Solaris ボリュームマネージャの管理

トップダウン作成処理

ボリュームのトップダウン作成処理は柔軟で、完全に自動化されたエンドツーエンドの処理と、よりきめ細かでブレークポイントを持つ処理とが可能です (図 241 を参照)。前者の処理では、必要な制約を指定すれば、コマンドの終了時に必要なボリュームが作成されます。後者のブレークポイントでは、XML ベースのファイルを出力できます。

図 241 ボリュームのトップダウン作成のエンドツーエンド処理

metassist の入力には、複数のソースがあります。出力は、ボリューム仕様、コマンドファイル、あるいはボリューム作成に対して行われます。

metassist コマンドは、コマンド行またはファイルからの入力に基づくエンドツーエンドの処理と、システム管理者がファイルベースのデータを指定したりボリューム特性をチェックしたりできる部分処理との、両方をサポートします。

介入が不要な自動ボリューム作成では、コマンド行から必要なサービス品質属性を指定すれば、 metassist コマンドが必要なボリュームを作成してくれます。 次に簡単な例を示します。


# metassist create -s storagepool -S 10Gb 

このコマンドは、ディスクセット storagepool で利用可能な記憶領域を使用して、10G バイトのストライプ方式ボリュームをディスクセット storagepool に作成します。

あるいは、ボリューム要求ファイルにボリュームの特性を定義し、metassist コマンドを実行してこれを実装することもできます。

図 241 でわかるように、システム管理者は、ボリューム仕様ファイルを出力することによって、意図する実装になっているかどうかを確認したり、必要に応じてこのファイルを編集できます。 このボリューム仕様ファイルは以後、metassist コマンドへの入力として使用できます。

図 241 に示すコマンドファイルは、 metassist コマンドで指定した Solaris ボリュームマネージャのデバイス構成を実装するシェルスクリプトです。 システム管理者は、このファイルを使って同じ特性のボリュームを繰り返し作成したり、必要に応じてこのファイルを編集したりすることができます。あるいは、この手順を完全にスキップして、ボリュームを直接、作成することもできます。