Sun Java System Message Queue 4.1 リリースノート

第 1 章 Sun Java System Message Queue 4.1 リリースノート

Version 4.1

Part No. 820-3191

このリリースノートには、Sun Java™ System Message Queue 4.1 のリリース時点で得ら れる重要な情報が含まれています。ここでは、新機能、拡張機能、既知の問題、制限事項などについて説明します。Message Queue を使用する前に、このドキュメントをよくお読みください。このリリースノートには、4.0 リリースの Message Queue に関する情報も含まれています。そのリリースで導入された機能については、「Message Queue 4.0 について」を参照してください。

このリリースノートの最新版は、Sun Java System Message Queue ドキュメント Web サイトから入手できます。ソフトウェアをインストールおよび設定する前だけでなく、それ以降も定期的にこの Web サイトをチェックして、最新のリリースノートと製品マニュアルを確認してください。

このリリースノートは、次の節で構成されています。

このマニュアル内で参照している第三者の URL は、追加の関連情報を提供します。

このマニュアル内で引用する第三者の Web サイトの可用性について Sun は責任を負いません。こうしたサイトやリソース上の、またはこれらを通じて利用可能な、コンテンツ、広告、製品、その他の素材について、Sun は推奨しているわけではなく、Sun はいかなる責任も負いません。こうしたサイトやリソース上の、またはこれらを経由して利用可能な、コンテンツ、製品、サービスを利用または信頼したことに伴って発生した (あるいは発生したと主張される) いかなる損害や損失についても、Sun は一切の責任を負いません。

リリースノートの変更履歴

次の表は、Message Queue 製品のすべての 4.x リリースの日付と、各リリースに関連する主な変更内容を示しています。

表 1–1 変更履歴

日付 

変更点 

2006 年 5 月 

Message Queue version 4.0 のこのマニュアルの初回リリース。 

2007 年 1 月 

Message Queue Beta versio 4.1 のこのマニュアルの初回リリース。JAAS サポートの説明が追加されています。 

2007 年 4 月 

Message Queue Beta versio 4.1 のこのマニュアルの 2 番目のリリース。高可用性の機能が追加されています。 

2007 年 9 月 

顧客の利便を考慮した、このマニュアルの 3 番目のリリース。Java Enterprise System Monitoring Framework のサポート、固定 C ポート、バグ修正、およびその他の機能に関する説明が追加されています。 

Message Queue 4.1 について

Sun Java System Message Queue は、多くの機能を備えるメッセージサービスで、Java Messaging Specification (JMS) 1.1 に準拠する信頼性の高い非同期メッセージングを提供します。Message Queue では、JMS 仕様を超える機能も用意され大規模企業のシステム配備のニーズにも対応できるようになっています。

Message Queue の Version 4.1 では、高可用性、JASS (Java Authentication and Authorization Service)、固定 C ポートの使用、および Java Enterprise System Monitoring Framework のサポートが追加されています。また、いくつかの小さな機能拡張とバグ修正も追加されています。この節の構成は次のとおりです。

Message Queue 4.0 で導入された機能については、「Message Queue 4.0 について」を参照してください。

この 4.1 リリースでの新機能

Message Queue 4.1 では、高可用性 (データおよびサービスの可用性) ブローカクラスタ、JAAS サポート、およびその他のさまざまな小機能が導入されています。この節では、これらの機能について説明し、参考資料も示します。

高可用性

Message Queue 4.1 では、データの可用性とサービスの可用性を提供する高可用性クラスタが導入されています。クライアントが高可用性ブローカへの接続を失った場合は、自動的にクラスタ内の別のブローカに再接続されます。新しい接続を提供するブローカは、障害が発生したブローカの持続データと持続状態を継承し、障害が発生したブローカのクライアントに中断することなくサービスの提供を続けます。高可用性ブローカは、セキュリティー保護された接続を介して実行できます。

高可用性ブローカでは、高可用性データベース (HADB) を使用する必要があります。そのようなデータベースがない場合、またはデータの可用性が重要でない場合は、自動再接続とサービスの可用性を提供する従来のクラスタを引き続き使用できます。

高可用性ブローカの設定は簡単です。クラスタ内のブローカごとに次の種類のブローカプロパティーを指定します。

この機能を使用するには、次の操作を実行する必要があります。

  1. 高可用性データベースをインストールします。

  2. JDBC ドライバの .jar ファイルをインストールします。

  3. 高可用性持続ストア用のデータベーススキーマを作成します。

  4. クラスタ内のブローカごとに、高可用性に関連したプロパティーを設定します。

  5. クラスタ内の各ブローカを起動します。

高可用性の概念に関する説明、および従来のクラスタとの比較については、『Sun Java System Message Queue 4.1 Technical Overview』の第 4 章「Broker Clusters」を参照してください。高可用性の手続きおよび参照に関する情報については、『Sun Java System Message Queue 4.1 Administration Guide』の第 8 章「Broker Clusters」および 『Sun Java System Message Queue 4.1 Administration Guide』「Cluster Configuration Properties」を参照してください。

Message Queue version 4.0 で HADB データベースを使用していた場合、高可用性クラスタを使用するには、dbmgr ユーティリティーを使用して共有 HADB ストアにアップグレードできます。詳細は、「ブローカクラスタ」を参照してください。

JAAS サポート

Message Queue では、ファイルベースおよび LDAP ベースの組み込み認証機構に加えて、JAAS (Java Authentication and Authorization Service) もサポートしています。JAAS を使用すると、さまざまなサービスをブローカに接続して Message Queue クライアントを認証できます。この節では、ブローカによって JAAS 準拠の認証サービスで利用可能になる情報について説明し、それらのサービスを使用するようにブローカを設定する方法についても説明します。

JAAS API についての説明は、このマニュアルの対象範囲ではありません。詳細を知る必要がある場合は、次の資料を参照してください。

JAAS API は J2SE のコア API であるため、Message Queue の実行環境の必須部分です。JAAS は、アプリケーションと認証機構の間の抽象化層を定義し、アプリケーションコードを変更せずに目的の機構をプラグインできるようにします。Message Queue サービスの場合、抽象化層はブローカ (アプリケーション) と認証プロバイダの間にあります。いくつかのブローカプロパティーを設定することで、JAAS 準拠の任意の認証サービスに接続して、ブローカコードを中断または変更せずにそのサービスをアップグレードできます。

JAAS 準拠の認証を使用している場合は、JMX クライアントを使用してブローカを管理できますが、ブローカを起動する前に手動で JAAS サポートを設定する必要があります (JAAS 関連のブローカプロパティーを設定することで行う)。JMX API を使用してこれらのプロパティーを変更することはできません。

JAAS の要素

図 1–1 に、JAAS の基本要素である JAAS クライアント、JAAS 準拠の認証サービス、および JAAS 設定ファイルを示します。

図 1–1 JAAS 要素

この図は、JAAS 準拠の認証に必要な要素を示しています。図を紹介するテキストは、その図の内容を説明しています。

次の節では、Message Queue サービスがこれらの要素を使用して JAAS 準拠の認証を提供する方法について説明します。

JAAS と Message Queue

次の図に、Message Queue ブローカが JAAS を使用する方法を示します。この図は、前の図に示した JAAS モデルのより複雑な実装を示しています。

図 1–2 Message Queue が JAAS を使用する方法

この図は、JAAS 準拠の認証を Message Queue で使用する方法を示しています。図に伴うテキストは、その図の内容を説明しています。

簡単な方の事例に示されているように、認証サービス層はブローカとは別になっています。認証サービスは、1 つ以上のログインモジュール (LoginModule) と、必要に応じて追加する認証モジュールで構成されます。ログインモジュールは、ブローカと同じ Java 仮想マシンで実行されます。Message Queue ブローカは、ログインモジュールに対して LogInContext として表現され、ブローカ実行時コードの一部である CallBackHandler によってログインモジュールと通信します。

認証サービスは、ログインモジュールのエントリを含む JAAS 設定ファイルも提供します。設定ファイルは、モジュールを使用する順序、およびモジュールの使用に関する一部の条件を指定します。ブローカが起動すると、JAAS は Java システムプロパティー java.security.auth.login.config または Java セキュリティープロパティーファイルによって設定ファイルを検出します。次に、JAAS は、ブローカプロパティー imq.user_repository.jaas.name の値に応じて、JAAS 設定ファイル内のエントリを選択します。そのエントリは、認証に使用するログインモジュールを指定します。図に示すように、ブローカは複数のログインモジュールを使用できます。(設定ファイル、ログインモジュール、およびブローカの関係は、図 1–3 に示されています。)

ブローカが JAAS プラグイン認証サービスを使用するという事実は、Message Queue クライアントに対して完全に透明なままです。クライアントは引き続き以前と同じようにブローカに接続し、ユーザー名とパスワードを渡します。同様に、ブローカはコールバックハンドラを使用してこの情報を認証サービスに渡し、認証サービスはその情報を使用してユーザーを認証し、結果を返します。認証に成功した場合、ブローカは接続を許可します。認証に失敗した場合、クライアントランタイムはクライアントが処理する必要のある JMS セキュリティー例外を返します。

Message Queue クライアントの認証後に、さらに行うべき承認がある場合、ブローカは通常どおり続行されます。ブローカはアクセス制御ファイルを参照し、認証されたクライアントが引き受けるアクションを実行することを承認するかどうかを決定します。それらのアクションには、送信先へのアクセス、メッセージの消費、キューの表示などがあります。

JAAS 準拠の認証の設定

JAAS 準拠の認証の設定には、ブローカおよびシステムプロパティーを設定して、このタイプの認証を選択し、設定ファイルの場所を指定し、使用するログインモジュールのエントリを指定することが関係します。

この節では、JAAS クライアント、ログインモジュール、および JAAS 設定ファイルの関係を図で示し、次に JAAS 準拠の認証の設定に必要なプロセスについて説明します。次の図に、設定ファイル、ログインモジュール、およびブローカの関係を示します。

図 1–3 JAAS サポートの設定

この図は、JAAS 関連のファイル間の関係を示しています。図に伴うテキストは、その図の内容を説明しています。

図に示すように、JAAS 設定ファイル MyJAASCFile.config には、エントリポイントにグループ化されたいくつかのログインモジュールへの参照が含まれています。ブローカは、Java システムプロパティー java.security.auth.login.config または Java セキュリティープロパティーファイルを参照することで、設定ファイルを検出します。使用するログインモジュールは、ブローカプロパティー imq.user_repository.jaas.name を参照することで決定されます。このブローカプロパティーは、設定ファイル内の目的のエントリを指定します。これらのモジュールのためのクラスは、lib/ext ディレクトリにあります。

Message Queue 用の JAAS サポートを設定するには、次の手順を完了する必要があります。(開発環境では、これらの手順はすべて開発者が実行する場合があります。本稼働環境では、管理者がこれらのタスクの一部を引き継ぐことになります。)

  1. 認証サービスを実装する 1 つ以上のログインモジュールクラスを作成します。ブローカがサポートする JAAS コールバックのタイプを下に一覧表示します。

    javax.security.auth.callback.LanguageCallback

    ブローカはこのコールバックを使用して、ブローカが動作しているロケールを認証サービスに渡します。この値は、ローカリゼーションに使用できます。

    javax.security.auth.callback.NameCallback

    ブローカはこのコールバックを使用して、接続の要求時に Message Queue クライアントによって指定されたユーザー名を認証サービスに渡します。

    javax.security.auth.callback.TextInputCallback

    ブローカはこのコールバックを使用して、TextInputCallback.getPrompt()imq.authentication.type のときに、imq.authentication.type の値を認証サービスに指定します。現在、このフィールドで唯一可能な値は basic です。これは Base-64 パスワードエンコーディングを示しています。

    javax.security.auth.callback.PasswordCallback

    ブローカはこのコールバックを使用して、接続の要求時に Message Queue クライアントによって指定されたパスワードを認証サービスに渡します。

    javax.security.auth.callback.TextOutputCallback

    ブローカはこのコールバックを使用して、テキスト出力をブローカのログファイルに記録することで、認証サービスにログサービスを提供します。コールバックの MessageType ERRORINFORMATIONWARNING はそれぞれ、ブローカログレベル ERRORINFO、および WARNING にマップされます。

  2. ログインモジュールクラスを参照するエントリを持つ JAAS 設定ファイルを作成し、このファイルの場所を Message Queue 管理者に指定します。(このファイルはリモートから検出でき、その場所を URL で指定できます。)

  3. JAAS 設定ファイル内のエントリ (ログイン実装クラスを参照する) の名前を書き留めます。

  4. ログインモジュールを実装するクラスを jar ファイルに保存し、その jar ファイルを Message Queue の lib/ext ディレクトリに配置します。

  5. JAAS サポートに関連したブローカプロパティーを設定します。この点については、表 1–2 で説明しています。

  6. 次のシステムプロパティーを設定して、JAAS 設定ファイルの場所を指定します。

    java.security.auth.login.config= JAAS_Config_File_Location

    たとえば、ブローカを起動するときに設定ファイルを指定できます。

    imqbrokerd -Djava.security.auth.login.config=JAAS_Config_File_Location

    JAAS 設定ファイルの場所を指定する方法はほかにもあります。追加の情報については、次を参照してください。

    http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/guide/security/jaas/tutorials/LoginConfigFile.html

次の表に、JAAS サポートの設定に必要なブローカプロパティーの一覧を示します。

表 1–2 JAAS サポートのためのブローカプロパティー

プロパティー 

説明 

imq.authentication.type

basic に設定して、Base-64 パスワードエンコーディングを指定します。これは、JAAS 認証用に許可される唯一の値です。

imq.authentication.basic.user_repository

jaas に設定して、JAAS 認証を指定します。

imq.accesscontrol.type

file に設定します。

imq.user_repository.jaas.name

認証機構として使用するログインモジュールを参照する目的のエントリ (JAAS 設定ファイル内) の名前に設定します。これは、手順 3 で書き留めた名前です。

imq.user_repository.jaas.userPrincipalClass

Message Queue のアクセス制御で使用されるこのプロパティーは、Message Queue のアクセス制御ファイルでユーザーエンティティーを表現する主体名の抽出にブローカが使用するログインモジュールで java.security.Principal 実装クラスを指定します。このプロパティーが指定されていない場合は、接続の要求をしたときに Message Queue クライアントから渡されたユーザー名が代わりに使用されます。

imq.user_repository.jaas.groupPrincipalClass

Message Queue のアクセス制御で使用されるこのプロパティーは、Message Queue のアクセス制御ファイルでグループエンティティーを表現する主体名の抽出にブローカが使用するログインモジュールで java.security.Principal 実装クラスを指定します。このプロパティーが指定されていない場合は、Message Queue のアクセス制御ファイル内のグループ規則 (存在する場合) は無視されます。

持続ストアの形式の変更

Message Queue の Version 4.1 では、JDBC ストアは高可用性をサポートするように変更されています。この理由で、JDBC ストアのバージョンは 410 に増えています。JDBC ストアのバージョン 350、370、および 400 は、自動的に 410 バージョンの形式に移行されます。

ファイルベースの持続ストアのバージョンは、何も変更がないので、370 のままです。

ブローカの設定

プロパティー IMQ_DEFAULT_EXT_JARSimqenv.conf ファイルに追加されました。このプロパティーを設定して、ブローカが起動するときに CLASSPATH に含まれる外部 .jar ファイルのパス名を指定できます。このプロパティーを使用して外部 .jar ファイルの場所を指定した場合は、これらのファイルを lib/ext ディレクトリにコピーする必要はなくなります。外部 jar は、JDBC ドライバまたは JAAS ログインモジュールを参照できます。次のサンプルコマンドは、JDBC ドライバの場所を指定します。

IMQ_DEFAULT_EXT_JARS=/opt/SUNWhadb4/lib/hadbjdbc4.jar:/opt/SUNWjavadb/derby.jar

JES Monitoring Framework のサポート

Message Queue は、Sun Java Enterprise System (JES) Monitoring Framework をサポートしています。この Monitoring Framework は、一般的なグラフィカルインタフェースを使用して Java Enterprise System コンポーネントを監視できるようにします。このインタフェースは、Sun Java System Monitoring Console と呼ばれる Web ベースのコンソールによって実装されます。ほかの JES コンポーネントと一緒に Message Queue を実行している場合は、1 つのインタフェースを使用してこれらすべてのコンポーネントを管理するほうが便利なことがあります。

JES Monitoring Framework は、すべての JES コンポーネント製品で使用する共通データモデル (CMM) を定義します。このモデルにより、すべての JES コンポーネントを集中管理の単一形式で表示できます。Message Queue は、次のオブジェクトを JES Monitoring Framework に明示します。

これらの各オブジェクトは CMM オブジェクトにマップされ、その属性は JES 監視コンソールを使用して監視できます。管理者は、実行時にコンソールを使用してパフォーマンス統計を表示したり、自動的に監視する規則を作成したり、アラームを確認したりできます。Message Queue オブジェクトから CMM オブジェクトへのマッピングの詳細は、『Sun Java Enterprise System 監視ガイド』を参照してください。

JES 監視を有効にするには、次の操作を実行する必要があります。

  1. Sun Java Enterprise System インストールガイド』に記載されている手順に従って、配備中のすべてのコンポーネント (Message Queue およびその他のコンポーネント) をインストールおよび設定します。

  2. Sun Java Enterprise System 監視ガイド』の説明に従って、監視対象のすべてのコンポーネントに対して Monitoring Framework を有効にして設定します。

  3. Sun Java Enterprise System 監視ガイド』の説明に従って、別のホストに Monitoring Console をインストールし、マスターエージェントを起動してから、Web サーバーを起動します。

JES Monitoring Framework を使用しても、ブローカのパフォーマンスには影響しません。メトリックスの収集作業はすべて Monitoring Framework によって行われ、データはブローカの既存の監視データインフラストラクチャーから取得されるためです。

トランザクションの管理

以前は、管理上、PREPARED 状態のトランザクションだけをロールバックすることができました。つまり、分散トランザクションの一部であるセッションが正常に終了しなかった場合、そのトランザクションは、ブローカ管理者がクリーンアップできない状態のままになりました。Message Queue 4.1 では、imqcmd ユーティリティーを使用して、STARTED FAILEDINCOMPLETECOMPLETE PREPARED の状態にあるトランザクションをクリーンアップ (ロールバック) できます。

特定のトランザクションがロールバックできるかどうか (特に、PREPARED 状態でない場合) の判別に役立つように、imqcmd ユーティリティーは、追加のデータを imqcmd query txn 出力の一部として提供します。このデータは、そのトランザクションを開始した接続のコネクション ID を提供し、トランザクションが作成された時間を示します。管理者は、この情報を使用して、トランザクションをロールバックする必要があるかどうかを決定できます。一般に、管理者は早計にトランザクションをロールバックすることを避けるとよいでしょう。

C クライアント接続の固定ポート

C クライアントは、MQ_SERVICE_PORT_PROPERTY 接続プロパティーを使用して、接続先の固定ポートを指定できます。これは、ファイアウォールを通過しようとしている場合、またはブローカのポートマッパーサービス (動的にポートを割り当てる) をバイパスする必要がある場合に便利なことがあります。

ブローカ側でも JMS サービスポートを設定する必要があることを忘れないでください。たとえば、ssljms を介してクライアントをポート 1756 に接続する場合は、次のように操作します。


注 –

MQ_SERVICE_PORT_PROPERTY 接続プロパティーは、Message Queue の version 3.7 Update 2 で導入されました。


ハードウェアとソフトウェアの要件

Version 4.1 のハードウェアとソフトウェアの要件については、『Sun Java System Message Queue 4.1 Installation Guide』を参照してください。

Message Queue 4.0 について

Message Queue 4.0 は、Application Server 9 PE のサポートに限定されたリリースです。マイナーリリースには、いくつかの新機能と機能拡張、およびバグ修正が含まれています。この節の構成は次のとおりです。

4.0 リリースでの新機能

Message Queue 4.0 に含まれる新機能は次のとおりです。

以降の節で、これらの機能について説明しています。


注意 – 注意 –

version 4.0 には、軽度とはいえ、状況によって十分な対応が必要になる変更が導入されています。その 1 つとして、パスワードを指定するコマンド行オプションが使用されなくなったことが挙げられます。今後は、「使用されなくなったパスワードオプション」で説明するように、すべてのパスワードをファイルに保存する必要があります。


C API および C クライアントランタイムのインタフェースの変更

Message Queue の Version 4.0 では、デッドメッセージキューに配置されたすべてのメッセージで設定される 2 つの新しいプロパティーが追加されています。

Java API および Java クライアントランタイムのインタフェースの変更

Message Queue の Version 4.0 では、デッドメッセージキューに配置されたすべてのメッセージに設定される 2 つの新しいプロパティーが追加されています。

持続ストアに関する情報の表示

imqdbmgr コマンドに query サブコマンドが追加されました。このサブコマンドは、持続ストアの情報 (ストアバージョン、データベースユーザー、データベーステーブルが作成されたかどうかなど) を表示するために使用します。

次に、このコマンドによって表示される情報の例を示します。


imqdbmgr query

[04/Oct/2005:15:30:20 PDT] Using plugged-in persistent store:
        version=400
        brokerid=Mozart1756
        database connection url=jdbc:oracle:thin:@Xhome:1521:mqdb
        database user=scott
Running in standalone mode.
Database tables have already been created.

持続ストアの形式の変更

Message Queue の Version 3.7 UR1 では、パフォーマンスを向上するために持続ストアの形式に 2 つの変更が加えられました。1 つはファイルストアに対する変更で、もう 1 つは JDBC ストアに対する変更です。

これらの変更がストアの互換性にも影響し、Message Queue version 3.7 UR1 では、ファイルストアと JDBC ストアの両方のストアバージョンが 350 から 370 に変更されました。

Message Queue version 4.0 では、最適化と将来の機能拡張をサポートするために、JDBC ストアが変更されました。このため、JDBC ストアのバージョンが 400 になりました。ただし Version 4.0 では、ファイルベースの持続ストアには変更が行われていないため、このファイルストアのバージョンは 370 のままです。

Message Queue 4.0 は、ファイルベースの持続ストアと JDBC の持続ストアの最新バージョンへの持続ストアの自動変換をサポートしています。imqbrokerd を最初に起動したときに、ユーティリティーが古いバージョンのストアを検出した場合、古いストアはそのままで、ストアを新しい形式に移行します。

このアップグレードをロールバックする必要のある場合は、Message Queue 4.0 をいったんアンインストールして、以前実行していたバージョンを再インストールします。ストアの古いコピーはそのまま残っているので、ブローカはストアの古いコピーを実行できます。

ブローカ管理

コマンドユーティリティー (imqcmd) に、サブコマンドといくつかのオプションが追加されました。管理者はこれらを使用して、ブローカを休止したり、指定した間隔の後でブローカをシャットダウンしたり、接続を破棄したり、Java システムのプロパティー (たとえば、コネクション関連のプロパティー) を設定したりできます。

imqcmd コマンドの構文の詳細は、『Sun Java System Message Queue 4.1 Administration Guide』の第 13 章「Command Line Reference」を参照してください。

JDBC 持続サポート

Apache Derby Version 10.1.1 が、JDBC 準拠の持続ストアプロバイダとしてサポートされるようになりました。

SSL サポート

release 4.0 から、クライアントコネクションファクトリのプロパティー imqSSLIsHostTrusted のデフォルト値が false になりました。使用しているアプリケーションが以前のデフォルト値の true に依存している場合は、再設定を行い、プロパティーを明示的に true に設定する必要があります。

ブローカが自己署名付き証明書を使用するように設定されているときは、ホストを信頼することもできます。この場合、接続で SSL ベースの接続サービスを使用するように指定する (imqConnectionType プロパティーを使用する) ことに加えて、imqSSLIsHostTrusted プロパティーを true に設定することをお勧めします。

たとえば、ブローカが自己署名付き証明書を使用するときに安全にクライアントアプリケーションを実行するには、次のようなコマンドを使用します。

java -DimqConnectionType=TLS 
      -DimqSSLIsHostTrusted=true <ClientAppName>

ブローカが自己署名付き証明書を使用するときに安全に管理ツール imqcmd を実行するには、次のようなコマンドを使用します。

imqcmd list svc -secure -DimqSSLIsHostTrusted=true

JMX サポート

Java Management Extensions (JMX) 仕様に準拠して、Message Queue ブローカを設定および監視するための新しい API が追加されました。この API を使用すると、Message Queue クライアントアプリケーション内部からプログラムによってブローカ関数を設定および監視することができます。以前のバージョンの Message Queue では、これらの関数にはコマンド行または管理コンソールからしかアクセスできませんでした。

この API は、一連の JMX Managed Bean (MBean) によって設定されており、次の Message Queue 関連のリソースを管理します。

これらの MBean によって、基礎となるリソースの状態を、同期をとりながらポーリングおよび操作するための属性操作が設定されます。また、状態が変更されたときに、クライアントアプリケーションが非同期で待機して応答できるようにする通知も設定されます。JMX API を使用して、クライアントアプリケーションは次のようなタスクを設定および監視することができます。

JMX API の紹介と詳細情報については、『Sun Java System Message Queue 4.1 Developer’s Guide for JMX Clients』を参照してください。

ブローカサポート: JMX 関連のプロパティー

JMX API をサポートするために、いくつかの新しいブローカプロパティーが追加されました (表 1–3 を参照)。これらのプロパティーはいずれも Message Queue コマンドユーティリティー (imqcmd) によるコマンド行からは設定できません。その代わりに、ブローカユーティリティー (imqbrokerd) の -D オプションを使用するか、ブローカのインスタンス設定ファイル ( config.properties) を手作業で編集することで設定できます。さらに、これらのプロパティーのいくつか (imq.jmx.rmiregistry.start imq.jmx.rmiregistry.use imq.jmx.rmiregistry.port) は、表 1–4 に示されている新しいブローカユーティリティーオプションを使用して設定できます。次の表は、各オプションとその型、それぞれの使用方法について示しています。

表 1–3 JMX サポートのための新しいブローカプロパティー

プロパティー 

型 

説明 

imq.jmx.rmiregistry.start

ブール型

ブローカの起動時に RMI レジストリを起動するかどうかを指定します。

true の場合、ブローカは imq.jmx.rmiregistry.port によって指定されたポートで RMI レジストリを起動し、これを使用して JMX コネクタ用の RMI スタブを格納します。この場合、imq.jmx.rmiregistry.use の値は無視されます。

デフォルト値 : false

imq.jmx.rmiregistry.use

ブール型

外部の RMI レジストリを使用するかどうかを指定します。

imq.jmx.rmiregistry.start false の場合のみ適用されます。

true の場合、ブローカは imq.jmx.rmiregistry.port によって指定されたポートで外部の RMI レジストリを使用し、JMX コネクタ用の RMI スタブを格納します。この外部の RMI レジストリは、ブローカの起動時にすでに実行されている必要があります。

デフォルト値 : false

imq.jmx.rmiregistry.port

整数

RMI レジストリのポート番号

imq.jmx.rmiregistry.start または imq.jmx.rmiregistry.use true の場合のみ適用されます。このポート番号を JMX サービス URL の URL パスに追加することによって、JMX コネクタが RMI レジストリを使用するように設定できます。

デフォルト値 : 1099

imq.jmx.connector.list

文字列

事前設定された JMX コネクタの名前。コンマで区切られます。

デフォルト値 : jmxrmi,ssljmxrmi

imq.jmx.connector.activelist

文字列

ブローカの起動時にアクティブになる JMX コネクタの名前。コンマで区切られます。

デフォルト値 : jmxrmi

imq.jmx.connector.connectorName .urlpath

文字列

コネクタ connectorName の、JMX サービス URL の urlPath コンポーネント

JMX サービス URL パスが明示的に指定されている場合 (共有の外部 RMI レジストリが使用されている場合など) に有効です。

デフォルト値 : JMX コネクタ用の RMI スタブを格納するために RMI レジストリが使用されている場合 (つまり imq.jmx.registry.start または imq.jmx.registry.usetrue の場合)

   /jndi/rmi://brokerHost:rmiPort
      /brokerHost/brokerPort/connectorName

RMI レジストリが使用されていない場合 (デフォルトの場合。つまり、 imq.jmx.registry.start imq.jmx.registry.use の両方が false の場合):

   /stub/rmiStub

ここで rmiStub は、RMI スタブそのものをエンコードおよび直列化した表現です。

 

imq.jmx.connector.connectorName .useSSL

ブール型

コネクタ connectorName に Secure Socket Layer (SSL) を使用するかどうかを指定します。

デフォルト値 : false

imq.jmx.connector.connectorName .brokerHostTrusted

ブール型

コネクタ connectorName のブローカによって提示された任意の証明書を信頼するかどうかを指定します。

imq.jmx.connector. connectorName.useSSL true の場合のみ適用されます。

false の場合、Message Queue クライアントランタイムは提示されたすべての証明書を検証します。証明書の署名者がクライアントのトラストストア内に存在しない場合、検証は失敗します。

true の場合、証明書の検証はスキップされます。これは、ソフトウェアのテスト中で自己署名した証明書が使用されている場合などに便利です。

デフォルト値 : false

imq.jmx.connector.list プロパティーは、ブローカの起動時に作成される一連の名前付き JMX コネクタを定義します。imq.jmx.connector.activelist では、これらの中でアクティブにするものを指定します。名前付きのコネクタには、それぞれ独自のプロパティーセットがあります。

imq.jmx.connector.connectorName .urlpath

imq.jmx.connector.connectorName .useSSL

imq.jmx.connector.connectorName .brokerHostTrusted

デフォルトでは、 jmxrmi および ssljmxrmi という名前の 2 つの JMX コネクタが作成されます。前者は SSL 暗号化を使用しないように設定 (imq.jmx.connector.jmxrmi.useSSL = false) され、後者は使用するように設定 (imq.jmx.connector.ssljmxrmi.useSSL = true) されています。デフォルトでは、ブローカの起動時には jmxrmi コネクタのみがアクティブになります。通信のセキュリティー保護のために ssljmxrmi コネクタをアクティブにする方法については、「JMX クライアント用の SSL サポート」を参照してください。

使いやすくするために、コマンド行のブローカユーティリティー (imqbrokerd) にも、RMI レジストリの使用方法、起動、ポートを制御するための新しいオプション (表 1–4) が追加されています。これらのオプションの使用方法と効果は、表 1–3 に示されているブローカプロパティーの中の対応するものと同じです。次の表では、各オプションとともに対応するブローカプロパティーを示し、その使用方法についても説明します。

表 1–4 JMX サポートのための新しいブローカユーティリティーオプション

オプション 

対応するブローカプロパティー 

説明 

-startRmiRegistry

imq.jmx.rmiregistry.start

ブローカの起動時に RMI レジストリを起動するかどうかを指定します。

-useRmiRegistry

imq.jmx.rmiregistry.use

外部の RMI レジストリを使用するかどうかを指定します。

-rmiRegistryPort

imq.jmx.rmiregistry.port

RMI レジストリのポート番号

ブローカの起動時に作成および起動される JMX コネクタの JMX サービス URL を表示するために、コマンド行のコマンドユーティリティー (imqcmd) に新しいサブコマンド (表 1–5) が追加されました。この情報は、JMX コネクタを取得するために Message Queue の簡易クラス AdminConnectionFactory を使用しない JMX クライアントにとって必要になります。また、Java Monitoring and Management Console ( jconsole) などの汎用の JMX ブラウザを介して Message Queue を管理または監視するために使用することもできます。

表 1–5 新しいコマンドユーティリティーのサブコマンド

サブコマンド 

説明 

list jmx

JMX コネクタの JMX サービス URL を表示します

JMX クライアント用の SSL サポート

これまでに説明したように、Message Queue のメッセージブローカは、デフォルトでは、事前に設定済みの JMX コネクタ jmxrmi を使用して、セキュリティー保護されていない通信用に設定されています。通信のセキュリティー保護のために SSL (Secure Socket Layer) を使用する必要のあるアプリケーションでは、代わりにセキュリティー保護された JMX コネクタである ssljmxrmi をアクティブにする必要があります。このためには次の手順を実行する必要があります。

  1. Message Queue 管理ガイド』に示されている ssljmsssladmin、または cluster 接続サービスと同じ方法で、署名済みの証明書を取得およびインストールします。

  2. 必要に応じて、ルート CA 証明書をトラストストア内にインストールします。

  3. ブローカの起動時にアクティブになるように、JMX コネクタのリストに ssljmxrmi コネクタを追加します。

    imq.jmx.connector.activelist=jmxrmi,ssljmxrmi

  4. Message Queue ブローカユーティリティー (imqbrokerd) をパスワードファイル内のキーストアパスワードに渡すか、プロンプト表示されるコマンド行から入力して、ブローカを起動します。

  5. デフォルトでは、ssljmxrmi コネクタ、またはその他の SSL ベースのコネクタ は、提示されるすべてのブローカ SSL 証明書を検証するように設定されています。この検証を回避する場合、ソフトウェアのテスト中で自己署名の証明書を使用している場合などは、ブローカプロパティー imq.jmx.connector.ssljmxrmi.brokerHostTrusted true に設定します。

クライアント側では、ssljmxrmi を優先コネクタとして指定した URL を使用して管理者のコネクションファクトリ (AdminConnectionFactory ) を設定する必要があります。

AdminConnectionFactory  acf = new AdminConnectionFactory();
acf.setProperty(AdminConnectionConfiguration.imqAddress, "mq://myhost:7676/ssljmxrmi");

必要に応じて、システムプロパティー javax.net.ssl.trustStore および javax.net.ssl.trustStorePassword を使用して、JMX クライアントをトラストストアにポイントします。

クライアントランタイムログ

この節では、Message Queue 4.0 による接続のクライアントランタイムログのサポートと、セッション関連のイベントについて説明します。

JDK 1.4 以上には、java.util.logging ライブラリが含まれています。このライブラリは、アプリケーション固有のログに使用される標準のロガーインタフェースを実装しています。

Message Queue のクライアントランタイムは Java Logging API を使用してログ機能を実装します。ログ活動を設定するために、すべての J2SE 1.4 ロギング機能を使用できます。たとえば、Message Queue クライアントランタイムがログ情報を出力する方法を設定するために、アプリケーションは次の Java ロギング機能を使用することができます。

Java Logging API の詳細は、http://java.sun.com/javase/ja/6/docs/ja/technotes/guides/logging/overview.html にある Java ロギングの概要を参照してください。

ログの名前空間、レベル、活動

Message Queue プロバイダは、ログレベルやログ活動に関連付けて一連のログの名前空間を定義します。Message Queue クライアントは、ログ設定が適切であれば、この名前空間を使用して接続やセッションイベントをログに記録することができます。

Message Queue クライアントランタイムのルートのログ名前空間は、javax.jms と定義されます。Message Queue クライアントランタイム内のすべてのロガーが、この名前を親の名前空間として使用します。

Message Queue クライアントランタイムに使用されるログレベルは、java.util.logging.Level クラス内で定義されるものと同じです。このクラスでは、7 つの標準ログレベルと、ログのオン/オフに使用できる 2 つの追加設定が定義されます。

OFF

ログをオフにします。

SEVERE

優先順位が最高である最高値。アプリケーションで定義します。

WARNING

アプリケーションで定義します。

INFO

アプリケーションで定義します。

CONFIG

アプリケーションで定義します。

FINE

アプリケーションで定義します。

FINER

アプリケーションで定義します。

FINEST

優先順位が最低である最低値。アプリケーションで定義します。

ALL

すべてのメッセージのログを有効にします。

一般に、Message Queue クライアントランタイム内で発生した例外やエラーは、名前空間 javax.jms を使用するロガーによってログ記録されます。

以下の表は、JMS コネクションとセッションについて、ログ記録できるイベントとログイベントに対して設定する必要のあるログレベルを示しています。

次の表は、コネクションのログレベルとイベントについて示したものです。

表 1–6 名前空間 javax.jms.connection のログレベルとイベント

ログレベル 

イベント 

FINE

接続が作成されました 

FINE

接続が起動しました 

FINE

接続が閉じました 

FINE

接続が破棄されました 

FINE

再接続されました 

FINER

その他の接続アクティビティー (setClientID など)

FINEST

メッセージ、通知、Message Queue アクション、制御メッセージ (トランザクションのコミットなど) 

セッションの場合、次の情報がログレコードに記録されます。

次の表は、セッションのログレベルとイベントについて示したものです。

表 1–7 名前空間 javax.jms.session のログレベルとイベント

ログレベル 

イベント 

FINE

セッションが作成されました 

FINE

セッションが閉じました 

FINE

プロデューサが作成されました 

FINE

コンシューマが作成されました 

FINE

送信先が作成されました 

FINER

その他のセッションアクティビティー (セッションのコミットなど)。 

FINEST

メッセージがプロデュースされ、消費されました。(メッセージのプロパティーと本文はログレコードに記録されません。) 

デフォルトでは、出力ログレベルはアプリケーションの実行されている JRE から継承されます。JRE_DIRECTORY/lib/logging.properties ファイルを参照してレベルを確認してください。

ログはプログラムや設定ファイルを使用して設定できます。また、ログの発生する範囲を制御することもできます。次の節では、これらの機能について説明します。

JRE ロギング設定ファイルの使用

次の例は、JRE_DIRECTORY/lib/logging.properties ファイル内でログの名前空間とログレベルを設定する方法を示しています。この方法は Java ランタイム環境のログレベルの設定に使用されます。JRE を使用するすべてのアプリケーションが同じログ設定になります。次に示すサンプル設定では、名前空間 javax.jms.connection のログレベルをINFO に設定し、その出力が java.util.logging.ConsoleHandler に書き込まれるように指定しています。

#logging.properties file.
# "handlers" specifies a comma separated list of log Handler 
# classes. These handlers will be installed during VM startup.
# Note that these classes must be on the system classpath.
# By default we only configure a ConsoleHandler, which will only
# show messages at the INFO and above levels.

	handlers= java.util.logging.ConsoleHandler

# Default global logging level.
# This specifies which kinds of events are logged across
# all loggers. For any given facility this global level
# can be overriden by a facility-specific level.
# Note that the ConsoleHandler also has a separate level
# setting to limit messages printed to the console.

    .level= INFO

# Limit the messages that are printed on the console to INFO and above.

    java.util.logging.ConsoleHandler.level = INFO
    java.util.logging.ConsoleHandler.formatter = 
                                    java.util.logging.SimpleFormatter

# The logger with javax.jms.connection name space will write
# Level.INFO messages to its output handler(s). In this configuration 
# the ouput handler is set to java.util.logging.ConsoleHandler.

    javax.jms.connection.level = INFO

特定のアプリケーションに対するログ設定ファイルの使用

アプリケーションの実行に使用する Java コマンド行からログ設定ファイルを定義することもできます。このアプリケーションは、指定のログファイル内で定義された設定を使用します。次の例では、configFile JRE_DIRECTORY/lib/logging.properties ファイル内で定義されているものと同じ形式を使用します。

java -Djava.util.logging.config.file=configFile MQApplication

プログラムによるログ設定

次のコードでは、java.util.logging API を使用して、javax.jms.connection 名前空間のログレベルを FINE に変更することで、接続イベントをログ記録しています。このようなコードをアプリケーションに追加して、プログラムによるログ設定を行うことができます。

import java.util.logging.*;
//construct a file handler and output to the mq.log file 
//in the system's temp directory.

    Handler fh = new FileHandler("%t/mq.log");
    fh.setLevel (Level.FINE);

//Get Logger for "javax.jms.connection" domain.

    Logger logger = Logger.getLogger("javax.jms.connection");
    logger.addHandler (fh);

//javax.jms.connection logger would log activities   
//with level FINE and above.

    logger.setLevel (Level.FINE);

接続イベント通知

接続イベント通知を使用すると、Message Queue クライアントは接続のクローズおよび再接続イベントを待機して、通知タイプと接続状態に基づいて適切なアクションを起こすことができます。たとえば、フェイルオーバーが発生してクライアントが別のブローカに再接続された場合、アプリケーションはそのトランザクションの状態をクリーンアップしてから新しいトランザクションに進む必要があるかもしれません。

Message Queue プロバイダは、接続について深刻な問題を検出した場合、接続オブジェクトの登録済みの例外リスナーを呼び出します。このプロバイダは、リスナーの onException メソッドを呼び出し、問題を記述する JMSException 引数にこれを渡します。Message Queue プロバイダはイベント通知 API も提供し、これを使用してクライアントランタイムは、接続状態の変更をアプリケーションに通知できます。通知 API は次の要素によって定義されます。

次の節では、通知をトリガーできるイベントと、イベントリスナーの作成方法について説明します。

接続イベント

次の表は、イベントリスナーによって返されるイベントについて説明したものです。

接続イベントの発生時に JMS 例外リスナーは呼び出されません。例外リスナーが呼び出されるのは、クライアントランタイムの再接続の試行回数が上限に達してしまった場合のみです。クライアントランタイムは、常に例外リスナーの前にイベントリスナーを呼び出します。

表 1–8 通知イベント

イベント タイプ 

意味 

ConnectionClosingEvent

Message Queue クライアントランタイムは、管理者のシャットダウン要求によって接続がクローズされようとしているという通知をブローカから受信したときに、このイベントを生成します。 

ConnectionClosedEvent

Message Queue クライアントランタイムは、ブローカのエラーによって接続がクローズされたか、管理者のシャットダウン要求または再起動要求によって接続がクローズされたときに、このイベントを生成します。 

イベントリスナーが ConnectionClosedEvent を受信すると、アプリケーションは受信したイベントの getEventCode() メソッドを使用して、クローズの原因を指定するイベントコードを取得します。

ConnectionReconnectedEvent

Message Queue クライアントランタイムがブローカに再接続されました。このブローカは、このクライアントが以前接続していたものと同じ場合もありますが、別のブローカの場合もあります。 

アプリケーションは、受信したイベントの getBrokerAddress メソッドを使用して、再接続先のブローカのアドレスを取得することができます。

ConnectionReconnectFailedEvent

Message Queue クライアントランタイムがブローカへの再接続に失敗しました。再接続の試みに失敗するたびに、ランタイムは新しいイベントを生成し、それをイベントリスナーに配信します。 

接続イベントの発生時に JMS 例外リスナーは呼び出されません。呼び出されるのは、クライアントランタイムの再接続の試行回数が上限に達してしまった場合のみです。クライアントランタイムは、常に例外リスナーの前にイベントリスナーを呼び出します。 

イベントリスナーの作成

次のコード例は、接続イベントリスナーの設定方法を示したものです。接続イベントが発生するたびに、イベントリスナーの onEvent メソッドがクライアントランタイムによって呼び出されます。

//create an MQ connection factory.

com.sun.messaging.ConnectionFactory factory =
        new com.sun.messaging.ConnectionFactory();

//create an MQ connection.

com.sun.messaging.jms.Connection connection = 
       (com.sun.messaging.jms.Connection )factory.createConnection();

//construct an MQ event listener.  The listener implements 
//com.sun.messaging.jms.notification.EventListener interface.

com.sun.messaging.jms.notification.EventListener eListener = 
       new ApplicationEventListener();

//set event listener to the MQ connection.

connection.setEventListener ( eListener );

イベントリスナーの例

この例では、アプリケーションが、そのイベントリスナーが接続イベントをアプリケーションのロギングシステムに記録するように選択します。

public class ApplicationEventListener implements
				com.sun.messaging.jms.notification.EventListener {

public void onEvent ( com.sun.messaging.jms.notification.Event connEvent ) {
      	log (connEvent);
}
private void log ( com.sun.messaging.jms.notification.Event connEvent ) {
	      String eventCode = connEvent.getEventCode(); 
      	String eventMessage = connEvent.getEventMessage();
    	  //write event information to the output stream.
     	}
}

ハードウェアとソフトウェアの要件

Version 4.0 のハードウェアとソフトウェアの要件については、Sun Java System Application Server Platform Edition 9 の『リリースノート』を参照してください。

今回のリリースで修正されたバグ

次の表に、Message Queue の 4.1 バージョンで修正されたバグを示します。

表 1–9 Message Queue 4.1 で修正されたバグ

バグ 

説明 

6381703 

処理されたリモートメッセージが、そのメッセージの発信元のブローカが再起動された場合に、2 回コミットされることがあります。 

6388049 

未完了の分散トランザクションをクリーンアップできません。 

6401169 

imqcmd のコミットおよびロールバックオプションで、確認のプロンプトが表示されません。 

6473052 

自動作成されたキューのデフォルトはラウンドロビンであるべきです。(MaxNumberConsumers = -1)。

6474990 

ブローカのログに、imqcmd list dst コマンドに対して ConcurrentModificationException が示されます。

6487413 

LimitBehavior が REMOVE_OLDEST または REMOVE_LOWER_PRIORITY のときに、メモリーがリークします。

6488340 

ブローカがスピンし、クライアントは確認に対する応答を待機します。 

6502744 

ブローカが、デッドメッセージキューのデフォルト制限 (1000 のメッセージ) を尊重しません。 

6517341 

クライアントが高可用性クラスタへ接続している際の、再接続ロジックを、imqReconnectEnabled プロパティーの値に関係なく再接続を可能にするように改善すべきです。

6528736 

起動時に Windows 自動起動サービス (imqbrokersvc) に障害が発生します。

6561494 

両者が 1 つのセッションを共有していると、メッセージが間違ったコンシューマに配信されます。 

6567439 

PREPARED トランザクションの生成メッセージがブローカの再起動後にコミットされた場合、それらのメッセージは順序どおりに配信されません。

次の表に、Message Queue 4.0 で修正されたバグを示します。

表 1–10 Message Queue 4.0 で修正されたバグ

バグ番号 

説明 

4986481 

Message Queue 3.5 では、自動再接続モードでの Session.recover の呼び出しがハングすることがありました。

4987325 

Session.recover の呼び出し後に、再配信されたフラグは再配信されたメッセージに対して false に設定されました。

6157073 

新しく接続メッセージが変更され、接続の合計数のほかにサービス上の接続数も表示されるようになりました。 

6193884 

Message Queue は、メッセージに非アスキー文字を使用するロケールで文字化けメッセージを syslog に出力します。 

6196233 

JMSMessageID を使用したメッセージ選択が機能しません。

6251450 

クラスタのシャットダウン時、 connectListConcurrentModificationException が発生します。

6252763 

java.nio.HeapByteBuffer.putLong/Int java.nio.BufferOverflowException が発生します。

6260076 

Oracle ストレージを使用すると、起動後に発行される最初のメッセージが遅くなります。 

6260814 

JMSXUserID 上のセレクタ処理が、常に false と評価されてしまいます。

6264003 

キューブラウザにコミットされていないメッセージが表示されます。 

6271876 

消費されていないメッセージを含むコンシューマを閉じようとすると、接続フロー制御が正しく動作しなくなります。 

6279833 

Message Queue では、2 つのブローカが同じ JDBC テーブルを使用することはできません。 

6293053 

システム IP アドレスが変更された場合、—reset store を使用してストアをクリアしていないと、マスターブローカが正しく起動しません。

6294767 

Message Queue ブローカがネットワークソケットを開く場合、そのネットワークソケット上に SO_REUSEADDR を設定する必要があります。

6304949 

TopicConnectionFactoryClientID プロパティーを設定することができません。

6307056 

txn ログがパフォーマンス上のボトルネックになっています。

6320138 

Message Queue C API では reply-to ヘッダーからキューの名前を決定することができません。 

6320325 

Solaris 上に JDK 1.4 と JDK 1.5 の両方がインストールされている場合、ブローカが JDK 1.5 より前に JDK 1.4 を検出してしまうことがあります。 

6321117 

マルチブローカクラスタの初期化で java.lang.NullPointerException が発生します。

6330053 

サブスクライバからトランザクションをコミットしている場合、JMS クライアントで java.lang.NoClassDefFoundError が発生します。

6340250 

C-API で MESSAGE タイプをサポート。

6351293 

Apache Derby データベースへのサポートを追加。 

重要情報

この節には、製品の主要マニュアルには含まれていない最新の情報が含まれています。この節は、次のトピックで構成されています。

インストール時の注意事項

Solaris、Linux、および Windows プラットフォーム上に Message Queue Platform Edition をインストールする場合のインストール前の指示、アップグレード手順、その他の関連情報については、『Sun Java System Message Queue 4.1 Installation Guide 』を参照してください。

Message Queue Enterprise Edition を Solaris、Linux、および HPUX の各プラットフォームにインストールする際の、インストール前の手順、および他の関連情報については、『 Sun Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。

Solaris、Linux、HPUX および Windows プラットフォーム上の Message Queue Enterprise Edition へのアップグレードに関連するアップグレードおよび移行の指示については、『Sun Java Enterprise System Upgrade and Migration Guide』を参照してください。

互換性の問題

この節では、Message Queue 4.1 の互換性の問題を説明しています。

インタフェースの安定性

Sun Java System Message Queue で使用される多くのインタフェースは、時間の経過につれて変更される可能性があります。『Sun Java System Message Queue 4.1 Administration Guide』の付録 B「Stability of Message Queue Interfaces」では、インタフェースをそれらの安定性に従って分類しています。安定性に優れるインタフェースほど、製品の後継バージョンで変更される可能性は低くなります。

Message Queue の次回のメジャーリリースに関係する問題

Message Queue の次回のメジャーリリースでは、クライアントがこのリリースとの互換性がなくなるような変更が導入される可能性があります。この情報は、このような変更に備えていただく目的で今回提供しています。

Message Queue 4.1 に関するマニュアルの更新

この『リリースノート』のほかに、Message Queue 4.1 にはもう 1 つ新しいマニュアルが追加されています。それは、『Sun Java System Message Queue 4.1 Developer’s Guide for JMX Clients 』です。このマニュアルは、Message Queue の 4.0 リリースで導入されました。4.1 バージョンでは、JMX モデルを紹介する概念上の情報が追加されました。

Message Queue 3.6 SP3, 2005Q4 用に発行された Message Queue のマニュアルが、Application Server 9 PE クライアントの要件に関連して更新されました。このマニュアルセットは次の場所で入手できます。

http://docs.sun.com/app/docs/coll/1307.1

また、一部のマニュアルは、翻訳されており、http://docs.sun.com/app/docs/coll/1374.1 から入手できます。

インストールとアップグレードに関する情報

『Sun Java System Message Queue 4.1 Installation Guide 』は、プラットフォーム固有の情報を反映するように更新されました。このマニュアルには、Message Queue 4.1 に関連したインストールおよびアップグレードの情報が含まれるようになりました。

『管理ガイド』

管理ガイド』が、高可用性クラスタ、JAAS サポート、および JMX サポートの情報を提供するように更新されました。

『Developer's Guide for Java Clients』

Developer’s Guide for Java Clients』は、クライアントランタイムのログサポート、および接続イベント通知の追加情報を反映するように更新されました。

『Developer’s Guide for C Clients』

Developer’s Guide for C Clients』は、MQGetDestinationName 関数、MQ_Message メッセージタイプ、および固定ポートの追加情報を反映するように更新されました。

既知の問題点と制限事項

この節には、Message Queue 4.1 の既知の問題についてのリストが含まれています。次の内容について説明します。

現時点のバグ、その状態、および回避策の一覧については、Java Developer Connection™ メンバーは、Java Developer Connection Web サイトの「Bug Parade」ページを参照してください。新しいバグを報告する前に、このページをチェックしてください。すべての Message Queue バグがリストされているわけではありませんが、このページはある問題が報告済みかどうかを知りたい場合に活用できます。

http://bugs.sun.com/bugdatabase/index.jsp


注 –

Java Developer Connection のメンバーになるのは無料ですが、登録が必要です。Java Developer Connection のメンバーになる方法についての詳細は、Sun の「For Developers」Web ページを参照してください。


新しいバグの報告や機能に関する要求を行うには、imq-feedback@sun.com 宛てにメールを送信してください。

インストールに関する情報

この節では、Message Queue version 4.1 のインストールに関連した問題について説明します。

製品レジストリと JES

Message Queue の Version 4.1 は、新しいインストーラでインストールされます。このインストーラは、JDK、NSS ライブラリ、JavaHelp など、Message Queue が必要とする共有コンポーネントもインストールおよびアップグレードします。このインストーラと Java Enterprise System (JES) インストーラは、同じ製品レジストリを共有しません。JES でインストールされたあるバージョンの Message Queue が削除され、Message Queue インストーラで Message Queue 4.1 にアップグレードされた場合、JES 製品レジストリは矛盾する状態になることがあります。その結果、JES アンインストーラを実行すると、JES でインストールしなかった Message Queue 4.1 とそれが依存する共有コンポーネントが意図せずに削除されることがあります。

JES インストーラでインストールしたソフトウェアをアップグレードする最善の方法は、次のとおりです。

  1. JES アンインストーラを使用して、Message Queue とその共有コンポーネントを削除します。

  2. Message Queue インストーラを使用して、Message Queue 4.1 をインストールします。

適切な JRE の選択

Message Queue 4. 1 Installer JDK Selection Screen を使用すると、Message Queue で使用するシステムで既存の JDK/JRE を選択できます。残念ながら、示されているリストには、インストーラアプリケーションの実行に使用する JRE も含まれています。この JRE は、インストーラバンドルの一部であり、実際にシステムにインストールされることはありません。(バグ 6585911)

インストーラが使用する JRE はそのパスによって判別可能です。このパスは、解凍されたインストーラディレクトリ内に存在し、サブディレクトリ mq4_1–installer が含まれているはずです。次に例を示します。

some_directory/mq4_1–installer/usr/jdk/instances/jdk1.5.0/jre

この JRE は Message Queue での使用には選択しないでください。代わりに、システム上の別の JDK を選択してください。別の JDK が存在しない場合は、プラットフォームに適した処置を講じてください。

Windows でのインストール

Message Queue を Windows にインストールするときは、次の制限事項に注意してください。

Solaris でのインストール

エラーメッセージおよび「未完了」の概要状態は、installer-n コマンドを使用してインストールしようとしているユーザーの誤解を招きます。コマンドは実際には正常に動作しています。(バグ 6594351)

Linux でのインストール

次に示す問題は、Linux プラットフォームでのインストールに影響します。

すべてのプラットフォームでのインストール

次に示す問題は、すべてのプラットフォームでのインストールに影響します。

バージョン情報

インストーラには、Message Queue のバージョン情報が隠された形式で表示されます。(バグ 6586507)

Solaris プラットフォームの場合は、下の表を参照して、インストールされているバージョンを判別してください。

表 1–11 バージョンの形式

インストーラで表示されるバージョン 

Message Queue のリリース 

4.1.0.0 

4.1 

3.7.0.1 

3.7 UR1 

3.7.0.2 

3.7 UR2 

3.7.0.3 

3.7 UR3 

3.6.0.0 

3.6 

3.6.0.1 

3.6 SP1 

3.6.0.2 

3.6 SP2 

3.6.0.3 

3.6 SP3 

3.6.0.4 

3.6 SP4 


注 –

3.6 SP4 のパッチリリースの場合 (たとえば、3.6 SP4 Patch 1)、インストーラで表示されるリリース文字列は同じままです。厳密なバージョンを判別するには、コマンド imqbrokerd –version を実行する必要があります。


Linux プラットフォームの場合は、簡単に形式を変換できません。Linux 上のインストーラで表示されるバージョン番号は、次の形式になります。

<majorReleaseNumber>.<minorReleaseNumber>-<someNumber>

たとえば、3.7–22 のようになります。これにより、3.7 リリースの 1 つであることがわかりますが、どの特定のバージョンかはわかりません。それを判別するには、コマンド imqbrokerd —version を実行します。

ローカリゼーションの問題

次に示す問題は、ローカリゼーションの問題に関係しています。

使用されなくなったパスワードオプション

以前のバージョンの Message Queue では、—p または —password オプションを使用して、次のようなコマンドのパスワードを対話形式で指定することができました。imqcmdimqbrokerdimdbmgr version 4.0 から、これらのオプションは使用できなくなりました。パスワードを指定するには次の手順に従います。

  1. パスワードのみを格納するために使用するファイルで、パスワードプロパティーを必要な値に設定します。

    パスワードファイル内で、次の構文を使用してパスワードを指定します。

    PasswordPropertyName= MyPassword

  2. —passfile オプションを使用してパスワードファイルの名前を渡します。

パスワードファイルには、次に示すパスワードを 1 つ以上格納することができます。

次の例では、JDBC データベースに対するパスワードに abracadabra を設定しています。

imq.persist.jdbc.mysql.password=abracadabra

ブローカがユーザー作成のパスワードファイルを使用するように設定するには、次のいずれかの方法を実行します。

一般的な問題

この節では Message Queue 4.1 の一般的な問題を説明しています。中には以前のバージョンの Message Queue で発生した問題もあります。

管理および設定上の問題

次に示す問題は Message Queue の管理および設定に関係するものです。

ブローカの問題

次に示す問題は Message Queue ブローカに影響します。

ブローカクラスタ

次に示す問題は、クラスタ化したブローカに影響します。

JMX の問題

Windows プラットフォームでは、トランザクションマネージャーの監視 MBean の getTransactionInfo メソッドが不正なトランザクションの作成時間を含むトランザクション情報を返します (バグ ID 6393359)。

回避策: 代わりにトランザクションマネージャーの監視 MBean の getTransactionInfoByID メソッドを使用します。

SOAP のサポート

SOAP サポートに関連した 2 つの問題に注意する必要があります。

再配布可能なファイル

Sun Java System Message Queue 4.1 には、バイナリ形式で使用でき自由に配布可能な次のファイルのセットが含まれています。

fscontext.jar

jms.jar

imq.jar

libmqcrt.so (HPUX)

imqjmx.jar

libmqcrt.so (UNIX)

imqxm.jar

mqcrt1.dll (Windows)

jaas.jar

 

さらに、LICENSE ファイルおよび COPYRIGHT ファイルも再配布できます。

障害を持つユーザー向けのアクセシビリティー機能

このメディアの出版後にリリースされたアクセシビリティーを入手する場合は、請求に応じて Sun から提供される 508 条に関する製品評価資料を参照し、使いやすいソリューションの配備にもっとも適したバージョンを調べてください。最新バージョンのアプリケーションは、http://sun.com/software/javaenterprisesystem/get.html にあります。

アクセシビリティーに対する Sun の取り組みについては、http://sun.com/access を参照してください。

問題の報告とフィードバックの方法

Sun Java System Message Queue に問題が発生した場合は、次のいずれかの方法で Sun のカスタマサポートにお問い合わせください。

最善の問題解決のため、サポートに連絡する際には次の情報をご用意ください。

Sun Java System Software Forum

次のサイトでは、Sun Java System Message Queue フォーラムが利用できます。

http://swforum.sun.com/jive/forum.jspa?forumID=24

ご参加を歓迎いたします。

Java Technology Forum

Java Technology Forums には、関連する JMS のフォーラムがあります。

http://forum.java.sun.com

このマニュアルに関するコメント

弊社では、マニュアルの改善に努めており、お客様からのコメントおよびご忠告をお受けしております。

コメントを送るには、http://docs.sun.com にアクセスして「コメントの送信」をクリックしてください。このオンラインフォームでは、マニュアルのタイトルと Part No. もご記入ください。Part No. は、マニュアルのタイトルページか先頭に記述されている 7 桁または 9 桁の番号です。このマニュアルのタイトルは『Sun Java System Message Queue 4.1 リリースノート 』で、Part No. は 820-3191 です。

その他の情報

次のインターネットのサイトで、Sun Java System の情報を参照できます。