一般に、ディスクにラベルを付ける操作は、システムのインストール時、または新しいディスクスライスを作成するときに行います。電源障害などが原因でディスクラベルが破損した場合は、ディスクラベルを作成し直さなければならないことがあります。
format ユーティリティは、ラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。format ユーティリティがラベルの付いていないディスクを自動構成できる場合、次のようなメッセージが表示されます。
c0t0d1: configured with capacity of 4.00GB |
複数のディスクに同じディスクラベルを付ける方法については、「prtvtoc と fmthard コマンドを使用して複数のディスクにラベルを付ける」を参照してください。
次の手順に従って、ディスクに VTOC ラベルを付けることができます。または、サイズが 1T バイトを超えるディスクに EFI ラベルを付けることができます。サイズが 1T バイトに満たないディスクに EFI ラベルを付ける場合は、例 116 を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを起動します。
# format |
画面に表示されるリストから、ラベルを作成したいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number):1 |
次のいずれかを選択します。
Label it now? プロンプトで y と入力して、ディスクにラベルを付けます。
Disk not labeled. Label it now? y |
これでディスクラベルが作成されました。手順 10 に進んで format ユーティリティを終了します。
format> プロンプトで type と入力します。
format> type |
Available Drive Types メニューが表示されます。
ディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
または、0 を選択して SCSI-2 ディスクを自動構成します。詳細については、「SCSI ドライブを自動構成する方法」を参照してください。
ディスクにラベルを付けます。ディスクにラベルが付いていない場合は、次のメッセージが表示されます。
Disk not labeled. Label it now? y |
ディスクラベルが付いている場合は、次のメッセージが表示されます。
Ready to label disk, continue? y |
ディスクラベルを検査します。
format> verify |
format ユーティリティを終了します。
partition> q format> q # |
次の例では、1.05G バイトのディスクを自動構成してラベルを付ける方法を示します。
# format
c1t0d0: configured with capacity of 1002.09MB
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
0. c0t3d0 SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
/iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0
1. c1t0d0 SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
/iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0
Specify disk (enter its number): 1
Disk not labeled. Label it now? yes
format> verify
#
|
次に、format -e コマンドを使って、サイズが 1T バイトに満たないディスクに EFI ラベルを付ける例を示します。階層化されたソフトウェア製品が EFI ラベル付きディスクのシステムでも動作することを確認しておいてください。EFI ラベルの一般的な制限事項については、「EFI ディスクラベルの制限」を参照してください。
# format -e
Searching for disks...done
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
1. c1t0d0 SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@0,0
2. c1t1d0 SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@1,0
3. c1t8d0 SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@8,0
4. c1t9d0 SUNW18g cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
/sbus@2,0/QLGC,isp@2,10000/sd@9,0
Specify disk (enter its number): 4
selecting c1t9d0
[disk formatted]
format> label
[0] SMI Label
[1] EFI Label
Specify Label type[0]: 1
Ready to label disk, continue? yes
format> quit
|
ディスクラベル情報の検査には、prtvtoc コマンドを使用します。ディスクラベルの説明と prtvtoc コマンドで表示される情報については、第10章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
ディスクラベル情報を表示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/device-name |
device-name には、検査する raw ディスクデバイスを指定してください。
次に示すのは、VTOC ラベル付きディスクのディスクラベル情報を表示する例です。
# prtvtoc /dev/rdsk/c0t0d0s0
* /dev/rdsk/c0t0d0s0 partition map
*
* Dimensions:
* 512 bytes/sector
* 63 sectors/track
* 15 tracks/cylinder
* 945 sectors/cylinder
* 8894 cylinders
* 8892 accessible cylinders
*
* Flags:
* 1: unmountable
* 10: read-only
*
* First Sector Last
* Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory
0 2 00 1048950 3381210 4430159 /
1 3 01 0 1048950 1048949
2 5 00 0 8402940 8402939
7 8 00 4430160 3972780 8402939 /export/home
|
次に示すのは、EFI ラベル付きディスクのディスクラベル情報を表示する例です。
# prtvtoc /dev/rdsk/c3t1d0s0
* /dev/rdsk/c3t1d0s0 partition map
*
* Dimensions:
* 512 bytes/sector
* 2479267840 sectors
* 2479267773 accessible sectors
*
* Flags:
* 1: unmountable
* 10: read-only
*
* First Sector Last
* Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory
0 2 00 34 262144 262177
1 3 01 262178 262144 524321
6 4 00 524322 2478727100 2479251421
8 11 00 2479251422 16384 2479267805
|