この Solaris リリースでは、次の USB 2.0 機能がサポートされます。
パフォーマンスの向上 – USB 2.0 コントローラに接続されたデバイスの場合は、データのスループットが USB 1.1 デバイスと比較して最大で 40 倍速に向上します。
DVD やハードディスクなどの高速大容量ストレージデバイスにアクセスするときに、高速の USB プロトコルを利用できます。
互換性 – 1.0 および 1.1 デバイスおよびドライバとの下位互換性があるので、同じケーブル、コネクタ、およびソフトウェアインタフェースを使用できます。
USB デバイスおよび USB 用語については、USB デバイスの概要を参照してください。
USB 2.0 デバイスは、USB 2.0 仕様に準拠した高速デバイスです。USB 2.0 仕様については、http://www.usb.org を参照してください。
Solaris x86 版で動作するシステムでは、USB 2.0 デバイスがサポートされていないため、USB 2.0 デバイスは、ハイスピードの USB 2.0 デバイスとしてではなく、フルスピードの USB 1.1 デバイスとして動作します。
この Solaris リリースの SPARC システムおよび x86 システムでは、たとえば、次の USB デバイスがサポートされます。
大容量ストレージデバイス – CD-RW、ハードディスク、DVD、デジタルカメラ、Zip、フロッピーディスク、およびテープドライブ
キーボード、マウス、スピーカ、およびマイク
オーディオデバイス
この Solaris リリースで検証済みの USB デバイスをすべて確認するには、以下のサイトを参照してください。
http://www.sun.com/io_technologies/USB.html
それ以外のストレージデバイスでも、scsa2usb.conf ファイルを変更すれば使用できることがあります。詳細については、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
Solaris USB 2.0 デバイスでは、次の機能がサポートされます。
USB バス速度が、12 Mbps から 480 Mbps に向上しています。このため、USB 2.0 仕様をサポートするデバイスを USB 2.0 ポートに接続すると、対応する USB 1.1 デバイスに比べて速度が大幅に向上します。
USB 2.0 ポートは、SPARC システムでは次のように定義されています。
USB 2.0 PCI カード上のポート
USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブ上のポート
Solaris x86 版で動作するシステムでは、USB 2.0 PCI カード上のポートを含むすべてのポートが、USB 1.1 ポートと見なされます。
USB 2.0 は、PCI ベースのすべての SPARC プラットフォーム上で Solaris Ready 認証済みです。USB 2.0 ポートを利用するには、USB 2.0 PCI カードが必要です。Solaris リリースで検証済みの USB 2.0 PCI カードについては、http://www.sun.com/io_technologies/USB.html を参照してください。
同じシステムで USB 1.1 と USB 2.0 デバイスを併用する場合でも、USB 1.1 デバイスは、以下の例外を除き、従来と同様に動作します。
USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブに USB 1.1 デバイスを接続した場合、その USB 1.1 デバイスは動作しません。
USB 2.0 デバイスは USB 1.x ポートでも動作しますが、USB 2.0 ポートに接続するとパフォーマンスが大幅に向上します。
ほとんどの USB 2.0 ホストコントローラには、1 つのハイスピード EHCI (Enhanced Host Controller) と、1 つ以上のロースピードまたはフルスピードの OHCI (OpenHCI Host Controller) が組み込まれたコントローラが用意されています。USB 2.0 ポートに接続されたデバイスは、USB 2.0 をサポートするかどうかに応じて、EHCI または OHCI コントローラに動的に割り当てられます。
いくつかの USB 2.0 ホストコントローラには、1 つの EHCI と、1 つ以上のロースピードまたはフルスピードの UHCI (Universal Host Controller) が組み込まれたコントローラが用意されています。ロースピードおよびフルスピードのデバイスは、それらのホストコントローラ上のポートで問題なく使用できる可能性が高いです。一方、これらのポートに接続されたハイスピードのデバイスは、それ自体で動作する可能性があり、このようなデバイスは推奨されません。
USB 2.0 PCI カード上のポートに 接続された USB 2.0 ストレージデバイスのデバイス名は、以前の Solaris リリースで同じハードウェア構成で使用していた場合には、このリリースにアップグレードした後で変更されることがあります。この変更は、アップグレードによりこれらのデバイスが USB 2.0 デバイスとして認識され、制御が EHCI コントローラに引き継がれるために発生します。コントローラの番号 ( /dev/[r]dsk/c wtxd ysz の w) は、それらのデバイスに合わせて変更されます。
USB 2.0 デバイスのサポートの詳細については、ehci(7D) および usba(7D) のマニュアルページを参照してください。
サポートされている最大ケーブル長は 5 m です。
延長ケーブルを使用しないでください。ケーブルを延長するには、最良の結果が得られるよう、自己電源供給方式のハブを使ってください。
詳細については、http://www.usb.org/channel/training/warning/ を参照してください。
バス電源供給方式のハブは、接続先の USB バスの電源を利用して、接続されているデバイスに電源を供給します。これらのハブの負荷が大きくなりすぎないように、十分に注意してください。これらのハブから接続先のデバイスに供給できる電源は限られているためです。
バス電源供給方式のハブは、カスケード接続しないでください。たとえば、バス電源供給方式のハブを別のバス電源供給方式のハブに接続しないでください。
キーボードやマウスなどの低速で消費電力の小さいデバイスを除いて、できるだけバス電源供給方式のデバイスをバス電源供給方式のハブに接続しないでください。ディスク、スピーカ、マイクなどの消費電力の大きいデバイスをバス電源供給方式のハブに接続すると、ハブに接続されたすべてのデバイスで電力が不足することがあります。この場合、デバイスが予期しない動作をすることがあります。