウェアのディレクトリまたはマウントポイント 

perl5

perl 5 のプログラムとマニュアル 

platform

サポートされているプラットフォームのファイル。詳細については、表 44–3 を参照

preserve

/var/preserve ディレクトリへのシンボリックリンク

proc

proc ツール用のディレクトリ

pub

オンラインマニュアルページと文字処理用のファイル 

sadm

システム管理に関連する各種ファイルとディレクトリ 

sbin

システム管理用の実行可能プログラム 

sbin/install.d

JumpStart のカスタムのスクリプトと実行可能プログラム  

sbin/static

/usr/bin/usr/sbin から選択したプログラムの静的リンクバージョン

sbin/sparcv7 sparcv9

SPARC システムの32 ビットバージョンと64 ビットバージョンのコマンド 

sbin/i86

x86 アーキテクチャ固有のコマンド 

sfw

GNU と公開されているソースの実行可能プログラム、ライブラリ、マニュアル 

share

アーキテクチャに依存しない共有可能ファイル 

share/admserv5.1

iPlanet Console and Administration Server 5.0 のマニュアル 

share/audio

オーディオファイルのサンプル 

share/ds5

Sun ONE Directory Server 5.1 のマニュアル  

share/lib

アーキテクチャに依存しないデータベース 

share/man

Solaris のマニュアルページ 

share/src

カーネル、ライブラリ、ユーティリティのソースコード 

snadm

システム管理とネットワーク管理に関するプログラムとライブラリ 

spool

/var/spool ディレクトリへのシンボリックリンク

src

/usr/share/src ディレクトリへのシンボリックリンク

tmp

/usr/var/tmp ディレクトリへのシンボリックリンク

ucb

UCB 互換パッケージのバイナリ 

ucbinclude

UCB 互換パッケージのヘッダーファイル 

ucblib

UCB 互換パッケージのライブラリ 

vmsys

FACE (Framed Access Command Environment) プログラム用のディレクトリ 

xpg4

POSIX 準拠ユーティリティ用のディレクトリ