次のプロファイル例は、さまざまなプロファイルキーワードとプロファイル値を使用して、Solaris ソフトウェアをシステムにどのようにインストールするかを指定する方法を示しています。プロファイルキーワードと値には、プロファイルキーワードと値の説明を示してあります。
# profile keywords profile values # ----------------- ----------------- install_type initial_install system_type standalone partitioning default filesys any 512 swap # specify size of /swap cluster SUNWCprog package SUNWman delete cluster SUNWCacc |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
install_type キーワードは、すべてのプロファイルに必要です。
system_type キーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。
ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアごとに default 値を使用して決定されます。swap は 512M バイトに設定され、値 any に基づいてすべてのディスクにインストールされます。
「開発者システムサポートソフトウェアグループ」(SUNWCprog) がシステムにインストールされます。
標準のマニュアルページはネットワークのファイルサーバー (s_ref) からマウントされるため、マニュアルページパッケージはシステムにインストールされません。ただし、System Accounting ユーティリティが入ったパッケージはシステムにインストールされます。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit filesys c0t0d0s0 auto / filesys c0t3d0s1 auto swap filesys any auto usr cluster SUNWCall |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは、値 auto により選択したソフトウェアに基づいて自動的に設定されて c0t0d0s0 にインストールされます。swap も同様に、必要なサイズに設定された上で c0t3d0s1 上にインストールされます。usr は、値 any により選択したソフトウェアに基づきインストールプログラムによってインストール先が決定されます。
全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install system_type standalone fdisk c0t0d0 0x04 delete fdisk c0t0d0 solaris maxfree cluster SUNWCall cluster SUNWCacc delete |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
タイプ DOSOS16 (04 16 進) の fdisk パーティションはすべて、c0t0d0 ディスクから削除されます。
Solaris fdisk パーティションが、c0t0d0 ディスク上の最大の連続空き領域に作成されます。
全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。
システムアカウントユーティリティ (SUNWCacc) は、システムにインストールされません。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type upgrade root_device c0t3d0s2 backup_media remote_filesystem timber:/export/scratch layout_constraint c0t3d0s2 changeable 100 layout_constraint c0t3d0s4 changeable layout_constraint c0t3d0s5 movable package SUNWbcp delete package SUNWxwman add cluster SUNWCacc add locale de |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク領域を再配置する必要があります。
c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。
リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。backup_media キーワード値の詳細は、backup_media プロファイルキーワード を参照してください。
layout_constraint キーワードは、アップグレードのためにディスク領域の再配置を行う時に自動レイアウトが以下のことを実施できることを示します。
スライス2 と4 を変更する。これらのスライスはほかの場所へ移動が可能であり、サイズも変更できます。
スライス5 を移動する。スライスをほかの場所へ移動することはできますが、そのサイズを変更することはできません。
バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。
このコードは、X Window System のマニュアルページと、System Accounting ユーティリティがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。
ドイツ語ローカライズパッケージがシステムにインストールされます。
次のプロファイル例は、カスタム JumpStart プログラムが HTTP サーバーからフラッシュアーカイブを取り出すことを示しています。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type flash_install archive_location http://192.168.255.255/flasharchive/solarisarchive partitioning explicit filesys c0t1d0s0 4000 / filesys c0t1d0s1 512 swap filesys c0t1d0s7 free /export/home
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
このプロファイルにより、フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。
フラッシュアーカイブは、HTTP サーバーから取得されます。
partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズはフラッシュアーカイブのサイズに基づいて割り当てています。ルートファイルシステムは c0t1d0s0 にインストールされます。swap は、必要なサイズに設定された上で c0t1d0s1 上にインストールされます。/export/home のサイズは残りのディスク容量に基づいて決定されます。/export/home は c0t1d0s7 にインストールされます。
次のプロファイル例は、カスタム JumpStart プログラムが HTTPS サーバーからフラッシュアーカイブを取り出すことを示しています。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type flash_install archive_location https://192.168.255.255/solarisupdate.flar partitioning explicit filesys c0t1d0s0 4000 / filesys c0t1d0s1 512 swap filesys c0t1d0s7 free /export/home
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
このプロファイルにより、フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。
圧縮されたフラッシュアーカイブが HTTPS サーバーから取得されます。
partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズはフラッシュアーカイブのサイズに基づいて割り当てています。swap は、必要なサイズを割り当てた上で、c0t1d0s1 上にインストールされるように設定しています。/export/home のサイズは残りのディスク容量に基づいて決定されます。/export/home は c0t1d0s7 にインストールされます。
次のプロファイル例は、カスタム JumpStart プログラムが NFS サーバーからフラッシュアーカイブを取り出すことを示しています。flash_update キーワードは、これが差分アーカイブであることを示します。差分アーカイブでは、2 つのシステムイメージの相違部分のみがインストールされます。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type flash_update archive_location nfs installserver:/export/solaris/flasharchive \ /solarisdiffarchive no_master_check
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
このプロファイルは、フラッシュ差分アーカイブをクローンシステムにインストールします。アーカイブで指定されたファイルだけがインストールされます。
フラッシュアーカイブは、NFS サーバーから取得されます。
クローンシステムは、有効なシステムイメージであるかどうかチェックされません。有効なシステムイメージが、元のマスターシステムを使用して構築されているはずです。
次の例では、カスタム JumpStart プログラムが空のブート環境を作成するように、プロファイルが記述されています。空のブート環境には、ファイルシステムは含まれません。また、現在のブート環境からコピーされることもありません。あとでフラッシュアーカイブをこのブート環境に格納し、アクティブにすることができます。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit filesys c0t0d0s0 auto / filesys c0t3d0s1 auto swap filesys any auto usr cluster SUNWCall bootenv createbe bename second_BE \ filesystem /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs \ filesystem -:/dev/dsk/c0t1d0s0:swap \ filesystem /export:shared:ufs |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは、値 auto により選択したソフトウェアに基づいて自動的に設定されて c0t0d0s0 にインストールされます。swap も同様に、必要なサイズに設定された上で c0t3d0s1 上にインストールされます。usr は、値 any により選択したソフトウェアに基づきインストールプログラムによってインストール先が決定されます。
全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。
空の非アクティブブート環境がディスク c0t1d0 上に設定されます。ルート (/)、スワップ、および /export のファイルシステムがそれぞれ作成されますが、空のままです。この 2 番目のブート環境には、あとでフラッシュアーカイブをインストールできます。その後、このブート環境をアクティブにして、オペレーティング環境にすることができます。
キーワード値とその基本的な使用方法については、次の関連情報を参照してください。
キーワード値の説明については、プロファイルキーワードと値を参照してください。
非アクティブブート環境の作成、アップグレード、およびアクティブ化を行うための Solaris Live Upgrade の基本的な使用方法については、第 33 章「Solaris Live Upgrade (概要)」を参照してください。
フラッシュアーカイブの基本的な使用方法については、第 20 章「フラッシュ (概要と計画)」を参照してください。
次の例のプロファイルには、カスタム JumpStart プログラムが Solaris ボリュームマネージャテクノロジを使用してルート (/) ファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成することが示されています。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install cluster SUNWCXall filesys mirror:d30 c0t1d0s0 c0t0d0s0 / filesys c0t0d0s3 512 swap metadb c0t0d0s4 size 8192 count 4 metadb c0t1d0s4 size 8192 count 4 |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
「全体ディストリビューション + OEM」ソフトウェアグループ (SUNWCXall) がシステムにインストールされます。
ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d30 という名前が付けられます。カスタム JumpStart プログラムにより、2 つのサブミラーに名前が割り当てられます。
swap ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s3 にミラー化されます。サイズは 512M バイトです。
4 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t0d0s4 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。
4 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t1d0s4 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。
ミラー化されたファイルシステムをインストール時に作成する方法の概要は、第 10 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (概要)」を参照してください。
ミラー化されたファイルシステムの作成に関するガイドラインと要件については、第 11 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (計画)」を参照してください。
キーワード値の説明については、filesys プロファイルキーワード (ミラー化されたファイルシステムの作成) およびmetadb プロファイルキーワード (状態データベースの複製の作成) を参照してください。
次の例のプロファイルには、カスタム JumpStart プログラムが Solaris ボリュームマネージャテクノロジを使用して、ルート (/)、swap、および /usr ファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成することが示されています。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type initial_install cluster SUNWCXall filesys mirror:d100 c0t1d0s0 c0t0d0s0 200 / filesys c0t1d0s5 500 /var filesys c0t0d0s5 500 filesys mirror c0t0d0s1 512 swap metadb c0t0d0s3 size 8192 count 5 filesys mirror c0t1d0s4 c0t0d0s4 2000 /usr filesys c0t1d0s7 free /export/home filesys c0t0d0s7 free |
この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。
「全体ディストリビューション + OEM」ソフトウェアグループ (SUNWCXall) がシステムにインストールされます。
ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。ルート (/) ファイルシステムのサイズは 200M バイトです。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d100 という名前が付けられます。
/var ファイルシステムがスライス c0t1d0s5 にインストールされます。サイズは 500M バイトです。ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。ルート (/) ファイルシステムのサイズは 200M バイトです。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d100 という名前が付けられます。
swap ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s1 にミラー化されます。サイズは 512M バイトです。カスタム JumpStart プログラムにより、ミラーに名前が割り当てられます。
5 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t0d0s3 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。
/usr ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s4 および c0t0d0s4 にミラー化されます。/usr ファイルシステムのサイズは 2000M バイトになります。カスタム JumpStart プログラムにより、ミラーに名前が割り当てられます。
ミラー化されたファイルシステムをインストール時に作成する方法の概要は、第 10 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (概要)」を参照してください。
ミラー化されたファイルシステムの作成に関するガイドラインと要件については、第 11 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (計画)」を参照してください。
キーワード値の説明については、filesys プロファイルキーワード (ミラー化されたファイルシステムの作成) およびmetadb プロファイルキーワード (状態データベースの複製の作成) を参照してください。