Solaris 9 9/04 オペレーティング環境の概要

デスクトップユーザーを対象にした Solaris 9 の機能

Solaris 9 リリースに含まれるデスクトップの機能拡張は、次のとおりです。

マルチバイトの文字セット用の Xterm 端末エミュレータのサポート

Xterm 端末エミュレータは、マルチバイトの文字セットをサポートするようになりました。この機能により、Xterm ウィンドウを UTF-8 とその他のマルチバイトロケールで使用することができます。Xterm コマンド行とリソースに、X フォントセットを指定するための新しいオプションが組み込まれました。

詳細は、Xterm のマニュアルページを参照してください。

グラフィカル・ワークスペース・マネージャ

グラフィカル・ワークスペース・マネージャは、次の機能を提供します。

表示できるワークスペースの数が 9 つに限られることももうありません。また、「グラフィカル・ワークスペース・マネージャのオプション」ダイアログボックスが追加されたため、さらに多くの表示オプションを設定できます。

詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』「グラフィカル・ワークスペース・マネージャ (GWM)」を参照してください。

ワークスペース・マネージャ

「ワークスペース・マネージャ制御」で、ワークスペースの動作および数の制御にグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) が提供されるようになりました。スライダを使用してワークスペースを追加および削除することができます。また、フロントパネルの「ワークスペース・スイッチ領域 (Workspace Switch Area)」でグラフィカル・ワークスペース・マネージャを表示することもできます。

詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』「ワークスペース・マネージャ」を参照してください。

ウィンドウリスト

ウィンドウリストは、現在動作しているアプリケーションのリストを表示します。ウィンドウリストによって、ユーザーはマウスボタンをクリックするだけで、あらゆるアプリケーションを (ほかのワークスペースにあるものでも) 見つけることができます。また、ウィンドウリストでは選択したアプリケーションのグループに対してまとめてウィンドウアクションを実行することも可能です。「ワークスペース」カラムを表示するかどうかも選択できるようになりました。

詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』「ウィンドウリスト」を参照してください。

省電力 (Energy Star) 規格

X11R6.4 で標準となっている Display Power Management Signaling (DPMS) に、Frame Buffer Power Management (FBPM) が拡張されました。この拡張は、米国政府の Energy Star プログラム要件を満たすために追加されたものです。この機能は、Energy Star 準拠のハードウェアでのみ機能します。

ISO-1 以外のファイルの出力形式

デフォルトでは、dtlp コマンドは、mp コマンドを使用してから lp コマンドに出力を送信します。この機能により、ISO-1 以外の多数の標準テキストファイルを CDE に正確に出力することができます。これと同じフィルタリング効果は、dtmail メールメッセージの出力にも適用されます。

詳細は、mp(1) のマニュアルページを参照してください。

電子メールへの複数ファイルの追加

電子メールに複数のファイルを添付する際に、挿入タグ「メールプログラム - アタッチメント - 追加」ダイアログボックスを開いたままにしておくことができるようになりました。これにより、2 つ以上のファイルを電子メールに追加する場合に、「アタッチメント」メニューから「ファイルの追加」を何度も選択する必要がなくなりました。

メーラーの詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』の第 10 章「メール・プログラムの使い方」を参照してください。

リムーバブルメディア・マネージャ

リムーバブルメディア・マネージャは、リムーバブルデバイスへのアクセスを 1 つのウィンドウで一元管理します。ユーザーはリムーバブルメディア (着脱式媒体) のフォーマット、属性の照会、ディレクトリ構造の表示、および該当する場合は保護とスライスを行うことができます。「リムーバブルメディアの管理」を参照してください。

『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』の第 6 章「リムーバブルメディア・マネージャの使用方法」も参照してください。

オーディオの機能向上

Solaris 9 オペレーティング環境に、オーディオディレクトリが追加されました。アプリケーションのオーディオヘッダーファイル用の新しいディレクトリは、/usr/include/audio です。このオーディオファイル形式には、新しいヘッダーファイル (/usr/include/audio/au.h) と au(4) のマニュアルページが含まれます。

その他のオーディオファイルの新しいデポジトリは、/usr/share/audio ディレクトリです。/usr/demo/SOUND/sounds ディレクトリ内のオーディオファイルは、ここへ移動しました。/usr/demo/SOUNDS/sounds から /usr/share/audio/samples/au へのシンボリックリンクが作成されています。このリンクにより、既存のアプリケーションとスクリプトがエラーを起こさずに動作できるようになります。

信頼性を向上するため、オーディオカーネルモジュールに多数のバグ修正が施されました。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

デスクトップ用フリーウェア

Solaris 9 リリースでの GNU grep 2.4.2GNU tar 1.13GNU wget 1.6、および Ncftp Client 3.0.3 の詳細は、「フリーウェアの機能拡張」を参照してください。