Solaris ボリュームマネージャの管理

既知のディスクセットから記憶領域を回復する

Solaris ボリュームマネージャのディスクセットにデバイス ID サポートを導入すると、既知のディスクセットから記憶領域を回復できます。 metaimport コマンドを使用すると、あるシステムから別のシステムに既知のディスクセットをインポートできます。 両方のシステムにおいて、既存の Solaris ボリュームマネージャ構成でデバイス ID がサポートされている必要があります。 デバイス ID サポートの詳細については、「ディスクセット内で非同期的に共有される記憶領域」を参照してください。

ディスクセットをインポートする前に、/kernel/drv/md.conf ファイルにある nmd フィールドの値が、インポートするボリュームの名前空間を含むように設定されていることを確認します。 ディスクセットが持つボリュームの名前が nmd フィールドで設定された範囲外である場合、インポートは失敗します。 nmd フィールドの値をボリュームの名前空間を含むように設定し、システムを再起動してから、インポートを実行します。 たとえば、ディスクセットに d200 という名前のボリュームがある場合、nmd が 128 に設定されていると、インポートは失敗します。このインポートを成功させるには、nmd フィールドの値を少なくとも 201 まで増やす必要があります。 nmd フィールドの値を変更する方法については、「デフォルトのボリューム数を増やすには」を参照してください。

Procedureインポートに利用できるディスクセットのレポートを出力するには

手順
  1. スーパーユーザーになります。

  2. インポートに利用できるディスクセットについてのレポートを取得します。


    # metaimport -r -v
    
    -r

    システム上にあってインポートに利用できる未構成のディスクセットのレポートを提供します。

    -v

    状態データベースの複製の場所についての詳細な情報と、システム上にあってインポートに利用できる未構成のディスクセットのディスクの状態についての詳細な情報を提供します。


例 263 インポートに利用できるディスクセットを報告する

次の例では、インポートに利用できるディスクセットについてのレポートを出力する方法を示します。


# metaimport -r
Drives in diskset including disk c1t2d0:
  c1t2d0
  c1t3d0
  c1t8d0
More info:
  metaimport -r -v c1t2d0
Import:
  metaimport -s newsetname> c1t2d0

# metaimport -r -v c1t2d0
Import: metaimport -s newsetname> c1t2d0
Last update: Mon Dec 29 14:13:35 2003
Device       offset       length replica flags
c1t2d0           16         8192      a        u     
c1t3d0           16         8192      a        u     
c1t8d0           16         8192      a        u     

Procedureあるシステムから別のシステムにディスクセットをインポートするには

手順
  1. スーパーユーザーになります。

  2. ボリューム名が nmd 値の範囲内であるかどうかを確認します。 必要であれば、/kernel/drv/md.conf 内の nmd フィールドを変更します。 nmd フィールドの値を変更する方法については、「デフォルトのボリューム数を増やすには」を参照してください。

  3. ディスクセットがインポートに利用できることを確認します。


    # metaimport -r -v
    
  4. 利用できるディスクセットをインポートします。


    # metaimport -s diskset-name drive-name
    
    - s diskset-name

    作成するディスクセットの名前です。

    drive-name

    インポートするディスクセットの状態データベースの複製を含むディスク (c#t#d#) を指定します。

  5. ディスクセットがインポートされたことを確認します。


    # metaset -s diskset-name
    

例 264 ディスクセットをインポートする

次の例では、ディスクセットをインポートする方法を示します。


# metaimport -s red c1t2d0
Drives in diskset including disk c1t2d0:
  c1t2d0
  c1t3d0
  c1t8d0
More info:
  metaimport -r -v c1t2d0
# metaset -s red


Set name = red, Set number = 1

Host                Owner
  lexicon            Yes

Drive    Dbase

c1t2d0   Yes  

c1t3d0   Yes  

c1t8d0   Yes