Solaris Bandwidth Manager 1.6 のシステム管理

TOS (Type of Service) のサポート

IP パケットには TOS (Type Of Service) フィールドがあります。このフィールドの目的は、パケットが処理される方法を伝えることです。Solaris Bandwidth Manager はこの情報を使用して、パケットをクラス分けできます。また、Solaris Bandwidth Manager はこの情報を変更して、パケットが処理される方法に影響を与えることができます。

IP 仕様における TOS 定義の要約については、「IP 仕様の TOS」を参照してください。Solaris Bandwidth Manager が TOS と連携する方法については、「Solaris Bandwidth Manager と TOS」を参照してください。

IP 仕様の TOS

IP 仕様では、IP パケットのヘッダーにおける TOS フィールドも定義されています。このフィールドは、パケットの経路制御を最適化する方法について、上位層プロトコルによってインターネット層へ情報提供するのに使用されることが想定されています。

ネットワークトポロジは、パケットの発信元と着信先との間に複数の経路が存在することを意味します。いくつかの経路は他の経路よりも信頼性が高く、また高価な (呼び出し設定料や使用料が高い) 経路や、低コストだが低速な経路もあります。パケットに最適な経路はアプリケーションやユーザーによって異なり、時刻など他の要素によっても変わる可能性があります。たとえば、リモートシステムを監視するシステム管理者の場合、コストに関係なく警報トラフィックをできるだけ迅速に受信する必要があります。これは警報トラフィックを経路指定するコストはシステム障害によるコストよりもはるかに低いためです。しかし、翌日の仕事に備えて終業時刻間際に同じリモートシステムから ftp で文書を入手する場合は、低コストで低速な経路で十分です。

インターネット層は、アプリケーションやユーザーに対して経路を最適化する方法に関して直接的な知識を持っていません。TOS 機能は、いかにパケットを最適に経路付けるかについてのヒントを提供するのに使用されることが想定されていました。これは、待ち行列アルゴリズムと経路制御アルゴリズムの両方に影響を与えます。TOS 機能には、3 ビットの優先度フィールドと 4 ビットの TOS フィールドがあります。優先度フィールドの設定値は、優先順位を示す次の値のうちの 1 つを示します。

次に、TOS フィールドに設定できる値を示します。

TOS 機能は従来、あまり使用されていませんでした。しかし、IETF (Internet Engineering Task Force) は、現在、TOS 機能の定義を変更し、その使用を推進しています。

Solaris Bandwidth Manager と TOS

TOS (Type of Service) 機能は IP プロトコルによって提供され、個々のパケットがインターネットを介して送信される方法を伝えます。TOS フィールドは、ゲートウェイ動作における経路制御アルゴリズムと待ち行列アルゴリズムを制御します。

TOS バイトには、優先度フィールド、TOS フィールド、および空のフィールドがあります。

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詳細は、P.Almquist 著の RFC 1349『Type of Service in the Internet Protocol Suite』を参照してください。