この Solaris リリースでは、すべての USB ストレージデバイスがリムーバブルメディアデバイスとしてアクセスされます。この変更には、次のような利点があります。
標準の MS-DOS または Windows (FAT) ファイルシステムを使用する USB ストレージデバイスがサポートされます。
format コマンドの代わりに、使いやすい rmformat コマンドを使用して、すべての USB ストレージデバイスをフォーマットしたり、パーティションを操作したりできます。format コマンドの機能が必要な場合は、format -e コマンドを使用してください。
fdisk 方式でパーティションを操作する必要がある場合は、fdisk コマンドを使用できます。
ルート権限を必要とする mount コマンドが必要なくなったため、ルート以外のユーザーでも USB ストレージデバイスにアクセスできます。デバイスは vold コマンドによって自動的にマウントされ、/rmdisk ディレクトリの下で利用できます。システムの停止中に新しいデバイスを接続した場合は、boot -r コマンドを使用して再構成ブートを実行し、そのデバイスを vold に認識させます。vold は、ホットプラグ対応のデバイスを自動的に認識しません。システムの稼働中に新しいデバイスを接続した場合は、vold を再起動してください。詳細については、vold(1M) および scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
FAT ファイルシステムのディスクをマウントしてアクセスできます。たとえば、次のようになります。
mount -F pcfs /dev/dsk/c2t0d0s0:c /mnt |
LOG SENSE ページをサポートするデバイスを除いて、すべての USB ストレージデバイスの電源が管理されます。LOG SENSE ページを使用するデバイスは通常、USB-SCSI ブリッジデバイスを介して接続する SCSI デバイスです。以前の Solaris リリースでは、一部の USB ストレージデバイスはリムーバブルメディアとして認識されなかったため、電源管理の対象外でした。
USB 大容量ストレージデバイスでは、アプリケーションの動作が異なることがあります。USB ストレージデバイスでアプリケーションを使用するときには、次の点に考慮してください。
以前のリリースでは、フロッピーディスクや Zip ドライブなどの小容量のデバイスだけがリムーバブルメディアとして認識されていたため、アプリケーションがメディアのサイズを正しく認識しないことがあります。
メディアを取り出すことができないデバイス (ハードディスクドライブなど) に対して、メディアを取り出す要求を行うと、要求は成功しますが、何も実行されません。
以前の Solaris リリースの動作が必要な場合、つまり、すべての USB 大容量ストレージがリムーバブルメディアデバイスとして認識されるとは限らないようにするには、/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイルを更新すれば、以前の動作を強制的に適用できます。
USB 大容量ストレージデバイスの使用方法の詳細については、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
USB 大容量ストレージデバイスを追加または削除するときに問題が発生した場合は、次のヒントを参考にしてください。
システムの停止中に USB デバイスを追加または削除した場合は、再構成ブートを実行する必要があります。
ok boot -r |
システムの稼働中に接続したデバイスにアクセスするときに、問題が発生した場合は、次のコマンドを実行してください。
# devfsadm |
保存停止モードでシステムの電力消費を抑えている場合は、デバイスを移動しないでください。詳細については、SPARC: USB 電源管理を参照してください。
アプリケーションがデバイスを使用しているときに、そのデバイスが取り外されて使用できなくなっている場合は、アプリケーションを停止してください。そのデバイスノードが削除されているかどうかを確認するには、 prtconf コマンドを使用します。